孤狼の血のレビュー・感想・評価
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この時代に観れて良かった
開始早々の拷問、なんとも言えないグロテスク度。
昭和の終わりを舞台にヤクザ同士の抗争と警察の裏事情を絡めていく。
結構分かりやすく観ることが出来ました。
拷問のシーンは毎回グロテスクで夢にでも出てきそうな感じでした。笑
人ってきったねーなとか思いながら、役所広司が1番汚いって思っていたけれど話が進むにつれて役所広司が1番綺麗(?)で頭が良いというか悪知恵がすごいというか・・・・・・
松坂桃李が役所広司の助言付きメモを目にした時、涙が出そうになりエログロ映画で危うく涙を流すところでした。
でも、この映画は色々な感情を持たせてくれる。
個人的には中村倫也が目立っていました、まさにカメレオン俳優。
こんな薄っぺらく、責任の擦り付け合いが毎日報道されるこの時代にこの作品に巡り会えてよかったです。
血沸き肉踊る暴力カタルシス復活の兆し!
"孤狼の血" シリーズ第1作。
通常スクリーンで鑑賞。
原作は既読。
冒頭から熱狂の渦に放り込まれました。「東映マークが昔のヤツだ!」と喜んだのも束の間、陰惨な拷問シーンで幕を開けました。エグさにワクワクしていると、始まったオープニング映像。このスタイルはもろ東映実録路線じゃないかと、炸裂するオマージュに喜ぶと共に本作の本気を感じました。
ガミさんの悪っぷりが強烈に最高。「県警対組織暴力」の菅原文太氏を彷彿とさせてくれました。取調室での過剰な暴力をはじめ、なんでもありの捜査方法は時には常軌を逸していてヒリヒリ・ハラハラ。そのポリシーとは、「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ!」。ガミさんなりの正義であり、大切なものを守るため。ガミさんの己を貫く姿、カッコいい!
その相棒、日岡。ある立場もありガミさんの違法捜査に否定的でしたが、行動を共にする内に考えが変わっていき、ガミさんイズムを継承することになるのでした。孤狼の血を受け継いだ時の顔付きの変化まで表現している松坂桃李の演技が鳥肌もの。上司に反旗を翻し、狡猾にやくざを騙して検挙したりと見事な暴れっぷりを披露するまでになりました。
はじめは水と油なふたりでしたが、次第に確かな信頼と絆が育まれていきました。まるで師弟のような関係性にとても感動しました。まさかヤクザ映画で泣かされるとは(笑)。
他にも江口洋介、竹野内豊、中村倫也など、普段のイメージを覆す異色のキャスティングに惚れ惚れとしました。みんなよく似合っているもんだから余計恐れ入りました。石橋蓮司と御大・伊吹吾郎の貫禄が凄まじかったです。他を寄せつけない迫力があり、ベテランならではの凄みを感じました。
東映実録路線へのリスペクトとオマージュがふんだんに詰め込まれた本作ですが、正直なことを言うと、まだまだ物足りない。あの熱量には到底及ばない部分がありました。広島弁のシェイクスピアと形容されるようなセンスを感じるセリフはありませんでしたし、暴力シーンにしてもやられたヤツはもっとのたうち回って欲しかった。でもなんだかんだ言いながら私のの中の本能の声が聞こえてきました。こう云うのが観たかったんだよって。世間の縛りをぶち壊すような、狂ったパッションを持つ作品を心から欲していました。コンプライアンスや様々な規制がある中、ここまでやってくれたスタッフとキャストの皆様に心からの賛辞を送ります。ありがとうございました。
[以降の鑑賞記録]
2019/02/15:DVD
2021/02/07:DVD
2021/08/20:ABEMA(無料配信)
※リライト(2021/02/08)
※修正(2024/03/16)
中村倫也みたさに行ったら
まんまと引き込まれて、あげく泣いた。もう一度観たいしDVD欲しい。
役所広司の渇きで、怒鳴り声がうるさくて苦手だわ…と観に行くの躊躇ってた自分どあほう。
朝ドラでこないだから中村倫也にハマり出して、あれもこれも中村倫也だったのか!と戦慄し、虎狼の血ではヤクザ役…観たくてたまらなくなって行った。
