「東出さんがよかった」寝ても覚めても marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
東出さんがよかった
リバイバル上映で観た『ドライブ・マイ・カー』で初めて濱口竜介監督を知って、非常に興味深い作品を創り出す監督さんだと今更ながら過去作品に臨んでみました。うん、やっぱり凄い監督、脚本家さんだと改めて思いました。
初監督作品なんですね。封切り当時、結構話題になってたみたいですが何故かスルーしていました。「実はこの頃から注目していた、これから目が離せない監督なんだよ!」なんてかっこつけて語りたいところですが、全くノーマークでした。
串橋(瀬戸康史さん)とマヤ(山下リオさん)の最初の演劇論での衝突から仲が深まる流れは想定できましたが、ヒロイン朝子(唐田えりさん)の行動にはどうしても納得がいかないし、感情移入できませんでした。主役に感情移入できない作品はあまり良い評価できないんですがこの作品は少し違ってました。
東出昌大さん演じる亮平と麦の二役がそれぞれ葛藤する(のは亮平だけかも)姿を見事に演じ分けられてました。(ただの『ボクちゃん』じゃなかったんだ!?)同じ川の流れを見ながら全く反対の感じ方をする2人の言葉がとても象徴的ですね。またしても渡辺大知さんと伊藤沙莉という素晴らしい役者さんたちに脇をガッチリ固めとてもいい味出されてました。
『ドライブ・マイ・カー』を観てからの遡っての鑑賞なので先入観なしとは言えませんが(再びいいますが)凄い監督さんが出てきたものです。
まだまだ若い濱口監督作品のこれからの活躍が楽しみでなりません。
アカデミー賞おめでとうございます!(願望での妄想発言です。お許しください。)
> 凄い監督、脚本家さんだと改めて
小説家みたいな監督ですよね。とにかく脚本が面白い。「ドライブマイカー」も本作も楽しまれたなら、「偶然と想像」もお勧めできるような気がします。よかったら、どうぞ。