友罪のレビュー・感想・評価
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欲張るとわけがわからなくなる
なにが本筋なのかさっぱりわからなくて、、、。
あの2人のうちの人に焦点を当てて作ったらどうだったのかな?
佐藤さんのところは全くの無駄になってました。
微妙。
このような話の映画は好きでよく
みるので、とても楽しみにしていたのですが、正直微妙でした。終わりの描写も曖昧だし、話が複雑で難しく結局どうなったのか、何を伝えたいのかわかりませんでした。そして、この映画は殴り合いのシーンが多く、血などもリアルに表現されていてR15+にするべきだと思いました。フライドポテト、ポップコーンを買って観ながら食べようと思いましたが、
この映画観ながらだと全く食欲がわかず、半分以上残して持って帰りました。
飲み物だけで十分です。
しかし、キャスティングはとても良いと思いました。瑛太さんとても演技がうまくて少年Aしっかりやっていて引き込まれました。その他の俳優さんも役とあっていて良かったです
鬼慟哭
原作小説未読。なのでラストの結末が小説とはどう違うのかは不明。唯、唯、主演生田斗真の慟哭が何度も何度も映し出されるので、そういう意味では確かに女性客の異様な多さは、このシーンを愛でるというスタンスなんであろうことは容易に想像出来る。とはいえ、確かに、男前が、あれだけの慟哭を表現するのだから絵になる。特にアイドルも歳をとれば顔だって弛んでくるから、その深い皺が良い表現手段として生かされているのである。
金属加工工場のあの過酷さは、リアリティがあったのに、何故に寮内の掃除が行き届いている様は全くリアリティが感じられない。男、しかも所謂DQNがいるような場所なんだろうから、もっと床とかにゴミとか散乱しているだろうし、その辺りのゴミ屋敷振りをもっと演出してくれると、荒みきった環境に拍車が掛かるのだと思うのだが・・・
色々難癖は付けたが、総じて流石俳優陣の質の高さは紛うことない。大変素晴らしい演技である。勿論、都合良い所とか、こんなに色々な問題がサンドイッチされているような関係性はないんだろうから、そういう意味では如何にあり得ない話をさも現実のように作り込むストーリーデザインは小説の通り、秀逸である。勿論、こんな究極の状況に置かれる人はそれ程はいない。だからこそ想像力を逞しくして生きるより仕方がないし、その正しい選択は誰にも分からない。だから本作でもその明確は答えを出しているわけではなく、しかしあまり頭でっかちにならないよう、感情と理性をなんとかバランス取りながらも生きていくことをまるで針のむしろのように続けていく示唆に、何とも言えない重しを乗せられたような胸のつぶれる気持ちを頂いた様な気がする。今までの監督作品の中でも非常に解りやすい作品であった。
唯、一点、あの動画が抜かれたトリックはきちんと観客に知らせて欲しかったなぁ・・・
罪とはなんなんだろう
この映画を見た人はどう思うのかな?
