オンリー・ザ・ブレイブのレビュー・感想・評価
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山火事の火の粉が客席まで飛び火してくる!
風向きを読んで消火エリアを特定する。燃えている木々をチェーンソーや斧で伐採し、延焼を食い止める。時にはあえて火を放って空間を作る。山火事消火の地上戦がいかに戦略的かを描く映画は、消防士たちに敬意を表しつつも、ニュース映像には映らない恐怖を観客の鼻先に突きつける。ゆっくりと進んでいるようで、実は脅威的に足が早い山火事の火の粉が、客席まで飛び火してくるのだ。9.11以降、英雄視されがちなファイヤーマンたちの命を張った仕事の本質が分かる、とても為になるディザスタームービーだ。
山火事の知られざる消化活動の凄さ
僕はカリフォルニアに住んでいたことがあって、毎年のように州のどこかで山火事は発生していた。雨が少ない地域なので空気が乾燥しているので、ささいなことでも火事が発生する。自然発火であることが原因であることもしばしばある。大規模な山火事が起きる度に、どうやって消火活動しているのか気になっていたが、この映画はそれをとても克明に見せてくれた。
なるほど、事前に山火事がどう推移するか予測して予め木を燃やして防火帯を作っていたとは知らなかった。ものすごい水を消費してい消化しているのかと思っていたが、火で火を消すという発想なのだ。
男たちの熱い友情も見どころたっぷりだ。ややミソジニー含んだホモ・ソーシャルっぽい部分もあるが、命をあずける共同体の結束力に目頭が熱くなる。マイルズ・テラーはすっかり肉体派俳優となった感がある。セッションで頭角を現した時は、こういう方向に行くとは思っていなかった。ベビーフェイスの熱い男をこれからも演じてほしい。
消防士という仕事の様々な側面を見せてくれる映画
過酷な森林火災の現場を、消防士達がものともせず消火活動にあたる。普通なら弱音を吐きたくなりそうな現場だ。しかし、彼らにとってはそれが日常なので、過酷な仕事を当たり前のこととして受け入れる。ときにはジョークを言う余裕を見せるという、そんな彼らのタフさが見どころの映画。
ストーリーは、ヤク中だったブレンダンが入隊して一人前になっていくところと、上官エリックが仕事第一なあまり夫婦関係に亀裂が走るという、人間関係の面にも光を当てている。それらを通じて、森林火災を相手にする消防士という仕事の様々な側面を視聴者に見せてくれる。そんな消防士の仕事の誇りを感じさせる映画だった。
ホットショット
2024年2月9日
映画 #オンリー・ザ・ブレイブ (2017年)鑑賞
2013年にアリゾナで発生した大規模森林火災に立ち向かう森林消防の精鋭部隊“ホットショット”の男たち20人の絆と運命
ホットショットとは、アメリカでは消防界のネイビーシールズとまで言われる対山火事の精鋭集団のことです
凄い人達ですね
もう少し何とかならないのか?
山火事を専門的に消火する「ホットショット」隊を実話に基づいて描いた作品。実話ベースなので、隊の訓練やそれぞれの隊員の事情などを描く前半は、それほど緊迫感がなく、淡々とした部分が続く。しかし、この仕事を理解するには必要な部分。訓練から、いきなり実戦を通じて、タイプ2への昇格を果たし、給料も高額になって、隊員の生活は安定へ。主人公の愛称ドーナッツ=ブレンダンは、関係が壊れかけた彼女に赤ちゃんが生まれ、子煩悩なパパへ。ホットショット部隊は、州で起こった山火事があると、要請を受けて何日か家を空けて出張をするという、タフで危険な仕事というのが明かされる。序盤から、テントの中に入れっていう訓練が提示され、そこが見せ場になるというのは予想できた。
本当にって思ったのは、演出はあるとは思うが、あんなに火が間近に差し迫り、燃え広がるスピードが人間が走るスピードを上回っている状況で、チェンソーで木を切ったり、溝を掘ったりしなければいけなのかということ。風向きや風の強さが変わったり、火の粉で離れた所で発火すれば、逃げ場を失ってしまうだろって思わされた。
そして、あのテントっていう防火シートの中に入る緊急措置も、どれだけの間、火に対する耐性があるのって。もっと他の手段がないのかと。人命がかかっているのだから、空から水を撒いて、彼らの周辺だけ消火する、緊急用のシェルターをあらかじめ用意しておくなど、手がないのかって。
今年も世界各地で山火事が発生して、かなりの面積が焼失したと聞いている。この映画のように同じような被害が起こらないことを祈る。
想像を遥かに超えて・・・
僕が余り評価しない実話ものだが、この作品は極めて良かった‼️何よりも丁寧に登場人物が描かれている。それぞれの登場人物が丁寧に描かれることによってその人物たちが暮らす街が、その人物たちを取ります人物たちの心情が、そして何よりも山火事の怖さとそこに立ち向かうリスペクタブルなファイヤーメンスタッフの面々とそのリーダーの個々の悩みとチーム力。物語としても一級のドラマツルギーが構築された作品となっている。登場人物、特にリーダー、のちに唯一の生存者となる主人公、この二人を丁寧に丁寧に描く事でさほど深く描かなくても周辺の描写が際立ってくる。コンパクトにまとまった時間内に重層的な社会性とテーマ性がきちんと描かれるという職人的な技量に感服した。実話ベースでなければ★4.5レベルの作品であった。
スケール感のある実話山岳消防
つい十年前の大惨事なのでアメリカ人には生々しい事故でしょうが、恥ずかしながら未知だったので結末知らず、最後は泣きそうでした。
スリラーを期待していたのに淡々とした人物描写が中心でイマイチと思っていたら、終盤は圧倒的な感動です。
アリゾナの大自然の映像も一見の価値ありですね。ただしスクリーンで観るべきかも?