ヤク打って鉄砲玉かー!かっけー!とぞくぞくしたけど中村倫也の最後がビミョーな感じがした。死なないのかよ。
しょっぱなからグロを期待してたので最高なスタートだった。真木よう子良かったなー。ロングヘアなら尚更良かった。
アウトレイジでも被ってるヤクザがちらほら。またあの俳優いためつけられてる…。江口洋介は違和感。竹野内豊もなんだかなぁ。2人ともかっこいいのにソンな役。
役所広司はすごいなぁ。中島哲也じゃだめだぁ。渇きじゃただ憎たらしくて愛もなかったように感じたので、虎狼の血の役所広司に泣かされた。
刑事が船で捜索に行くシーンも良かった。役所広司が水死体で見つかって泣いてくれる仲間がいて良かった。
ヤクザものはアウトレイジと龍三と7人のヤクザたちしか観てないけど、この映画はとてもとても素晴らしい映画でした。ありがとう。
極道映画じゃなくて何映画なんだろう。
役所広司の演技に引き込まれてあっという間の2時間だった。ヤクザのようなマル暴の刑事が実は庶民のためにヤクザを操っているという最後の方のネタはもうすこし事前にそれとなくそういう場面があった方が説得力があったな。そんな刑事が主役だからか、ヤクザ映画の感じはしなかった。
松坂桃李が成長していく様子もヤクザ映画じゃないな。でも、それがあるからこの映画は泣けるし面白かったと思う。
グロいシーンはかなり良くできていて、こういう映画を好む私も満足できた。
あまりヤクザ映画は好きでは無いのですが‥
とても良くできていて、作品に引き込まれて、あっという間にエンディングを迎えた感じでした。役所広司さんがクセの強い役柄で、最初はウザい感じでしたが、ストーリーが進むに連れて、その心の中に流れる人間味のある優しさがわかり、かえって正義だと思われた松坂桃李さんが陳腐に見えてきた。でも、作品全体に引き込むものがあって、最後まで興味が切れる事無く見れた。
孤狼の生き様
この作品をきちんと予算かけて豪華俳優を使って大きく上映されていることが本当に感激で幸せなことだなと思う。
冒頭から容赦ない痛みのある暴力の描写に全身ゾクゾクする。
豚の脱糞を大画面で観られるなんて最高。
勢いよくプリッと出ていたけど、撮影時は豚が催すまで待っていたんだろうか…
大上のダークヒーロー感が強くて、そのぶっ飛んだ痛快さにどうしたって惚れてしまう。
余りにも酷いやり口も多くて、この人は何のために捜査を続けているのかと疑問に思うこともあったけど、終盤に判明する彼なりの正義と信念と人間味にはグッときた。
殺しても死ななそうなキャラだったため、まさかの拷問&死亡にはかなりのショックを受けたけど。
最後、孤狼の姿に学び思いを受け継いだ日岡が凶犬と化し落とし前を付けてくれたのが良かった。
小気味好いナレーションと共に進むストーリーは終始息を飲む展開で、コミカルな部分も多くて本当に楽しかった。
設定に先日二回観た犯罪都市と似た部分あるなと思っていたけど、ダークな部分も物語の要素も多めでやり切れない絶望感も味わえる今作の方が好き。
監督と役所広司のインタビューでも言っていたけど、近年の韓国映画に全く引けを取らない、本気の日本映画を観られたなと思った。
豚の印象がとにかく強くて、映画の後に豚のモツ焼きを食べて酒を飲んだ。
今までで一番美味く感じた。
豚小屋で
冒頭から汗や血や糞にまみれたバイオレンス描写に、泥臭い昭和感漂う映像で、役所広司のやさぐれた暴力刑事ぶりなど役者の演技も見応えがあり、最後まで面白く見れました。
汚職刑事と思いきや実は良い人だった的な、疑惑の真相をママに教えてもらう流れなどは、意外性はなく説明的過ぎるように感じましたが。
役所広司が遺体捜索時に手を合わせる場面、松坂桃李が報告書の添削で役所広司の人柄を悟る場面や豚小屋で這いつくばり証拠を探す場面など、そういった無言で心情を示す描写は良かったと思います。
松坂桃李の演技は悪くはないと思いますが、「日本のいちばん長い日」を観た時もそう感じましたが、昭和の雰囲気の中では少し浮いているように感じてしまいました。
