海を駆けるのレビュー・感想・評価
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おディーンに癒された
中途半端な印象
日本映画離れした無国籍映画
ヤバい傑作。というか問題作。
大賀、阿部純子、セカール・サリ、アディパティ・ドルケンら若い俳優たちが最高。いつまでも彼らを見ていたい。
それにしてもあまりに攻めた内容でわからない人にはさっぱりわからないだろうし、別にわからなくてもいいのでしょう。いびつさもなんだか昔話のよう。自分はというととても心地よく見れました。昔話に理屈を求め始めたらそりゃ怒りたくもなるだろう。そういうもんだと思えば全然気にならなかった。
監督の過去作を連想させるような要素もあるけど、過去のどの作品よりも不親切で実験的かも知れない。でも世界観は間違いなく広がっている。ディーン・フジオカも納得のキャスティング。出番の量の割に最後は持っていく。
あと映像綺麗。波がヤバい。
「海を駆ける」奇跡
人間は海の力を前に無力。
同時に、生命の源は海。
そんな海は人間にとってままならぬ神秘であり、
また同時に、我が身の存在自体ままならぬ神秘であるという事実に自らは盲目になりがちなのもまた人間。
知性の利器たる言語=英語、を介して自由を求め合う若者たちは、互い小競り合いながら何かしらに導かれ、
海の権化たるディーンフジオカに救われる。
救われた者らのみ、海を駆ける奇跡を起こす。
派手な映像的な興奮や粗筋のサスペンス感は望めませんが、
人間という、所詮は棺に収まるまでの、可能性の限られた存在、その存在自体、すでに各々未解決の物語性を持って、人物自体を生きる事件、として描いている。
そして、遂にその棺は、奇跡により突破される。
大江健三郎的?快感にため息。
神話を暖簾分けしたような物語。
小手先のことを言うと、ハネケ風のビデオやテレビ画面が散見されるが、
効果は微妙。
自然が奪い自然が与える恩恵
生と死の物語 なのかな、と
見終わった直後は、「意味不明」という感じでしたが
振り返ってみると、ディーンは、「死神」というか
「生と死を司る神」のような存在なのかな、と思いました。
死はあるとき突然訪れるし
人間の力ではどうすることもできないこと。
そうした神仕組みとか、運命みたいなものを、
擬人化したのかなと思いました。
なので、やはり、お母さんは、あそこで死ぬことになっていたのかな、と。
あの蝶はお母さんの魂だったのかな、とも思いました。
魂の物語
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