日日是好日のレビュー・感想・評価
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余韻に浸りたくなる。
日本で成長する女性の美しい姿。
日本の美しい文化の中で成長していく女性を描いた作品。何も興味のなかった1人の大学生が茶道を通じて強く成長していくというベタな展開だけど見ていて応援したくなる。黒木華は途中一緒に茶道を習ってた友達が結婚したり、父親が亡くなったり、婚約者に裏切られたり様々な波があるがそれも茶道を続けながら乗り越えていく強い女性として描かれてるけど、月日毎に役もハマっていて自然です。この映画を見て強さ=美しさという事を改めて感じた。成長していく典子(黒木華)を見つめる武田先生(樹木希林の姿はまるで自分の跡取りとして見守っているかのような雰囲気でなんとも複雑な気持ちになった。
掛軸の魅力
黒木華ちゃんショートも似合う‼︎
樹木希林さん
やっぱり味があっていいですね
もう演技が見れないのはとても残念です...
掛軸から季節や想いを感じたり
海辺で亡くなった父親に有難うと叫ぶシーン
華ちゃん可愛かったです。
無条件で良い子だ‼︎
まったり感が良かったです。
光の移ろい
終わりよければ
とても気持ちのいい味わい深い作品だった。何を言えばこの作品から得られた物を言葉に出来るのか考えながら帰宅したが未だに纏まらないほどに満たされている感覚がありますが、端的に言えば「心健やかにあるための指南書」ではないかと感じました。
節句すらも忙しさからわからなくなる昨今、二十四節気と言われてもピンと来ない方は多いと思いますが、自然に寄り添ってきた日本人の知恵は時を重ね忘れ去られようとしても、すんなり腑に落ちる感覚があるのが、自分も日本人なんだなと思えた瞬間でした。霜降となり朝晩の寒さを感じますが、寒さにまけず二度とない今日を良き日で終われる事に感謝し、明日も良き日で終われる様に努力する。そういう事を思い出させて貰えた、そんな作品だったのでは無いかと思います。
最後に、和菓子素敵でした。
静かな映画
とても静かな映画でした。
こんな映画を観たのは初めてかもしれません。
物語では時が淡々と流れひとりの女性が成長してゆく。そこには茶道がありました。
茶室の中で耳にするのはお茶を点てるときの音、時が移ろってゆくなかで、日本の自然が季節ごとにつくる雨や風の音、そんな音たちが茶室で奏でられます。そしてひとのこころにやすらぎと、心地よさ与えてくれる。茶道には日常で体験できないとても安らかな時間があるんだなと感じました。
すこし映画から離れてしまいますが、千利休から始るお茶の歴史その中であの荒々しかった戦国武将達も同じ体験をしていたのだろうか?ふと思いをはせました。戦(いくさ)の荒々しさの中茶道の静寂は彼らにとってきっと、精神を休める心のよりどころだったのかも知れないと思いました。
さて映画に戻りましょう樹木希林さんの遺作となったこの作品。
彼女が与えてくれた静かな感動は、彼女が死と向かい合った一人の人間だったことと無縁ではないと思うのです。老いは人間にとってさけられないそんな中「一期一会」そして「日日是好日」を実践されていたと思うのは私だけではないと思います。
そんな茶道の先生役の希林さんに茶道を習うのが黒木華さんと多部未華子さん。(お二人とも私の好きな女優さんです)ふたりはこの物語で対照的な役どころ。彼女たちにはそれぞれの歩んでゆく道があり、それぞれの茶道への関わりがありました。そして時は淡々と二人の人生をすすめてゆき二人とも、それぞれの「一期一会」と「日日是好日」を実感する事になります。物語を観ている方にはそんな日常が伝わるのはないでしょうか?そして自分にもあるのでは・・・
華さんをやさしく見守るのはお父さん役の鶴見慎吾さん。
彼は亡くなる前に、一人暮らしを始めた華さんに会おうと彼女に電話をかけるのですが大事な用事が入っていると断られてしまいます。これも「一期一会」、華さんに大きな悲しみをつくってしまいます。
どうすることもできない別れ、これも私達の周りに必ず起こることです。自分に縁のある親しい人たちには合える時に会おうと思いました。
