友罪のレビュー・感想・評価
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少年A
最初から最後まで気持ちは暗く、誰も救われないような苦しみを感じました。現代社会の中に潜む、猟奇的な心の闇と葛藤を描いた問題作。
日本全土を震撼させた神戸児童殺人事件をモチーフにしており、少年Aのその後の姿を通して描いています。
自分の近くに、もし成人した少年Aが存在したら、果たして受け入れることはできるのか…。それは、かなり難しいことだと思います。
この映画で、少年Aは消すことのできない大きな罪と代償、そして後悔を背負いながら、これ以上、自らは決して人を傷つけないという強い決意は、伝わってきました。
配役として、生田斗真と瑛太の位置関係はバランス良く、お互いを引き立てていたと思います。一方、佐藤浩市や富田靖子の役割は、直接的にはストーリーとは関係のない話題だった分、やや本作としてのテーマが薄まっ感じがしました。
むしろ、被害者遺族や加害者家族の実際の痛みや苦しみは、いかばかりなのか、という事を考えてしまいました。
佐藤浩市さんの一家の役割が分からんというか、全く本線に乗っかってこ...
佐藤浩市さんの一家の役割が分からんというか、全く本線に乗っかってこない主人公クラスの役者さんがもったいない。無意味に贅沢。
内容は面白かったです。
休日に観るとめいりますが平日では仕事に支障をきたしそうです!
重い重い映画でした。生田斗真の映画の中ではない素のキャラに期待しましたが最後までずっしりと重くのしかかったままエンドロールを迎えてしまいました。もし自分の家族が加害者になったら、逆に被害者だったら、それぞれで感じることは全く違うものになるんだろうなぁって思いながら観ました。実際凄惨な事件が時として起こりますが、報道としてみた場合被害者側の立場からしか見ることができません。並行したストリーの中で佐藤浩市演じるタクシードライバーが息子(交通事故で3人の子供を死なせてしまった)に対してあびせる「お前のために家族を解散したっていうのに、お前が家族を作ってどうするんだ」
それに対して息子の婚約者の問いかけ「罪を犯した人は幸せになれないんですか?」「そうだ」と即答するくだりには異論はありますが非常に考えさせられました。非常に思い映画で好きな作品とは言い難いですが観る価値はあると思います。
それにしても瑛太の感情を出さない主人公の演技、壮絶でした。とてもミックスでガッキーとダブルスをしていた人とは思えません。
重い問題提起…
全編通してとにかく暗くて重いです。瑛太さん演じる鈴木(青柳)と、生田斗真さん演じる益田の二人を中心に物語は進みますが、ここにさまざまな人が絡できます。そしてその誰もが、つらく苦しい人生を歩んでいます。
殺人、自殺、死亡事故など、命が失われたことにより、あるいは家族や自分を大切にできなかったことにより、登場人物はみんな重い十字架を背負い、過去に苦しめられています。それは、加害者、被害者、その家族にとどまらず、親類縁者や友人にまで及びます。しかも、そこに終わりはなく、区切りをつけることも許されず、出口のない闇が続くだけです。そんな中、「罪を犯した者は幸せになってはいけないのか」という問いかけや「生きる価値がないと思いつつ、それでも生きたい」という訴えが、心に突き刺さります。
さまざまな人の苦悩の日々が描かれますが、それぞれが接点を持ちつつも最後まで深く絡むことはなく、どんでん返し的要素もなければ、納得するオチもありません。そのため、誰にも感情移入することなく、感動もないです。おかげで下手なきれいごとに丸め込まれることはなく、「もし自分なら…」と考えさせられます。結果として、問題提起だけされた形で、この作品を見た者がそれぞれの人生で、その問いに答えていくしかないように思いました。
ただ、まったく未来も希望も見出せない中で、益田と鈴木がわずかに心が通えそうだったのが、せめてもの救いでした。暗闇にわずかな光を見つけたような青柳を、瑛太さんが渾身の演技で魅せています。
罪と罰
一度罪を犯した者は、人並みの幸せを望んではいけないのか。更正とは、贖罪とは。
考えさせられる内容でした。
鈴木が、自分は悪いことをしたのだ、2度とやるまいと誓ったのだな、ということは分かったが、相手の家族や自分の家族は話に登場しないんだなーと微妙な違和感を感じましたが、生田-瑛太パートの焦点がぼやけるから、そこは佐藤浩市パートに譲ったのでしょうかね。
生きたい
80本目。
色々と考え方させられるし、作品終わりが彼らには始まりなのかな?
それに生きたいって言葉が重い。
日曜朝イチで観るのも重い。
朝イチじゃなくても重いか。
これがストレイヤーズクロニクル撮った監督?って思っちゃう。
作品とは関係ないんだけど、観たスクリーンが4D対応で4Dは観ないから席が合わない、落ち着かない、かなりストレス。
あんな席で作品観れる事に感心する。
人間関係を問う群像劇が、個人と大衆心理のあり方を問う
"神戸連続児童殺傷事件の少年A(酒鬼薔薇聖斗)"をモチーフにしたのではないかといわれる同名小説を実写化。
原作者の薬丸岳はミステリー作家であるが、本作は真相解明がテーマではない。もし仲良くなった友人が、数十年前の少年殺人事件の犯人だったとしたら…という人間関係に斬り込んでいく。
瀬々敬久監督は、前作の「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(2017)では超感動作で大ヒットを記録したが、今回は一転して事件映画「64 ロクヨン」(2016)路線のような緊迫感を持っていて、最後まで目が離せない。
なんといっても、生田斗真と瑛太が、迫真の演技合戦を繰り広げるところが見どころ!!
