彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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余韻がものすごい
沼田まほかるワールドを白石監督が見事に映像化された作品だと思います。
それに応えた俳優の皆さんが素晴らしい。ラストのカタルシスがハンパなくて何度見ても涙が出ます。
十和子の複雑な感情をここまで表現できる蒼井優さん、本当にすごいと思います。なんでこんな女のために陣治が「十和子、十和子」と心配して執着するのか最初はわかりません。しかし最後まで見ると陣治は阿部サダヲさん以外考えられなくなります。
十和子は陣治の気持ちをよそに妻子ある水島(松坂桃李)と情事に溺れるのですが、この水島がもう中身ペラペラの最低なクズで、松坂さんよくこんな役受けたなぁと感心しました。ご本人はさわやかで好青年なイメージですが、見た目を武器に女を蔑ろにする役がこんなにハマると正直思っていませんでした(笑)ラブシーンがとてつもなくエロくて。。同世代でここまで演じられる人、現時点で他にいないのでは。松坂さんとなら不倫でも捨てられても何でもいいわと思わせる破壊力(笑)
もう一人、十和子の忘れられない昔の彼氏で竹野内豊さんも出てきます。こちらも水島とは種類の違うどクズでどうしようもないキャラでした。竹野内さんも新境地ではないでしょうか。
自分勝手なクズばかり出てくる作品ですが、意外とこういう人周りにいます。特に十和子みたいな女。
「あなたはこれを愛と呼べるか」呼びたいけど呼びたくありません(泣)
見終わったあとすぐにでも誰かと感想を共有したくなる作品だと思います。
邦画の面白さが詰まってる!
めっっちゃくちゃ面白かったあー!
私が映画館に足を運ぶのは、こんな映画が観たいからだ。
映画、特に邦画に求める「面白さ」のエッセンスが全部詰まってた。
まず何しろエロい!
エロいシーンがちゃんとエロい!これ大事!
最初のホテルでの松坂桃李のキス&ベッドシーンは「ジョゼ虎」の妻夫木聡に匹敵するエロさだった。
「うわぁ、こんな男とこんな体験したら人生狂わされる……絶対ムリ…」と思ってしまう、松坂桃李の説得力よ!
そんな彼と対を成す、阿部サダヲの説得力もまた凄い!
「うわぁ、こんな男とキスしたら人生終わりだわ……絶対ムリ……」と思わされる不潔さ、キモさ!
そしてなんといっても蒼井優!
一見可愛いけど、ズボラで隙だらけで面食いで、いとも簡単に恋愛に依存してしまう…。
これもほんとに蒼井優が演じた故の説得力だった。
日本映画だと(このキャラクターでこの役者は美人/美男すぎるなぁ…)と小さく引っかかることがよくあるけど、この映画にはそういうキャラがひとりもいない。
全員にその役者が演じる必然性を感じたし、それぞれの演技も素晴らしかった。
事件の謎が露わになるサスペンスとしても充分堪能したし、ラストでは翌日目が腫れるぐらい泣いた。
そして何より、居酒屋でご飯を食べてたり、お姉さんの家で寿司を食べてたり、買ってきたパンで転んだり、…そういうひとつひとつのシーンがそれだけでとても面白かった。
そのぶん、終わってから振り返るとそれらがあまりにも切なくて、なんとも言えない余韻となって胸に残る。
最後に、この映画から「身の丈に合わない人間とお付き合いするとひどい目に遭うからやめとけ」という教訓を得たので、胸に刻んでおこうと思うw
本当に楽しい映画体験をありがとうございました!
