ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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これもかなり面白かった
やはりアメリカ映画はレンジが深い裾野が広いというか
まだまだ、いろんな発想をしてくる
マンガアニメの実写化ばかり、あるいは人気作家の映画化とか、完全に守りに入ってる日本映画とは違う
(個人的には、もう死に体だよ日本映画一体だれが悪いんだ頭に来る)
で、この映画も意外性が光る 寒い地域に追いやられたネイティブの人たち、その寒さの想像を越えたすさまじさ なんか考えさせられた アメリカにもそんなに寒いとこあるのね
主人公は仕事人みたいだ、確実に悪をさばいていく
あーでもみてだいぶたつから、ストーリーがあまり思い出せない
もっいかいみよう
映像これでいいのですか?
サスペンス映画やと思って見たら感想は違った! この映画のレビューを...
3.8点どんぴしゃり
いつも映画を見終わったらレビューを書く
その時、うーん4点かな、いや3.8点だなと思ったら
ドンピシャでしたね。
いい映画でした。
いつのまにか引き込まれていて、WandaVisionのやつでてるーってなってました。
なにより先住民族という新しい要素もあったり、ハンターがでてきたり、美しい自然だったり
なんか新要素多すぎて良き映画でしたね。
肝心のサスペンス部分もよかったんじゃないでしょうか。
主人公もちゃんとかっこいいし、はらはらするし
あの出来損ないの兄貴の「感情がいかってしまう」シーンも良きでしたね
彼はきっといい大人になるんだろうなーって思いました。
強い
「獲物になる鹿は不運なんじゃなく弱いんだ」
「雪の中を10キロも走ったの?」
「そうだよ」
というやりとりがとても印象強かった。
あとは肺が凍って破裂するということも初めて知った。肺が破れて吐血して、自分の血で溺れてしまうんだな。
なんの情報もなく見たので、最初はホラーかな、サスペンスで殺人者が出てくるのかな、未解決事件とか?と思ったら真面目な社会派映画でした。
どうしてそこまで閉鎖的に、外から来たFBIに露骨に接するんだろうと嫌な印象を持ったけど、重い社会背景が未だあるという事実が後で明かされる。
インディアンの行方不明者数は数えられていない、数に入れてもらえないという強烈な事実。
極寒の厳しい環境の中で生き抜く、その地で生きるインディアンの人々は社会に反映しない、存在しないものとされているのか。
「強いから生き残った」という言葉には、もちろん犠牲になった娘も含まれているし、自分の子供も含んでいるはずだ。納得できるはずもないけど、頼るものがなければそうして生きていくしかないんだろう。
復讐を果たした終わりであるものの賛美はしない。あくまでも横たわる社会的な問題が地続きで終わっていないと示しているようで重苦しいラストだった。
社会から目を向けられていない存在ならば、社会に頼ることは出来ない。法から逸脱した行為をよそ者が止めることも出来ない。社会に入れてもらえない彼らが生き抜くために彼らのやり方で生きているからだ。
強く生き抜く人間を描いているが、娘の死にリストカットして苦しむ母親、自殺未遂を起こす父親、冷えたストーブと、けして美化せずに真摯に苦しみを描いていると思った。
もう少しこの背景を知りたいと思った。
もちろんこの地域が被害者というシンプルな図ではなくて、複雑な問題もあるのだろうという考えを持ちながら調べてみたいと思う。
鬱積した思い
強制移住させられたネイティヴ・アメリカンの先住民達の、余りにも苛酷な境遇の描写が重く苦しい作品でした。
厳しい環境を強いられながらも、保留地で暮らす人々の大半が犯罪を犯す事なく生活されていると思いますが、被害に遭った少女達の恐怖と無念さを思うと、やはり性犯罪は許されない、人を殺めてはいけないと改めて強く感じました。
極寒の凍てついた映像がリアル。
BS - 12 を録画にて鑑賞
秀逸な寂寥感