沢山の考え方が産まれそうな、幅の広い映画だと思った。
全員に共通したのは、『独りよがり』
遺族は悲しみから前に進みたいのに、罪人だけが、前に進まず、却って遺族を苦しませていて、更に自分自身も苦しみ続けている。
過去は変わらない。
しかし、過去と自分の罪と、向き合わないと前に進めない。でも、向き合うには一人では向き合えないが、罪人は、背負うがあまり一人であることを選択するから、結局向き合う事が出来ず、年月ばかりが経ってしまう…。
罪人に限らず、僕らはどう生きるべきなのかな?…と、考えさせられました
ひどすぎる。
薬丸岳の小説はほぼ読んでいるのですが、その中でも個人的に、映像化できない(するべきでない)作品トップ3に入る話です。
それがまさかの映画化。発表されたときに、見ないと決めていたのに見てしまった。
結果、やっぱり・・・と思いました。
※以下ネタバレ有り
原作で、いろんな方向で次から次に出てくるそれぞれの過去の闇、それをふまえて、益田から鈴木に投げかけたあの文。それを無理矢理120分にぎゅう詰めにした結果、何が訴えたいのか全く伝わらない内容に。山内を寮長でなくタクシー運転手にした時点でダメ。個人的には、原作で益田が山内に鈴木のことを話すシーンはとても重要です。施設での母親役(白石だったかな)と鈴木が会うシーンも、映画ではあんなに薄く、意味が全くない。
とにかくなんのメッセージ性もない。印象に残った唯一のシーンはラストの益田が叫ぶところと鈴木の表情。このシーンですら、叫んだり微笑んだり泣いたりすることで受け手に何かメッセージを伝えようとしてるけど空回りしてる感が否めない。
生田斗真と瑛太の演技力は本当にいつも素晴らしいと思います。素晴らしいから、尚更残念。
酷すぎる
いったい何が言いたいのか?リアリティーが全く感じられない❗映画のエンターテイメントととして成り立ってない。もっと少年Aの事を調べて伝えなくて何が意味あるのか?監督としてお金をとる意味わかってるのか?時間とお金の無駄でした。
生きたい
殺人、友の自殺を止められなかった、危険運転致死罪。加害者の葛藤と被害者の感情。罪償い方と生きたい気持ち。命の重さと軽さ。この映画から突きつけられたテーマは、いつでもどちらか側になり得るので、直面する問題。「罪を犯したものは、幸せになってはいけないの?」「自分は生きていてはいけない人間?でも生きたい」心に残るテーマ。法の前では誰でもが生きる権利がある。やってはいけないことは、自殺と感じた。夏目漱石の「こころ」では、自殺した友は自分のせいだと、罪の意識に潰されて「先生」も死を選んだ。映画の「益田」は生きるために現場に行った。瑛太のラストの表情が「生きる」苦しさと「生きたい」性を素晴らしく描写していた。久しぶりに星4つの映画を見た。
良かったです
それぞれの考え方で、ラストの感じ方違う
3回目の殺人みたいな
重い内容でした。
あの二人より、佐藤浩市さんの一家の方が
気になりました。
現実味がある…
結構だれでも、その立場になり得る
あの息子さんは、どうなるべきなのか?
考えてしまう映画でした
犯した罪は、いつまで、どれだけ、そして誰が、背負い続けていけばいいのだろうか。
瑛太演じる「鈴木」が、かつて現実に神戸で起きたあの事件の少年Aであったなら、こんな人生になっているんじゃないか?と思わせる、背筋に嫌なものが走る映画。おそらくかの少年Aは、精神障害を負っていたであろう。それは、少年院でどれだけ心を尽くしたケアがされたとしても健常者にはなれない。心が壊れているのだから。それでもどうにか独り立ちできても、コミュ障の彼は、周りと溶け込めない。そう、まさに「鈴木」のように。
そんな、言葉に抑揚がなく、感情も希薄な「鈴木」が、少しづつ益田や藤沢によって変わっていく。地表に積もった雪が、厳寒のなかでも僅かずつでも溶けていくように。それは、彼らが同じ「人に言えない過去の苦しみ」を抱えているからこその共鳴なのだろう。
最後、瑛太の表情は、目まぐるしく変わっていった。いろんな感情が沸き上がり、それを処理しきれず、錯綜し、持て余しているような表情だった。まるで、少しづつカラオケに慣れて歌えるようになっていったときのように。もうじき、彼も、自分の感情を素直に表せるようになれるかもしれない。そのときにまた益田のような、彼の内面にきちんと向き合ってくれるような友達と出会えることを願う。
友だちの、罪
職場で出会った友達が、実は十数年前に起こった児童殺害事件の犯人だったという話。
事件の犯人、その友達、犯罪者の親、恋人などの色々な人々の思いを描いた作品だった。犯罪者に、幸せになる権利はないのかなどというとにかく重たい内容だが、罪を犯した者が、自分の罪と向き合った時、何に気づき、何を見つけるのかといった深い内容になっている。
期待したけど
「少年A}という題名にとらわれ過ぎたんじゃないですか。
あの人間・犯人に突っ込み過ぎないように(突っ込みすぎると人権とか何とかでうるさいし)、でもあの犯罪に触れた作品を作りたい。・・・みたいな感じでなんか中途半端。
題名を変えてもっと登場人物にガチガチに突っ込んで作ればよかったのに。
俺は生田も瑛太も夏帆も佐藤浩市も山本美月も富田靖子も好きなので残念。
☆☆☆★★★ 会話劇を中心とし、約600ページ近くにまで及ぶやや長...
