彼女の人生は間違いじゃないのレビュー・感想・評価
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静かに、しっかりと回復していく
最初の展開では、暗い感じがした。
しかし、みなそれぞれ、それなりに回復していく。
ゆっくりと。
人間の性と優しさと不器用さが同時に存在し、それでも静かに前に進むところに、なんかホッとするものを感じた。
じわじわと来るタイプの感動
衛星で部分的にチラ見していたのを、やっとこさ冒頭からラストまで鑑賞。
なんだか、こう、、良質なプロレタリア文学作品を読みきった後のような、不思議な爽快感がありました。
監督の作品は「ヴァイブレータ」「さよなら歌舞伎町」に続き、おそらく三つ目。
DVD特典のスタッフプロフィールで知りました、監督が自分の親とタメだということを。そして、もともとピンク映画出身の人だということを。
確かに性愛の占める割合が大きいな、とは思ってた。
今作品はテーマがテーマなのでエロ描写少なめ。「さよなら~」とかと比較すると、かなり少なめ。
けれど、エロと向き合ってきた人が作った映画というだけで、デリヘル嬢が主人公の映画でも、信用できるというか。興味本意でネタにしていないことがわかる。
風俗嬢には「自分ぶっ壊し願望」がある人が多い、という話を聞いたことがある。
気持ちは分からないでもない。この映画のみゆきも、そうだったのかもしれない。母は他界し、補償金は父親のパチンコ台に吸い込まれていく日々。週末、渋谷という別天地に繰り出して全てをぶち壊すことで、現実からの逃避を試みていたのだろう。
廣木作品の好きなところは、淡々としていて説明が少なく、感情に溺れないところ。
東京の人間との間にも齟齬はあるし、まだまだ問題は山積している。でも、ちょっと嬉しいことがあって頬の緩むような日もある。そういうことの積み重ねで、人は前に進んでいく。それは何でもないことのようでいて、実はとても凄いことだ。
デリヘル本社の窓から飛び降りた女の子の為に、花を供えて手を合わせるみゆき。喪失を経験した人間は、喪失に対して敏感になれる。
「ヴァイブレータ」というロードムービーで魅せた監督、「さよなら~」でも本作でも、高速バスのシーンがいいですね。
淡々とした日常のシーンから一転、雄大な景色が開かれる。けれど同時に流れてくるのは、胸に迫るような扇情的な音楽。
ミッシングピース(観てないシーン)を埋め、最後まで観て、「ちゃんと観といてよかった」と思いました。「好きな監督の名前」、一個増やします。
いい映画だった
いい映画でしたね。
どうせピンク映画なんでしょう?と思って見るのをためらった
どうせ評価低いんでしょう?
でもなぜかおすすめに出てくるから見ることにした。
結論、いい映画でした。
ピンクっぽいのに全然エロくない。そして見て後味が悪くなる瞬間が一瞬たりともない。待てよ、この写し方絶対死亡フラグじゃんというときも、安心してほしい。
とにかく写し方が丁寧でしたね。
様々なキャストが出てくるけどどれも良かった。
特に、「母ちゃん、寒いだろ」のシーンは自然と涙がこみ上げてきた。
「〇〇さん、笑って」からの写真展も良かった。
福島のお話。きっとあのときの状況を振り返りながら見るのだろうと思うが、僕は割と近い地域だったので共感してみる事ができた。
最後にかけて希望と歩みが見えていい作品だと感じた。
間違いか否か。
「彼女の人生は間違いじゃない」と思いたい、が正しい題ではないか。
彼女自身が間違いと気付いていて、且つ間違いでないと思いたい、のではないか。
撮る側と観る側が勝手に間違いか否かを決めてしまえない、がテーマではないのか。
不遜、な気がする。
力演だが。
明日は我が身
人それぞれの人生があるのを、改めて実感しました。
被災者に限らず、特に女性は子犬などに愛の行き場を求めている
と感じます。
瀧内久美さんの、全裸で足を開いて、悲しく泣くシーンは女優魂とでも
言うのでしょうか。
感服です!
