友罪のレビュー・感想・評価
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それぞれの心の闇
殺人、自殺、事故死、病死・・・様々な生と死の狭間を描いた心の闇の物語。このような作品をダイレクトに投げかけられ、受け取る観客は相当の覚悟を強いられます。
それらを表現する役者たちの迫真の演技は見応えあります。音楽も良いし映像も上手く見せています。ただ脚本が良い題材のワリに腑に落ちない展開になっているのが残念。これは監督のせいなのかどうなのか?
登場人物が多く相関関係が複雑。加えて次々と切り変るシーンによって先を読みにくくしているところが、非常に興味深い作りに感じて最後まで画面に惹きつけられました。
ただやはり瑛太と生田斗真の話に徹底して絞れば良いのですが、話を広げすぎて共感できる部分が薄れてしまっています。佐藤浩市のくだりは強烈に心に突き刺さりますが、富田靖子のくだりは中途半端なままで、これならばまるっといらなくても・・・。
結局、解決しないまま投げっぱなしのシーンや疑問だけが残るシーンが多くなり、不完全燃焼の感は否めません。題材が面白いだけにいろいろな部分で惜しい作品です。
原作の方が…
原作読破し、1週間後に鑑賞しました。個人的には鈴木と益田中心のストーリー展開にして欲しかった…山内と息子の関係より、白石弥生と息子の関係について原作に沿って描いても良かったのではないか?と個人的な感想です。いい役者さんが揃っているのに勿体無い。期待していただけに残念です。
人間の心
とても心揺さぶる映画。
罪は罪、しかし人間はいつだってやり直せる。
いまの時代の風潮は、ONかOFFしかない、でも人間の命って人生ってOFFには出来ない。
そんな人生の辛さ、儚さ、人を思いやる気持ちが溢れていました。
被害者加害者を扱うなら他の作品のほうが
被害者、加害者、人間の業(ごう)や性(さが)、贖罪、葛藤、などを取り扱う映画作品では、「さよなら渓谷」「そこのみて光輝く」「容疑者Xの献身」が今までで心に残った。
出演者の演技が上手いなーと思ったが、決定的に、人間の哀しみや心の動きが感じられず、かつ、事件性もなく、響かなかった。
脚本が雑で、細やかさに欠けた。
期待してたのでちょっとガッカリ。
生きる地獄
原作は既読だが細かいところは忘れていた、それでもかなり脚色されているように思う。全ての出演陣が熱演だったが、瑛太が演じた鈴木の解釈はあれで良かったのだろうか、あれじゃまるで異常性が改善されておらず、それを社会に送り出すのはいかがなものかと思われる。しかし殺人を犯した者は死刑にしてあげないと、犯人とその家族も被害者家族も全て不幸にしてしまう、死刑反対なんて犯罪者にとって何の救いにならず周りのものまで地獄の苦しみを与え続けることになる。久々に社会派ドラマを見たという感じだ。
自分の価値観を見直す話。
子供の未来を奪っておいて、じぶんは生きたいなんて、虫の良すぎる話だこの野郎。
鈴木は反省してるから、生きて罪を償え。
どっちの考えもあって正解だろうな、って思います。たぶん、益田くんは後者かな。わたしは前者。
だから共感できる点はなかったけど、そういう気持ちになったのもいいかなって思います。
感情移入できなかった理由を考えてたら、「友罪」ってタイトルなのに、友情を育む過程が描かれてないように感じたから、益田の苦しみに共感できなかったのかな。
個人的には、木村文乃さんの、「十字架」のほうが重すぎて凹みました。
瑛太の演技がすごかった。 同居人のクズ先輩の大げさすぎる口元のダラ...
