gifted ギフテッド

劇場公開日:2017年11月23日

解説・あらすじ

「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスが幼い姪に愛情を注ぐ独身男を演じ、「(500)日のサマー」「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ監督がメガホンをとったファミリードラマ。生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクとフロリダの小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていた。しかし、メアリーに天才的な特別な才能が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始める。メアリーの特別扱いを頑なに拒むフランクのもとに、フランクの母イブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうとする。そんな母に抵抗し、養育権をめぐる裁判にのぞんだフランクには、亡き姉から託されたある秘密があった。

2017年製作/101分/G/アメリカ
原題または英題:Gifted
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2017年11月23日

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(C)2017 Twentieth Century Fox

映画レビュー

4.5 「前歯がない」という奇跡

2017年11月27日
PCから投稿

泣ける

笑える

幸せ

映画の冒頭から「天才児」であると明かされる少女メアリーを演じたマッケンナ・グレイス。どの出演者も素晴らしいが、もうこの子役に全面降伏である。

演技が巧みで自然な天才子役がゴロゴロしているアメリカだが、本作のメアリーは決して「天才を演じている名子役」に見えない。IQが高すぎるとはこういうことかと一目で納得させられるビジュアルと雰囲気。この佇まいは天性のものなのか。

それでいて、メアリーが100%の純度で「7歳の女の子」でしかないのがすごい。大人顔負けの頭脳を持ちながら、ごく普通の子供という性質が一切削がれていない。7歳ゆえのもどかしさがひしひしと伝わってくるのだ。

タイミングを合わせたのかは知らないが、マッケンナ・グレイスの前歯がないことにも唸った。歯が生え替わる年齢だからこそこの物語が成立する説得力。この映画に神がほほ笑んだとしたら、まさにこのタイミングに撮影できたことだろう。

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村山章

4.0 「(500)日のサマー」に通じる、心がつながる喜びと喪失の悲しみ

2017年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ2作のメガホンを任されて、持ち味を出そうと奮闘しつつも良い結果が出せなかったマーク・ウェブ監督。だが、生後間もなく母を亡くした天才少女と養育する独身の叔父の関係を描く本作は、「(500)日のサマー」で描いたのが若い男女の出会いと別れという違いはあれど、心が通じあう喜びと、そうした関係が失われるときの絶望的な悲しみを再び主軸にした点で、多くの観客に共感を持って迎えられる好作となった。シンプルな人間関係の中で、心の機微を丁寧に表現するのが得意な映像作家だと改めて思う。

そして、メアリー役のマッケンナ・グレイスの実に豊かな表情には本当に驚かされた。優れた子役が子供らしい自然な演技をするのは当たり前だが、彼女は大学教授も驚嘆するほどの数学の天才という“不自然なキャラクター”を自然に演じているのがすごいのだ。

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高森郁哉

4.0 天才児を演じる少女こそが天才子役!?

2017年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

天才児の育て方を描くと、どうしても暗くミステリアスになりがちだ。常人とは違う未知の領域へ足を踏み入れていくからだろうか?しかし、本作の場合は数学の天才少女、メアリーを演じるマッケンナ・グレイスがませた子供の歪さを終始コミカルに演じて、笑える場面が連続する。これぞまさく天才子役。見た目とやることの絶妙なアンバランスが、嫌味のない笑いに繫がっているのだ。天才を特別視してコントロール下に置きたい祖母と、普通に育てたい叔父との間で親権闘争も勃発するけれど、グレイスの個性によって、それらありがちな展開も程よく浄化される。子供にとって好ましい環境とは何処なのか?設定に関係なく、最後はそんな問いかけが客席に向けて投げかけられる。

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清藤秀人

4.0 ステキな作品です

2025年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

癒される

ずっと気になっていた本作。
アイアムサムに似た空気を感じながら視聴しましたが、共通するシーンや展開があり、予感の通りステキなハートフルムービーでした。

自殺した姉が遺した7歳の少女メアリーは、数学に対し天才的な頭脳を持っていた。
その才能を知りながらも普通の生活をさせたいフランクだったが、次第に周囲に知られ始め、高等教育で才能を伸ばすべきという周囲の圧力が強くなっていくという内容。

主役(フランク)はキャプテンアメリカでおなじみクリス・エバンスさん。
もう仏様かってくらい優しく、メアリーに全力の愛情を注ぐ叔父さん役がよくハマってましたね。
子役(メアリー)はマッケンナ・グレイスさん。
2006年生まれなので撮影時は10歳かな。類まれな才能を持つギフテッドでありながらも小学生らしい無邪気さも見られ、素晴らしい演技でしたね。
幼さと成熟さが両方垣間見える難しい役どころを見事にこなしています。
丁度歯が生え変わっている時期で、そこがまたかわいらしくて良かった。
彼女は本作以降もメジャータイトルに出演されており、特に「ゴーストバスターズ アフターライフ」ではその演技力が絶賛されていますね。
この二人が演技の枠を超え、本当の親子のような素敵な関係に見え、見ているだけで心が温かくなるようです。

一番の見どころは中盤の裁判。
メアリーはフランクを実父のように慕い、一緒に暮らしたいと願うがあの手この手で引き離そうとする祖母の姿があった。
何故普通の生活を送らせたかったかは終盤で明らかになるわけだが、世界的な財産と言えるほどの才能を本当に伸ばさなくて良いのか、それとも普通の子として育てるべきかの葛藤は本当に考えさせられる。
そしてこのままでは負けると感じたフランクが取った判断は…
猫が嫌いなはずなのになぜ猫を飼っていたのか。

最後まで見どころ一杯、愛情いっぱい、ステキすぎる映画でした。

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かずぼん

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