空飛ぶタイヤのレビュー・感想・評価
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キャスティングミス
空飛ぶタイヤ/2018
★★☆☆☆ キャスティングミス。
・
まずはキャスティング。
長瀬智也という時点で映画館で見る気にならなかったからレンタルしたけれど、いい判断だった。
ディーン・フジオカも全く合ってないし、高橋一生はあまり印象に残らない。
そのせいか、ストーリーは薄っぺらく感じてしまったなぁ。
大企業とはなにか、組織とはなにか、そんなものはこれまでの池井戸作品を見れば分かることだけれど、大逆転的な展開はなく、大企業側が自らの過ちを正していくストーリーであるだけに、映画ではなくドラマの長尺で描いた方がよかった気がする。もっと、個々に焦点を当てて挙げないと難しい。
エンディング曲もなんだかミスマッチ。
2019-001
あっという間の120分
利益優先、巨大企業の恐ろしさを垣間見る
この事故によってではないが、リコール隠しと言う形で利益を守ろうとする気持ちは分かる。
実際はもっとスマートな形で行われるであろう隠ぺい工作だが、本気の巨大企業の圧力に抗える中小企業や個人は居ない。
白いものも黒くなるレベルの事が出来る。
作品の中では内部告発での情報が決め手になった形だが、充てているキャストからすればそうなるのが自然か(笑)
利益が優先されるのが当たり前な世の中だからこそ、人間の意思や意地が共感をよぶのだろう。
ラストの赤松と沢田の邂逅はムダなカッコつけにしか見えなかったので、どうせならその後ホープ自動車はどう変わったか?
事故で叩かれた運送屋はどうなったか?
被害者遺族の事など並べてくれた方が良かったと思う。
きっとリアルにある話
空飛ぶタイヤ。題名からして勝手に
飛行機を飛ばすお話だと勝手に思い込んでました。
ですが、冒頭からすでに違い、完全に自動車整備工場のお話でした。
タイヤの不備からくる事件について、社長が真相を追っていくお話でした。
実際にこういった隠ぺい問題はたくさんあるだろうなと思いました。
次々と進む展開にとても見やすくてよかったです。
長瀬智也さんかっこいいですね、年取ってもしぶくてかっこいい。
好きな池井戸潤作品の1つ
過去のドラマ化の時点から気になっていたが、映画で初めてストーリーを見た。
大企業の組織体制や世の中の力の流れが、分かる作品。
自身も大企業に働いているが、同様のケースは良くあると思う。正しいことが正しい訳ではなく、偉い人が正しい。それが会社だと思うが、この映画の様な世になれば、もっと生きやすいと感じさせられた。
コンプライアンス(法令遵守)の重要性
トラック運送会社のトラックのタイヤが脱輪。死亡事故まで起きる騒ぎに。運送会社社長をキッカケにリコール隠しを暴く御話なのだが、、、。
私的にはコレ、事故を起こしてしまったら会社の御話、リコール隠しを暴く物語だけとは思っていない。
民間会社では特に重要なコンプライアンス(法令遵守)の御話だと1番に思った。(最後に長瀬智也の言葉に一言だけ出てきましたね。)
主役の運送会社社長の長瀬智也だけでは無く、トラックメーカー営業課長ディーン・フジオカ、銀行担当高橋一生など他の人間まで巻き込んで焦点を合わせているのがその理由だと思う。
会社の為、上司の為、自分の為、家族の為と言いつつ行ってしまったとしても違反な物は違反。会社としてはコンプライアンス違反である。
違反すれば現代ではかなり社会的信用性を失う事になる。
会社も問われる。人間性も問われる。バレなきゃいいでは無い。
それがコンプライアンス。
そこにスポットを当ててくるなんて思ってもみなかった。違反・隠蔽に周りが気づく事が大事。誠意を持って対応する。短い時間良く描いたと思う程。
是非民間会社の管理職以上の方々には観てもらいたいな。
今年度アカデミー賞作品賞ノミネートも納得である。
闘う企業戦士たちが起こす奇跡と、讃歌。熱き池井戸ヒューマン・エンターテイメントにしびれろ!
