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ジャケットとタイトルに惹かれて視聴しました。
本作は、双子の胎児のうちの片方が胎内でもう片方に吸収されてしまう現象(バニシング・ツイン)を題材にしたホラーです。
吸収されたはずの双子の姉が徐々に主人公の意識をのっとり、凶暴な本性を表していく…というような内容です。
主人公を襲う幻聴や女の幻覚、突発的な記憶喪失の正体は?精神病なのか?二重人格なのか?といった伏線が丁寧にしかれ、日常生活もままならなくなるほど追い詰められていく様は見応えがありました。捨てたはずの絵が何度も戻ってくる、した覚えのないことで友人に責められる、そして何者かが残すメッセージの数々など記憶がないあいだの描写を省くことで主人公の混乱や恐怖がうまく演出されており、非常に面白かったです。主人公と親友との絆も泣ける。
光とフラッシュバックを絡めたり、シャワーの水と羊水を重ねるなど映像的にもスタイリッシュで好みでした。
けど、後半が…
本映画、前半と後半でかなりトーンが違います。
主人公の奮闘虚しく意識をのっとった姉は、意識にとどまらず彼女の皮をつきやぶり生まれてこようとするのです。物理的に。
え、脳腫瘍みたいなものだって話では??
確かに主人公が髪の毛を吐きだしたりする描写はありましたが、これは女と同じように幻覚かなにかかと…
乗っ取られていない状態の主人公が凶暴性の片鱗を見せる描写もあったので本当は姉なんて関係なく、主人公は二面性がある人物だった…というふうに解釈することもできるなと思って見ていたのですが、親友の目の前で皮をはいで生まれてくるんじゃあその解釈も無理あるか…
皮を剥いだ血塗れの主人公が貞○のような動きで親友を追い回し、親友がなくなく主人公もろとも姉を殺して物語は終了。それまでの映像のスタイリッシュさや不気味な雰囲気は失われよくあるB級ホラーになってしまったのが大変惜しかったです。
また、タイトルに惹かれて視聴した私がいうのもなんですが「ブラッディツイン」というタイトルはこの主人公を襲う現象の正体への重大なネタバレなのでは?ということが気になりました。原題は「Let her out」なので、この"彼女"は誰なのかという謎解きを含めてのタイトルなのに邦題だと大分ネタバレ…
とにかく前半だけなら☆4、後半☆2平均で☆3くらいの評価かな〜と思います。前半の雰囲気は本当に素敵でした。