68位/527中 2022.11.13現在
正直、ラスト直前までは
別に嫌いではないけど
可もなく不可もなし
と思ってました。
実話ベースだとも知らなくて
最後の山火事で防火テントを被り
それで助かり見事に山火事を消した
ハッピーエンドです!
って映画なんだろうなと思ってた。
そしたら、まさかの19人死亡。
そして実話だと。
とてもとても衝撃を受けました。
急に涙が出ました。
実話を基にしているのなら
途中の何気ない物語も
とても意味のあるものに変わる。
主人公が、遺族の待ってる体育館に
現れた時のあの状況、、、、
辛いなぁ。
いや、他人が軽々しく
辛いなぁなんて言えないほどの絶望感。
自分だって仲間を失って辛いのに
自分の存在を確認して
身内の死を理解して崩れ落ちる、
そんなの見るに耐えない。
主人公何も悪くないんだけどね。
素晴らしい映画だけど
ウィキペディアを見たら
興行収入が製作費を下回ってる、、、、
大ヒットするような作品では
ないかもしれないけど何か悲しい。
日本ではこういうタイプの
森林火災は無いけれど
消防官や警察官やいろんな方達が
頑張って仕事してくれてるから
日本は安全に生活出来る。
そのことに感謝したいです。
備考 点数は自分が
生まれてから現在まで
観た映画をランキングにして
相対評価で点数付けてます
上位と下位から順番に
感想書いてます
初回鑑賞年齢→41歳
(2022年時点41歳)
初回鑑賞場所→自宅prime
鑑賞回数→1回
記憶度→95%
過酷で長時間の恐ろしい仕事
ジョシュブローリン扮するエリックマーシュは、クルー7と言う消防隊と救助隊のリーダーをしていて山火事に向かった。しかし資格が無くて隊としてはタイプ2であったためマーシュは悔しい思いをしていた。大規模な山火事を防ぐためには最前線で戦う自前のホットショットが必要だった。
森林火災は一度起きたら大変な事になる。タイプ2からホットショットに上がるには本物の山火事で試験がある。山火事を止めるために山火事を起こす。一か八かの作戦が当たるのか?
隊は人の更生をも引き受け、地味ながら過酷で長時間の恐ろしい仕事で、森林を守るための覚悟と訓練の重要性が分かったね。機敏な判断も重要だ。テントに潜って山火事の火をやり過ごすなんて恐怖だね。
実話だけに観終わった後、深い感謝と追悼の思いに包まれる衝撃作だと思う
トップガン マーヴェリックのマイルズ・テラーが出演しているからというだけの理由で軽い気持ちで観始めたことを後悔した、本当に辛い実話。
マイルズ・テラー演じるヤク中ダメダメ男のドーナツの成長を見届けてハッピーエンドだと思っていたからもう終盤はショックでショックで号泣の放心状態。
こんなに重い実話がベースの映画とは。。。
映画「バックドラフト」が大好きで今まで何度も観ていたせいか、勝手に同じような展開だと思い込んでたら大間違い。
申し訳ないけど途中までは何だこの映画。。。って思いながら観てたけど、まさか同じ隊の19人全員が亡くなるなんて。。。
激しく勢いを増す森林火災、1000℃を超える熱では防火テントの意味などあるわけもなく、最後19個の防火テントが発見されるシーンでもう号泣、トラウマ級の悲しさ。
山火事の勢いや消火方法、ホットショット隊の存在など知らないことだらけだったが、こんなに勇敢に山火事に立ち向かって亡くなった方たちが居たということを知れて良かった。
何も知らずに軽い気持ちで観て物凄い衝撃をくらってしまったけど。
ただ1点気になったのはドーナツの今。
ホットショットを辞めたいと言っていたドーナツは今何の仕事についているのか、そこが気になったけど、消防士を続けているのなら最後に必ずそのことにも触れられていると思うから、離職してしまったのかな。
まぁそれも実話だからこそで良いのだけれど。
とにかくこの映画を多くの人に見て貰いたい。
そしてこの出来事を、火に立ち向かっていったこの隊のことを多くの人に知って貰いたい。
