シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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シェイプ・オブ・ウォーター
ギレルモ・デル・トロ監督最新作
「シェイプ・オブ・ウォーター」を公開初日に観てきました。
半魚人と人間のラブストーリー…
それどうなのだろう?
アカデミー賞にノミネートされちゃってるみたいだけど…
不安いっぱい半信半疑で本作に臨んだ。
ストーリーは1962年、冷戦下のアメリカ。
極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、極秘裏に運び込まれたある生物を目撃し“彼”に心惹かれ、密かに会いに行くようになる…
古き良きホラー映画のような様相を呈しつつラブロマンスを貫き見事開花させた奇跡的な作品でした。
ライティングまで昔のホラー映画風にこだわっていたのはさすがデル・トロです。あのマイケル・シャノンがフランケンシュタインにしか見えなかったのは演技だけではなかったw
そして人種差別、性差別、マイノリティへの差別などが物語の根底にある。
声を出せない清掃員の主人公イライザが訴える。
“彼”だけが本当の自分を見てくれる。
光に住むものは醜く、影に住むものは美しく徹底した
描き分けが生々しくも面白い。
中でも水の表現が目を引く。
バスの窓を踊るよに伝う雨雫。デル・トロ天才!
冒頭から色調がとても好みだなぁなんて思いながら観てたのですが観終わると、これモノクロで観たらもっと浸かれるかもと思いました。
昨日のアカデミー賞において
作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞と4部門において受賞。
まさか作品賞、監督賞を両方獲るなんてだれが予想したでしょうか。
作品は確かに私のツボでとても良かったのですがアカデミー賞というとまたちょっと違うんだろうと勝手に思ってました。「スリービルボード」のような作品が
当然獲るとばかり思ってました。
僅差であればせめて作品賞、監督賞は別々に獲りわけるなんて場面も過去にありましたし。アカデミー賞も捨てたものではありませんね。
B級モンスター映画万歳です^^
感情移入出来るか。そこで全て決まる。
言語障害を抱える主人公。ゲイ男性の友人。黒人の仕事仲間。とにかくマイノリティな人をメインにしたいというのは解った。
別にそれにとやかく言うつもりは無い。
お説教じみた事を言ってる訳でもないし、そういった社会背景を描くのは悪いことでは無いと思う。
だが色々な要素で脚色されてはいるが、大筋のストーリーはありきたりのもの。
アカデミー作品賞とのことだが、他候補に比べこの作品が勝っているようには感じなかった。
じゃあこの評価の分かれ目は何か?
1番のハードルは主人公と半魚人の恋に感情移入出来るか?ということである。
少なくとも私は全く感情移入出来なかった。
それどころか欲求不満のご婦人が手っ取り早く性欲を解消してるように写ってしまった。
これではこの作品も台無しですよね。
つまらなくは無かったし、映像美は凄いけど、個人的に高評価は付けられませんでした。
凄く人を選ぶ作品
人間より怪物がマシってか!
アカデミー賞を狙いに行ったかどうかは別としてデル・トロが昨今の世界的な潮流に媚を売ったように思えた作品。
ヒロインは年配の不美人で口がきけず、友人は黒人、仲の良いじじいはゲイ、不思議な力を持っているかもしれないが見た目が普通に怪物とセックスまでする。
怪物と交わるとかどうかしている。
設定に露骨な仮託が多過ぎて萎える。
デル・トロの怪物偏愛がここまで来ると若干偏執狂にも感じる。
もはや同じ人間よりも心が清い怪物の方がマシってことか?
もっとも自分を受け入れない人間は平然と殺すので、本当に怪物の心が清いかは疑問である。
日本も含めて世界中の映画界が左翼(コミンテルン)の活動家たちに牛耳られているのを頭では理解しているが、ついにここまで来たのか!という印象を受けた。
授賞式のトロちゃんの発言も言外に反トランプっぽいし、もはやウンザリである。(トランプを全面的に支持するわけでもないが)
他者を無批判に受け入れないのは悪なのだろうか?
多様性を標榜する世の中だが、昨今はその手の映画が溢れかえっていてむしろ作品としての多様性を感じられなくなってきた。
同監督作品の『パンズ・ラビリンス』に比べて明らかにバランスを欠いた数段劣るレベルの作品に感じるが、気のせいだろうか?
同日にクリント・イーストウッド監督作品の『15時17分、パリ行き』を観た。
アメリカでは全体の犯罪発生率自体は減少傾向にあるようだが、銃乱射事件が多発している。
規制の話は持ち上がっても銃廃絶にまで議論が発展しないかを垣間見たように感じる作品であった。
反トランプに染まった今のハリウッドでイーストウッド作品が受賞することはないだろうと容易に想像がつく。
なお本作の主要な登場人物たちを「虐げられた者たち」として報道ステーションが持ち上げていたので余計に気持ち悪く感じた。
彼らは「虐げられた者たち」ではあるかもしれないが、一面では怪物好きのただのフリークだろう。
アカデミー賞も変わった
ついていけませんでした。
よくある話
とても台詞数の少ない、終始エメラルドグリーンが美しいデルトロ節炸裂...