TVドラマでは度々映像化され好評を博している池井戸潤作品だが、意外にも映画化は本作が初めて。
正直池井戸作品の映像化は記録的高視聴率をマークした『半沢直樹』しか見てないが(久々にドハマったTVドラマ)、それでも多少はその面白さを知ってるつもり。『陸王』も今大評判の『下町ロケット』も面白そう。
なので、本作も非常に楽しみにしていた。
もし地元の映画館で上映してたら、何の躊躇も無く観に行ってた事だろう。
池井戸作品で一貫して描かれるのは、中小企業戦士の闘い。
企業の構図とか、殊に本作の場合自動車業界の専門的な用語も飛び交い、全く小難しくないとは言えないが、それも分かり易く描写。
とにかく、話が本当に面白い!
片時も飽きず、グイグイ引き込まれた!
トラックの脱輪事故が起き、子連れの若い母親が命を落とした。
事故の原因は整備不良とされ、運送会社社長・赤松は世間からバッシングを浴びる…。
もし実際にこのような事故が起きたら、我々は、報じられたニュースをそのまま信用するだろう。
全て悪いのはこの運送会社。人殺しの会社…。
ネット上では悪口や悪質な書き込みが生き甲斐の輩の誹謗中傷の超大型台風…。
でも…
本当に否があるのはこの運送会社なのか…?
本当に原因は整備不良なのか…?
赤松運送では、整備には何の落ち度も無い。寧ろ、チェックは完璧以上。
では、何故…?
事故原因に納得いかない赤松は、独自に調査を始める。
すると、以前にも他県で似た事故が起きていた事を突き止める。
しかも、製造元は同じ大手自動車メーカー、ホープ自動車。
整備不良という事故原因を下したのもこの大会社。
赤松はホープ自動車に再調査を依頼するが、門前払い。
何か、ある…。
赤松の前に立ちはだかったのは、販売部課長・沢田。
組織人で、野心家。
てっきり沢田が『半沢直樹』で言う所の香川照之の役回りかと思ったら、違った。
沢田も事故原因を不審に思い、会社内のつてを頼り、調べ始める。
そして浮かび上がる大企業の闇の数々…。
事故原因は運送会社の整備不良ではなく、ホープ自動車側の構造上の欠陥。
それを認知しながらも隠蔽した、“T会議”なる上層部の秘密会議。
大会社のリコール隠しが全ての原因であった…!
立場の違う男二人が各々の正義を貫き、大企業の闇に立ち向かう。
対立し合うが、お互いにとって本当の敵ではない。
本当の敵は…。
リコール隠しを突き止め、間もなく週刊誌にも掲載される。
やっと、真実が…!
ところが…
敵は強大なる大企業。
たかだか中小企業の人間や内部の一人の力で敵う相手ではない。
沢田は今回の件を外れる代わりに望みの部へ異動。
赤松と補償金で済ませるよう対処もさせられる。
一方の赤松は…。
“人殺しの会社”に仕事は回って来ない。
銀行から融資の断り。それ所か、返済要求。
遺族側から裁判の訴え。
経営危機どころではない。絶体絶命、崖っぷち、万事休す…。
先代であった父から会社を引き継いだ赤松。
俺は社長の器じゃない…。
それでも、会社と社員とその家族を守る為に闘うと誓った。
それなのに…。
赤松の心を何よりも深く突き刺したのは、遺族の夫の悲痛な叫びだろう。
何でウチなんだ。
妻が何か悪い事でもしたのか。
それでも人間か。
人一人が死んだんだ。
そう、人一人が死んだんだ。
それなのに、どいつもこいつも大事なのは、保身。
本当に分かっているのか…?