瑛太の演技がすごかった。
同居人のクズ先輩の大げさすぎる口元のダラしなさ、いい歳して中学生並の喧嘩っ早さに出てくる度若干うんざりしながらも…。
犯罪に伴うそれぞれの立場を描いていて、言葉にできない思いが胸を打った。
しかし、生田斗真演じる益田にまつわるエピソードは弱いのでは。
まるで少年Aと同じ罪の重さかのように扱われているが、それならば佐藤浩市の息子役のほうがよほど罪としては間違いなく重い。
が、佐藤浩市周辺の話しも映画の中では比重が大きすぎたのではないかと感じた。「被害者/加害者の家族、加害者/新しい家族の幸せ」それぞれを描くには必要だったが、ボリュームが増えすぎたような…。
「怒り」のようにそれぞれのストーリーがうまく交差していた、とは言えないかな。
当然『それでも、生きてゆく』とは違うよね。
瑛太が主演で少年Aの話ということで、テレビドラマの『それでも、生きてゆく』を連想したのがきっかけで見に行きました。
あのドラマがとても素晴らしいものだと思っている私には、そもそも比較するのがいけないのでしょうが、この映画にはため息しか出ませんでした。
「こんなに題材を盛り込んだんだよ、面白いでしょ?」
と見せつけられているような、厚かましさを感じました。
大事な、我々が考えることによってやっと価値が上がるようなことも、全部役者が喋っちゃうから、陳腐な映画に思えて仕方ありませんでした。
実力のある役者さんたちが不憫に思えてしまいました。
この監督の作品で、好きなものもあるので、たまたま今回はフィットしなかったんだなと割り切ることにします。
彼らに安息を、赦しを
今年公開の邦画の中でも、『孤狼の血』『万引き家族』『散り椿』と共に非常に期待してた一本。
結構鈍い声も多いようだが、個人的には見応えあり、果たしてレビューを巧く纏められるかどうかというくらい色々考えさせられもした。
ジャーナリストの夢敗れ、町工場で働き始めた青年・益田。そこで、同年代の鈴木と出会い、親交を深める。
が、ある事を機に益田は鈴木に疑念を抱く。
彼は、その昔日本中を震撼させた“少年A”ではないのか…?
今も人々の脳裏に刻まれている97年に起きた事件に着想を得た小説の映画化。
あらすじはざっくり上記の通りで、事件そのものより、少年Aの今、直接的に間接的に関わった人々がそれぞれ抱える姿をじっくり描く。
とにかく本作、登場人物各々の視点によって見方、考え方、感じ方がある。
主人公の益田。彼もある罪を背負っている。
少年A事件とは違う別の少年事件の加害者の親。
少年たちに母親代わりとして寄り添う医療少年院職員。
社会の中で、喘ぎ、苦しみながら生きる人々…。
だけどここはやはり、物語の軸である鈴木の視点に絞りたいと思う。
(でないと、レビューが膨らみ過ぎて、とてもとても纏め切れないと思うので)
ズバリ、鈴木は“少年A”なのだ。
人との関わりを避け、無口で根暗で無愛想。ひっそりと生きている。
そう、生きているのだ。今も。
彼は少年少女の命を奪った。
命を奪われた少年少女の人生はそこで閉ざされた。
なのに鈴木は大人になり、生きている。
精神を異常にさせる事があったとは言え、犯してしまった罪は罪。
未成年だろうと大人だろうと関係ない。
その罪に相応しい罰を課し、償わさせなければいけない。
考えさせられるのは、その後。
一度罪を犯した者に、その後の人生は与えられないのか…。
確かに鈴木が犯した罪は許されない。
被害者家族の今も消えぬ悲しみ、怒りを思うと…。
しかし…
何の反省の姿勢も見せないクズ野郎なら別だ。一生檻の中に放りこんでおくか、死で罪を償わせたらいい。
そうでなかったら…?
鈴木も苦しんでいる。
犯してしまった自分の罪を悔いている。
そんな彼には赦されないのだろうか。
友を作る事も。
出会いも。
皆で楽しんだカラオケでの笑顔も…。
大人になった鈴木は今も精神的に不安定な面を見受けられる。その一方、
泥酔してゲロまみれの先輩を介抱する。
仕事中指を切断してしまった益田のその指を拾い、氷水で冷やす処置をする。
親しくなった女性が元AV女優である事がバレ、冷やかされたら、カッとなって庇う。
かつて“悪魔”と呼ばれた少年Aには今、こんなにも人らしい感情が。
これよりも過去の罪を重視しなければならないのか。
彼と親しくなった者たちも同罪なのか。
そんな彼らの平穏を掻き乱す周囲に罪は無いのか。
そもそも、罪には一生苦しめ続けなければならないのか…?
