日日是好日のレビュー・感想・評価
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五感すべてで四季を感じること。四季だけじゃない、わかることもわから...
五感すべてで四季を感じること。四季だけじゃない、わかることもわからないこともすべて感じること。
お茶ってただのお作法じゃない、そういう感受性を養うためのものでもあるんだ。
静かな空間でちょっと苦いお茶をいただく。そんなイメージだったけど、あの狭い空間にも毎回違う変化があり、「美味しい」と呟いてもいい気楽さがあり、風や雨、外の音を楽しむ自由さもある。
お茶、ちょっと習ってみたいな。そして私も些細でも色々なことを感じてみたいな、と思った。
黒木華×樹木希林=最高
一秒一秒がしみじみと美しかった。
人生いろんなことがあるけど、どんなときでもそっと寄り添ってくれる人、コト、場所があるのはいいなあ。
主人公にとって、最初はなんか変だなって感じで意味がわからなかったお茶の世界。でも続けるうちに意味がわかってきて、五感が研ぎ澄まされてくる。その描写にしびれました。
水の音も、季節や温度やいろいろな条件によって変わる。着物も和菓子も掛け軸も、日によって、相手によってかわるのが楽しい。
忙しなく、家事をしながら観てしまったけど、今度はお茶を飲みながらゆっくり味わいたい。
庭の季節ごとの風景と茶道の所作が素晴らしい!
二回目の鑑賞でしたが、極めてレベルの高い作品でした。
エンドロールでこの作品を作ってくれた方々に感謝の感情が湧いてきました。
典子と美智子が武田先生宅を初めて訪問した際に茶室に掛かる日日是好日の額を見ながら、何と読むのか?と話した時に樹木希林の声でニチニチコレコウジツと読むのよ!とタイトルが出る時などは非常に考えた作りで、所作を教える武田先生が樹木希林と云う俳優の人格がゆえに出るユーモアが自然でした。毎週通う内に少しずつ茶道に惹かれていく典子。
世の中にはすぐわかることと、すぐにはわからないけど時間が経った時にわかることがあると作品中に言ってました。
失恋後の典子が立ち直り、武田先生の元に行く時に父親がお酒を飲もうかと言った言葉は普通に戻った典子を喜ぶ父の感情をよく表現してました。
父親が亡くなり悲しみの中にいる典子が茶室の中で聴く強い雨音で父に対しての後悔を洗い流すイメージが鎌倉の海に立つ父と思い切り大声で感謝の言葉を叫ぶ画像が素晴らしかった!
その後、達観した典子の表情と日日是好日の意味を理解する。
二回目でこの映画がより良い作品と感じました。
こんな文化のある日本人で生まれて良かったとも思いました。
黒木華、樹木希林、多部未華子、鶴見辰吾、他俳優さんの良い演技でこの作品ができたと思う!
お茶の話がメインかと思ったけど
メインではない。
主人公はお茶を習ってはいるんだけど、お茶自体はそこまでフューチャーはされていない。
お茶を通じて人と出会い、別れ、成長し、月日が流れる。
半世界を見たときと同じような気持ちになった。
普段の日常、なかなか思うようにいかない人生の主人公。
人との出会いの中で成長していく主人公。
ここがいい!って具体的に言えるわけではないんだけど、なんだかほっこりする映画。
樹木希林さんは本当にすごい。。かわいらしいしぐさも、お茶の先生としての厳しい姿も、そのもの。
黒木華ちゃんは和服が似合う和美人さん。
凛としてお茶目な希林さん・・
エッセイスト森下典子さんがご自身の想いを綴った「日日是好日―お茶が教えてくれた15のしあわせ」を映画化。ちなみに15のこととは
一 「自分は何も知らない」ということを知る
二 頭で考えようとしないこと
三 「今」に気持ちを集中すること
四 見て感じること
五 たくさんの「本物」を見ること
六 季節を味わうこと
七 五感で自然とつながること
八 今、ここにいること
九 自然に身を任せ、時を過ごすこと
十 このままでよい、ということ
十一 別れは必ずやってくること
十二 自分の内側に耳をすますこと
十三 雨の日は、雨を聴くこと
十四 成長を待つこと
十五 長い目で今を生きること
武田先生の元に通ってから四半世紀の間に学んだことだから1時間49分で伝えるのは難しい。
フェリーニの「道」ジェルソミーナの話が繰り返し出てくる、本作も最初は分からなくても繰り返し観て欲しいということだろうか。
