人生はシネマティック!のレビュー・感想・評価
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戦時期の映画製作をめぐる笑いと涙と、その向こう側にある矜持を見た
このところ「ダンケルクの戦い」を扱った映画が相次いで公開されているが、本作は英国史を決定づけるこの転機を「映画製作」という特殊な視座から描いた異色作だ。第二次大戦下という押しつぶされそうな限定状況下で、一人の女性が脚本家としての才能を思い切り開花させていく様子は、逆に観ていて気持ちがいい。 このまま各々が持ち味を最大限に発揮する展開が待っているのかと思いきや、事態は少しずつ異なった方向へ。うまくいっている人生の流れを一瞬にして粉々に吹き飛ばす運命の残酷さや皮肉といったものを強調し、観客の心を戦時中に生きる人々の押しつぶされそうな胸中へと深く寄り添わせていくのだ。「まさか!」と思うような展開も、明日何が起こるか見当もつかない当時の人々にとってみれば、これこそがリアル。それでもなお心を奮い立たせて前を見つめるヒロインの姿に、彼女が身を投じた「もう一つの戦争」の切実さと覚悟を見た思いがする。
情熱的なラブロマンスちょっとコメディ
明日終わるかもしれない命で恋をする 自らの命も危ぶまれる戦時中にプロパガンダ映画を完成させるため命を燃やす映画職人たちの話 国、恋人、仕事、映画、仲間、自分自身ーこの映画では様々なものに対する愛が描かれていると感じました。 死に生を支配させるな どう足掻いても手に入らないもの それは生きる希望を失わせるか、燃え続ける情熱になるか コメディを交えて描かれる軽快なタッチの中に力強いメッセージを込めた作品。 戦時中でなくても共感できる人は多いんじゃないかなと思います。 トキメキあり涙あり、考えさせられる上質な作品でした。 本当の人生と違い、全てに意味がある。 まさにシネマティックな映画ですね。 相性の問題だと思いますが、個人的には吹き替えでは台詞の意味がよく分からないシーンが多く、途中から字幕で視聴しました。
ビル・ナイが良い
劇中に似たような台詞があったが、いかにもイギリスの、アメリカとは違う控えめな映画だった。 舞台は1940年のイギリス。 1940年といえばバトル・オブ・ブリテンの年で空襲に街はみまわれ、アメリカは参戦しておらず、イギリスが孤軍奮闘していた時代。 そんな時代の中で作るプロパガンダ映画は観客であるイギリス人の士気を鼓舞するだけでなく、配給先のアメリカも喜ばせる内容でなければならない。 上流階級が支配する国というイメージから脱却するために普通の人々、特に女性が活躍する映画が求められる。 それに応え脚本を変更しながらなんとか映画を完成させるのは見応えがあった。 なんといってもビル・ナイ演じるヒリヤードが良い。 若い男性がいないからこそ巡ってきたチャンス。その機会から背を向けるのは死に支配されることでもあると言う台詞が印象的だった。
タイトルなし
良質な映画?かは自分にはわからず、全体的に盛り上がるに欠けつまらなかった。脚本家として映画作りは上手く行き、好きになった脚本家の恋人は突然不慮の事故で亡くし、人生は映画のようってこと?
プロット、キャラクターとも楽しめる良作
映画の中で映画作り、しかも軸となる脚本家の話を描くのは難しい、そこで劇中の映画を戦意高揚映画、主人公を俄か作家とすることでハードルを下げたのだろうか。「なぜ映画に惹かれるか・・」とか「生は死に支配されてはならない」とか珠玉のセリフ、劇中映画の中でもエンディングにこだわるのだから本編でもありきたりは許されない・・、Wアクシデント、男運の悪さと引き換えのような恵まれた才能、仕事運でバランスをとったのは好みの分かれるところだろう。情報省のお目付け役ソフィー(ヘレン・マックロリー)が「次の映画はハッピーエンドよ」と念押しするのも自虐的で笑える。後から思えば旦那をヒモのように見せていた意味が理解できた。ダンケルクの話はノーマン監督の作品を観ていたので理解が早いし検閲ものは三谷さんの「笑いの大学」でも観ていたので理不尽さと上手い切り抜け方の綾は同質の妙味だった。イギリス人らしいアイロニーやライトコメディ仕立てなので戦時中の悲壮感は余り感じられず、テーマの女性復権的なものより映画づくりの面白さの方に目が奪われた、女優陣も良かったが劇中の老優ヒリアード(ビル・ナイ)の存在感、歌も良かった。プロットもキャラクターも面白い映画は希少、有難い。
【第二次世界大戦中、英国の士気高揚映画の脚本を執筆する事になった女性の奮闘する姿を笑いと涙で描く品の良い英国映画】
戦時中に、急遽”ダンケルクの戦い”をテーマにした映画製作の脚本チームに抜擢されたカトリン(ジェマ・アータートン)の奮闘記。 ベテラン俳優(ビル・ナイ:良いなあ)の我儘や、内縁の夫エリス(スペイン内戦で負傷し、まともな職に就けず、屈託している)の冷笑及び当時の女性蔑視の風潮及び軍上層部からの圧力にもめげず、映画製作に奮闘するカトリンの姿が健気である。 <映画制作陣の気概と、映画が如何に人々に勇気を与える”娯楽”なのかを雄弁に語る映画好きには堪らない、映画愛に溢れる作品> <2018年2月7日 映画館にて鑑賞:セカンド上映>
