ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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ネイティブ・アメリカン実話に基づいている
アメリカのワイオミング州ウィンドリバー先住民居留置でのお話。
大学でネイティブ・アメリカンが虐げられてきた歴史を習ったことはあるが、実態はよく知らなかった。
最近ではジェレミーレナー=ホークアイのイメージが強かったが、新たな代表作になり得るくらい評判が良い映画。
エリザベス・オルセンとジェレミーレナーのタッグが見れて嬉しい。
マイナス30℃の中、呼吸し続けると肺が潰れて?血が出て死ぬとは知らなかった。
事件の内容、犯人、被害者家族のその後の描かれ方も良かった。
見終わってから知ったが、この映画はフロンティア三部作の3部作目らしい。あと2つも早くみたい。
監督が伝えたかったのは、ネイティブ・アメリカンの実態であると私は思った。
エンドロールでネイティブ・アメリカンの行方不明者が何人か分からないと書かれていてゾッとした。あと警察官が6人しかいないってことにもびっくり。
悲しいヒーロー
想像を絶する零下30度の世界
FBI捜査官の女性(ジェーン)が撃たれてからの銃撃戦には、びっくりさせられた。直前に、一触即発の緊張した場面があったが、どうにか銃撃戦にならずに収まったので、もうないと思っていたらのいきなりであったので。
容疑者達が住んでいるコンテナのドアにジェーンがノックすると、後で 死体で発見されるナタリーに切り替わる展開は実に上手い演出だったと思う。
映画全体として、重くて暗いアメリカの闇を考えさせる映画であった。「ウィンターズ・ボーン」を見たときの印象に近いかな。
最後は個人的にはコリーとジェーンの関係がロマンスに発展する展開を見てみたかったが、この映画のシリアスな雰囲気をぶち壊してしまうかな?
このジェーン役の女優、「イット」に出ていた女優(子役)に似ている。
映画からわかったこと:
・舞台はワイオミング州だった、昔テレビで放映していた「ララミー牧場」もワイオミング州が舞台だったが、見てた人いるかな?
・保留地は自然環境が厳しい
・保留地では殺人事件でないとFBIは関知しない
・保留地では統計上はわからない未解決の失踪事件が多いらしい
・保留地では身を守るため、生活のため銃は必要
・零下30度の世界では、走ってはいけない
・現地では、相変わらず先住民のことをインディアンと呼んでいるらしい・・・映画最初の方で、主人公が住んでいるワイオミング州ランダーから保留地に入る時、以下の道路標識が掲げられていた。
ENTERING
WIND RIVER INDIAN
コンキスタドールに始まる侵略の歴史の影響
想像以上に深い話だった。
舞台はネイティブアメリカンが追いやられた“ウインド・リバー”
ハンターのコリー・ランバートは雪の中に、かつて亡くした娘の親友ナタリーの遺体を見つける。
FBIの新人捜査官ジェーン・バナーに捜査協力を依頼されたコリーは、自身の狩りでの知識を使いながら真相に辿り着いていく。
実話が元のようです。
少女が夜の雪原を逃げ惑うシーンで始まる。
ネイティブアメリカンの悲しい歴史を反映したかのような、“ウインド・リバー”という土地がもたらす悲劇。
この街は何もかも奪っていく。
音も娯楽も何もない。あるのは雪が降り頻る静かな雪原だけ。
運もない。
生きようとするか諦めるか。強いのか弱いのか。
被害者←犯人←コリーたち
シカなどの草食動物←ピューマやコヨーテなどの肉食動物←ハンター
という対比も良かった。
超至近距離の銃撃戦など緊迫感もあり、とにかく簡単に良い悪いで分けられない、複雑な心境の余韻が残る良い映画でした。
主人公コリーのかっこいいこと。
あんなかっこいい主人公久しぶりでした。
自分は裁きを加える立場ではないと言いつつも、自分の過去の苦悩を抱え、(復讐とはちょっと違いますが、)相手に同じ痛みを味わせるのには痺れました。
終始重く苦しく悲しい映画ですが、ジェーンにクロコダイル(いや、それはアリゲーター)のぬいぐるみをお土産に渡すセンスの良さに笑わせられた。
本当、シリアスなシーンの直後に「笑わせないで。」
ケイシーとの再会とかベンのその後とかもう少し描いて欲しい部分もあったけど、蛇足になりそうなのでこれで充分ですかね。
見て良かったです!
