孤狼の血のレビュー・感想・評価
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役所広司、怪演。松坂桃李、好演。
主演の2人に惹きつけられた。
他も上手いが(江口洋介と真木よう子以外)、主演の2人が圧倒的。
ヤクザ映画には名演がつきもの。
広島訛りが、本物感を際立たせている。
甘くない終わり方も良し。
これはやべぇ
展開も演技もテンポもかなり良く、
観ていてあっという間だった。
邦画の場合は葛藤とかをキャラ付けのために
淡々延々と感情的な描写で叫び散らす
みたいなのが多い。
車移動中になぜか車を止めて外に出て
雨の中自分語りが始まるとか笑
そういうクドさがほとんどと言ってない。
冷酷で、躊躇がない。
だから気持ちがいいし、おっかない。
個人的に一番ヤバさを感じたのは、
ガミさんの仇を養豚場でブチ切れて
殴りまくるシーン。
意図的に長くしてあるんだろうけど、
顔がどんどんボコボコになっていく過程で、
何か新しい感情が生まれてきそうだった。
冷や汗を通り越して、
本当に人殺した感覚ってこんな感覚だろうなって。
笑いもあり、話に仕掛けもあり、
何よりヒリヒリした緊張感あり。
日本映画ではナンバー1なんじゃないかって
思ったなー!!
次回作はガミさん無しで
映画に納得感や満足感があるのか不安だけど
観てみようと思います。
蒸し暑さとグロさと
アマプラ無料期間終了間際に駆け込みで視聴。
冒頭の拷問シーンが「こういった映画ですよ」と宣言するかのように、全編作り手の本気度と本物以上のリアル感が満載の作品。
ラストで大阪出身の阿部純子に「ええやろ、ただで私のオ◯コ見れたんやし」というセリフを言わせるシーンには、仁義なき戦い広島死闘編で千葉真一演じる大友勝利の「オ◯コの汁でメシ食うとるんで・・・」というセリフへのオマージュと勝手に解釈しグッと来た。
ちなみに大友役は当初北大路欣也だったが、その言動が嫌で千葉と配役を入れ替えてもらったというのは有名な話で、逆にこの役を見事に演じきった千葉の役者としての評価は一気に上がった。
僭越ながら阿部さんには良い役者さんになって欲しいと心底思う。(すでに素敵な女優さんですが)
タイトルなし(ネタバレ)
公開時、暴力描写が凄いということで宣伝されていた気がするが、想定していたものより見やすかった。
非常識な現場の無法刑事とひよっこの新人刑事。
よく見る組み合わせで、どう面白くするか。
うまくいったんだろうか。
昭和の価値観で、本当に大切なものを守る
力強いお見事な展開、役者陣の秀逸さと奮闘、と見応えありすぎ。
松坂桃李さんはスクリーンが良い。
凶悪系極道系ベテラン役職たちにサンドイッチされて画面に登場する松坂桃李がとてもよい。後半のら彼が豚のおしりをはたきながら豚糞掻き分けるシーンは人間の尊厳を痛感した。
そして女子が強い。女子目線での強いところが良い。
観てよかった作品。
残酷なのに泣けた
とにかく 何が悪で何が善なのかを
頭の中をかき混ぜさせられた作品
役所広司が演じる刑事ははちゃめちゃで
犯人を捕まえるのには手段を選ばない
法にひっかかるようなことも平気でするし
自白の方法も殴る蹴る
彼と組む松坂桃李は彼の行動に理解が
出来ないが行動を共にするうちに
次第に役所にひかれていく
それが分かった時 桃李の目を通して
私は泣いてしまった
やくざ映画で涙するなんて
観た私が驚いた
法の外に出て法の中の人守る
そこには善悪ということではなく
何かを守るときには何をすべきかと
考えさせられる映画だった
わしのシャンパン呑んだらええじゃろ
舞台は昭和63年の広島。
暴力団と日々つるみ、違法捜査を行う暴力刑事大上と、広大卒のエリート警察官日岡が、ある失踪事件を発端とした2つの組の抗争に巻き込まれていく、ヤクザ映画。
いや〜、痺れましたね。
自分自身ヤクザ映画はほとんど観たことなく、少し遠ざけていたのですが、これは本当に素晴らしかった。
最高です。
今年続編が公開されるともあって観てみたので、続編の主人公が役所広司じゃないことから大方予想はついていましたが、日岡にスイッチが入ってからは特に凄かった(もちろん全体通して見入ってしまうナイス脚本です)。
俳優陣も豪華な上にどのキャラクターも適役でした。
警察とヤクザと広島。
この3つが密接に絡み合っている。
警察とヤクザが共存していて、ヤクザのおかげで街が回っている。
「本当に怖いのはヤクザじゃなく警察」
広島弁も良いスパイスでした。
男が喋ればカッコいいし、女が喋れば可愛らしい。
血が黒い、豚の扱いが雑、糞ゲロ汚い、石橋蓮二の首などの造形よう作ったな、男ばかりの血と汗の匂い、それなのに哀愁漂う美しさがある、古臭くてよく言えばノスタルジック、とにかく昭和の香りがプンプンする。←平成生まれw
シリアスなところだけじゃなく、ヤクザのノリの下ネタなど笑えるところも多くてよかったし、観終わってからの「生きてる」っていう実感がすごかった。
LEVEL2も楽しみじゃのう。
やっちゃれ!