☆☆☆★★★
会話劇を中心とし、約600ページ近くにまで及ぶやや長尺な原作は読了済み。
小説としては良作だとは思うのだが、これをそのまま映像化してしまうと。観客からは「何だこれ!」…と言った声がかなり多く出そうな気はしていた。
曖昧に感じる結末は、読んでいても急にぶった切られる様な終わり方だし。途中で登場しては消えて行くDV男や。最後に突如改心したかの様に描かれているダメ息子等は、小説だから…と納得出来ない事は無いのだが…。
「人と人との温もりを感じたい」
強く心に思いながらも。性格で有り、過去で有り…と。それまで歩んで来た道が影響し、なかなか上手く社会に適応する事が出来ない人達。
原作は、都会の中で孤独に生きる人々を慈しむ様に描写されている。
人生を生きる上で、本当に《友人》と言える人とは巡り会えるのか?
但し、その人がもしも【殺人者】であったならば…貴方は本当に《友人》でいられますか?…と。
【殺人者】で有った過去を持つ鈴木と【傍観者】で有った益田。
《友人》としての繋がりと。友情から生まれる信頼とは?
【家族】で有りたい!と願う白石と。【家族】で有る事を辞めた山内。
彼らの周りに居て、見守る事となる人物には。過去の出来事により失われた【家族】の絆と、その修復の困難さを。
明らかに、鈴木と益田。そして白石と山内は立場は違えども、同じ境遇の人間として対比させる存在と言える。
それらの原作に於ける人間関係は。映像化に辺り、微妙な中途半端感であったり。細かな違和感の様なモノを、読んでいて個人的に少し感じたのですが。製作側も同じ様な考えだったのか?は想像の域を出ませんが。映画は数多くの改変をしている。
大まかなストーリーラインと共に、益田と鈴木の関係性はほぼ原作通り。性格的な面や、周りの人々との人間関係等は多少変えている。
特に益田の元カノでアイドルアナで在る清美は。原作にだけ登場する下衆なジャーナリスト須藤を併せた人物への改変は「あ〜成る程!」と思わせた。
原作との1番大きな違いは、山内と白石の2人の対比。
実は山内の家族の問題は、原作には描かれてはいないが、本来ならば寮長的な位置に居る先輩工場長。
それを、息子の過去の過ちを示すかの様な職業へ。
また、白石の親子関係は原作では娘ではなく息子なのですが。更には家庭環境すら、白石の家庭環境を山内へと大胆に変更した事で、原作では余り目立たない人物だった山内の人間性の肉付けに成功しており。この2人による父親・母親とゆう異なる立場から見た【命の大切さ】を訴える。
多少、原作を読んでいるとやり過ぎにも見えなく無いのですが。原作を読んでいない人には、それほどの違和感を感じさせない改変になっていると思えた。
反面で残念だった箇所もチラホラ。
元AV女優である美代子は、原作では同じ町工場に勤める事務員で、若い2人の関係に《つなぎ》の様な役目を果たす存在。
鈴木と知り合う事に違和感は無いが、映画では知り合ってから恋愛関係に至るまでが、人によってはやや強引に映るかも知れない。
何よりも、元AV女優としての過去により。色々な苦悩を重ねて来た、これまでの人生と共に。今後も続けさまに襲って来るであろう未来に対し。最後には、逃げない気持ちを徐々に持つ。強い意志を感じさせる女性へと、変貌を遂げるのだが。映画では、単に逃げ回る女性になってしまったのは至極残念。
