孤狼の血のレビュー・感想・評価
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破天荒な正義を貫く刑事の生き様
予想は見事に裏切られた。本作は、バイオレンスとは真逆の正義について考えさせられる作品である。典型的な昭和のバイオレンス作品だと思っていたが、サスペンス、人間ドラマなど、様々な要素が巧みに詰め込まれた見応えのある作品である。
本作の舞台は昭和63年、広島県の架空都市・呉原市。地元暴力団・尾谷組と全国規模の暴力団・加古村組は勢力争いで一触即発状態だったが、ベテラン刑事・大上を始めとする警察の努力で何とか均衡を保っていた。そんな状況の中で、加古村組の関連企業社員が失踪する。ベテラン刑事・大上と新米刑事・日岡は事件の真相解明に奔走するが、尾谷組と加古村組の抗争は次第に激化していく・・・。
全編にわたり、数多く登場する広島弁を効果的に使ったバイオレンスシーンは容赦ない凶暴な描写であり、凄味がある。仁義なき戦いを代表とする東映バイオレンス作品の伝統を感じる。
新米刑事・日岡(松阪桃李)の、正論ではあるが、形に嵌った、融通の利かない、剛直で青臭い正義。一方で、ベテラン刑事・大上(役所広司)の、状況に応じて、凶暴、強か、しなやか、巧み、と変幻自在に変化する破天荒で生々しい正義。この二つの正義の対比が本作のベースになっている。
何といっても、ベテラン刑事・大上役の役所広司が抜群の存在感で際立っている。彼の正義は我々が知る通常の正義とは異なり規格外である。刑事の枠を超え、破天荒な正義で事件に迫っていく。荒唐無稽になりがちな設定だが、役所広司の生々しい人間臭い演技が出色で大上の行動をリアルに魅せてくれる。松阪桃李も新米刑事・日岡を好演している。新米刑事らしい青臭さで大上の行動に唖然とし、戸惑いながら、次第に大上の生き方に惹かれていく姿は、我々観客の気持ちと重なるものがある。感情移入し易い。日岡の気持ちを入り口にして、我々観客は、本作の世界に入り込むことができる。
大上が何故、刑事の枠を超えてまで、破天荒な正義を貫こうとするかは、終盤になるまで明らかにされない。しかし、その佇まい、表情から、大上の正義の目的が垣間見えるのは、役所広司の演技力の賜物である。終盤になって、大上が守ろうとしたものが明かされる。その行動とは裏腹の、大上の揺るぎない信念に心洗われる。
大上の正義は濁っているかもしれないが、目的はハッキリしている。大切なのは正義の形ではない。正義で何を守るべきかである。本作は、我々に、そう問い掛けている。
苦手通り越してかなり無理
孤狼の血の2がプライムで無料配信されてるので頑張って見た。
最初の豚の うんこ がもうーーーーー
かなり無理。
豚小屋 行った事あります?
うちの田舎、養豚場が割りとあって、そばを通らずとも風向きで臭ってくる程なのが夫の実家。
海の美しさも刺身の美味しさも台無しになるほど。
もちろん日本脳炎の予防接種は必須地域です。
豚は綺麗好きとか言うけど まああああ臭い!
ほんとに すごい匂い。
牛も飼ってる知り合いいて、相当臭いけれど比じゃない。
終盤で松坂桃李さん 豚小屋の地面這いつくばってるの
もう尊敬しかない。
いろいろ 無理だったけれど
警察の腐敗とやくざの抗争の
ストーリーは 面白味はあった。
今ならもうコンプラ的に全くあり得ない話だらけだけれど役所さんの結末とともにラストは2に繋がる要素満載。
2
これから見ます。
怖い、、しかし面白い
そんなに過激ではないので、挑戦してみよう
怖いのはヤクザか警察か
演者の皆様に盛大な拍手を!
任侠ものが好きなので何となく観てみました。が、こんなにハマるとは!3回ほど短期間で鑑賞しました。
役所さんか〜きっと怖くないんだろうなぁと思ってたのですが、めちゃくちゃ怖かった。聴取相手の女性をサクッといただいたり、笑顔でヤクザの方々に接したり、ただの損得勘定で動いてるかと思いきやあの常軌を逸した言動に倫理観も何もなさすぎて怖かった。そして結末も怖かった。アウトローの最期だと思いました。
序盤に竹野内さんが登場したのにはびっくりでした!この人がヤクザ⁈ アロハシャツみたいな服装で手首切り落としちゃったりとなかなかの狂気。でもかっこいい。
案外こんな役も似合っていて予想外。
そして対照的にねっとりまとわりつくような江口洋介さんの怖さ…スーツかっこいい…
あと中村さんのヤク中演技とても良かったです。お薬で覚醒するシーンは本当にキマってるようで「うわぁ」でした。
2が公開されると聞いて観ました。
さすが白石監督
とはいえ関わりたくない世界
とんでもなく痛快な傑作!!
江口洋介の役名がモリタカとはこれいかに
ビックリドッキリ・・・極道は駒。わしゃ曲芸師じゃけぇの。狂気の沙汰も結局は計算ずくだったということか。役所広司の暴力団以上の暴力ぶりには恐れ入ったし、ストーリーもしっかりしている。深作欣二の描いた実録モノよりもはるかに訴えてくるものがあった。
とにかく、豚に真珠、極道にクソ。マル暴刑事の内面をえぐり出し、癒着している警察の姿も惜しみなく描き、復讐という人間本来のサガを見せつけてくれた。ただ、県警幹部についての描写はもう一歩踏み込んでほしいところだ。内偵を命じた滝藤賢一も単なる駒でしかなくなってしまう。
役所広司演ずるベテラン刑事大上の頭の中を覗いてみたい。そんな衝動にもかられる重厚な人間関係。単純な尾谷組と加古村組のソシオメトリーじゃなく、殺人事件の背後関係、それに梨子ママ真木よう子を中心にしたエロ親父たちの肉欲まで絡んでくる。そして、偶然とは言え、特徴のあるZippoというアイテムが関係を結びつけるのだ。
ヤクザ映画なんて好きじゃないけど、これは見応えがある。『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛も面白かったけど、やっぱり役所広司だな。深作欣二の後継者は北野武ではなく、間違いなく白石和彌だということだ。単に暴力の世界に踏み込むだけじゃなく、カタギを守るために自らを犠牲にする人間。日岡のように観客もすっかり騙されるのは柚月裕子の原作のみならず、監督や俳優の熱い心があったからなのだろう。
過激×迫力×爽快感であっという間の2時間
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