白石作品なので見終わった後、何とも言えない気持ちになるかと想像しながら見ていたが、スカッとした。まず、一人一人出演者が濃い。僅かな登場シーンの中村獅童でさえも。何と言っても役所広司に尽きる。全身から臭い立つような「悪」の香りを放つマル暴。暴力団の抗争を未然に防ぐべく、両組織を脅し、宥め、奔走する。どちらが暴力団か分からない。しかし、14年前に実は一人の構成員を殺した疑いがあり、それを暴くべく、内偵調査に入った松坂桃李。この線で話が進むかと思いきや、実は堅気の人間を守るため、暴力団は単なる駒、その為には違法捜査も厭わない、違法捜査を身内から刺されないように、警察幹部でさえも、美人局やらあの手この手で弱みを握り、実行していたのであった。綱渡りな人生なので、結局は殺されてしまうのだけど、そこから松坂の火がつき、まるで乗り移ったかのような行動に出る。松坂の、こういう後輩役合ってます。ラスト、松坂自身も美人局を仕掛けられていたことに恐れ入りました。広島弁、良かった〜。
いい意味で予想を裏切られた
いい意味で予想を裏切られた。
そんな気持ちになりました。映画の内容をヤクザの抗争にマル暴の刑事が介入し、抗争の中に巻き込まれる。
そんなお話。
主人公の上司の刑事をめちゃくちゃ。
そんな刑事の内偵をしていたら、色んな事が分かりこういう事か!となりました。
内容は、とてもエグいシーンとかもあり、ビクビクしながら観ていました。
俳優陣の危機迫る演技をとてもすごいと感じました。
特に松坂桃李の最後の仇を打つシーンとても圧巻だと感じました。
何かを守る為に何かを捨て、犠牲を払ってでも向き合う。
常にそんな事が出来たらと思う所もあり、難しいだろうと思う所もあると思いました
石橋蓮司はまだ死にたい
その印象しかない。まだまだ、俳優として思い切り殺されたい石橋蓮司さんが、眩しかったです。
ストーリは、役者が出揃った時点で着地点まで想像出来ます。
松坂桃李さんがもう少し跳ねて欲しかったです。濡れ場があれば、跳ねやすかったかもしれないけど、最後の跳ねも想像を超えなくて、始終頑張れ!と、思いながら観てしまいました。
江口洋介さんが妙にシリアスで、中村倫也さんもそうなんだけど、彼は鉄砲玉ならもう少し軽くてもいいのではないかと、思ったりしました。そういう組だったっていう事なのかな。
印象に残ったのは、嬉嬉として殺される石橋蓮司さんでした。
トイレのシーンの撮り方の違和感は必要だったのか、よく分かりませんが、全部360度、観られて良かったとは思いました。
タイトルが映画を観ながら追いかけてくる
映画観賞後に、「かっけー!」と思わず仰け反りました。
タバコも吸いませんし、暴力性を前面に出してくる人は好きでは無いはずなのに。
物語は、松坂さん(日岡)の目線で話が進んでゆきます。
役所さん(大上)は、捜査の為には手段を選ばずとてもヤバい奴です。映画を観てる自分もまったく信用出来ませんでした。
良い人と悪い人を行ったり来たりする人で、正に劇中にでてくるセリフと同様、ヤクザと警察の間を綱渡りしている人なのです。
しかし、大上がなぜその様な人生を選んだのかが判明する瞬間に、もう身体が震えました。
彼女がその名を知らない鳥達にも通づるのですが、映画冒頭に主観からみた相手役はヤダみが溢れています。しかし、最後まで話を進めてゆくと、相手の思いや意思に触れて自分が変化してゆくという流れなっていると思います。もう大好きな話です。
表層的なこと、つまり噂や自分の思い込みに流されてはダメだなとつくづく思います。
物語終盤、日岡の決断(成長)は正しいのか?正しくないのか?それは誰にもわかりませんが、少なくとも大上の意思は継承しつつ、事の顛末である事件の収束のさせ方は日岡本人の意思や特性を感じました。
この辺のバランス感覚は、本当に凄い!