考えさせられる映画
背景にあるネイティブインディアンのことをほとんど知らないが、とても考えさせられる映画だった。ストーリーは極限の地で起きる殺人事件を解決していく(結果復讐する)という、よくあるものだが、これだけ印象深いのはその背景にあるものと、この極限の地の緊張感が伝わってきたからだと思う。
これもかなり面白かった
映像これでいいのですか?
サスペンス映画やと思って見たら感想は違った! この映画のレビューを...
3.8点どんぴしゃり
いつも映画を見終わったらレビューを書く
その時、うーん4点かな、いや3.8点だなと思ったら
ドンピシャでしたね。
いい映画でした。
いつのまにか引き込まれていて、WandaVisionのやつでてるーってなってました。
なにより先住民族という新しい要素もあったり、ハンターがでてきたり、美しい自然だったり
なんか新要素多すぎて良き映画でしたね。
肝心のサスペンス部分もよかったんじゃないでしょうか。
主人公もちゃんとかっこいいし、はらはらするし
あの出来損ないの兄貴の「感情がいかってしまう」シーンも良きでしたね
彼はきっといい大人になるんだろうなーって思いました。
強い
「獲物になる鹿は不運なんじゃなく弱いんだ」
「雪の中を10キロも走ったの?」
「そうだよ」
というやりとりがとても印象強かった。
あとは肺が凍って破裂するということも初めて知った。肺が破れて吐血して、自分の血で溺れてしまうんだな。
なんの情報もなく見たので、最初はホラーかな、サスペンスで殺人者が出てくるのかな、未解決事件とか?と思ったら真面目な社会派映画でした。
どうしてそこまで閉鎖的に、外から来たFBIに露骨に接するんだろうと嫌な印象を持ったけど、重い社会背景が未だあるという事実が後で明かされる。
インディアンの行方不明者数は数えられていない、数に入れてもらえないという強烈な事実。
極寒の厳しい環境の中で生き抜く、その地で生きるインディアンの人々は社会に反映しない、存在しないものとされているのか。
「強いから生き残った」という言葉には、もちろん犠牲になった娘も含まれているし、自分の子供も含んでいるはずだ。納得できるはずもないけど、頼るものがなければそうして生きていくしかないんだろう。
復讐を果たした終わりであるものの賛美はしない。あくまでも横たわる社会的な問題が地続きで終わっていないと示しているようで重苦しいラストだった。
社会から目を向けられていない存在ならば、社会に頼ることは出来ない。法から逸脱した行為をよそ者が止めることも出来ない。社会に入れてもらえない彼らが生き抜くために彼らのやり方で生きているからだ。
強く生き抜く人間を描いているが、娘の死にリストカットして苦しむ母親、自殺未遂を起こす父親、冷えたストーブと、けして美化せずに真摯に苦しみを描いていると思った。
もう少しこの背景を知りたいと思った。
もちろんこの地域が被害者というシンプルな図ではなくて、複雑な問題もあるのだろうという考えを持ちながら調べてみたいと思う。
鬱積した思い
強制移住させられたネイティヴ・アメリカンの先住民達の、余りにも苛酷な境遇の描写が重く苦しい作品でした。
厳しい環境を強いられながらも、保留地で暮らす人々の大半が犯罪を犯す事なく生活されていると思いますが、被害に遭った少女達の恐怖と無念さを思うと、やはり性犯罪は許されない、人を殺めてはいけないと改めて強く感じました。
極寒の凍てついた映像がリアル。
BS - 12 を録画にて鑑賞
秀逸な寂寥感
冒頭の少女の死という衝撃から観客を引き込み、どんどんのめりこんでいく。獣を撃つ主人公、ネイティブ・アメリカン、少数の警察官、一見頼りなさそうなFBI捜査官、それぞれの登場人物がうまく描写されていて、飽きさせないストーリ構成。
展開が進むうちに、亡くなった少女と瞬人口の関係や過去と娘の死、華奢なFBI捜査官は実は根性もあり統率力もあったりと、明らかになっていく事実で先が気になってくる。驚愕の銃撃戦に至るまでの緊張感、もっと評価されるべき秀作。