人一人が死んだんだという事が。
大企業は必ずそれを認めない。
認めない所か、何事も無かったかのように知らぬ存ぜぬ。
こっちに否は一切無く、全て悪いのは末端。
大企業よ、愛する人を失った遺族の悲痛の声に、責任を丸投げされた末端の苦しみの声に、耳を傾け、聞け。
何度も何度も窮地に追い込まれながらも、赤松は諦めない。
守ると誓った会社の為に。社員の為に。家族の為に。
亡くなった被害者や遺族の悲しみと無念を晴らす為に。
汗水垂らし、靴底を減らし、頭を下げ続ける赤松。
その姿を嘲笑する奴は、人間じゃねぇ。
こんな人間臭い社長になら、ついていきたいと心から思わせる。
そう思わせる大企業の社長が、一体何人居るだろう。
勿論、居るのは居るだろう。
が、これが大企業と中小企業の違い。
背水の陣で挑んだ闘い。
到底一人では無理。
決心の覚悟で挑めば、必ず味方は現れる。
絶対無いと思われていた不正の決定的証拠を託され…。
同じ思いの者たちを信じる。
一人が諦めず立ち向かい続ければ…。
今度こそ。
きっと、届く筈だ。
俺たちの闘いと正義と信念が。
そして遂にやっと、奇跡が起きた。いや、闘い続けた彼ら自身が奇跡を起こしたのだ。
苦闘は必ず報われる。
本当に胸のすく展開。
これが、池井戸作品の醍醐味。
中小企業戦士たちへの讃歌。
原作はもっと豊富なエピソードがあるらしく、原作既読者の間では賛否になってるようだが、原作未読者としては文句は何も無い。
テンポ良く、飽きさせず、見応えあり、コミカルな作品が多かった本木克英監督の演出も上々。
長瀬智也にこの熱い主人公はピッタリ。
組織人として、一人の人間として、葛藤するディーン・フジオカが好演。
この男二人が魅せる対立しながらも…の姿には男ならしびれる。
周りにも実力派が大勢。この人とこの人はあの作品やこの作品で…と思いながら見るのも楽しみ。
そんな中で一人、高橋一生の演技がちと拙かったなぁ…。
それから、先日発表された日本アカデミー賞ノミネートで長瀬の妻役・深田恭子が助演女優賞に挙がったが、そんなに印象や出番、あった…?
エンディングのサザンの主題歌。
よくよく聴けば何と言うか異色の歌なんだけど、何度か聴いていると味がある。
その昔、山崎豊子原作の社会派小説が多く映画化され、極上の骨太エンターテイメントとして今見ても非常に面白く、池井戸作品もそのように本作を皮切りにもっと映画化されて欲しい。
そう思わせてくれる、熱きヒューマン・エンターテイメント!
間もなく公開の『七つの会議』も楽しみだ。
ED曲が違和感でしかない。。。
2019/01/19 DVD鑑賞。映画館で見逃した原作ファンとしては非常に楽しみにしていました。
内容はお馴染みの池井戸作品らしく「アンフェアに立ち向かう・正しいマイノリティは必ず救われる」がきっちり盛り込まれた気持ちの良い映画でした。
が、評価は無難に2.5。
原作の中でフォーカスすべき部分が薄っぺらい!
それでも「終わりよければ全て良し」ということわざがありますが、終わり方がスッキリしなかったのがこの作品の残念なポイントです。
ED曲のタイトルは「闘う戦士たちへ愛を込めて」
映画を意識した曲と思わせますが曲調が見事にマッチしていない。歌詞もサラリーマン金太郎で使われそうだし。。。
なぜこの曲が採用されたのか。それは本作のホープ自動車がそうであったように大きな組織の弊害(=ショービジネスのしがらみ)なのかもしれません。
※サザンはよくカラオケでも歌いますし大好きです。
何でこれが日本アカデミー賞?
先に言いますが、この映画はあまり好きじゃなかったです。
ストーリー自体は池井戸潤らしく良い内容だと思うのですが、それでも正直微妙でした。
自分は池井戸潤の映像化作品は好きな方です。
ドラマでは、「半沢直樹」は面白いと思いましたし、「下町ロケット」や「陸王」も好きで観ていました。
彼の小説自体はそんなに読んでいませんが、映像化映えする作品が多いと思うので、初映画化となるとどんな作品になるのか、期待を膨らませて観に行きました。
「半沢直樹」のようにスカッとする話なので、この映画が好きという人の気持ちも理解できます。
しかし、個人的な期待は外れました。
キャストが結構豪華だったのですが、役に合ってない人が多く感じました。
約二ヶ月前に観た「孤狼の血」はこれに匹敵するくらいキャストが豪華ですが、ほぼ全員演技が良かったです。
なのにこの差は一体…?