映画のラスト。この映画タイトルである、孤狼の血。血が受け継がれた瞬間に、私は感想冒頭の行動を取っておりました。
作り手と受け手の天秤
どうしても
大上が死に、
日岡の価値観が180度転換する以降
大上の人物像への
センチメンタルに過ぎる演出が好きになれず。
そんなに説明されなくても
十分、大上が自分の正義を貫いたことは伝わるし
それでもやってきたことは悪いこともしてたし
綺麗事に見えた
日岡は大上の志を継承する物語でもあるから
それぐらい厚めに見せたのかもしれません。
製作者様方々
すべてご存知だと思います
我々の観る側のレベル低下問題
もっと突き放した脚本で大丈夫です
わからなければ
こちらが
頭使って頑張ります
だから
こういう映画は
マーケティングをできるだけ除外した
受け手に遊びや余白ある作品を希望します
きっとこの作品は
そのポテンシャルがあるのではと推察します。
応援しています
日本映画業界
タガを振り切った男たちがもたらすカタルシス
映画は豚の飼育舎で男が拷問される場面で始まる。豚の肛門とそこから排泄される糞。糞は男の口に押し込まれる。冒頭にいきなり山場を一つ置く映画は多いが、いきなりのインパクトである。
虚栄と保身のため、性欲と食欲を満たすために、ぶつかり暴れる男たちが描かれる。自らの欲望を満たすために生きる生き方は、ヤクザも警察官もかわらない。
あるいは我々、たまたま昭和のヤクザでも警察官でもない者も、欲望の発動を日常生活を送るうえで必要なタガの範囲内におさめているだけで、生き方の本質は彼らとそう変わらないであろう。
暴力表現、人体損壊の描写は厳しいものがあるが、しかし、願望を抑圧されることが多い日々を送る者には、タガを振り切った彼らの姿はカタルシスとなるだろう。
新米とベテランのバディもの⁈
私的に『トレーニングデイ』が好きでして、
和製かなぁ…と思いケーブル録画で鑑賞。
何でもゆるい昭和感を取調べ室でのかき氷🍧とMEGUMIの昭和顔(いい意味で。)で感じましたね。ですが、当時の広島がどうとか抗争がどうとかは気にせずに『大上』と『日岡』の関係にワクワクしながら観た感じです。
なかなかテンポよく観入る事が出来て引き込まれ、
あっという間に大上が殺されて、、あれ⁈もう終わり⁈と思いつつ一時停止、残り時間はまだある、
『トレーニングデイ』っぽくはないんだと続きを…。
この時点で完全に大上に心を奪われていまして、、、
ちゃんと日岡が仇を取ってくれました。よかった。。
うわべの汚職か根っからの汚職か、何が正義で何が悪か、揺れる日岡の心情などとても良かったです。
原作者の柚月裕子さんをテレビ番組で拝見した事があるのですが、猫を飼っていてとても静かな感じの方で、この方が孤狼の血を書いたのかと驚きました。
原作にはこの続きがあるそうで気になります。
警察じゃけ、何をしてもええんじゃ
映画「孤狼の血」(白石和彌監督)から。
根っから怖がりの私は、何度も目を閉じる場面が出てきて、
ホラー映画と並んで、苦手なジャンルだと再認識した。
暴力団同士の抗争が中心だと思っていたら、
意外にもその裏にはなんと警察が・・というストーリーは、
特に目新しいものではないが、俳優陣の迫力ある演技に、
その場にいるような気持ちになって観終わった。
広島弁(?)と喧嘩腰の言葉が暴力的なわりに、
文字にしてみると、けっこう笑えるフレーズが多かった。
何回か繰り返された「びっくり、どっきり、●●●●●」は、
「気になる一言」に取り上げられないのが残念だが、
その他にも、なぜかメモが増えた。
役所広司さん扮する大上という刑事が、
おかまいなしに、暴力団員を叩きのめすシーン。
「おい、警察がこがいなことしてええんか?」
「警察じゃけ、何をしてもええんじゃ」
この会話こそ、ストーリー全体を支えるセリフとも言える。
警察のネタって、映画作品になりやすいんだなぁ。
P.S.(メモして、捨てるには勿体無いセリフ)
・取り調べはよ、相手を丸裸にしてなんぼじゃけ
・度胸がないのう、もうえぇ。わりゃ、一生交通整理でもしとれ
・ポケベル数字「4951」・・「至急来い」って言ってますけど
(「ふたりの愛ランド」歌っている人に向かって)
・おい、何がアイランドじゃ。島に沈めんど、われっ!
・極道を法律で押さえつけたところで何も変わりはせんわい
・今度の抗争の船頭は、最初っからあんただったんじゃないんかい
船頭も何も、わしゃ船酔いするけ、船にはよう乗らんのよ
・わりゃ、戦争になってもえぇんか? アホか、戦争はもう始まっとるんで
予想以上
番宣で東映のアウトレイジに対する答えというフレーズに惹かれて鑑賞。
役所広司演じる警察が暴れるイメージだったが、最終的に思わぬストーリー展開。
意外性もあり終始楽しめた。
バイオレンスシーンは苦手だが、さほど多くなく見やすいイメージ。
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