大卒のエリート若手ということで、敢えて異質感を出している、浮いていて正解なのかも知れませんが。
真木よう子も、綺麗で迫力はありますが、クラブのママの貫禄や迫力とは違うように感じました。
暴力団vsマル暴
ジメジメした暑苦しい感じと黒電話の音…そしてあのナレーションの声…昭和臭プンプンである。
冒頭のリンチシーンでまさかの竹野内豊が悪役⁉︎意外とイケてる。
警察に相談に来ていた女がMEGUMIだった事にエンドロールまで気付かなかった。
チョイ役にも目が離せない豪華な役者陣。
広島呉原署のマル暴刑事大上と新人刑事の日岡。
大上の一見ヤクザのような振る舞いに日岡はついて行けず苛立っていた。広島大学卒のエリート刑事日岡が呉原署に配属された目的は大上の素行調査だった。
一刻も早く証拠を見つけ大上から離れたいと思う日岡だがいつしか滅茶苦茶な大上に惹かれていた。
ある男の失踪が加古村組が絡んだ殺人事件へと繋がる。事件の真相に迫ったその矢先に大上が消えた。
数日後、川から上がった死体に日岡は絶叫する。
グラブのママから大上の秘密のノートを渡され、過去の抗争での事実を聞かされた日岡は大上の凄さを実感した。
抗争集結の為に尾谷組に話を持ちかけ五十子会の祝賀会で会長の首を取るようお膳立てし、ラストは尾谷組若頭の逮捕に繋げた。
祝賀会に出席していた警察上司は日岡に弱みを握られる事になる。
大上二代目の誕生か?
松坂桃李は良い俳優さんになりました。
ラストではワイルドさが増してギラギラしてました。
私的には、真珠の件が可笑しかったし、あーそんな人いたなぁって懐かしく感じた。
実際には見たことありませんがね。
血がビュンビュン
バイオレンス映画・ヤクザ映画は苦手ですが、本作は大変評価が高いため、もしや楽しめるかもしれない、とダメ元で観に行きました。
結果、案の定ダメ。とにかく、血がビュンビュン出るのでゲンナリしました。
血がビュンビュン出るのは鑑賞後も結構堪えて、身体がちょいとしんどかったりしました。
あと、ホントにヤーさんは喧嘩っ早いね。ヤクザ同士の殺し合いはまぁいいんですが、やはりカタギが嬲り殺されるのは気分が悪い。フロント企業の金庫番が…って設定は知人の体験とオーバーラップして、ゲーとなってしまった。ここは嫌にリアル。
1ミリも楽しめなかった映画でしたが、その理由は、バイオレンス描写ではなく、本作がヒーロー映画だったからかな、と思いました。
主人公のガミさんが、実はすごく優しくてカッコ良すぎる。なんというか、あそこまでカッコよくいかれちゃうとウソ臭くて。ヤクザも警察も悪いやつらばかりで、ガミさんだけ実は正義の味方、みたいな設定には乗れなかったです。
ヤクザ映画は嫌いですが、初期北野映画は大好きで、小林勇貴の全員死刑も好きです。これらの映画には、虚しさや無意味さが描かれているように思えます。暴力がカタルシス化しない、というか。ある意味、リアルな暴力性が描かれているように思えるのです。
本作はそうではなくて、血がビュンビュンのカタルシスと、ガミさんの庶民を愛する熱いヒーロー魂がメインになっているのかな、と思います。
本作を鑑賞したことで、個人的にはバイオレンス映画が苦手なのではなく、ヒーロー物が苦手なんだなぁ、なんて感じ、新たな発見があり収穫でした。
しかし、苦手な人がゲンナリするほどの迫力はあったと思います。高評価も頷けます。血がビュンビュン出るし。
単に、個人的嗜好に合わない映画でした。今後は高評価でも、バイオレンス娯楽作はスルーしようと決意した次第です。やはり、血がビュンビュンはしんどい。
ジュース販売機も昭和、役所広司が最高、
暴力シーンは、私には、度が過ぎていた。
もすこし、首とか、死体、血、直接 撮さず表現出来ないのか。
昭和63年って、もう時代劇になってきたかと感慨深い。
当時のジュース販売機良かった。ベンツなら当時は500SELとか、もっとデティール出して欲しい。
全体的にはクオリティ高く、テンポもダレない。
役所広司の存在感、雰囲気が、この映画の見所。
役所広司が殺されたのは、残念。身をかわして、東南アジアで結婚してたらしい、とかが良かった。
孤狼の血
