ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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決断
新聞社が政府の極秘文書をすっぱ抜くべきか悩みます。
難しかったが面白かった。
新聞社にとっての正義とは何か、存在意義とは何か…という本筋も当然良かったが、それ以上に主人公、女性経営者の葛藤が刺さった。
彼女はいわゆるお飾りであり、非常に軽んじられている。序盤は自信も無くオドオドしているが、後半になるにつれ自覚を持ち、自信が無いながら戦っていく…「軽視されている人間が戦うには、自身が持つ全てを賭けなければならない」
この難しさはストーリー以上にキャストの覚えにくさに起因するのでは…おっさんばかりだし。史実通りだし、仕方ないんだけどね。
良かったんだけれど、特筆することはあまり無い。ただ、監督の思い通り、今見るべき映画だとは思った。本場米国でも、ここ日本においても。
考えさせられた
イエスかノーを決断するだけ
外国人の顔が皆同じに見えて、
名前も同じに聞こえて、ただ演技がうまいなということくらいしか最初印象に残らなかった。
前の席の中年夫婦が映画始まってるのにしゃべっていて、気になってしかたなく集中しづらかった。
後半はやっと慣れてきて、内容と顔と名前が一致するように。世界観だけは最初から掴んでいたつもり。
見せ方、つまりメリル・ストリープのネグリジェぽい姿のまま役員たちと重要な決断を下す場面や、新聞を刷る印刷所の場面など、見せ方だけで観客にどんな観賞を覚えさすかなど、スピルバーグの思惑通りと思います。
ケイが具体的にどれくらい仕事をしていたのか、ベンがどれだけの記事をこれまで作れていたのか、そういう働く人の現実的なシーンが少なく、そんな二人の活劇を見せられても感動し辛かったです。
上の人たちがイエスかノーかを言うだけの話に見えました。意思を聞いてももらえない下の人はいつも置いてけぼりです。
「大統領の陰謀」前日譚
メリル・ストリープの極上の演技
スピルバーグ、メリル・ストリープ、トム・ハンクスとならんだだけで、見るしかない!ということで鑑賞。
面白かった!これは、正義とは何かを問う物語であり、メリル・ストリープ演じるケイとトム・ハンクス演じるベンの成長物語であり、メディアの役割を問う物語でありました。
正義や友情、責任、立場などなどケイと同じように、様々な物の中で生きている私たちの心を揺さぶり、何が正しいかは自分が決めるのだ!周りの奴らに自分の未来をのっとられてはいけないーーー!!言い訳に逃げてはいけないーーー!自分の責任は全て自分にあるのだアーーー!と、投げつけられているようでした。
ケイの「私は寝ます!」に号泣&かっこいーーー!作品冒頭でkoされたベンの心まで動かした姿に感動!
ケイの強さも弱さも知った私には、泣く意外の選択肢はありませんでした。
単純に働く大人たちとしても、みんなかっこいいし、どこで切り取っても良いなという作品。
そしてさすがはスピルバーグ、エンディングの切れ味も最高。巨匠の力作。見逃す手はありません。
アメリカの歴史に対するリテラシーは多少必要なので歴代大統領の知識を入れて、もう一度見るのもいいかもです。
信念
ワシントンポスト
トム・ハンクスは裏切らない
ベトナムから遠く離れて
悪くはない。悪くはないんだけど、ストーリー展開と言い、トム・ハンクス+メリル・ストリープというキャスティングと言い、王道すぎて今ひとつ感興が湧かない。
こういう報道機関のスクープものはいくつか先例があるが、今回は自らが調査した成果というわけではないところがいかにも弱い。政治家と親交のある社主のジレンマも描き方が中途半端だ。
それでも政府関係者が実名で登場するというのは、日本映画ではあまり見かけない気がする。日本映画は何なんだろう。それこそ政権側への忖度があるんだろうか。悪い政治家と言えば時代劇に出てくる得体の知れない悪代官ぐらいで、新聞社も相変わらず“毎朝新聞”だ。実際の巨悪に立ち向かおうという気概のある映画人はいないのだろうか?
脚本も秀逸
予備知識もあまりない状態で見たのですが、とても面白かったし感動しました。
ワシントンポストの株式公開の話が始めのほうに出てきて、難しいかな?私に分かるかな?と心配でしたが、何とか分かりました。
そして編集主幹のブラッドリーたちが自宅でレモネードを飲みながら何千枚もの文書を整理して記事にするシーンには本当にはらはらしました。
でもやはり何といっても見所は社主のキャサリンですね。彼女の視点をメインにした事が、この作品の面白さのポイントになっていると思います。こういう状況で決断したキャサリン(メリル・ストリープ)にエールを送りたい。
本当に見て良かった映画でした。
スポットライトみたいな映画と...
震えながら決断する社主と新聞に涙
史実をもとにした映画。登場人物の名前はちょっとずつ違う。
基本的には全編シリアス。ワシントンポストとニューヨークタイムズのライバル関係から共闘関係に変化するのがとても熱い。
報道の自由と機密文書はいつの時代だって衝突するけど、機密文書が国益を大きく損なう事実や決断を隠して国民を騙していたとしたら、民主主義国家では政府や政府のトップを弾劾する権利がある。実際、本作で問題となるニクソン政権はこのペンタゴン・ペーパーズ後のウォーターゲート事件も引き起こし、任期半ばにして倒れた(ニクソン大統領は弾劾された)。
当時のアメリカにあって、働く女性はずっと軽んじられ、職場での大きな役割も求められていなかったんだろうなと感じる。本作は、政権対報道という構図の中で、男性社会対女性社主という構造ももっている。
ニューヨークタイムズが機密文書を報道したことで裁判所から差し止め命令が出たのをきっかけに様々な新聞社が尻込みするが、ワシントンポスト記者は「喜んで巻き込まれたいね!!」と記者魂を発揮。それに対して困った顔を見せるのがワシントンポストの役員達だった。特に社主(メリル・ストリープ)は、父親と夫から引き継いで家族で守ってきた新聞社を潰したくないし、株も公開したばかりだし、ニクソン政権に友人もいるという立場。機密文書の記事を掲載するには、多くの物を失う覚悟をする必要があった。でも、最終的に、震えながらも自ら決断した。
そうして印刷され配送される新聞の姿が、とても印象に残る作品だった。
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