日日是好日のレビュー・感想・評価
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日本文化って良いなあ〜〜
原作は未読です。 なので映画だけの感想です。 平日午後に観に行ったので おそらく茶道をされているのであろう雰囲気の方が多く 前半部分に出てくる「茶道あるある」的なエピソードに 楽しそうに笑っておられて 茶道なんかわかんない!と思ってる方でも すんなりに話しに入っていけます。 特に大きな事件がある訳ではなく 黒木華が演じる一人の女性が 25年程の間に起きる出来事 失恋したり、就職試験に落ちたり そんなことを経験しながら茶道を続けることで より茶道を深く理解してゆく過程を丁寧に映像化しています。 そして四季折々の掛け軸や器の選び方 和菓子の美しさ、そして全てを統合する茶室の豊かさ。 茶道の精神とも言える一期一会の美しさと 何でもない日々が続くことの有り難さ〜〜 日本文化って良いなあ〜〜 と私は、涙が出ました。 星五つは、こんな素敵な映画を 作ってくれた全てのスタッフへの感謝の数です。 よく行く映画バーのマスターと話した時、 こんな映画こそ、 海外の映画祭に出せば良いのにと意見が一致しました。 これこそ、ザ、日本映画〜〜。 で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては とにかく、映画の全てが上手い!! 先ほども書いた通り、入り易い笑える話から だんだんと精神的な高みに内容が深くなってゆく過程が 無理がなくて、上手い!! 「瀧」と書かれた掛け軸から 飛沫がほとばしる瀑布を想像する 日本文化のイマジネーションの豊かさ! 唸らされました! 普段あまりパンフレットは買わない方ですが この映画では、映画の中で使われた掛け軸や 器やお菓子がパンフレットで解説されているので 映画の余韻を楽しむ意味で買ってみても良いと思います。 一番目立っている3人はもちろんですが 黒木華の父親役の鶴見辰吾! 娘を思う父をさり気なく演じてして、ほんと、泣けました! 改めて、重厚な役からコミカルな役まで軽々とこなす 樹木希林さんがもういないことに涙、そして、合掌。 @もう一度観るなら? 「近いうちに映画館でもう一度観ます!」
心に沁みる美しい映画
全編を通して、水の音、風の音、川の音や空気感による季節の移ろいと、お茶を愉しむ時の穏やかな心が表現されていました。それが何より心地よく、茶道を経験したことのない私でも、その心を感じることができたように思います。 またその心地よさの一端を担っていたのが樹木希林さんでした。希林さんはこの作品に限らずですが、“演じている”感じがまるでしない。いつも希林さんが演じているその人物が存在するのではないかと、本気で思ってしまう、唯一無二の不思議な方です。 日本の心を伝えていける映画だと思いました。また観たいです。
物足りん
きりんさんが亡くなってしまったので、 話題になってると思うが、ゆったりな時間が 静かに流れて行く映画で、私には、物足りなかった。 すごく期待していくと、残念な感じの映画である。 ハナちゃんの20歳ってのも無理があるし、 お作法がモノになっていく?時間の流れを 掛け軸や、風景で描写しているが、主人公が、 お茶に惹かれていく様をもう少し丁寧に描いて欲しかったし、茶道と人を描くなら、 もっと色々な着物姿も見せて欲しかった。
心よりご冥福を申し上げます。
遺作として、樹木さんの「武田先生」は適役でした。
典子が大学を卒業し社会に出て一人を暮らしを、茶道を通して人生の
一片を描いた作品であり、そこに「師」と仰ぐ武田先生が寄り添っているいう感じの作品で、樹木希林さんの遺作としては、気持ちの良い作品であったように思える。私自身も茶道の作法の難しさを分かって良かった。「茶法」というのは、
練習を積めば自然に手が覚えるという。「茶道」の奥深さを感じ取れた気がした。気持ちを「無」の状態で一連の作業を行う。
映画の中に、フェリーニの「道」のエピソードが描かれている。それも作品に何らかのアクセントをつけていて、今の私の年齢だと理解できるだろうかと思った。一度、ゆっくり見てみてみたい。そんな上品な作品でした。
私としては、樹木さんのハチャメチャな作品を最後観たかったような気もする。
丁寧な良作
祖母が表千家の地方講師だったのですが、樹木希林の指導の言葉が、昔祖母から聞いた言葉と重なって、まずそれにしみじみしました。
お茶の世界は意外とローカルルールがないもんだな、という点に感心しました。
原作は未読ですが、茶道の心と、日々の生活にそれを活かすことというテーマを、よく消化していると思います。
?と思ったところ3点。
黒木華と多部未華子のカラオケシーンが無駄に長い(一瞬でよかった)。
時々挟まれる主人公の心象風景らしきものが、黒木華の演技力をもってしても浮いて見える時がある(海辺でずぶ濡れになって、亡き父に呼びかけるシーンとか)。
瀧のお軸から瀑布を感知するシーンは無音で映像だけ流す方が、観客も、無音だけど聴こえる、を共有できるし、没入感が出てよかったのでは。
庭木の若葉をズームインして細胞にまで入り込んでミトコンドリア?を大写しにするくだり(理化学研究所が協力でクレジットに入っていた)は、自然と生命の直結、悠久の時の流れと人の一生の儚さとか、禅的なものの含意だったのかなと思いますが…なんか唐突で押し付けがましかった。
ごめんなさい。
いい俳優さんを使って、丁寧に作られていたと思います。
傑作