ヤクザ映画を一度も見たことが有りませんが江口洋介さん竹ノ内豊さんがヤクザに!!興味が沸き映画館へ足を運びました。
冒頭豚小屋のシ-ンは怖く、気持ちが悪く目を塞ぎました。
自余自余に画面に吸い込まれ、ヤクザと闘う警察の過酷さを役所広司さんが見事に演じてました
江口さんは渋く格好いい、怖い、天空の蜂の江口さん人生の約束の竹ノ内さんお二人の変身お見事です。
随所に笑いも織り交ぜ、警察もヤクザには容易に手を出せないもどかしさも伝わり....、情に涙しました。-05は私には少しえぐすぎたです
よかった
昨日『犯罪都市』を見たばかりのせいか、あまりエキサイティングじゃなかった。『犯罪都市』がすごすぎて、あの中国人のような恐ろしいヤクザがいなかったせいかもしれない。しかし物語の主軸が謎めいた役所広司の行動や隠密の素行調査にあるから仕方がない。コンディションの調整も失敗して少しウトウトしてしまった。汗臭くヤニくさい感じはとてもよかったので、もっと興奮したかった。
(追記)
続編を見るに当たって、見返して見たらとても面白かったので星を3.5から4に変更した。原作小説も読んでいたのにすっかり忘れて新鮮な気持ちで見れた。冒頭の金融業の青年と大上がなぜ豚小屋で拷問を受けていたのか理由が不明だ。殺すのなら拷問は不要なので、よほどの恨みを買っていたのか、何か情報を引き出したかったのだろうか。それから、組同士の対立軸や人間関係が2回見ても原作を読んでいても把握しきれないままだ。
豚のうんちを食べさせる場面は小山田圭吾さんの件を連想させる。
演者の皆さんの熱演ぶりが凄かったです‼
役所さんの演技力はやっぱりスゴイです‼
痺れる台詞いくつかあって、カッコいいです。
ただの抗争の話だけではなく、広大の変化や成長の話やガミさんの熱い意思等、多角的に楽しめる作品に仕上がっていて、素晴らしいと思います。
脇を固める俳優さんも最高です。
ガミさんの意思を受け継いで、広大なりのやり方で暴力団や警察上層部に答えを出したのですが、ラストに広大は現場に今後も残ると言っていたことと、強引な形での一刀両断にする報復を安易に連想させられることで、将来的に続編が作られるような含みを私は感じました。
ちょっとラストの部分が気になりましたが、全体的には非常に良かったと思います。
これが映画じゃけぇ、面白ければえぇんじゃ!
最近、白石和彌監督の作品が気になって仕方ない。
『凶悪』に衝撃を受けて以来、『日本で一番悪い奴ら』も『彼女がその名を知らない鳥たち』もその年最も観たい作品に挙げるくらい、自分でも不思議なくらい白石中毒。
今年は2月に『サニー/32』が公開され、秋にも『止められるか、俺たちを』が待機している白石イヤー。
中でも、真打ちであろう本作。
製作発表時から公開を今か今かと待ち焦がれていた。
原作は“警察小説×『仁義なき戦い』”と評される柚月裕子のベストセラー小説。
昭和63年の広島を舞台に、広島県警と広島やくざの“仁義なき戦い”。
冒頭のざらついた東映マークが作品世界にぴったり。
日本映画久々に気合いの入ったハードボイルド/アクション/バイオレンス映画であり、『仁義なき戦い』など往年の数々のやくざ映画の流れを汲む、東映本格やくざ映画!
劇中さながら終始汗が吹き出すほど、血湧き肉躍る。
こんな映画を待っていた!
まずはキャスト…と言うより、漢たちが皆、色気と魅力を放つ。
やくざ刑事・役所広司の存在感は言うまでもなく。それにしても、毎年毎年多彩な顔で魅せてくれる。この人に役幅の限界は無いのだろうか。
コンビを組むエリート若手刑事に松坂桃李。本作の真の主役は彼であると唸らせる熱演を見せてくれる。
江口洋介のやくざ役もなかなかハマっており、中村獅童、ピエール瀧、石橋蓮司らこの手のジャンルお馴染みの面々も安心安定のポジション。
漢たちの映画だが、真木よう子や初めて名前を聞く阿部純子ら女優陣も印象的。
本作の監督が白石和彌で本当に良かったと思う。実録系サスペンスを手掛けてきた監督と本作の必然的な巡り合わせ。
冒頭の豚小屋やあの痛々しいシーンなどのバイオレンスやグロ描写、エロも、全国公開規模でよく撮った!
