嘘を愛する女のレビュー・感想・評価
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なかなかいい
映画館で見たことさえ、すっかりと忘れていた。
やはり気になったのはタイトルだった。
冒頭からどこかで見た印象と、「それ」と似た作品だな~と感じていたが、まさか「それ」だった。
当時人気の頂点だった二人を主演にした映画だったし、それを揶揄した書き込みも見たことを思い出した。
当時の「売れるため」に必要なことを徹底して詰めた作品だったのだろう。
物語そのものは記憶にあったが、当時感じたものはどこかに行ってしまっていて、改めて見ることができた。
さて、
やはり気になってしまうのがタイトルだろう。
これは一見主人公ユカリを表現しているようだが、実際には現代人すべてを対象にしているように感じた。
嘘とはいったい何だろう?
その基本的な意味は桔平を表しているが、他にもある気がした。
ウーマンオブザイヤー
仕事で目指す頂点
仕事
「仕事だからしょうがない」
これこそが現代社会の歪なのかもしれない。
そもそも一番大切な家族が、最初に犠牲になる社会構造
お馴染みの言い訳
気づいても後戻りなどできない。
そして、本当に気づいた時はもう手遅れというのは、まるで癌のようだ。
何のために生きているのか?
お金か、仕事か、名誉か、それともそれ以外やることがないからか?
この大いなる仕組みによって隠された「嘘」
それはまるで最も大きな陰謀論のようなものかもしれない。
ユカリの本心
それは普通の女性としての喜びを生きるはずだった。
仕事ができること 良い給料は生活の向上とイコールなのは確かかもしれない。
しかし、
そこに目標を設定することで始まってしまう犠牲
そのスタートが、自分に嘘をつくことなのだろう。
この視点に立つと、案外恐ろしいことが日常茶飯事となっていることに気づく。
目標を立てるなどというのは、自分を殺す犠牲でしかないことの方が多いのだろう。
カワハラユカリ
くも膜下出血による意識不明によって、桔平という人物が得体の知れない男だったことが判明する。
しかしユカリが最初に捨てたのは「キャリア」
何でもかんでも仕事のために生きてきたが、彼女にとってこの出来事は自分の本心がどこにあるのかを再確認するタイミングでもあったのだろう。
それが結婚を意識し始めたことに現れている。
約束をすっぽかした桔平への怒りと、起きてしまった出来事。
他人で済ませられる立場に立ちながら、自分の本心を再確認しなければ前には進めないという判断こそ、ユカリが最初に考えるべきものだったしそうしたことがこの物語の顛末を示している。
同時にこれこそ私たちがいつも「何か」から提示されているのではないだろうか?
何かとは本心 本当の私
この本心を見失わないようにすることで、「私の幸せ」に常に照準を合わせていられるのだろう。
カイバラという探偵
妻の浮気と娘の存在
「知らなければよかった」という言葉に隠された探偵らしからぬ発言は、後悔でしかない。
探偵故のアンテナと行動によって破綻した家族
どうしてもそれが許せなかったことと引き換えてしまった家族との仲
人生の落とし穴という言葉があるが、実際の落とし穴こそ「自分の心」なのかもしれない。
この「許せない気持ち」こそ、人生最大の落とし穴なのだろう。
彼は最後に娘の前に立つ。
「お父さん、だと思う。99.999パーセント」
この最後の0.001パーセントこそが、その「許せなかったこと」であるならば、なんて些細なことだろうか。
そしてそれを受け入れたとき、オセロが全てひっくり返るように素晴らしさになるのかもしれない。
そしてこれもまた、自分探しの旅だ。
安田公平 そして小出桔平
物語の進行は彼の小説がヒントとなるが、それは過去ではなく彼にとっての「もしも」だったが、彼もまた自分自身を許せなかった。
交際しているといつかそうなってしまうのが怖かった。
もし許されるのならというのを物語として書いていた。
未完成というのも中々いい設定だった。
「あなたを許していないのは、あなただけ」という「君の瞳が問いかけている」の言葉を思い出す。
この言葉はかなり普遍的だ。
結局、すべて自分がしている。
自作自演 これこそこの世で私たちのしているゲーム
さて、、
心葉
彼女の存在は時代を感じさせる。
誰も知らなかった桔平のことを知る人物であり、ストーカーのようでもある。
ユカリの知らない桔平の顔
彼女は最後まで作品に登場するが、桔平のすべてがわかったこととそれを突き止めたユカリに対する敗北を感じて去る。
彼女の役割は、桔平に対する未知の象徴
ユカリの中に桔平の未知が消え、同時に心葉も消えたのだろう。
面白いキャラではあるし、端然とした役割があり象徴でもある。
時代を感じてしまったのは、あのゴスロリファッションかもしれない。
当時は、彼女が普通っぽかったら面白くなかったのだろう。
今の感覚とのズレを感じた。
また、
ユカリにとっての本当の喜びを再発見したことが彼女の気づきとなったが、それを探すことがこの物語だった。
地位を失っても、仕事のスポットライトから外されても、心に残っていたのは桔平だった。
彼が本当は何者なのか?