すべてがつまっている
戦争を題材にしているが、女と仕事、結婚、裏切り、友情、そして映画への深い愛と、いくらでも自分達に重ね合わせて見ることができる、まさに、our finestのドラマ だった。出ている人たちの演技がまた素晴らしくて、もう一度じっくりセリフを噛み締めながら見てみたい。
戦時下の映画作成は大変
戦時下において映画作成する人達を描いた作品。 出演陣が、渋くいい味が出ていました。 空襲を受ける中、進められる映画作成は今では考えられないトラブルがいっぱいでした。 派手さはないがじっくり見れた映画でした。
映画っていいな
この時代の映画作成の工程が面白いです。CGがない時代はこういう風に工夫してたんだというシーンがあります。ラブアクチュアリーのビルナイがいい味出してました。グッバイクリストファーロビンもそうでしたが、戦時下において人々に希望を与える作品は不可欠だったんですね。これからも色んな映画を観ていこうと思える作品でした。
タイトルなし
第二次世界大戦中 「ダンケルクの戦い」を扱う映画製作に情熱を注ぐ人々を描いたヒューマンドラマ 国民の戦意高揚を目的とするプロパガンダ映画を求める政府 その中で一人の女性が脚本家として才能を開花させていく様子を抑えた描写で . イギリスの豪華俳優勢揃い😊 ビル・ナイ。好きだなぁ
「真実に”基づく”作品」って?!
邦題からイメージしていたのと、ちょっと違いました。 作品の中で映画を作っていく、つまり話の中に話がある。 「真実に”基づく”作品」のはずなのに、取材した主人公の思惑とはどんどん話が書き換えられて行くのなら、違う作品にしろよ!とまず思わずにはいられない。 エンジン停止にすると士気が下がるって(苦笑)。 そんななかでも夫との関係に悩みつつも、脚本を仕上げていく主人公。たくましいし、きっと強い信念があるのでしょう。 映画を作っていく仲間と、戦時下に置かれている状況。哀しい別れもありました。 だけどビル・ナイがおいしい役もっていてましたね。彼のファンとしては嬉しい。 最後が明るい終わり方なのも、気持ちが救われました。
映画好きにはたまらない
1940年のロンドン、戦意高揚の映画を作りたいイギリス政府は、映画部門を充実させる。 主人公はダンケルク撤退秘話の脚本に抜擢される。 ドイツ軍の空襲の中、撮影が始まる。 映画が好きな人にはたまらないシーンやセリフが多数登場する。
なぜ人は映画が好きか? 構成されているからさ。
映画「人生はシネマティック!」(ロネ・シェルフィグ監督)から。
全体的には、恋愛映画?と思いたくなるが、
メモした台詞を見直すと、やはり脚本家の映画だった。
「全ての責任は脚本にある」
「信憑性は大事だが、楽観的に描いてくれ」
「面白い作品だったが、国民が奮起して前向きになるには、
太った警官がはしごを落ちるだけではダメだ」
「脚本1ページは映像1分、フィルムで80ヤード分よ」
「これが映画だ。現実から退屈な部分は削る。
事実と真実は違う。何よりもストーリーが優先」
「女はヒーローより、ヒーローの恋人になりたがる」
「50ページのタワゴトより4つの正直な言葉を」
「たまには価値ある映画を作りたい。
人生の1時間半を捧げたくなる映画を」
脚本の面白さに触れた時、にっこり笑った主人公が印象的だ。
作品中「脚本」に関するメモを一つ選ぶとしたら、
「なぜ人は映画が好きか? 構成されているからさ。
ストーリーには、形、目的、意味がある。
不幸な展開も、作為的で意味がある、人生とは違う」かな。
人生の1時間半を捧げたくなる映画
映画はこれくらいの薄味が良い。
劇的に膨らませると、現実味がなくなる。
味覚障害になりかけている人々に、ぜひ観て欲しい。
サム・フランクリンは嫌味な男の役が似合う、嫌味で、時々とても甘い男、不器用な男。
やっと噛み合った歯車は一瞬にして外れてしまったけど、懐疑的な彼の人生論は、言ってみれば"惜しい"。
"死に意味は無い"と言った彼は、正しい。しかし、その死が他人に影響を及ぼすかどうかは別だ。
つまり、チャンスを掴むかどうか。
構成された映画の中での死に意味があるのは、意味のある死だと作為的に思わせているから。
死が意味を持つことはないけれど、すべては残された人次第だ。
人生はシネマティック、その通りだろう。
自分の人生は自分が主人公なんて言うけれど、正にその通りだ。
周りの人間との関わり方、そして彼らから学ぶこと、すべては自分次第。
脚本自分、監督自分、主演自分、でも一人芝居じゃない。
人生はシネマティック!
あなたの人生を、劇的に生きて。
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