「違和感」ビブリア古書堂の事件手帖 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
違和感
クリックして本文を読む
ミステリーかと勝手に想像して観始めたが、冒頭から葬式シーンとは気が滅入る。
インパクトをかましたかったのだろうが本を触ったくらいで祖母が孫を叩くのは如何なものか、そんな大切な本なら飾らずにしまっておけばいいでしょう。
物語は主人公の祖母の大事な本の秘密、一見「マディソン郡の橋」に似ていますね、後半は古書に執着する異常者の恐怖といったところでしょう、殺されかけているのに誰も警察に届けもせず何を考えているのか、ミステリーとは異質です。
舞台が古都鎌倉の古書店と言うこともあるのでしょう、ネットの話は出てきますが回想の昭和と現代が入り混じって古臭い空気感が支配的です。
古書と言っても出てくるのは漱石や太宰の不倫もの、高額な値を語っていますが所詮好事家の物差し、中身の文学的価値とは別のもの。太宰文学のいじけた自己否定が若者に妙な共感を呼んでいるようだが大人への階段なのでしょう、本作も太宰人気に便乗した借景が盛りだくさん、若手俳優起用も興行的な狙いなのでしょう、残念ながら浅く見えてしまうのは否めません。
劇伴も独特で映像をかき回すかのようなせわしないピアノの音にこれまた違和感。
要は好みに合わず選択を誤ったということでした。
コメントする