アウトローの世界観、カメラワーク、快テンポなど、白石監督の作品の中でも最高級レベル。
往年の名作やくざ映画と比べると、ちと泥臭さが足りないかもしれない。
演出も脚本も粗い点もあるにはある。
が、その荒々しさが本作に合っている。
2大やくざの対立と警察内部の思惑が交錯し、特別捻った凝ったではないものの、旨味がどんどんヒートアップ的に増していく。
見終わった瞬間、じっくりとまた観たい!と思ったほどだ。
やくざと闘う為なら法に触れるのも厭わないベテラン刑事・大上。
そんな彼のやり方に疑問を感じる若い日岡。
てっきり若手がベテランの善悪では割り切れないやり方に染まっていく…というよくある展開と思っていたら、少々違った。
確かに大上はやくざ刑事/不良刑事だ。でも、悪徳刑事ではない。
彼は彼なりのやり方で闘っている。
彼が戦っているのは、やくざと、もう一つの大きな組織。
闘うには、非情な孤狼にならなければならない。
どんなに悪い噂を立てられようとも。
全ては、堅気の人々の為。
役所広司が演じた大上は『渇き。』で演じた悪徳刑事を彷彿させるが、似て非なるもの。
そこに痺れた。
大上に振り回され、全く認められない日岡。
しかし、ある時大上の真意を知る。
大上が遺した叱咤激励に、目頭熱くさせた。
序盤では青二才だった彼が漢になる、本作は彼の成長物語でもある。彼のラストシーンも最高にカッコ良かった。
そして受け継ぐ。
深作欣二らやくざ映画の名匠たちを継承した白石監督とダブった。
やくざと闘い、この世界で生き残るには生半可な気持ちではいられない。
それこそ、生死の綱渡り。
いとも簡単に堕ちる。
堕ちない為には歩き続けるしかない。
漢ならこのメッセージを胸にしかと受け止めろ!
かつて多く作られたやくざ映画が途絶えて久しい昨今。
漫画やTVドラマの映画化など甘っちょろい映画が氾濫する中、映画が映画である事、漢が漢である事を鮮烈に思い出させてくれる。
いつの時代もギラギラする孤狼の漢たちの仁義なき戦いは、永遠に不滅。
白石監督作をいつもその年のBEST候補の一つに挙げるのははっきり言って個人的な贔屓なのだが、それでも、
本年度BEST候補の一つ!
劇中の台詞に掛けて言うなら、
これが映画じゃけぇ、面白ければえぇんじゃ!
原作
原作を読んでしまったのがつくづく悔やまれる。
肝は14年前の殺人犯は誰かと言うことだと思うのだが、こちらは原作を読んでしまったものだからガミさんが犯人ではないことを知っている。
だから、クラブのママの告白で観客が驚くところを(展開が読める方は未読でもわかられたであろうが)一緒に驚くことが出来なかった。
面白かったのは面白かったと。
ラストは片方は殺され、片方は逮捕。考えはわかるのだが・・・案内したのは日岡でしょう?
バレますよね。
そこの矛盾を考えると、スッキリしない。
-_-b 役所スゴ演技
アウトレイジなんかと比べてはいけない映画。
松坂、役所のゲキ演技、脇を固める役者の好演で素晴らしい作品になっている。リリーが加われば5点だった。
ヤクザの世界の抗争がこんなにも過激なのかと怖くなりました。
これ以上なのでしょうね。役所が組同士の抗争を回避するのに躍起になっているのに最後はその組に命を奪われるとは、、、、因果なものです。松坂がぶっちぎれて取る行動も見ものです。
白石作品 『凶悪』『サニー32』『日本で一番悪い奴ら』どの作品も良いですね!秋の作品も楽しみにしてます。
久しぶりにしょっぱい映画
これが東映のアンサー?出直して来いよ。
無理しすぎてる昭和の広島抗争設定、方言も不自然。
竹野内豊の演技もまったく迫力なし。真木よう子を脱がすことも出来ないで、何がアンサーですか?
若手俳優もまったく良くないし、ピエール瀧は右翼姿が似合いすぎで素敵だけど、役所広司には1人で頑張らせた挙句に、結果良い人ってオチはどうなの?最終的に若手が引き継ぐみたいなところも、自作狙ってる感じが見え見えですが、2度と作らないでくださいよ。
え!?面白くない・・こんなはずじゃ・・。
日本で一番新作が楽しみといっても過言ではない白石監督!