そんな映画です。
あとはジェームズ・バッジ・デールの渋さよ。
好きな俳優さんがまた一人増えたことに感謝。
森林火災に挑む消防隊員を過度に英雄視せずに、ありふれた人間らしさを等身大で描いていて好感
ジョセフ・コジンスキー監督(トップガン マーヴェリック等)による2017年製作のアメリカ映画。原題:Only the Brave、配給:ギャガ。
「トップガン マーヴェリック」がとても良かったので、コジンスキー監督による前作を視聴した。脚本エリック・ウォーレン・シンガー及び撮影クラウディオ・ミランダは「マーヴェリック」でも担当。そして、マイルズ・テラーとジェニファー・コネリーは「マーヴェリック」にも出演。
何より、事実 (2013年アリゾナ州で起きたヤーネルヒル火災)に基づく映画というのが重い。短時間で防火シートの下に潜る訓練をしていて、あんな防火シートで身を守れるのかと思っていたのだが、案の定というか森林火災に立ち向かった消防隊19名全員が生き残れなかったとの結末は、大変にショッキングであった。森林火災の恐ろしさを強く印象づけられもした。
ただ、彼らを過度に英雄視せずに、ありふれた人間らしさを等身大で描いていたところには好感を覚えた。火を持って火を制するというか、一定区画の木を切り倒し焼き払うことにより延焼を止めるという建物の消防隊とは異なる彼らの方法論を初めて知った。火災後、1名が生き残ったと聞いての家族たちの儚いのぞみを、マイルズ・テラーが姿を見せて打ち砕く映像が何とも痛ましい。
精鋭の森林消防部隊、グラナイト・マウンテン・ホットショッツの隊長(ジョシュ・ブローリン)の人物像が、とても魅力的であった。専門家・リーダーとしての優れた判断力・決断力と包容力、裏腹な対人関係での要領の悪さ、妻への深い愛情は有りながら家庭を顧みない仕事への没頭など。
妻役のジェニファー・コネリーも好演であった。「ノア 約束の舟」「マーヴェリック」と見てきているが、初めて魅力的に思え、彼女の真価を知った様な気がする。颯爽と馬を乗りこなす姿。1人生き残り家族の視線のきつさから罪の意識で打ち砕かれているマイルズ・テーラーを、夫の死を悲しむさなか、気遣って言葉をかける姿に、感銘を受けると共に感心させられた。
主人公マイルズ・テーラーも、「トップガン マーヴェリック」で見せたスター性は感じなかったが、赤ん坊が出来たことで改心して成長する若者を懸命に演じていて好感を覚えた。
大規模災害を映すスペクタル映画に成長物語、家族やチーム・仕事愛を盛り込み静かな感動作に仕立て上げた脚本・撮影等含むコジンスキー監督スタッフに拍手。「マーヴェリック」で感じた完成度の高さは、この映画の延長線上にあることを知った。
製作ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、マイケル・メンシェル、エリク・ハウサム、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、 トレント・ラッキンビル、ドーン・オストロフ、ジェレミー・ステックラー、製作総指揮エレン・H・シュワルツ。
原作ショーン・フリン、脚本ケン・ノーラン、エリック・ウォーレン・シンガー(トップガン マーヴェリック等)、撮影クラウディオ・ミランダ(トップガン マーヴェリック等)、美術ケビン・カバナー、衣装ルイーズ・ミンゲンバック、編集ビリー・フォックス、音楽ジョセフ・トラパニーズ、音楽監修ジョナサン・ワトキンス。
出演は、ジョシュ・ブローリン(エリック・マーシュ)、マイルズ・テラー(ブレンダン・マクドナウ、トップガン マーヴェリック等)、ジェームズ・バッジ・デール(ジェシー・スティード)、ジェフ・ブリッジス(デュエイン・スタインブリンク)、テイラー・キッチュ(クリストファー・マッケンジー)、ジェニファー・コネリー(アマンダ・マーシュ、トップガン マーヴェリック等)。
これのどこが面白いの?
