ダブルミンツ 劇場公開日:2017年6月3日
解説 ボーイズラブ漫画「同級生」などで知られる中村明日美子原作のコミックを実写映画化。ある日、壱河光夫のもとに一本の電話がかかってきた。「女を殺した」という高飛車な声の主は、同じ「イチカワミツオ」の名前を持つ高校時代の同級生市川光央だった。高校時代、光夫は冷酷で高飛車な光央の下僕となっていた。数年ぶりの再会に、光夫は逆らうことなく光央の共犯者となるが、2人の関係はかつての主従関係ではない、新しい形の関係へと姿を変えていく。壱河光夫役に今作が初主演作となる淵上泰史、市川光央役に「BOYS AND MEN」の田中俊介。監督は「下衆の愛」の内田英治。
2017年製作/100分/R15+/日本 配給:アーク・フィルムズ、スターキャット
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2017年6月19日
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鑑賞方法:映画館
中村明日美子といえば、BL漫画の金字塔である『同級生』が昨年見事な映画化を果たしたが、こちらもなかなかの秀作。シャープな絵柄で耽美的な雰囲気の漂う原作を実写で表現可能かどうか心配する声もあるようだが、原作のエッセンスを見事に切り取ることに成功している。 高校時代のいじめっ子といじめられっ子の支配/被支配の関係から、女の死体処理を通じて支配関係が逆転していく。 女の死体処理から物語が始まるのがユニーク。主人公の一人はヤクザの下っ端だが、極道という男の世界の男色的な描写もあり、女の立ち入れない欲望と愛の世界を示唆させる始まりだ。 漫画はその立ち入れない禁断の世界に女性読者がファンタジーとして欲望を投影するわけだが、映画はよりリアルな筆致で現実と地続きであることが強く印象づけられる。 低予算作品だが、内田英治監督は非常にいい仕事をした。
2022年10月7日
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鑑賞方法:VOD
漫画は読んだことありませんが好きな俳優さんが出演されている作品なので視聴。 ストーリーと描写が面白くBLの価値観が変わる作品でした。 ダブルミンツを観る前のBLイメージは純愛で秘密の関係で同性のキスが綺麗な秘密の関係ってイメージがあったのですがダブルミンツ観て同性の秘密の関係も悪くないじゃんって思いました。
2021年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ミッドナイトスワンの内田英治監督と同じく田中俊介さんが出演している映画と言うのでずっと気になっていました。 あちこちのあらすじやレビューを読むかぎり「BL」と言う言葉が飛び交っていたので、もっと少女漫画的要素が強い作品なのだろうという先入観を持ってしまいました。 確かにBLなのかもしれないのですが、全編男くさい世界観で描かれていて硬派な物語に仕上がっているので一括りに「BL作品です」とは言いたくないですね。原作は未読なのであくまでも実写版だけ観た感想ですけど、吉田秋生さんの「BANANA FISH」や「夜叉」が好きな人にはハマる世界観じゃないでしょうか。 内田監督はミッドナイトスワンの中でも思春期の揺れ動く心情を描いていましたが、ボーダレスな愛のかたちを描くのが上手いのかも知れません。 ただ、説明的な部分を省く傾向があるようなので、いくつか話が飛躍したように感じる部分もありました。 どこかモヤッとしつつもクセになる作品であったのは間違いないです。
2020年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
BL映画。若干引くが最後まで見ました。 昔のいじめっ子からの突然の電話、、、、女を殺した、、、から始まります。 いじめられっ子の歩んだ人生が過酷でかつての威勢のいいところは見られず、無限の泥沼に落ちていくが如し。ヤクザの舎弟、殺人、鉄砲玉、親分の情夫、、、と堕落の限り。 いじめられっ子は真逆に社会の荒波に揉まれたのか飄々した人生、しかしBLでM気質。 2人の人生が殺人死体遺棄でまた始まる。 内田作品だんだん分かってきました。やはり社会の陰と陽を対比させて我々に問いかけているのでしょう。〝人はどこまでも落ちる〟されど救いとしてどん底まで落ちない人間を描いています。まさに坂口安吾の〝堕落論〟を描いているんじゃないか? どこかに逃げ道を作ってくれている内田作品好きですよ。