映画らしい脚本
冒頭、主人公は電話をかけてクレームをつける。そこから始まる映画のシーン。脚本は浅野妙子さん。原作には描いているが、主人公の母との関係があり、男性に固執してはいけないと思いながらも、過去愛した男に8年も固執している。
5年ぐらいなら、過去の男性を思い出したりするが、8年となると長いように感じる。それは、主人公が自立せず、男性に頼って生きているからかもしれない。毎日千円、二千円のおこずかいをもらい、ビデオを見ては時間を過ごす毎日。
文句ばかりジンジに言っている主人公。様々な動作を昔の恋人と比べ、「こんな男とどうして暮らしているのか」と夢想ばかり。
そして、とうとう、遊びの恋をする。
その男性も過去の男性同様、主人公とは遊びだったのだ。
ジンジは、古いマンションを買い、主人公と暮らすが、主人公の心はいつもどこかにある。「これは愛ではない」と。
昔、日本には「愛」という単語はなかった。
「情」という名の「愛」しかなかったのだ。
なんとなく、好きとかではなく、家同士のお見合いだったり。
まずは暮らしてみてから、徐々にお互いを知る。そんな営みだったはずだ。
しかし、現代は違う。年老いた親の為に結婚する人はおらず、「愛」という名目で婚姻するのだ。
つまり、価値観や、収入や、外見など「これぐらいだったら許せる」と思える人を自分で探さなくてはならない。
そして、それが崩れると離婚となる。
そこには親は関わらず、夫婦間の問題となる。
ジンジはそういうことは何も考えていない。ただ
主人公を幸福にするのは自分だけだと、大きな「情」で包み込むのだった。
最後のシンジのセリフは、とても重い。
そのセリフは映画館で聞いてください。
その言葉は「俺しか、お前のような人間を愛せるわけがない」
と言っているように感じる。
蒼井さんはきっと賞を取るでしょう。
女優として素晴らしい成熟期を迎えています。
純愛の姿に心打たれました
悲しみに涙すれば、思考と感情が浄化される。日々雑事に追われ、澱みきってしまった敬虔な気持ちを少しでも甦らせることができ、足るを知る心境になれる。そんな効果を意図的に求めて自己啓発の助けとする、というのが「涙活」の定義なのかどうかは知らないけれど、私はそんなふうに解釈している。 涙活になることを期待して映画館へ赴いたこともある。病に侵され愛する人の記憶が薄れていくとか、愛しい子なのに難病で余命限られて、でも無邪気で朗らかな様子がかえって涙を誘い、とか、いかにもという設定の映画。 でも。ボロボロに泣くぞと身構えているのに意外と泣けない。ツッコミどころあっても目をつぶるから、しらける演技が入っても大目に見るから、とこちらは協調姿勢でいるのに。 どうやら涙というのは、自分が思ってる以上に不随で自律で正直なものらしい。 私はこの映画『彼女がその名を知らない鳥たち』を涙活の対象作品だとは考えていなかった。蒼井優を観にきたのが一番の理由。なのに、エンドクレジットに入って涙ぽろぽろこぼしてしまった。思いがけず涙活。 といってもストーリーが悲しかったのではない。ピュアなものに接して心がはげしく揺さぶられたゆえの涙というか、あまり日常では経験しない類の感動で、これぞ映画、映画の芸術性こここにあり、と感動は感動の連鎖を起こした。 つまり、とても良かったのである。 後から作品の内容を考え中、ある映画が重なってきた。その映画が一見掛け離れた作品であるのが自分でもおもしろいと思う。その作品とは『10 クローバーフィールド・レーン』。 こいつのは偽物だと思わせといて、実は本物だったと気づかされる展開は、見誤りを詫びる反動も加わって一層グッとくる。もとより本物さが尋常ではなく図り知れない度合いだし、泥中の蓮のごとく気づきにくく描かれていたし。 銀幕のうちでも稀なほどにピュア、またとない純愛の姿に心打たれました。
人間はそんなに正しくないよね。
みんなクズ、共感0%っていってたけど 共感せずとも 世間には少なからず登場人物みたいな人達がいるような。
全肯定出来ずとも 人間はそんなに強くないから こういうことってきっとあるんだろうなぁと思わずにはいられなかった。
思い通りにはいかないこと、信じたい希望、歪んでいく理想、生活するってそういうことなのかも。
陣治って 出会った頃と映画の冒頭と違いすぎて そこもたくさん想像を掻き立てられたな。色んな想いが彼をあの見た目で性格にさせたんだよね?