そして個人的に1番残念だったのが。最後に鈴木と益田が、お互いの立場と苦悩を慰める場面。
原作ではこの時に2人は引き戸1枚を隔て、その存在を確認し合う。
お互いに息を殺しながらも、互いの境遇を慈しみ合い。でも裏切りに怒り。憤り。しかし心の奥底からは《真の友情》の芽生えを感じながら…。
嗚呼!それなのに…。
映画ではこの時に、お互いがお互いの心情を思いやりハグをする。
まるで「どうぞここで泣いて下さい」…と言っている様に(他意はない)
その安易に泣かせに来る演出は残念に思う。
この時に、お互いに気持ちをぶつけ合う事が無かったからこそ。最後の手紙に大きな意味が有ったと思えただけに…。
とは言え。【命とは?】【家族とは?】【友情とは?】…と。
多くの面で考えさせられ。ラストシーンは、小説では味わえない温かみと、切なさに包んでくれる良作であると思います。
2018年5月25日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン9
友罪
同年代の益田と鈴木。
工場の試用期間を共に過ごす。
打ち解けようとせず1人殻にこもる鈴木の異様な姿に同僚達は気持ち悪がる。
嫌われ者の、レッテルを貼られた鈴木だが、酔っ払って倒れている先輩を部屋まで運んだり、DV被害の女性を助けたりと実はいい奴だった。
児童殺害事件が起こる。17年前の事件、少年Aの再犯かと思われたが…少年Aの行方が分からない。
更生施設で少年A(青柳)を担当していた白石は不安に駆られる。そんな時、青柳から連絡があり面会するが、楽しげに友達が出来たと語る青柳に、半信半疑の白石だった。
後輩記者に頼まれて益田は少年Aを調べ始めた。
少年Aの同級生から得た情報で鈴木が少年Aだと知る。
夜の公園で酒を飲みながら過去の罪について語る鈴木に益田は心を開けず、自らの罪を語らなかった。
週刊誌に少年Aの現在の写真が掲載された。それは紛れも無く益田が撮った写真。
友人に裏切られた鈴木…鈴木はまた孤独に…姿を消す
益田にとっての贖罪は中学の友人を虐めから救えず、むしろ自殺に追い込んだ過去だった。友人に対する罪…益田は鈴木にまた同じ過ちを犯すのか。
児童殺害事件の犯人が捕まった。
鈴木とは無関係だった。
鈴木は過去の犯行現場で何を思うのか?
感情の欠落…鈴木は悲しみの感情が上手く表現出来ない。
益田は友人が自殺した場所で絶叫し赦しを乞う。
そこから益田と鈴木の本当の友情に繋がって欲しい。
瑛太は無感情な演技が上手い。
犯罪者である鈴木だが、精神的に幼く白石に甘える姿が少年犯罪者に共通する部分かなと思う。
そんな細かい表情が怪演に繋がる。
作品の中に無免許で児童3人を轢き殺した息子を持つタクシー運転手の家族の贖罪や未成年の妊娠中絶など詰め込み過ぎ。
過失の罪ではあるが人の命を奪う行為は同じ。
答えの出ない重く深いテーマです。
瑛太が良い
登場人物盛り込みすぎでは?とか、都合良すぎでは?とか、セリフに違和感…とか、色々ありましたが、瑛太さん演じる鈴木のキャラクターの魅力と、瑛太さん自身も鈴木をすごく丁寧に演じていたので、最終的に心を動かされました。
「宿命」っていう考え方を表しているのかな?