W主演の生田斗真、瑛太の熱演に引き込まれる。
友と罪の間で葛藤する益田役の生田斗真も素晴らしいが、やはり役柄的にも鈴木役の瑛太の方に旨味がある。
陰の中に悲しみ、苦しみを滲ませ、先日見たばかりの『光』の演技にも圧倒させられたが、本作も見事! 年末の映画賞で熱い視線を集めるだろう。
佐藤浩市、富田靖子、夏帆らも極上のアンサンブル。
瀬々敬久は『64』でも事件そのものより、その事件によって人生を狂わされた人々の今を描いていた。
本作でも同手法を用い、少年A事件とは違う別の少年事件の加害者の親のドラマを絡ませ、より多面的に幾重に、明確な答えの無い問い掛けを投げ掛けている。
もし、あなたの前に、かつて罪を犯し、その罪を悔い、今も罪に苦しむ者が居たら…?
その罪を咎めて邪険にするか、人と人同士として友情を差し伸べる事が出来るか。
今一度問い掛けたい。
一度罪を犯した者に、その後の人生を全うに生きる事は赦されないのか。
関わった全ての人々、苦しみから少しでも解放される時は訪れないのか。
別に罪を犯した者の肩を持つつもりはない。が、
彼らの声を聞いて欲しい。
彼らに安息を。
赦しを。
不完全燃焼
重い映画も終わり方がはっきりしない映画も好きなんですがこれはちょっとモヤモヤします。
佐藤浩市さんの家族は映画オリジナルの設定と聞きえ?って感じです。
瑛太とも全く関係ないのでなんで出てきたかよくわかんなくなってしまいます。
伏線があるんじゃないかと期待してしまいましたが病院連れて行くタクシーの運転手としてしか接点ないのかな?ちょっとわかんなかったです。
考えさせられるテーマを詰め込んだのはわかるんですが全てが薄まって中途半端な感じです。
だったら益田(生田斗真)と鈴木(瑛太)の過去とか2人の関係を掘り下げて欲しかったです。
役者さんの演技が良かっただけに本当にもったいないです。
瑛太の演技が良い意味でゾクゾクするほど気持ち悪るかった。
んー期待していだだけに残念。
私の読解力不足なだけなのかもなので原作読んでみます。
薄い、だるい
原作未読だがタイトルから何かを期待していただけに、動画撮影する辺りから先が読める内容の薄さと関連性の薄い場面が多く間延びな感じで、最後の盛り返しもなく、残念な仕上がりでした。
瑛太は『光』に続き、不気味さを醸し出す演技で及第点ですが、他が薄く浅い。特に山本美月は必然性なし。主人公に至っては、なぜあそこで動画を見せるのか、相手考えろ。懲りてないだろ、よって感情移入できず、終演。
交通事故には気を付けようと改めて気づかせてくれたことにプラス1点。
重いって言うほど重くない映画
序盤までは良かったけど出てくる登場人物がほぼ暗い過去を持つという展開で、登場人物がどれも薄くて描かれてるので観ていてどんどん冷めていきました。
テーマは重いけど、ストーリー自体は軽く感じました。
(´-`).。oO考えさせてくれる映画
友人が少年Aだったら?と言う問いではなく過去にとんでもないことを起こしてしまい取り返しがつかないことをしてしまった本人とその周辺の人は一体どうしたら良いのだろうかと言う映画。
少年A、彼が自分の友人だったら?交通事故で3人殺してしまった息子が結婚すると言いだしたら?過去のレイプビデオをばら撒かれたら、イジメで自殺した友人を助けられなかった主人公。どうしようもない過去を持つ者がもがき苦しむ。一体どうすればいいのか?答えはどうしようもない、、、じゃないでしょうか?過去を抱えろと言う者がいるが抱えきれない過去は現在を蝕む、、、、。どうしようもなかったら、どうすればよかったか考えるべきか?一つの答えとして殺人や人の死に近づかない事何だと思う。人によればこの様なスチュエーションに凄く親和性が高い人がいます。近づかない事だ。だから普段から危ない方向、死の方向に敏感になる事でしょう。
庄助どんいい演技でした。
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