それだけではない。本作は、単なる少年Aの"その後"ではなく、共演する佐藤浩市、山本美月、夏帆、富田靖子がそれぞれ演じる登場人物たちが抱える、家族・友人・同僚との過去エピソードが4つも同時進行する群像劇になっている。
ハッピーエンドを求める映画ではない。過去の罪ではなく、現在の人間性に価値を見出せるかという問いかけ。マスコミや口コミ、SNSをはじめとした発信者の愚かさと、それを鵜吞みにする大衆心理の愚かさも指摘している。
ちなみに瀬々監督は、昨年「最低。」(2017)でもAV女優を主役にしたヒューマンドラマを演出していたが、もともとピンク映画出身ということもあり、今回も夏帆が体当たりのシーンに挑戦している。
(2018/5/26/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ)
想像より重くない
犯罪者は幸せになってはいけないのか?
非常に重いテーマであるが、その割にすんなりと観れた。
瑛太と生田斗真のかけあいが中心で進み、それと並行して佐藤浩市の物語が紡がれる。どちらも役者陣が自然で、嫌味のない演技だったので、これがストーリーに引き入れられるポイントだったように感じる。
登場人物たちの抱える過去が次第に明らかになってゆき、抱えられない大きな出来事を「抱えるしかない」苦しさが描かれる。誰かに頼りたいが、自分で向き合うしかない。しかし自分だけで抱えられない恐怖や苦渋に向き合うのに、分かち合える人が欲しいと思う、自然な人間の弱さ、強さを浮き出して、まとめている。
ありがちな、単に陰鬱として終わるのではない映画に仕上がっているのは、生田斗真のどこか暗くなりきれないキャラクターのおかげかも知れない。
暗すぎて、滅入る
物語よりも演じる役者さんが、皆さん悩んだろうなーと透けて見えて、、
少年Aが重ねて見えたけど、ネットの表現ではとてもあんなに悔やんでるようには見えなかったし、、同情は沸いてこない。
瑛太は想像して、成りきり、演じ。迫力あった。誤って殺してしまった人と殺しを楽しむ人とは根本的に 違うと思う、未来を考えてもいいと思うし、許してあげていいと思う。
重すぎ
テーマが重いのは仕方ないけど、ラストまで希望が感じなれない作品
監督は問題提起をしただけの気がする。
加害者の苦悩なら作り物ではなく、ドキュメンタリー映画として真実を見せて欲しい。
瑛太の演技は素晴らしいが、観終わっていやな感じしか残らない。
個人的には映画は最後に明るい希望を感じれるものであって欲しいので低評価
黒歴史
この映画は各々が抱える過去の黒歴史の苦悩を描いた作品です。
予告編を見ているので最初はタクシー運転手の息子が少年Aだとずっと思っていたら途中でそうではないことに気づいて「あれっ?」って感じでした。
そういう意味では登場人物の相関関係がちょっと分かりにくかったです。
町工場側のストーリーとタクシー運転手側のストーリーは基本的に独立しており、唯一繋がっているのはタクシー運転手が益田純一(生田斗真)を病院に運ぶシーンのみとなっており、登場人物はたくさんいるんだけど全体の相関関係が薄くて内容に厚みがあまり感じられませんでした。
カメラワークも一部ブレが激しいところがあり、ちょっとイマイチかなと感じるところがありました。
この映画は1人で見るほうがいいかな。少なくともカップルで観るのはあまりお勧めしません。
あと、主演の生田斗真が若い頃の板尾創路に見えて仕方がありませんでした。
酒鬼薔薇聖斗に感染は生じるか
主に4つのスレッドによって構成されているマルチスレッド方式の物語で、元雑誌記者の益田のスレッド、連続児童殺傷殺害の犯人で出所した青柳のそれ、子どもを引き殺した息子を持つ父親、山内のそれ、医療少年院で青柳を担当した「先生」、白石のそれ。
益田は中学時代の親友の自殺の引き金をひいた「罪」に悩み、青柳は過去に起こした事件の「罪」に苦しみ、山内は息子の過失の「罪」に苛まれ、白石は仕事に没入し、愛娘に向き合わなかった「罪」を後悔する。
社会学者の宮台真司の言葉を借りれば、この物語の鍵は「ミメーシス(感染)」だ。益田が自らの罪と向き合おうとする姿勢が青柳にミメーシスを引き起こす。息子が家族を持ち、自分の罪を償おうとする姿勢が山内にミメーシスを生じさせる。流産した娘の姿が白石にミメーシスをもたらす。
そして益田へのミメーシスは青柳という矛盾を孕んだ、しかし自殺した親友の姿が投影される存在そのものによって引き起こされる。ミメーシスの循環が、この重苦しい物語にわずかな希望として示される。
この映画が、酒鬼薔薇聖斗に向けたメッセージだ。
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