アカデミー賞4冠!!
見終わったらあったかい心持ち
アカデミー賞作品賞受賞おめでとう‼️
半魚人(!?)でアカデミー!このストーリーは!
アカデミーの最有力ということで見に行ったが、驚いた!
(で、これを書き加えていたら受賞・・・)
いわゆる「半魚人」(!?)でこのストーリーを作るとは恐れ入った。
展開の中に、全部網羅的要素を入れ込んだのに、全くおかしくはない。
縦線と横線が、うまく流れている。
水の中でしか感じないエクスタシー。首の傷。
体を流れる、無形の水。
言っちゃ悪いが、サリー・ホーキンスは決して美人とは言えない。しかし、だからこそ、何かに引っかかる雰囲気が、もどかしさが、自分に自信が持てない女性の雰囲気は、あまりにも上手に描き出されていた。
自分の心を打ち明けられるのは、これもまた周囲から見れば「異」なる者。
誰でもない者は、誰かでありたいと思う者、何某かのものであらねばと願う者の刃の力を、流麗にかわす。
水は形が定まらぬが故に力強い。
不思議な生き物(カテゴライズされない者)は、名付けを拒否した時に、初めて力を持つ。
昨年度のアカデミー。「ムーンライト」に「ラ・ラ・ランド」が加味されれば、「シェイプ・オブ・ウォーター」になるだろう。
だから、これを奇妙奇天烈とは言わず、ファンタジーと言うのだろう。
何はともあれ
美しい水と雨に浸る
SFとスパイサスペンスをファンタジーとしてまとめ上げた佳作だと思います。
初めの頃半魚人とヒロインのイライザがコミュニケーションするシーンがあるんですが、
考えてみるとどうしてイライザがこんな異形の物に興味を示したのか全く理解不能なんですけども、
でもこのシーンがすごく良くできているので疑問を抱く暇もなくイライザに感情移入させられ、
その後はもうドキドキハラハラしながら物語の行方を見守る自分がおりました。
イライザ役の女優さん、演技上手ですよね。抑えた演技なんですが、感情移入せずにはいられない。言葉が喋れないという設定も秀逸でした。応援せずにはいられない。
黒人のお掃除婦のお友達も最高でした。大活躍です。
映画のテイストはひと昔前のアメリカ映画というかんじで、僕は若い頃のスピルバーグ作品を思い出していました。
ハラハラドキドキなんですが、絶対にバッドエンドで終わらせない。
スピルバーグに似た優しさを持った映画でした。
そして、美しい水。雨。
イライザと共に、水と雨に浸ってください。
良い映画だが傑作とまでは...
米ソ冷戦を背景とした「掃除のおばちゃん」と「半魚人の怪物」の純愛物語。
惜しいなと思ったのは以下の三点。
・イライザが美人すぎ
この映画で言いたいことは「恋愛とは容姿ではない」ということだと思うのだが、それを語るにはヒロインが美人すぎ。裸きれいすぎ。それと老人にモテすぎ。
・イライザと半魚人が惹かれあう過程がよくわからない
イライザが半魚人に惚れた後の描写は素晴らしくて、そりゃ主演女優賞にもノミネートされるわなと思ったのだが、そこへ至るまでの過程が少なすぎじゃないか。
スパイ映画ばりの描写の方はどうでもいいから、こっちを膨らますべきじゃなかったのか。
・イライザと半魚人のセックスは省略ですか?
ストーリーに関係しないどうでもいいセックス描写はあるのに、なんで肝心のこっちの場面の方は所謂「朝チュン」で済ませちゃってるの?
これがあるとないとでは全然違う映画になるんだけど。
監督がやりたいことがブレちゃったのかなぁ...
ラストはしんみり感動しましたが、惜しいなと思いました。
秀逸なダークファンタジー
グロテスクで美しいダークな映像
一見ミスマッチにも思える60年代のポップな音楽が彩る独特なダークファンタジーワールド
赤ちゃんの頃に川に捨てられていた孤児で掃除婦の主人公。首の横につけられた傷のせいで声を出すことができない。
アル中で会社を首になった初老の画家。
アマゾンで捕獲された半魚人。
謎のファンタジーがかったオープニング。
予想を裏切るエンディング。
彼女の両首につけられたあの傷はそう言う事か、だから喋れないのか。
全てが腑に落ちた瞬間は鳥肌たちました。
ディズニーの爽やかなリトルマーメイドや美女と野獣もいいけど、こんなダークファンタジーも捨てがたい。
不幸の塊のような主人公がどんどん怪しげに輝きだす。不気味な半魚人がどんどん素敵に見えてくる。悪いやつの指がどんどん腐ってく。この監督すごいね。
見る人をとても選ぶだろう今作がアカデミー賞などという光の当たる場所で賞をとるって凄いよね。たくさんの人達にこの映画の良さが伝わりますように。
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