舞台は人の数が本当に少なく荒涼とした雪景色と共に寂寥感が漂う。歴史の中で奥地に追いやられたネイティブアメリカンの苦悩、「刑務所にいたほうが楽でいい生活」というセリフが残る。そしてラストの哀しい達成感、苦しいが思いのほか爽やかに終わりホッとする。
色々考えさせられ奥が深かかった。冒頭の少女のように出演者の迫真の演技にも拍手。
どこまでも重々しく。
ジェレミーレナーにつられて観ましたが、そんな軽々しく観ていい作品ではなかった…。
ストーリーは重く、エグい場面もあります。感情移入しやすい方は元気のないときは鑑賞を控えた方がいいかもしれません。
序盤は少し退屈にも思いましたが、徐々に状況がわかってくると、引き込まれていきました。終盤はサスペンス的展開で見応えがありました。
復讐劇のような面もあるのですが、スカッとする感じではなく、どこまでも重々しさが消えません。
エリザベスオルセン演じるFBI捜査官のジェーンが優秀とは言えないけれど、前向きに頑張っていて応援したくなりました。本作唯一の癒しかもしれない。
悲しみにどう向き合えばいいのか、というコリーの話が印象的でした。辛いけれど、素敵な考え方です。
ラストの2人の背中がなんとも切ない。そして少し救われたと思ったところにあのテロップ。アメリカの歴史や民族に明るければ、より本作を深く理解できただろうと思います。私は先住民保留地の存在すら知らなかったのですが、本作鑑賞後に少し調べてみると、実際に過酷な環境で、事件も多く起きていることを知ってショックを受けました。
最後のテロップを伝えるための作品だと考えると、ドキュメンタリーにして鑑賞のハードルを高めたり、説教っぽくしてしまうよりも、より多くの人に観て考えてもらいやすい作りになっているのは素晴らしいと思います。
ちなみに、本作を観て調べずにいられなかったクロコダイルとアリゲーターの違い。頭を上から見たときに尖って見えるのがクロコダイル、丸みがかっているのがアリゲーターだそうです。他にも牙や歩き方に違いがあるよう。
タイトルなし
ジェレミー・レナーが渋い。ネイティブアメリカンの居留地は昔白人から侵略され、割り当てられた極寒の地。暮らすにはあまりにも過酷のため、そこに集められ、自治が認められている。広大な地を6人の保安官しかいない。農業も産業も何もなく、都会に出ては生活に馴染めず、出戻り、貧困から酒やドラッグに溺れてしまう。弱い者は生き残れない。独特の地で起きた殺人事件をFBIの新米と娘を殺された過去を持ちそれが原因で離婚し、深い悲しみを背負うハンター役ジェレミー・レナーが犯人を追う。ラスト犯人を殺す方法は残酷だが勧善懲悪。中々良かった。
アメリカ先住民だけの問題ではなく…
TV放映分を録画して鑑賞。
作品自体も監督も知らなかった中で
思いがけず良作に出会えた。
そして、改めてアメリカ先住民が強いられた
過酷な環境に思いを寄せた。
この映画の中での犯罪を犯す面々は
不毛な居住環境と法の支配が弱いせい
とするが如くだ。
しかし、この原因は、アメリカ先住民が
過酷な環境の土地への居住を強制的に
強いられたのであって、
監督が訴えたいのは正にこの点だろう。
戊辰戦争の結果、
青森の斗南の地に強制移住させられ、
過酷な生活を強いられた会津藩の皆さんに
重なって見えてしまう。
時の勝者が敗者に強いる結果は、
決して他国や他人事の問題ではない
普遍的な戦争のもたらす悲劇
なのだろうと思う。
しかしながら、
映画冒頭での、事件で亡くなってしまう娘の
雪原の中での疾走の場面、
彼女のそれでも自ら置かれた環境と人を
愛するモノローグは、
映画の悲しい結末以上に
人間への希望を失っていない
監督のメッセージだったのだろうと思った。
悲しくてやりきれない
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