主人公の熱い想いみたいなものが全く出てない。何がしたいのかも示されてないので何が起こったら自分が感動していいのかわからない。誰が主人公なのかも分からないし群像劇としては中途半端な。一つ一つのエピソードもどっかで見たようなのばっかりで面白くもなんともない。これが面白かったら何見ても面白いでしょ。・・こういうシーンがよく映画に出てくるというシーンばかり集めてまとめたようだ。こんな脚本ならもう直ぐ AI が書くようになるだろう。なんてことを思ってしまうほど退屈してしまうと、もうクライマックスがどうなっても取り返しはつかない。全てが下手くそな作劇を埋め合わすためのワザとらしい展開に思えてしまう。実話と言っておけば酷評を避けられ・・・違います!実話や人の死は感動の道具ではない。
ついでに言うとこの映画はほとんどがデジタルカメラで撮られている。かなり品質の良いデジタルカメラのようだが所詮デジタルはデジタル。フィルムには遠く及ばない。映画は美術的なものから感動が滲み出てくるのでありフィルムで撮ってほしいものだ。
実話と知らずに見てしまうと
『トップガン マーヴェリック』関連のYouTube動画で、ジョセフ・コジンスキーの監督作品である『オンリー・ザ・ブレイブ』は、とてもいい作品と聞いたので鑑賞。
山岳消防隊が活躍する物語だから、仲間割れやケガを乗り越えて一致団結して、山火事を消し止めるストーリーなんでしょ。と思っていたので、ラストは衝撃すぎて呆然としてしまった。しかもエンドロールでは、実際の隊員の写真も登場する。
映画の紹介に実話ベースだと書いてあった。この作品が興行的に失敗した理由はよくわかる。作品の出来以前にこんな結末を見たくない。苦しくなるだけ。
音楽の使い方もいいし、隊長や隊員のバックストーリーの出し方も自然で、すごく乗れるように作られている。『トップガン マーヴェリック』の監督に選ばれたのも納得の作品でございました。
容赦の無い現実に、上手く重ねた人間模様が秀逸。
実話が基という前情報のみでの鑑賞。ノンフィクションはハッピーエンドが少ないのを覚悟していたが、かなり衝撃的なラスト。その事実に深みを持たせた、薄過ぎず濃過ぎない脚本のバランスが絶妙。
主演は安定のジョシュ・ブローリンだが、マイルズ・テラーの熱演が光る。荒々しさの中にチラリと見せる弱さ、若いながらもしっかりと魅せる人間味が良い。
【トップガン マーヴェリック】でもマイルズ・テラーと共演しているジェニファー・コネリー。強くもあり弱くもある、とても魅力的な妻を演じており、ラストの叫びは流石の一言。
最近観た映画で【モンタナの目撃者】で山火事があったが、火の怖さは全くの別モノ。如何にして火災から街を守るか、住民を守るか。火災を最小限に抑える為の訓練、知識。その職業としての"ホットショット"に焦点を当てての起承転結。
このストーリーの綺麗な流れを、つまらないと取るか、安定と取るか。
実際にあった出来事を、わかりやすく、観やすく作られた良作。日本ではあまり馴染みの無い山火事との戦いを是非。
体育館での重圧には耐えられない
事実に基づくことを知らずに冒頭にこの知らせが入って嫌な予感がしました。確かに衝撃のラストで久しぶりに感情を揺さぶられたものです。結局あのときの判断はあれが最適解のように映ってますけど、判断の限界なのかもしれません。隊員の命をしょってる指揮官の判断は重いです。
最後に私は体育館に入る勇気があるか自問してました。
森林消防隊の物語
初めての鑑賞
正月にBSの放送を録画していたが
ずっと見ていなかった
映画の冒頭で実話をもとにした映画であることを知った
事前の知識全くなしで見た
アメリカの山火事はたまにニュースで見るが
このような危険な作業を担う消火隊がいることは知らなかった
終盤の隊員が犠牲になるシーンはとても残念だ
事故の教訓を生かし
連絡体制など見直したそうだが
二度とこのような事故が起きないことを願う
炎の熊!
山火事と向き合って戦う熱い男たちのドラマ。日本じゃこんな山火事専門の消防隊なんて無さそうだけど、さすがはアメリカ、広い国土には様々な困難が待ち受けてるんだな、と妙なところに惹かれた。町の豪邸のプールからヘリで水を吸い上げてそれを森の消火に使ったり、防火テントなんてのがあるんだとカルチャーショックまで受けた。
『15時17分、パリ行き』と同じく、実話をメインに描いた作品の中でも、再現ドラマというプロットに近い。たしかに勇敢な男らしさと、悲しい結末で感動的に締めくくってはいるのだが、終盤に行くまでのそれぞれのドラマが面白くないのだ。実話であるだけに改変は出来ないのだろうし、脚色も難しそうではあるのですが・・・
地方自治体として初の“ホットショット”認定の部分をもっと感動的に描いていたら違った作品になったのかもしれないし、「生き残ったことの罪悪感」を感じたブレンダンの気持ちにもっと迫ってたら良かったかなぁ・・・。
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