この問いの中には「私はいったい誰なのか」という言葉が隠されているような気がする。
特にユカリにはそれが強く感じられたのだろう。
身元詐称 免許証偽造に加え住民票もない。
手掛かりになった小説 書かれてある家族
中々ナイスな伏線だったが、ユカリの心の中には、いるであろう家族がどうしても離れないはずだ。
逆に当然、犯罪者かもしれない怖さは絶えずどこかにある。
カイバラを瀬戸内まで呼んでおいて、小説の中の宝物を発見しておいてもなお残る怖さ。
このリアルさ。
もし彼に家族がいて、そうなれば私はいったい何がしたいのだろう?
結局その「彼はいったい何者」かという質問は「私」へと帰ってきた。
ユカリは「私」の本心を探し始めたのだろう。
やがて彼に起きた事実へとたどり着く。
その事実は彼にとってかなりの出来事だったが、若干浅はかな設定にも見えるのは、最近の邦画がこれを端然と上回っているからだろう。
この事実は、ユカリにとって受け入れやすい設定になる。
ここに神とか救いとかが隠されているが、それを省いて行けば「クラウド」のようになるのかもしれない。
「どっちの世界に住みたい?」
これもまた人生と同じで、映画の面白さだろう。
そして私たちのしているゲームは自作自演故に、これを選択することができる。
これを感じさせてくれる映画というジャンルは素晴らしい。
最後にユカリは浮気したことを白状する。
ユカリ自身が彼のすべてを受け入れたことで、彼もまた浮気くらい許してくれると考えられるように変化したのだろう。
同時にそれは自分自身を許したことでもある。
この着地点こそこの作品の最大の魅力だった。
改めて見ると多くの発見があって面白かった。
ミステリーに重きを置いて男の心情を軽視したのが失敗ありきたりな作品になってしまった
愛した人の経歴が詐称されていた
よくある話で、どこかの国のスパイだったりそういえば50回目のファース・トキスの主人公は、スパイだったって嘘を口実に女と別れるプレイボーイだったね
ミステリーというよりヒューマンドラマだなあ
ただ、真相は目新しくもない
ああ、そっち系に行ったんだと感動しなければならないんだろうが、それもなく
となると作品自体を否定してしまうんですが、映画としても浅いかな
男の感情を第三者的に表面的にしか描いていないからかな
ここからはネタバレはいります
育児ノイローゼで妻が無理心中
知り合いで同じ境遇の人がいました
彼は逃げたりせず、職場を辞めることなく数年後に再婚し今は幸せに過ごしています
どちらが偉いというのではなく、思うのは
人生には思いもよらない事が起こるかもしれないという事です
何も無く平々凡々と一生を終えるだろうと思っていても、ひとつ狂うと人生が逆転してしまう
自分にもありました
降りかかる不幸に嘆くより
驚きの方が大きくてあきれてしまって
客観的にしか感じれなかった
無ければこした事は無いけれど
起こってしまった事は受け入れるしかありませんよね
ていうか、生きていくとはそういう事です
過去があって今がある
生きている限り、そうやっていくしかない
今を大事に生きていこう
順番がきたら自分も過去になる
くも膜下出血で昏睡状態になった彼。 名前も、免許証も全て偽造で彼の...