本作は去年呉まで撮影を見に行きましたが(本当は「この世界の片隅に」ロケ地巡り中にたまたま遭遇。)、その撮影の熱気もすごく色んなスタッフが一生懸命叫びながら現場を回している様をみて、その時から期待が高まっていました!
東映も任侠映画復活!日本フィルムノワール復活!的に宣伝もすごく力が入っていて、白石監督も本作はアドレナリン出まくり!などツイッターでもつぶやいており、本当に期待していました。
しかし、蓋を開けてみると、必要性を感じない「仁義なき戦い」オマージュや、メンズノンノのモデルにしか見えないヤクザの若い衆たち、昭和の舞台設定なのに明らかに最近建ったような建物があったり(せめて呉市役所くらいは映さない配慮があってもよかったんじゃないか。)、方言なのか上手く喋れてないのかわからないが台詞が聞き取りにくかったり、とにかく映画の世界に入っていけない。時間が長く感じる。飽きる。私の周りにも劇中時計を確認している人が何人かいた。
また、主人公、松坂桃李のキャラクターがどういう人間かを説明する描写がないため感情移入できない。(内偵をしているという描写でさらに距離感が出る。)「仁義なき戦い」では冒頭で菅原文太がレイプ犯から女性を救うという短い描写を入れているため、主人公は本当はこういう人というインプットが出来たのだが、本作ではそういう描写がなく、主人公が本当はどういう人なのか最後までわからないし、ラストの作戦もセコすぎる。
ガミさんがヤクザをコマとして使えたのはガミさんの長年の根回しによるものじゃないの?江口洋介はなんで一回突き放した松坂桃李の言うこと聞いてるの?
松坂桃李が超天才という描写もないので何故そんな簡単にピエール瀧も江口洋介もコマとして使えちゃってるのかわからない。警察本部の連中もなんでヤクザの組長が参加してる会に堂々と参加してるの?そりゃ尺的にクライマックスだから全員同じ場所にいた方が都合良いけど、全くリアリティがない。
こういったように難しいディテールは描かずあいまいになっており、残酷表現だけクローズアップされちゃったからすごく表面的で薄っぺらい作品に感じてしまった。
スター俳優ばかりだったから使いづらかったのかな?いつものエロも物足りない。
白石監督作品はセリフとか芸人を使った今風(独特?)な台詞や喋り方というかそこが面白かったのに、その面白さが全部なくなっちゃってたし。
撮影方法も特に「凶悪」の現代のシーンから過去のシーンになっていく繋ぎ方とか天才かよ!って思ったくらいですが、本作は途中何度も入る「仁義なき戦い」風のナレーションが本当に中途半端。邪魔。映像見てれば誰が見てもわかるナレーションなんていらないでしょ。
"ガミさんが刑務所に向かった"とか誰でもわかるわ!(笑)
途中で警察内部の腐敗にフォーカスされた時には、お!白石監督っぽくなってきた!と少しドキドキしましたが、結局グダグダで終わり。
最後ピエール瀧は一体何の得があって松坂桃李に手を貸したんだよ。
松坂桃李にやって欲しかったのもなんかそうじゃないんだよなー(笑)あぁクソ〜モヤモヤする。アドレナリンが出ると聞いたのに出せなかったモヤモヤ。
あの日誌にガミさんのコメントが書いてある泣かせどころも、最近誰が死んでその後の手紙で泣かせるみたいな作品が多すぎてまたかよって思ってしまった。
また、印象的な音楽もなかった(←ここは本当に残念。「仁義なき戦い」級までとは言わないが印象的なスコアをちゃんと作って欲しかった。)。
宣伝していた割には期待外れの作品だった。ブタの糞や、死体や、首などかなり頑張った表現をしていたけど。
ただ、江口洋介はめっちゃくちゃかっこよかった(笑)太鼓の音の中、刀を持って、敵の組長に、、、そこは牙突じゃないんかーい!と思いましたが(笑)
個人的に白石監督は任侠映画より「日本で一番悪い奴ら」的なチンピラ映画路線が合ってると思う。是非現代劇を撮って欲しい。スコセッシの"グッド・フェローズ"、"ウルフ・オブ・ウォールストリート"的なあれだ。
東映は白石監督じゃなくて北野武監督と任侠映画をつくればよかったのに。。。
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