冒頭の少女の死という衝撃から観客を引き込み、どんどんのめりこんでいく。獣を撃つ主人公、ネイティブ・アメリカン、少数の警察官、一見頼りなさそうなFBI捜査官、それぞれの登場人物がうまく描写されていて、飽きさせないストーリ構成。
展開が進むうちに、亡くなった少女と瞬人口の関係や過去と娘の死、華奢なFBI捜査官は実は根性もあり統率力もあったりと、明らかになっていく事実で先が気になってくる。驚愕の銃撃戦に至るまでの緊張感、もっと評価されるべき秀作。
舞台は人の数が本当に少なく荒涼とした雪景色と共に寂寥感が漂う。歴史の中で奥地に追いやられたネイティブアメリカンの苦悩、「刑務所にいたほうが楽でいい生活」というセリフが残る。そしてラストの哀しい達成感、苦しいが思いのほか爽やかに終わりホッとする。
色々考えさせられ奥が深かかった。冒頭の少女のように出演者の迫真の演技にも拍手。
どこまでも重々しく。
ジェレミーレナーにつられて観ましたが、そんな軽々しく観ていい作品ではなかった…。
ストーリーは重く、エグい場面もあります。感情移入しやすい方は元気のないときは鑑賞を控えた方がいいかもしれません。
序盤は少し退屈にも思いましたが、徐々に状況がわかってくると、引き込まれていきました。終盤はサスペンス的展開で見応えがありました。
復讐劇のような面もあるのですが、スカッとする感じではなく、どこまでも重々しさが消えません。
エリザベスオルセン演じるFBI捜査官のジェーンが優秀とは言えないけれど、前向きに頑張っていて応援したくなりました。本作唯一の癒しかもしれない。
悲しみにどう向き合えばいいのか、というコリーの話が印象的でした。辛いけれど、素敵な考え方です。
ラストの2人の背中がなんとも切ない。そして少し救われたと思ったところにあのテロップ。アメリカの歴史や民族に明るければ、より本作を深く理解できただろうと思います。私は先住民保留地の存在すら知らなかったのですが、本作鑑賞後に少し調べてみると、実際に過酷な環境で、事件も多く起きていることを知ってショックを受けました。
最後のテロップを伝えるための作品だと考えると、ドキュメンタリーにして鑑賞のハードルを高めたり、説教っぽくしてしまうよりも、より多くの人に観て考えてもらいやすい作りになっているのは素晴らしいと思います。
ちなみに、本作を観て調べずにいられなかったクロコダイルとアリゲーターの違い。頭を上から見たときに尖って見えるのがクロコダイル、丸みがかっているのがアリゲーターだそうです。他にも牙や歩き方に違いがあるよう。
タイトルなし
ジェレミー・レナーが渋い。ネイティブアメリカンの居留地は昔白人から侵略され、割り当てられた極寒の地。暮らすにはあまりにも過酷のため、そこに集められ、自治が認められている。広大な地を6人の保安官しかいない。農業も産業も何もなく、都会に出ては生活に馴染めず、出戻り、貧困から酒やドラッグに溺れてしまう。弱い者は生き残れない。独特の地で起きた殺人事件をFBIの新米と娘を殺された過去を持ちそれが原因で離婚し、深い悲しみを背負うハンター役ジェレミー・レナーが犯人を追う。ラスト犯人を殺す方法は残酷だが勧善懲悪。中々良かった。
アメリカ先住民だけの問題ではなく…
TV放映分を録画して鑑賞。
作品自体も監督も知らなかった中で
思いがけず良作に出会えた。
そして、改めてアメリカ先住民が強いられた
過酷な環境に思いを寄せた。
この映画の中での犯罪を犯す面々は
不毛な居住環境と法の支配が弱いせい
とするが如くだ。
しかし、この原因は、アメリカ先住民が
過酷な環境の土地への居住を強制的に
強いられたのであって、
監督が訴えたいのは正にこの点だろう。
戊辰戦争の結果、
青森の斗南の地に強制移住させられ、
過酷な生活を強いられた会津藩の皆さんに
重なって見えてしまう。
時の勝者が敗者に強いる結果は、
決して他国や他人事の問題ではない
普遍的な戦争のもたらす悲劇
なのだろうと思う。
しかしながら、
映画冒頭での、事件で亡くなってしまう娘の
雪原の中での疾走の場面、
彼女のそれでも自ら置かれた環境と人を