人生で出会った本や映画もまた人との出会いのようにその人の心の糧となるのだろう。学ぶことは人それぞれ、普遍的に思える事柄もあるし矛盾もある、森下さん自身が一歩を踏み出すために自身に言い聞かせたようなことも含まれているように思う。
悪い作品ではないがあまりにも内省的であり映像表現としては流れを削ぐ表情のアップなどテレビ的で稚拙に思えてしまうのは残念だった。実は映画そのものより樹木希林さんを忍びたくて観たのだと思う、昔、テレビで見た時からおばあさん役だったが凛とした立派な老婦人になったものだ、それでも時々見せる茶目っ気は相変わらずだった、ご冥福をお祈りします。
お茶の深さと四季の移ろい
ふとしたことからお茶を習い始める女性の日記のような映画。お茶の世界のあるあるのエピソードで始まるが、それだけではない。お茶が日本の四季と共にあるということがよく分かる。
この映画の先生は表千家流だか、映画の中では一度も表千家という言葉が出てこない。僕は表千家流のお茶を習っているが、そこがいいと思う。もちろん表千家という言葉が出ると他流派の人が観に来ないという営業上の理由もあるだろうけれど。エンドロールの最後に「応援 表千家」とだけ出るのがいい。推薦でもなく協力でもないところがいい。樹木希林の最後の作品がこの映画で良かった。同時期に撮影された万引き家族では悲しすぎる。映画としては万引き家族の方がいいのだろうが。
懐かしかった
表千家のお茶、10年くらいだけれどお稽古していたから懐かしかった。お庭、つくばい(漢字が出ない)、掛け軸、美しい主菓子、炭点前、冬の夜ばなしの茶会、大寄せの茶会。
私の先生はあんな感じであんな風には話さなかった。お稽古もあんな風ではなかった。もっと高度なことを沢山教えて下さった。素晴らしく哲学的で文学的だった。そして、すぐ何かわかった気になったりしたら、見透かされる厳しさがあった。私のお点前を「自意識過剰」と言った。ショックだったが本当のことだった。同じ世代の女の子達と過ごしたお稽古、お茶会のことは一生、忘れない。
そういうことを沢山思い出さしてくれた映画でした。それだけ。
またお茶を始めたくなりました!
樹木希林さん、こんな上品な先生役も出来るんだと、感心しました。味のある、とても良い作品でした。私も、学生時代に、お茶の教室に通いましたが、また始めたくなった作品です。
ついこの間映画館で上映していたと思ったらもうdvdに! 見損ねてい...
ついこの間映画館で上映していたと思ったらもうdvdに!
見損ねていた私には嬉しい限りですが。
お茶の世界を通して主人公典子の人生が坦々と描かれていく
学生生活 フリーター 失恋 父の死と
様々な出来事を描かれるのと同時に
お茶の世界も並行して映し出される
丁寧に丁寧にゆっくりとゆっくりと
静かなお茶の世界は現代の忙しくざわざわした今の日本に
失われたものが映し出されているような気がした
お茶の先生を演じる今はなき樹木希林が演じていて
私はお茶の世界は知りませんが、真のお茶の先生に見えた
とにかくお茶の作法は細かい決まりがあり
動作も美しく私には無理だと思ってしまったが
あの静かな作法はなんともいえない不思議な空間だった
悩みながらも決して腐らず前向きに生きて行く典子にも
共感できた。こうして生きていけたのはお茶とお茶の先生との
出会いもあったからかなとも思った
祖母の思い出
祖母がお茶の先生でした。
茶筅で シャカシャカ 涼しげな渓流のような音を茶室に満たし、一瞬の間。
無音・静寂のあとに「 コトリ・・」と茶筅の柄を碗の縁にそっと落とす、
これを二回やるのですよ。「ししおどし」の音ですねー
大阪の公営団地の一室。
ベランダの下にはせわしいバス通りがある筈なのですが、いつしか障子の外には苔むした庭と樋水のつくばいの姿がありありと立ち上がる。
不思議な魔法の一時でした。
あれはオリジナルなのか、何かの流儀なのか、僕は永く確かめる事もせずに祖母は亡くなりましたが。
先日お墓参りの折、やっと母と叔母たちに訊きました、あの「ししおどし」は何なのか。
皆そんなものは知らないと言い、裏千家では余計な音は立てる筈はないと。
おばあちゃん、
結構なお点前でした。
あなたはたった一人僕のためだけに あの時 あの一回だけ あのお茶をたてて下さったのですね。
思い出しました、心を病んでいた孫はあの夏祖母の家に預けられていたのです。
今もあの日の茶筅とお湯の音は僕の心を浄めてくれます。
・・・・・・・・・・・
「形にね、心が入っていくの」樹木希林
映画の世界観は嫌いじゃないし、多部ちゃんが出てた前半までは良かった...
