犬ヶ島のレビュー・感想・評価
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Wes Anderson
今作は、#ウェスアンダーソン (#WesAnderson) 監督のアニメーション映画、#犬ヶ島 を取り上げます。
この映画はなんと驚き、ストップモーションで撮られた作品です。つまりは、数万枚の写真を撮り、パラパラ漫画のようにつなぎ合わせたもので、2時間の映画を作っているのです。
この作品で昨今話題になったのが、#クボ二本の弦の秘密 (#KuboandtheTwoStrings) です。美術館にその展覧会があっていたので見に行ったのですが、度肝を抜かれましたね。キャラクターだけでなく、バックグラウンドのセットから、海の波まで一つ一つ粘土で作り、それをミリ単位で少しずつ動かして、数枚の写真を撮ります。考えただけで、嫌になる。
それをやってのけるのが、ハリウッドの経済力です。
日本でも、ジブリを代表とするアニメーションは数万枚の手書きの絵で作られています。でも、あんだけ売り上げを記録したとしても、数年の歳月を費やしたのだから、利益もほどほどですよね。
それでも、挑戦する美的追求心、テクノロジーとの融合がとても素晴らしいと思いませんか。
これこそ、スクリーンで観るべき作品、もしくはDVD /ブルーレイを購入すべき作品だと思います。
前置きは長くなりましたが、今日はウェスアンダーソン監督を紹介したいと思います!
彼の作品は、#グランドブタペストホテルで 一躍有名となりましたが、彼の作り上げるスクーリーンでの画は美術的要素がかなり詰まっています。
色の使い方、フレーミング、アスペクト比など、スクリーン上に映し出されるものをとってみれば、彼の上に出る者はいないのかもしれません。
過去には、かの怪人#スタンリーキューブリック もそのような美的感覚を持ち合わせていました。
今作でいっても、普通のアニメーションとは全く違ったカメラの動き、またストップモーションの特徴を使った、実写映画との差異化は見ているだけで楽しくなります。
彼の作品は実際に目にしてみれば、その違いが一目瞭然です。
さらに、49歳とまだ若いから面白い。映画賞常連で、毎回の作品に大きな期待がかかる作品です。
次回作もまだ発表にはなっていませんが、楽しみでしょうがない監督の一人です。
映像と演出は面白かった
とても観やすいのに深い
やっと観られた!
制作に四年もかかったのもわかるなあ、犬たちの毛並みや表情の細やかさに驚いた。
外国の方から見た日本(もちろんデフォルメされているにしても)ってこんな感じなんだな〜と思いつつ、
市長の独裁政治とプロパガンダ、途中犬のカニバリズムや犬社会の中での上下関係(結局実態は違ったけど)など、人も犬も社会の中でとても生きづらそうだったし、現実世界をうまーく描いていて絶妙だった。
そこを打破していくアタリ少年とスポット&チーフと犬たちは、アウトローな生き方や特殊な立場を持っていながら、そこからマジョリティや権力に自分たちなりのやり方で反旗を翻してゆくわけだけど、そのスポットを探す旅の過程も冒険物語としても見事でとても面白い。
アタリとチーフの絆が生まれたり、スポットは彼なりの新しい人生を見つけていたり、それゆえにスポットからチーフへとアタリのボディガードならぬ相棒のような役目を託されてゆく。スポットは家庭を持ち、アタリは市長としてメガ崎市を良くしていってくれるだろうな。新しい世代、新しい価値観への流れが気持ちいい。
「〇〇の犬」という言葉はネガティブな意味でしか聞いたことがなかったけれど、仲間や同志としてあなたを認めるという意味合いでは、初めて聞いた気がする。
ラスト、春の花に満ちたメガ崎でのチーフとナツメグの顔のクローズアップに、桜の花びらがふっと貼り付き、それに気づいたチーフはナツメグの顔の花びらを飛ばしてやる…このシークエンスにかかったであろう時間や労力と共に、こんなささやかな描写がなぜか印象に残った。
私たちは四季の美しい国に住んでいる、日常や社会の営みも汚れない国であってほしいと思った。
ギミック重視
新感覚
I can picture it
何故このような映画を作ろうとするのか?思い描く世界を具現化したい以上の動機は彼の場合、やはり感じられない。いやが応なく彼の日本表現の添削を始めてしまう。途方もない想像力が込められている。かなりいびつで構図化された表現ではあるが、不快感はなく、妙に説得力があり、情熱なしには作れないディテールの多さには、もはや感謝するしかない。
排他と権力者の独善的な論理のお仕着せは現代に通じるものでもあり、戦中戦後の空気感を模して、盲目的で寡黙な日本人を描かれると、よりユニバーサルなメッセージかもしれないが、日本人への直接的な警鐘のように受け取らざるを得なかった。
しかし、そこはウェスアンダーソン、メッセージ性よりも緻密なディテールの方に目がとられる。少数意見に形式的なリスペクトを示し、後で蹂躙する気がありありな権力者。チーフとナツメグの大人のお洒落な会話。腎臓移植の長回しシーンは常人の理解の及ぶ所にはない。
ストーリー的には、悪役側の描写、特に小林市長にはもう少し背景説明が欲しかったところ。
ナイス、ジャパンセンス
アンダーソン流“日本”映画、好きならばイエス、苦手ならばノー。 …イエス!