桐谷美玲だったらきっと大々的にイオンシネマ
『火口のふたり』で瀧内公美の名前を知り興味がわく
昔の麻生久美子もバンバン脱いでいた
そんなふうになればいい
デリヘルの面接で採用されたくて裸になり泣きじゃくり怒り出すシーンが特に良かった
またまた東日本大震災がらみの映画しかも福島しかも浜通り
岩手や宮城と違い原発が事故った福島はより深刻な終わりが見えない重苦しい雰囲気を醸し出す
女川原発も爆発していたら僕の人生もだいぶ変わったものになっていただろう
東北出身者なら必ず観てくれるだろうという勝ち組東京人のいやらしい打算を感じる
食傷気味
正直うんざりだ
東北出身者以外のプロデューサー脚本家監督は自粛してほしい
東北って暗いよね過疎だねと西日本の低レベルな田舎者は見下すだろうが五十歩百歩だ
甲子園で優勝したぞと威張ってもそんな誇り意味がない
どう見ても小劇場系の映画である
実際東北地区ではフォーラム系のみで上映したようだ
いかにも仙台駅東口の映画館が好んで上映しそうな作品である
こういう作品こそ映画館で観るべきである
本当につまらない映画は映画館で観てもつまらないがなかには小さい画面よりスクリーンで観てこそというものはある
観れなかったのが残念だ
主役は当時無名に近くしかも地味な美人さんだが商業映画だけあって脇を固める役者たちは実力者が多く豪華だ
福島の方言は省略しているがそれは別にいい
そこまでしなくてい
フェラもお国の言葉もリアルじゃなくていい
瀧内公美の胸はそんなに大きくない
それがいい
むしろあれくらいあれば十分だ
巨乳だと「hay!Guys」的なポルノ映画っぽくなり芸術性と知性に欠け下品になる
『超能力学園Z』のようなエロティックコメディならいいが
瀧内公美以外では柄本時生の印象が強い
特に演技力が高いわけではないが顔ぢからで独特の雰囲気を醸し出せるので得をしている
弟がブスすぎるせいかなぜか兄貴がイケメン扱いになりつつあるので疎外感を感じるが僕はどちらかというと時生派だ
あと風俗嬢だからと見縊ってお客様は神様だと勘違いし暴力を振るう男は最低だ
風俗で紳士的態度もどうかと思うが
自分にも正義感はあるんだなと再確認
光に手をのばす
2019年7月14日
彼女の人生は間違いじゃない 鑑賞
光に手をのばす
震災後の福島で暮らす女性が主人公。公務員をしながら週末は東京でデリヘル嬢をする主人公。その父親は田んぼが汚染されてパチンコの日々。公務員の男性は東京から来た女子大生から屈託のない質問を受けとまどう。何かを求めて生きる。
#瀧内公美#光石研#柄本時生#高良健吾#蓮佛美沙子#趣里
正解のない生き方の中で
誰もがその生き方に自信なんてない。彼女たちはその中でも、「震災」から立ち直らなければならない使命のようなものを背負って生きている。
だからこそ、その生き方に常に問いを求め、光を見つけ出そうともがく姿が印象的だった。震災がテーマの、"日常"を描いたヒューマンドラマだからこそ、日常の音、ひとつひとつが丁寧に拾われていく。
豪華なキャストで紡がれる日常も素晴らしいが、なにより体当たりで演技を魅せ、心の動きを細やかに演じた瀧内公美の演技が光っている。まだまだたくさんの表情を見せてくれそうな彼女に期待。
取り残されて
登場する人達が皆んなどこか取り残された感じがして、日本を覆う言葉で表現できないどんよりした重さを感じました。震災後の福島もですが、他の地方も今はこんな感じなのかと思いました。それが、淡々と伝わってきました。
瀧内公美さんの凄さを知った作品。廣木隆一監督はメジャー青春映画だけではなく、優れた社会派作品も撮る方なのだなあ。
この映画は、瀧内公美という最近の邦画では稀有な立ち位置にいる素晴らしい女優さんなしには、成立しなかったのは観れば分かる。
福島で起きた怖ろしい出来事を背景に、物語は描かれる。
漁が出来なくなり、保証金で生活する覇気の無くなった父との二人暮らしの中、瀧内さん演じるみゆきは週日は市役所で働き、週末は”バスで”東京に行く。この対比が凄い。
彼女は何ゆえに週末、東京に行くのか?