登場人物全員の目が死んでいます。
けどそれぞれが「生きたい」という姿勢が見えるので本当に役者さん達の演技力があるのだな〜と感じました。
まぁ瑛太さんの演技は秀逸です。
広げ過ぎた風呂敷は・・・。
あれやこれや、手を広げ過ぎた結果の映画です。果たして、佐藤浩市のエピソード、夏帆のエピソード、本当に必要だったのでしょうか。疑問であります。また、瑛太は肩に力が入り過ぎています。「殺人犯」ということを過剰に意識しない方がよかったのかもしれません。まぁ、誰が演じても完璧には演じ切ることはできなかったでしょう。この映画の題材は非常に難しいものなのです。期待半分、怖さ半分で上映に臨みましたが、結果は御覧のような星勘定になってしまいました。
あしからず。
もしも、知り合いが罪を犯していたら…。
原作未読。ファーストデイだったので、鑑賞しました。
「もしも、友人が殺人者だったら?」というテーマで、元ジャーナリストの主人公やAV女優、取り返しの付かない事を犯した元恋人、ある事情を抱えた医療少年院勤務の女性、一家離散した過去を持つタクシー運転手の過去が明かされると共に、少年Aの事件が再び動き出す…。という人間ドラマです。
主演の生田斗真さん&瑛太さんをはじめ、夏帆さんや山本美月さん、佐藤浩市さんなど豪華キャストが集結したので、終始、緊迫感溢れる演技合戦を楽しめましたが、怒鳴り散らしたり、物を壊したり、レ◯プシーンがあったりと過激な所が多くありました。
ラストも、腑に落ちない終わり方でした。
昨日鑑賞した、「恋は雨上がりのように」の方がストーリーも終わり方も良かったです。
1100円で、観に行って正解でした。
寄り添う先は
事の大小は様々とはいえ、一筋縄ではいかない重いものを背負った人間が何人も出てきて、絡み合うようで絡まず、すれ違うように過ぎていく構成が印象的。
それでも少しずつ進んで生きていく姿を見守るような目線の映画なんだろうなと思った。
安易に全て繋げないことが本作のポイントなんだろうとは思うけど、特別な展開や真実も何も無く拍子抜けしてしまったのは仕方ないかな。
それぞれを描くにしても描写がゆるっとしていて中途半端感は拭えない。
ただ、映画として物語として面白いどうこうは抜きにして色々考える楽しみのある作品だった。
一番感情を持っていかれたのが、轢き逃げで子供を殺した息子を持つタクシー運転手の父親。
罪を犯した息子が幸せになることがどうしても許せずにもがく姿にもどかしい思いになる。
彼が息子との電話越しに「そうか」と返事をしたその声色と表情が一つ壁を越えたような気がして少し涙がこぼれた。
勧善懲悪とはいかない世の中、犯罪者の更生とは何なのかだいぶ考えさせられる。
鈴木(青柳)を擁護する気は全くないけど、外から見ればただの猟奇殺人犯にも人格があるわけで。
中に踏み入れればもしかすると益田のように友達として心を寄せるようになるのかもしれない。
鈴木の「生きてる価値なんて無いと思うのに、心の底で生きたいと強く思っている」という台詞にはグッときた。
片や何の前触れもなく殺される者もいれば、いじめを苦に自殺する者もいるわけで、その対比が強烈。
それにしても、益田が最後まで鈴木に対して友達であるというスタンスを崩さなかったのは面白かった。
罪の意識を持つもの同士、ということなのかな。
最後の益田の叫びに急激に冷めるけど、直後の鈴木の表情で盛り返してくれたので良かった。
更生施設職員の白石先生と鈴木との関係について考えてみた。
過去の振り返りや詳しい説明が無いので私の個人的な見解になるけど、
鈴木は白石先生に特別な感情を抱いていたんだろうなと思う。
母を亡くしてから性的成長が歪んでいたらしいので、マザコンじゃないけどその延長のような形で。
虫からだんだんエスカレートしていった「殺し」というのもある種の欲望の表れで、抑え難いその欲と感情の矛先が施設では白石に向けられていたのではないかと。
鈴木はおそらく創作の絵よりも見たものをそのまま描くスケッチが得意だと思うので、もしかしたら白石を裸にして描いていたのかもしれない。
遊園地で会った時も鈴木からの接触だったようだし、白石は鈴木(青柳)に対する大きな恐れの意識と信じたい思いで葛藤していそう。
そんな中でも実の娘の妊娠・流産があって、この映画の中でも一番振り回されている印象のキャラだった。
一人一人にスポットを当てていくとじわじわ面白くなってくる。
全体的にどんよりした空気が漂っているのが好きで退屈することは無かったけど、色々詰め込んだ結果の描写不足が残念。
益田と鈴木が急に打ち解けていたり、見たいところ見せてくれないのがもどかしかった。
元殺人犯の友達、という点で今年2月後悔の「羊の木」と少しリンクするものがあった。
私は結構好き。
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