坂道のアポロン
劇場公開日:2018年3月10日
解説
ジャズに魅了された高校生たちの青春を描き、2012年にはノイタミナでテレビアニメ化もされた小玉ユキの同名人気漫画を、知念侑李、中川大志、小松菜奈の共演で実写映画化。監督は、「青空エール」「ホットロード」など数々の漫画原作映画を手がける三木孝浩。医師として忙しい毎日を送る西見薫のデスクに飾られた1枚の写真。そこには笑顔の3人の高校生が写っていた。10年前の夏、薫は転校先の高校で誰もが恐れる不良である川渕千太郎と運命的な出会いを果たす。ジャズのドラムを叩く千太郎と、幼いころからピアノを弾いていた薫は音楽でつながり、千太郎の幼なじみの迎律子を交えた3人で過ごす日々の中、薫は律子に恋心を抱くようになっていた。しかし、律子が恋焦がれるのは千太郎であることを薫は知ってしまう。三角関係に思い悩みながらも、千太郎とのセッションを楽しむ薫だったが、そんなある日、千太郎が薫と律子の前から突然姿を消してしまう。知念が薫役、中川が千太郎役、小松が律子役と主人公3人を演じるほか、ディーン・フジオカ、真野恵里菜らが脇を固める。
2018年製作/120分/G/日本
配給:東宝、アスミック・エース
スタッフ・キャスト
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2022年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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三木孝浩による2018年製作の日本映画。配給は東宝、アスミック・エース。
三木監督の映画は、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」に続く2作目だが、今回もとても良い映画との印象を持った。
最初の方、知念侑李がピアノを弾いているシーン、指先のアップから切り替え無しで知念の顔へ持ち上がるカメラワークが視聴者の気持ちを汲んでいる様でにくい。ピアノ演奏はどうせ吹き替えでしょうが、あれ自分で弾いてるの?!と印象づけられた。
他にも幾つか、三木監督と小宮山充撮影コンビによる映像は魅力的であった。知念が思わずキスしてしまう神社で少し雨で濡れた小松菜奈の物憂げな表情、停電した体育館でカーテンの隙間から差し込む光で浮き出す知念の楽しそうなピアノ演奏、最後の方の教会ステンドグラスからの逆光の中で浮かぶドラムを叩く中川大志の勇姿、等。
ノスタルジックな風景や演出にも郷愁を覚えた。特に、公衆電話で10円玉を重ねて置いた上で、小松に電話をかけてデートを誘う知念の姿。電話のかたちは違えど、恥ずかしながら自分も高校生の時に覚えが有る行動で懐かしく、監督に親近感を覚えた。
テンポの良いストーリー展開も心地良かった。少女と遊んでいたはずの糸電話での小松菜奈の登場の意外性、そして知念の恋心の告白。何より、学園祭での喧嘩別れした中川参加のロック演奏から、停電による知念の場繋ぎ目的としてのピアノ演奏、そこにドラマ中川参加のジャズ演奏共演の流れは見事で、2人の演奏(曲は「My Favorite Things」〜「Moanin’」)予想外の素晴らしさもあって感動してしまった。成る程、ロックは弱いが、ジャズは停電に強いか。
俳優のたち演技もとても良かった。アイドルGとしての知念侑李は全く知らなかったが、医師となる優等生を見事に体現していた。未経験から楽譜読めないまま半年の猛練習で身につけたというハイレベルのピアノ演奏には、何年も弾いていても上達が乏しい自分との比較で、唖然とさせられた。中川大志演ずる喧嘩早いが心優しい不良も良かった。中学のころ交流があった大柄な不良学生への憧れの様な気持ちを思い出した。ドラム演奏も悪くなかった。ただ、エンドタイトルにドラム演奏者名あったので、一部は吹き替え?。
小松菜奈、予想外に脇役的な設定で多少驚いたが、相変わらず表情の作り方が実に上手い。ラストの方、知念と2人で中川の居る教会へ向かう時に見せた彼女の表情の動き(知念への愛を再認識した上での行動決意をした様に思えた)には魅せられてしまった。ただ最後、歌位出す直前で、ストップモーションになってしまったが、My favorite thingsを歌う姿も見たかった。