最後にこの映画の本当の主役は人間というよりもむしろ、茶道に関わるお茶室といろいろな茶道具そして「茶道」そのものではと思いました。そこには日本(日本人)の凛とした至誠や自然を感じ取る感性あるんだと感じました。
本当に優しい映画でした。観て良かったです。
「一期一会」「日日是好日」を大切に。
🍵茶道の奥深さ
ほっとする
落胆も大きいが日日是好日
心に沁み入るような作品でした
主人公・典子が母親の勧めで何気なく始めた茶道を通じて、感じ、そして学んだ様々な人生訓を、20数年に亘る武田先生との子弟関係を絡めて描いた作品。原作未読。所作の「形」を学んだその先に、自然と人の世の移り変わりにさり気なく寄り添う茶道の深遠な世界を垣間見たような気がしました。毎年毎年、同じように繰り返されるお茶事には何か悠久の営みのようなものを感じます。その前では、人の苦しみや悲しみも季節の移ろいのようなもので、毎日を迎えられたことこそが僥倖であり、それが作品のタイトルである「毎日が好日(よきひ)」に通ずるのでしょう。主人公の20数年を一人で演じた黒木華さんが見せる多彩な表情は、多感な主人公の心情を映し実に見事でした。そしてその主人公の人生の困難な時も優しく包み込む先生役の樹木希林のたおやかさが何とも心地良く、観る者の心まで慰さめてくれるようでした。「続けられることが幸せ」、武田先生の最後のこの言葉は、生涯役者を貫いた樹木希林さんの人生とも重なって心に染みました。合掌。
女優と日本伝統にうっとり
何気なく観たのですが、実に良い映画だったと思います。
茶道を通じて若い女性が人生を学んでゆく姿が、清涼な空気感の中で語られていて心地よい。日本の伝統的所作の美しさ、特に茶道における手先の美しさにうっとりとしました。静かだけど、決して退屈することはありません。
女優陣が皆さん素晴らしい演技をする中で、やはり樹木希林の存在感と緩急付けた芝居が作品に面白さと深味を与えてます。
新年の茶席で希林さん演じる先生の挨拶は、この映画のタイトルにも、女優樹木希林の生き様にも通じるもので感動的でした。
がん告知から数年の希林さんの演技はどれも素晴らしく、リアリティー溢れる人間像でした。
共演の黒木華、多部未華子等、若い女優に彼女の魂が受け継がれる事を信じ、冥福を祈りたいと思います。
雨音がこれほど心洗わる気分にさせてくれる映画はなかなかない
「頭で考えずに手を信じなさい。」
なるほど、その言葉の意味するところがすとんと腑に落ちてきた。現代人はなにかと、それは何故か、その意味はどこにあるのか、と納得ができないと気が済まない質である。それは、ググればたいていのことが明らかになる世の中になってしまったからであろう。400年以上も続いてきた茶道には堅苦しそうな様々な形があり、初心者には不可解な決め事が多いと映る。だけど、その形にはそれなり理由がある。何度も何度も繰り返すことで、いつしか自然とその無駄のない動きとなっていく。その時に「頭で考えないうちに手が動く」所作となっている。その言葉の意味を、この映画は押し付けがましくもなく教えてくれる。
「世の中には直ぐにわかることと、直ぐにはわからないものがある。」と言う言葉もそうだ。「気づき」を知った人は、日々これまで気にも留めなかったことに気づきだす。すると、自分に関わる全ての人、もの、感情、季節、気象、日々変わっていくもの、変わらないもの。そんな諸々の物事が愛おしくなる。本当に大切なことは、あとからゆっくりと気付くのだ。そしてそれに気付いたからこそ、とめどなくじんわりと流れる典子の涙が清らかなのだ。
この映画は雨のシーンが多い。あるシーンで典子が床の間に掛けられた言葉に気付く。そして何かを思い出しながら、優しい笑顔をしたまま目に涙を溜めた。とても心優しいシーンだった。僕も、先生が雨模様の天気に合わせて選んだ掛け軸だと気付いていた。典子も、そう感じたのだ。先生のその気持ちに気付いて、今の自分の境遇と重ね合わせて、自然と潤んできたのだ。そんな典子の感情を共有するかのように、微笑みとともに僕の目にも涙があふれた。
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