まず主人公を演じた長瀬智也はあまり社長らしさが出ていませんでした。
彼は決して下手では無いと思いますが、社長ではなくただの長瀬智也に見えてしまい、映画から気持ちが離れる事が多かったです。
その他、ディーン・フジオカや高橋一生も良い味を出してるとは言い難かったです。
特にディーン・フジオカは日本アカデミー賞の助演男優賞を取れる演技だとは思えないです。
刑事を演じた寺脇康文も典型的過ぎて、正直「相棒」のあの人にしか見えなかったです。
良かったのは、主人公の妻を演じた深田恭子、そして社長の岸部一徳です。
深田恭子は綺麗ですし、健気な妻を好演していた気がします。
岸部一徳は、不祥事を圧力で揉み消そうとする社長を憎たらしく演じていて良かったです。
話の展開も、
シーンの移り変わりが激しく変わり、置いてきぼりになりそうでした。
なのに、中盤でディーン・フジオカのシーンがやたらと多くなります。
一応彼の人間性を描きたかったのだと思うのですが、それでも要らないと思った部分が多かったです。
とはいえ、後半になると被害者遺族の心情や他の運送会社の行動が描かれるようになったので、そこでだいぶ良くなった印象です。
正直ドラマの総集編みたいな映画に感じたのですが、地上波で出来ない理由は聞いてます。
この映画は実際にあった自動車のリコール隠しを題材にしているので、自動車企業のスポンサーが多い民放では難しいとの事です。
だったら尚更ドラマでは出来ない事をするべきだと思うんです。
車の事故シーンはCGではなく、実際に撮る方が緊迫感は出ると思いますし、遺体の描写も周りに血が付着していないと事故の悲惨さがあまり伝わりません。
日本ではその撮影が難しいのかな…
ハンドカメラの部分も固定カメラでやった方が映画自体の質は良くなるはずです。
内容自体は良いのですが、とにかく演出面で微妙に感じる部分が多かったです。
なので、これが日本アカデミー賞の作品賞にノミネートされる作品というのが疑問に思います。
判っているのに観てしまう
原作の流れを知っていると· · ·
ヒロイズムが過ぎる
若干の尺不足
1台のトラックが起こした脱輪事故により、社会的経済的に窮地に立たされた中堅運送会社、赤松運送が販売元の大企業、ホープ自動車のリコール隠しを暴こうと奔走する姿を描く社会派作品。
原作はかつて一世を風靡した社会派ドラマ「半沢直樹」(観てない)を世に出した池井戸潤。
主演に長瀬智也やディーンフジオカ、高橋一生などの豪華キャスト陣、意味深なタイトルが気になり、鑑賞。
さすが社会派の作家と謳われるだけあって、内容は仕事や経済に関することが大部分を占めている。
事故をきっかけとした赤松運送の取引先との関係の変化、世論の印象、その事故の真意をめぐる調査などに奔走する長瀬智也演じる赤松社長一行を描く一方、事故の原因となったホープ自動車のリコール隠しをひた隠す者、探りを入れる者、それを逆手に社内での出世を図ろうとする者を描いたディーンフジオカらホープ自動車一行らの物語が並行展開して行くような構成。
1時間半近く鬱積した展開が続くが、その先に見える大逆転の展開に心救われる気分になるだろう。
ただ原作で色濃く出ていた、ホープ自動車の各人の野心や良心の入り混じった複雑な人間の内面をどう表現するのか楽しみにしていたが、そこは少し尺足らずの印象。
その点に限らず尺足らずな面はあるが500ページ近い上に内容の濃い経済小説を2時間でまとめた点を考慮すると良く出来た作品だと思う。
それにしてもこれだけシリアスな長瀬智也を観たのはもしかしたら初めてかもしれない笑。
傑作です。鑑賞後、しばらく立ち上がれず
池井戸ワールド
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