鬼才ウェス・アンダーソンが『ファンタスティックMr.FOX』に続いて手掛けたストップモーション・アニメ。
ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。
『ファンタスティックMr.FOX』も独特のアンダーソン・ワールドだったが、本作はそれに加え、日本人としては興味尽きない。
何てったって、舞台は日本!
日本を舞台にした洋アニメーションと言うと、つい最近も『KUBO』があったが、本作はさらに日本色が濃厚。
でも、そこはアンダーソン。かなりの変化球。
なので、好き嫌いはっきり分かれそうだが、自分的にはドハマった!
どんな独特さ、風変わりさを見せてくれるんだろうと、最後までワクワク、期待以上に楽しんで見てしまっていた。
近未来の日本。ウニ県メガ崎市。
犬の感染病が拡がり、犬嫌いの一族である市長の陰謀によって、全ての犬がゴミの島へ追放。
市長の遠縁の養子である少年は、島の犬たちの協力を得て、愛犬を探す…。
日本が舞台であっても、近未来の架空の日本。
近未来と1960年代の日本が融合した不思議な日本。
ネオン街や屋台、神社や昔ながらの日本家屋など緻密なセットで日本を創造。
看板や文字など至る所に日本語が散りばめられ、メインタイトルやスタッフ/キャストも日本語で表記(と()して英語)、日本語の台詞も多い。
豪華ボイス・キャスト。主に犬の声はハリウッドスターで、人間の声は日本人俳優が担当というのもユニーク。
パワフルな和太鼓が響くアレクサンドル・デスプラの音楽も非常に印象的。
音楽と言えば、日本が世界に誇る巨匠の名作の名曲が使用されたりして、思わずニヤリ。
相撲や寿司などいかにもな日本描写の他に、市長に抗議する少年少女たちはさながら60~70年代の学生運動。
変化球ではあるが、日本へのリスペクトやオマージュがてんこ盛り。
何度かじっくり見返したいくらい。
見た事無いけど、独特で斬新で、何処か古く懐かしい、アンダーソンの日本!
キャラデザインは奇妙。
犬たちは汚ならしく、少年も決して可愛らしいとは言い難いが、次第に愛着沸いてくる。
パペットながら犬たちの体毛のフワフワ感も充分で、ストップモーション・アニメのこのカクカクした動きが堪らなく好き。
アンダーソン作品を見た人ならご存知の通り、ユーモアはとにかくシュール。
このユーモアも好み分かれるが、結構何度かクスリと笑った。
風刺もピリッとチクッと効いている。
市長の悪政。
国のトップであろうと市のトップであろうと町のトップであろうと、権力を我が物に使う権力者は万国共通。
ゴミ島に追放された犬たちは、人間に粗末に扱われるペットなのは言うまでもない。
人間の横暴、傲慢、身勝手さは痛烈だが、でも本作が本当に伝えたいのは、人間とペットの絆だろう。
アタリ少年と彼の護衛犬スポッツの友情。
島に一人やって来たアタリに協力する犬たちの中で、一頭だけ非協力的な黒犬チーフ。
野良犬で人間になんて絶対服従しないポリシーを持っていた彼が、少しずつアタリと育まれる交流…。
アタリとチーフの距離が縮まったお風呂やビスケットなど、あざとく情感たっぷりに描かれるんじゃなく、淡々と、それでいてしみじみじ~んと心に染み入る。
猫や鳥などペットは様々だが、まだ人間が石器などを使っていた大昔から、すでに人間と犬は一緒だった。
昔も今も、人間と犬の関係は特別。
それに日本人ならば“映画の犬”は、『南極物語』『ハチ公物語』などなど殊更!
溢れんばかりの日本LOVE、犬LOVE。
好きか苦手かのアンダーソン・ワールド。
多数決を取ろう。
好きならイエス、苦手ならノー。
イエス!
映像は凄いけど哲学は薄め
日本風がマッチしてんだか、してないんだか・・・
VOD字幕版にて鑑賞。しかし、本編には日本語、日本文字も混ざっている為、私的に最初は大変観辛かったと言う条件でのレビュー。
犬のウィルスに感染した犬達がゴミ島に幽閉され、そこに自分のペットを探しに来た少年の物語。
ペットを大事にしない人間への皮肉と環境汚染への警告が詰まっている為、日本への愛あるオマージュが詰まっているとは言え頭空っぽにして楽しめる様な作品でも無いし、食事中にも楽しめない内容になっていた。
ストップモーションアニメの質も演出も見事なのだが、逆に「だから何なのだ?」的部分も多い。
登場人物&犬もシュールですので劇中劇的変化も無いし、寝てしまう人もいるだろうし。
もしも吹き替えで観ていればどうだっただろうか?
外見芸術作品とすれば楽しめるだろう。
しかし、内容に面白さを求める人にはちと辛い。
私は後者なので厳しい評価とさせていただきます。
猫好きですが犬ヶ島
海外からの日本感(苦笑
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