映画の世界観は嫌いじゃないし、多部ちゃんが出てた前半までは良かったのになぁ。
後半は話がブツ切れな感じがしてつまらなかった。
いきなり弟が出てきた時はびっくらこいた。弟なんていたの!?
鶴田真由の役どころも中途半端な登場でした。
でも、明日なにがあるかわからない。
今日を大切にしようと改めて思えた作品でした。
継続は力なり
恥ずかしながら茶道についての知識が全く無い私でも楽しめた。というより勉強になった。
何十年と習っている人でも自分はまだまだ未熟と思っているのを凄いと思った。
何かを極めるって大変だなぁ…
あんな風に季節に敏感に丁寧に接していくって普段バタバタと生活している身としては非常に羨ましい。
樹木希林さん、唯一無二の素晴らしい女優さんだ!!と再確認。
【茶道の嗜みを品位高く、静かに描く。又、様々な女性の生き方も風味豊かに描き出す佳品】
観終わった後、不思議と心穏やかになっている。そして、人と自然に優しく接しようという気持ちにもなれる映画である。
移ろいゆく四季の中、変わらず静かにお茶を入れる日々。
慌ただしい日常の中、少し心を落ち着けたい時に観たい映画である。
樹木希林さん始め、出演される女優さんたちの着物姿も艶やかで良い。
<私は、前作「光」でやらかした大森立嗣監督が反省して作った映画だと思っていた。が、どうも違うらしい。振り巾の激しい監督である。>
<2018年10月8日 劇場にて鑑賞>
ゆっくりとした人間的な成長
樹木希林のちょっぴりユーモラスなお茶の先生から、茶道を教わる黒木華、多部未華子の親戚コンビ(笑)
お茶の世界の訳のわからないしきたりに沿って礼儀を学ぶ二人が微笑ましい。
最初、動作の意味は…と教えてる樹木希林が「茶筅をどうしてこう置くの?」と質問された時意味が説明出来ず「こうするものなの!」って返した時はホールから笑いが漏れていた。
黒木華の成長物語ではあるが、誰にでもありそうな経験からの成長をじんわり伝えてくれる。
観客は圧倒的に高齢者で作中で子どもの時に映画「道」を観て訳がわからなかったと言う少年少女は居なかったのが残念。
茶道が教えてくれたこと
主人公の心の成長を茶道を通して描いている。茶道の本質は一期一会の客人へのもてなしで、形で表し、そこに心を込める。そして込めた心をまた形で表す。古代中国の思想家、孔子の仁と礼の思想に似ている。その客人へのもてなしを、日本の風土のその都度の四季を織り交ぜ、茶道は芸術にまで昇華させた。映画に戻ると、四季折々の映像と茶室、茶道具、茶菓子まで全て美しかった。主人公を始め門人達の所作や佇まいの上達の様子も丁寧に描かれていた。物語では、そこに主人公と周りの人々の人生模様が絡んでいく。就職、結婚、親の死。主人公の人生は決して順風満帆ではない。挫折や死別にさえ見舞われる。そして主人公は時に自分の悲運に号泣する。しかし次第に悟る。四季は流れ、良きも悪きも一切は過ぎてゆく。日日是好日。毎日が初めて訪れる素晴らしき日であると。それを気付かせてくれたのが、主人公にとって茶道であった。今度はそれを後進に伝えるために、指導の側にまわるようだ。
人生は五感で感じる。それは、茶道を通して。
ひょんなことから、茶道を習うことになった2人。
複雑すぎる茶道を習い続けるといろんなものが長年習い続けると何かが見えてくる。それは、人間に備わっている五感で。
樹木希林がゆっくりと教えていくことで何かを身につける。
単純にいいストーリーであると最後は思った。
星1.5引いた分については話さないでおく。
見るべきだ。
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