事実上樹木希林の遺作、 お茶の話でつまらない 思ったが、 なぜか次のシーンが気になる傑作、 黒木華の横顔も うなじも美しい、 樹木希林と黒木華、 多部未華子、 名女優が 次世代ヒロインたちへ送るメッセージ、 涙。
とても丁寧な映画(おてまえ)でした。
茶室の凛とした静寂さ、茶道の作法の美しさが、何気ないようで計算しつくされた構図や効果音で実感できる作品です。もちろん、樹木希林の佇まいも茶室の構図の中にピタリとはまっています。原作のメッセージを丁寧に映像化しているけど、逆に原作にない主人公の一人芝居のシーンや他のお弟子さんが茶室でひっくり返るシーンは、全体の調和を若干乱しているように感じました。
映画の神さまが舞い降りた奇跡の作品
アグレッシブかつインパクトのある作品を撮り続けてきた大森立嗣が「何故お茶の映画?」と危惧したが、成熟した彼の新たな高みを示す最高傑作となった。 1993年、二十歳の典子(黒木華)は同じ歳の従姉妹(多部未華子)とともに近所の武田のおばさん(樹木希林)の茶道教室で「お茶」を習い始める。 まずはタイトルバックでの「にちにちこれこうじつ」と読むのだという樹木の声のトーンに落涙。これが予兆となった。 序盤の所作を習う場面での三人のやり取りが絶妙で何度も吹き出した。覚えることだらけの所作を体が覚えるにつれ感性が研ぎ澄まされいく。「お茶」の心が我々の心にも染み込んでくる。 従姉妹の就職・結婚・出産、そして父親の死…2018年となった今もなお茶道教室に通う典子。 無常の世で今日という一日がどれほど愛おしく大切なものかを教えてくれる珠玉の名作。どれだけ涙が流れただろう。
心温まる映画
樹木希林さんの映画という事で観に行く。典子(黒木華)の大学時代にふとしたきっかけから通い始めた毎週土曜日のお茶教室 、24年間の生活の中でお茶の先生(樹木希林)との交わりが心温まる。世界を垣間見えじっくり楽しめた。
布置(constellation)!!
“茶道”のことは全くわからないものの、楽しく観ることができた。
樹木希林さんが亡くなられたことは、いまだに信じられない。
ところで、日本の「道」には、まず型を覚え、心(魂)は後から入れると考えるものが多い。
鎌倉時代の名僧・明恵上人は「阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)」を大切にした。細胞の映像が挿入されていたが、日本人には細胞・遺伝子レベルでこのような心性の連続性があるのだろうか?
茶道を習う者にとって、その型を守ることや茶室が心の成長のための容器になっている。その器に守られながら、様々な記憶や感情が想起され、時間をかけて受容されていく。
そして、物語にはいくつもの布置の存在が感じられた。
喪失感
こんな心にぽっかり穴が開いた気持ちになるとは思わなかった。 登場するたびに心が躍り、一挙手一投足を胸に刻んだ。 観ているだけで涙がにじみ、画面が霞んだ。 日本のわびさびをその身に凝縮したような抜群の存在感、 樹木希林さんのご冥福を心からお祈りしたい。 今回の映画もまた素晴らしかった。 黒木華も若手では抜群の演技力だと思うが、今回はさすがに見劣りした。 仕方あるまいとは思う。 来し方のバックグラウンドが違い過ぎる。 ストーリー自体は比較的平坦ながら、笑いあり涙あり。 茶の湯の世界を通して、日本人らしい生き方を問いかけてくれる。 個人的には、父娘のやり取りがじんわりと心に沁みた。 口数の少ない父の娘を想う気持ちがあふれ出ていて、涙せずにはいられなかった。 樹木さんの死という衝撃もあって、観客は中高年が圧倒的に多かった。 だが、もっと先の長い方々に観てもらいたい内容と感じた。
黒木華さんが可愛い
初めて黒木華さんのお芝居を見たのですがとても素敵でした。とにかく可愛らしい。樹木希林さんや茶道の世界に魅かれて鑑賞しに置きましたがとても良かったです。茶道って奥が深いんだなと思いました。とても素敵な作品でした。 とても静かな映画なのに私が行った回ではご老人のお客さんが多くてお喋りや持ち込み菓子の咀嚼音でけっこううるさかったので静かに見たい人は気を付けた方がいいと思います。 映画自体は良かったのですが環境が悪かったので改めて家でゆっくり観ようと思います。
母がいた
この映画の予告編を見た時、着物を着た希林さんの姿が余りにも母と似ていて驚いた。外観といい、その凛とした佇まいといい、まさに瓜二つだった。 私の母は和裁師をしていて、着物の着付けの先生で、お茶の師範だ。昔から洋画と、洋楽かぶれの私は、和が中心の母とは話が合わなかった。しかし歳を経て、ようやくその世界が少し分かった気がした。 本物を見なさいという、先生の台詞は、母がいつも語っていた言葉と同じで、とても重みがあった。 映画を観ている間、画面と現実が交差し、この作品を思い出すとき、母を想い出すだろう。 私にとっては特別な作品になった。
余韻に浸りたくなる。
静かに、考えさせられる映画。観終わった後しばらくじっとして余韻に浸りたくなります。一人で観に行ったのでそれが可能でした。シアターを出た後しばらくロビーでぼーっとして余韻を楽しみました。 世の中急激に変化してしまうけど、それに流されて大事なものを失ってはいけないと改めて思わされます。そして、日本人で良かったとしみじみ思う。茶道はやったことはないけど、和菓子を食べて抹茶を飲みたい。着物着て出かけたい。この素晴らしいしきたりが悠久に続きますように。 いつものように飲み物と食べ物を買って入ったけど、飲み食いしながら食べるのは気が引けた。(静かに食べるように気を遣わねばならなかった。)
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