そして、大河ドラマ五代友厚役で初めて知ったディーン・フジオカ、難しいはずの中川が憧れるカッコ良い役を見事に演じ、更に素晴らしいジャズ・トランペット演奏と歌唱(曲はチェット・ベイカー演奏・歌唱で有名な「But Not For Me」)を見せつけられて、そのマルチタレントぶりに驚愕させられた。
原作小玉ユキ、脚本高橋泉。エグゼクティブプロデューサー豊島雅郎 、上田太地、プロデューサー八尾香澄、田辺圭吾、 岡本順哉、ラインプロデューサー森徹。
撮影小宮山充、照明保坂温、録音矢野正人、美術花谷秀文、装飾鈴木仁、スタイリスト望月恵、ヘアメイクプランニング池田真希。VFX菅原悦史、音響効果伊藤瑞樹、スクリプター
古保美友紀、編集穗垣順之助、音楽鈴木正人、音楽プロデューサー安井輝。主題歌小田和正
助監督を見せる成瀬朋一、制作担当藤野尚美。
出演、知念侑李(西見薫)、中川大志(川渕千太郎)、小松菜奈(迎律子)、真野恵里菜(深堀百合香)、山下容莉枝(伯母)、松村北斗(松岡星児)、野間口徹(千太郎の父)、
中村梅雀(迎勉)、ディーン・フジオカ(桂木淳一)。
2022年9月10日
PCから投稿
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食堂喫茶ライムライトに行ってみたか~などと思いつつ、彼らのジャズに対する情熱に目頭が熱くなってしまった。境遇は違えど家族の中での疎外感は同じだった薫と千太郎。ピアノとドラムだけのセッションもさることながら、律子の父(中村梅雀)がベースで参加し、東京で学生運動をやっていた淳一(ディーン・フジオカ)のトランペットが入ってくると音楽的完成度がさらにアップ。セッション・・・すごい。プロ級。
音をぶつけ合えば気持ちは伝わる。これこそインプロビゼーションの神髄だ。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」は60年代に日本にもジャズファンを増やすきっかけとなった名作ではあるけど、ビッグバンドよりもシンプルな楽器の構成の方が心地よい。あらためて気づいた。そんな「モーニン」は当時そば屋の岡持を持ったあんちゃん達も口ずさんでいたという話をラジオ番組で聞いたことがあります。
そして『サウンド・オブ・ミュージック』の中の名曲「マイ・フェバリット・シング」も数多くジャズメンによって演奏されているけど、この曲で小松菜奈演ずる律子の心にも繋がり、一体感が増してくる。学園祭においてタイガースもどきのバンドからいきなりの二人のセッションには震えが来たほどだった。ただ、クラシックで培ったピアノの才能が多彩なテンション含むコードで弾くのはやりすぎだけどね・・・
教会とか神父というのも「モーニン」に合っている。朝じゃなくて嘆くという意味のmoaning。作曲者のボビー・ティモンズは牧師の息子であり、ゴスペルの影響を強く受けているのもうなずける。
好きだとか嫌いだとか、危うく脆い三角関係も好きな音楽が続けられるのなら演奏の瞬間は吹き飛んでしまう。そんな彼らのジャズ心にはのめり込んで見てしまったが、ストーリーは予測可能。だけど事故までは予想できたけど、ラストはちょっと意外。ラスト、息を飲み込んで何かを叫ぼうとした小松菜奈が発した言葉は??と気になるところでエンディング。「大好き!」だったと想像するが・・・
全編通してアフレコというのが欠点といえば欠点。結局、演奏もアフレコでプロがやっていることもわかるからそうしたのだろうか・・・そして、アポロンの意味も音楽の神だとか美大生百合香の説明だけでしたが、調べて見ると医術の神とも言われているようで、そこんところをもっと絡ませてくれれば尚良かった。
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青春だね。小松菜奈ちゃんが最後まで歌わなかったのととエンディングがいきなりの小田和正でそこはジャズじゃないんかいというのが気になってしまった。
2022年8月19日
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鑑賞方法:映画館
そのせいか、『あれ?なんか違う』って
思ってしまった。
まぁ、原作も知らないので何が違うのかも
分からないし、アニメと映画は違って当然
だと思いますが。
音楽は良かったけど、時代背景にたいし
俳優さんは今風だったなぁ。