愛するモノローグは、
映画の悲しい結末以上に
人間への希望を失っていない
監督のメッセージだったのだろうと思った。
悲しくてやりきれない
羊たちの沈黙の再来
アメリカの社会問題
貧しい者たちを「独立」の名のもとに放置する罪。
アメリカのインディアンが、住んでいた肥沃な大地を追われ、もとの土地とはまったく無関係で、極寒で痩せた土地をあてがわれ、居住地として押し込まれたことは、ご存じと思います。
ただし、その土地がなかば独立国のように扱われていること。
それは本来は良い意味であったはずなのに、実は居留地自治体が、教育や警察を含めて、あらゆる行政サービスを自分たちだけのお金で賄う必要があることに思い至ると、ここに基本的人権すら無視された人々が捨てられるように住んでいるのだという重大さに慄然とさせられます。
この映画の舞台ウインド・リバー居留地も、居留地が極貧であることから、部族警察には警察官がたったの6人しかいない、これでどうやって治安が守れるの?という背景から、映画が作られています。
国民としてのサービスをほとんど満足に受けられない極貧の者たち。
凶悪犯罪が起きても、中央政府は、たった一人の若いFBI係官を派遣して、それでおしまいなのです。
しかし、自らの娘も失った失意のハンターが、FBIと二人で悪に立ち向かう、そういうストーリーです。
内容的には、アメリカ映画伝統の、勧善懲悪ストーリーなのですが、上記のような舞台背景があり、その問題点を訴えるという目的意識が明確に据えられているので、登場人物たちの心を表現する芸達者な役者たちの名演技もあり、一味も二味も違った佳作に仕上がっていました。
ヒーロー物とも言えるかも知れませんが、スパイダーマンのような話とは異なり、もしかすると明日、自分にでもなれそうな、まさに等身大のヒーローの活躍話なので、たいへん共感し、感動しました。
狂気と良心と
アベンジャーズのエイジオブウルトロンで、ホークアイのジェレミーレナーが、スカーレットウィッチのエリザベスオルセンを叱咤する場面がある。
ソコヴィアが宙に浮いている時で「わたしのせいで」と良心の呵責にさいなまれ、弱気になっている彼女に、
「誰のせいでもいい、なにしろ街は浮いてるし、ロボットたちがおそってきてる、おれなんか弓と矢でやってんだ、でもしごとだし、やるしかない、あんたの子守はできないし、過去なんて関係ない、とにかく戦え」と言って励ます。
印象的なシーンでよく覚えている。
脚本家Taylor Sheridanは(Sicarioの前に1本監督作があるが)三作で躍り出た時の人。
一作目がボーダーライン(Sicario)、二作目はNetflixで最後の追跡(Hell or High Water)、三作目がこの映画で、監督もつとめ、カンヌで(監督賞を)とってしまった。
三作とも重い主題、共通するものがあった。
ボーダーラインの衝撃は大きかった。
麻薬カルテルの巣窟へ入っていくFBI捜査官ケイトは、まるでカーツ大佐のいるジャングルへ入っていくマーティンシーンのようだった。
続く最後の追跡も、復讐劇に陥らず、といって社会派にも落とさない、絶妙な筋書きだった。
そしてWind River。
エイジオブウルトロンのあの場面から着想したとしか思えないキャスティング。
主従でも、師弟でもない、ホークアイとスカーレットウィッチに酷似した二人の関係性が、Wind Riverにも描かれていた。──それが、言いたかった。
人の狂気があらわれたとき、亡くなった者、生き残った者。
なにかの巡り合わせで、地獄のような運命のおちいってしまった人々。
それぞれの複雑な心象と、どうにもならない立場と、人の持つ残虐性。
それらが緊迫したドラマになっているのだが、復讐や執念を描きながらTaylor Sheridanが最終的に言いたいのは、地獄を見ても失われなかった人の良心だ──と思う。
狂気のこちら側には、かならず良心がある。
それが三作に一貫している。と思う。
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