色々な解釈が出来ると思うが、私は福島の市役所で働いているとどうしてもあの忌まわしく、怖ろしい出来事が付いて回る。敢えて、前を向くきっかけを掴むために東京に3時間かけて福島との温度差を断ち切るために”バスで”行くのだと思った。
みゆきの周囲の人間を邦画界、熟達の役者さんたち(高良健吾さん 光石研さん 蓮佛美沙子さん 安藤玉恵さん 浪岡一喜さん・・・ 滔滔たる布陣である)が演じているのも、この作品を一層趣深いものにしている。
廣木監督が自ら原作を執筆されている。才人である。
<2017年8月17日 旅行先のミニシアターにて鑑賞>
ほんとに
こんな風に震災にあった人で風俗に出稼ぎに来ていた人はいたのだろうか。震災を忘れないために見る映画。家族を亡くした人、家をなくして未だプレハブに住んでいる人にとっては、一生忘れられるわけがないのだから。もう6年経つのに‥町の風景に衝撃。
心をえぐられる作品でした
心をえぐられるような作品を観たのは久しぶりでした。
震災から5年後、半ば忘れられたような現地の人たちのリアルをきっちり表現してると思います。
仮設住宅、なくした家族、放射能とか、大きな悲しみを持ちながらも生き続けている人たちがたくさんいるのを忘れてはいけないと思いました。
福島訛りがない・・・・
私自身が栃木の出身で、隣県の福島にも知り合いはたくさんいますが、福島の方は、上京されている方でも南東北独特のイントネーションが根強く残っている方が多いです。監督は福島出身と聞きましたが、そこは目をつぶったのでしょうか?私はそこが気になって仕方ありませんでした。麿赤児の奥さん役の方いましたよね。あれがネイティブです。関西が舞台の映画を標準語のイントネーションでやりますか?それと同じです。
光石さんが好演されてました。あれが被災の現実に近いのだと思います。主人公のイライラはイマイチ伝わりませんでした。地元を離れたくても離れられない人のジレンマがイマイチ描けてなかった。
「子供心配だよね」とデリヘル友達から言われる場面がありましたけど(辛い現実ですが)そういったものをもう少し滲ませるとかすると、奥行きが出たと思いますが、ちょっともったいないですね。
久しぶりの日本映画、だけど・・・
初からつまらない
映像がTV。映画のカメラじゃない。すこしは「ダンケルク」の映像のちがいを観てほしい。
内容は分かるけど、なんだろ。物語が情緒的でだらだらと進展している。
たぶんね、震災をテーマにしても日本人作家がつくると。
途中とばしとばしでも、やっと半分観た。
でもやめた。
映画って、俳優を含めてキャスティングと、カメラと編集の絞り込みだろうと想像している。
日本映画って、どうしてなんだろうね。
情緒って、くだらない。
やりきれない人の気持ちが詰まっている。
主人公の彼女が何故デルヘルをやり始めたか?なんて分かった所で意味がない。
彼女にとって窮屈でやりきれない地元から抜け出させてくれるには簡単で都合の良い職業だと最初思っていたのかも知れない。ただそれだけだと思う。
福島では無いが東日本大震災を味わった身としては真面目に捉えて観れる映画だった。
今でも更地化されているが茫々と草木が生えている所もあるし、海なんて大きい堤防で見えやしない。道なんて面影も無く変わってしまった。
震災前の豊かな大地を蘇らせてくれなんて今更思わない。人口も増えず田舎化が進む昨今、そんな所にお金を掛けても叶わぬ夢なのだから。
窮屈過ぎるやりきれない実情。震災から7年経とうとしているが、今でも亡霊の様に被災場所にはそれがある。
それを若手俳優陣をメインにし、映画化してくれた監督には感謝を言いたい。
震災の実情を知らなくても良い映画だと思います。
震災の爪痕
被災者の現状が伝わってきましたし当時の悲惨な状況が蘇ってきました。ただ最後があっけない幕切れで残念。風俗業で働いたことに関しては被災したことが理由にはならないが震災の爪痕は大きい。
2017-129
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