【37点】 人の過去
別コミの実写かと思えば
終始陰鬱なストーリーかと思っていたのですが、主たるテーマは良いのにキャラ設定が漫画テンプレすぎて。
甲斐性のない相手と同棲、他人を見下しがち、自分の気持ちばかり先走り、凡ミスして同僚に出し抜かれる、突然の孤独、愛に気づき捨てるキャリア、バリキャリキャラにありがちな要素満載。
「働く女性ってこういうところ弱いよね、実際隙だらけでつけ込まれると脆いよね」と言われているようで不快でした。お酒に溺れて知らない男性と帰りろうとしたり、素面でも当たり散らしたり、急にしおらしくなったり、見ていて恥ずかしくなりました。
DAIGOさんと吉田鋼太郎さんの探偵コンビがコメディチックって癒されました(漫画かな、とは多々思いましたが)。
何か教訓になるような心に刺さるようなことは一切ありませんが、別コミの実写版と思えばすんなり納得できる映画だと思いました。
ただ個人的にはリアリティのあるストーリーが好きなのでリピートは無しです。
これぞサスペンス。なによりもキャストの演技が本当に素晴らしい。
(原作未読、ネタバレなしレビュー)
長澤まさみさん, 高橋一生さん, 吉田鋼太郎さん出演とのことで鑑賞しました。
まさにこれぞサスペンスといった映画でした。星4.2といったところです。
長澤まさみさん, 高橋一生さん, 吉田鋼太郎さんそれぞれの演技は本当に素晴らしいです。高橋一生さんの何かを隠している普段の様子。長澤まさみさんの真実を求め、真実を知るたびに感情が揺れ動くシーン。吉田鋼太郎さんのたばこを吸うシーンなど貫禄があるところ。有名映画俳優の演技の実力を見れた気がします。迫真の演技に背景も相まって映像としても完成度が高く、どのシーンでも壁紙になるほど艶やかでした。
そしてDAIGOさん。人によっては「うーん」という感じかもしれませんが個人的にはとても気に入りました。エンドロールで名前を見るまでDAIGOさんと気づかなかったひとも多くいるのではないでしょうか。あの明るいイメージをかき消し しっかりとキャラクターになりきって演じれていました。ほかのレビューでも「エンドロールで名前を見るまでDAIGOさんと気づかなかった」という人は多くこれは俳優として一流のことだと思います。
しかし、心葉を演じた川栄李奈さん。このキャラクターは作品に必要だったのでしょうか?ストーリー的にあまりいらなかったのではないかと思いました。そして川栄李奈さんのルックスはあの地雷系のような服装が似合っているのですが、めちゃイケや地獄の花園などのサバサバしたバラエティ系のイメージが払拭できず違和感を覚えました。
長澤まさみさん, 高橋一生さん, 吉田鋼太郎さんの演技の素晴らしさ、サスペンスの王道といえるストーリーに星5。心葉を演じた川栄李奈で少し原点で星4です。サスペンス映画としてはクオリティは高いと思います。サスペンス映画の入門編におすすめです。ぜひ皆さんも鑑賞してみてください。
んー。
勝手に高橋一生祭りを開催中の私にとってこの作品は、なかなかの鬼門で、その予感は的中してて、、。
まず何が鬼門要素かというと。
昨今の長澤まさみちゃんの映画での配役に、辻仁成さんがエッセイだかなんだかで触れた実話に着想を得たという点、そして極め付けは、このぼんやりとしたタイトル!
キャッチーなふりして、なんのイメージも湧かない。この感じ。まぁ、強いて言えば痛い女の話かな?と、思っていた。全然違うけど、嫌、ある意味少し痛いのだけれど。結局のところ内容と合ってないし。
でも、確かにあなたのこの5年間の嘘の中にある苦しみを愛さずにはいられない。と、思ったのはわからなくもない。ただそこ描けてる?描けてない?描けてない!
この映画、高橋一生と長澤まさみの無駄遣いじゃない?と、終始気になってしまった。もぉ!
まさかのロードムービー的な・・・
主人公の長澤まさみが高慢ちきで嫌な女
ただお母さんを見てると最初からそうではなかったはず
嘘、事故、小説、悲しい過去
大切な人のホントを知りたくて嘘が納得できなくて
辿っていく瀬戸内のロードムービー
一緒に巡るのは探偵の吉田鋼太郎
吉田さん濃いわぁ笑
メンヘラなのかストーカー気味の川栄李奈
出てくる女が微妙に痛い
一番恐ろしいのは・・・
奥さんの育児ノイローゼからの最期の笑顔
中盤から爽やかなシーンが続くので
ちょっと気持ちが良くて
津嘉山さんもお年を召されてそれが余計に味になってる
最後のきっちゃんへの病院での叫びのようなシーンは
あたしはいらなかった
一筋の涙はさすが
人の過去を知って良いことはない
率直な感想は、まあまあでした。
実話を基にということで期待。
本当にこんなことあるのね。
劇中のテーマの一つとして
『人の過去を知って良いことはない』
これはあるよね。
知らなくて良い過去。知らないほうが幸せってあるよね。特に関係が近ければ近いほど。なぜか自分の近くの人には「純粋」や「潔癖」を求めてしまうもの。
自分だって人には言えない過去や癖があるのに。
そんな事を考えさせられる映画でした。
コンフィデンスマンの長澤まさみとは全く違うね。なぜならパートナーに偽名を使われていても気づかない役だから笑 たまには騙される(?)側も良い。
高橋一生、吉田鋼太郎が安定の演技だね。
DAIGOもこんな役もできるんだと関心しました!
最後に、
正直に生きるは健康に良い!
嘘や隠し事は身体に悪い。
嘘は一瞬、後悔は一生。
勉強になります!
最高!
実際あったら
実話を基に着想
鑑賞後に知り、驚きました。
食品メーカーの商品開発部門で働くキャリアウーマン由加利を長澤まさみさんが、同棲する彼桔平を高橋一生さんが演じる。
五年間生活を共にしながらも相手を欺き続ける事は、マイナンバー制度も有り、かなり難しそう。。
探偵が依頼人と共に行動する事ってあるのでしょうか?
高橋一生さん、ミステリアスな役が似合いますね。
長澤まさみさんの脚が美しい。
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