やっぱり 美しい映画だったな。
水島さん 刺されたとこで 笑ってるの私だけだった。だってあの人刺されても仕方ないよー。
ラストに感動
蒼井優と阿部サダヲの演技力。竹野内豊と松坂桃李の普段とは違う役柄。十和子と陣治のウザさがガラッと変わるラストシーン。「このラストはあなたの恋愛観を変える」この言葉に偽りなし!
疲れているはずなのに、まったく眠くならなかった。グイグイとストーリーにひきこまれました!!
最後の最後に
予想外の展開が。
私の読みが甘かっただけかもしれないけど、良い意味で裏切られました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
最後の方は涙ボロボロでした。阿部サダヲさん良かったです。きったない役ハマってました。
でも、最後死ぬ意味あったのかな、あれでとわこは救われないですよね…逆にトラウマになりそうな。
生まれ変わったら可愛がってくれってとても詩的で素敵だとは思うけど、普通に考えたら順次が生きててとわこを支えてくれた方が良かった気が。
松坂桃李のえろい演技も良かったですw
個人的に思ったのが、蒼井優じゃなくて、主演は池脇千鶴でも面白かったかなぁ〜〜と思いました。
そして、将来的に川栄李奈にもこういう役合ってそうだなと思いましたw
共感度0% でも観てよかった度80%!
「観たらサダヲもっと好きになるよ」っていう伊藤さんの言葉に納得。
汚くて不潔、下品。
その容姿の理由が、ラスト10分ですべて解き明かされる。
松坂桃李がまた、いい!
ただ、撮り方?このシーンいらなくね?っていうのが割と多くてイライラしたから、白石監督との相性はイマイチかもなぁ…。
2018/01/17 @ヒュートラ有楽町
まほかるさんの原作
ユリゴコロもこれも映画だけ観て原作は読んでません^^;
この映画も評判良さそうだったので「なんで?」と思いつつ去年は見送っていましたが、やっぱり気になるので。
そうか、前半のウザさはあいつとあの子のウザさを植え付けるための気持ち悪さだったのか。
この映画は最初に書いたように乗り気じゃなかったんだけど観に行ってよかったなあ。
観に行くタイミング逃して… やっと、観れましたぁーー(*´∇`*)...
観に行くタイミング逃して…
やっと、観れましたぁーー(*´∇`*)
前半のグダグダ感からの、ラストのどんでん返しは、ビックリでした💦💦💦😅
蒼井優は、良い女優さんですよねぇーー
意外なんだけど泣けた
主人公の蒼井優をとりまく3人の男達のキャラ設定とそれぞれの俳優が素晴らしかった。まず顔はいいけど心底、下衆野郎な竹野内豊、育ちが良く品のあるおぼっちゃま風だけど中身はペラペラな松坂桃李、そして仕事できない、空気読めない、不潔で取り柄なしだけど蒼井優を命をかけて愛する阿部サダヲ。
彼が最後に飛んでしまうシーンには唐突感があったけれど、そこに至るまでの彼の深い愛情が心にしみて涙がでた。鳥になってやっと愛する女を自分のものにしたのかなぁ。
恋愛映画を見たのは久しぶりだったけど良かったです。
渋谷シネパレスにて観賞
ヴァイオレンスの先にある「何か」を見せつける傑作を連発した白石監督だが、本作は見た以上のものは残らなかった。
クセのある原作のせいだろうか。
蒼井優の演技は相変わらず……わめきやキーキーすることに専念してしまい人物像が埋もれて見えてこない。
『オーバー・フェンス』では、そんな芝居で作品を台無しにしていたが、『ミックス。』も含めてあまり変わっていない印象だ。(『オーバー・フェンス』と同じくきっちり脱ぐ覚悟も無し)
「叫べば名演」って、いい加減にやめようよ。
阿部サダヲは良い。彼の真摯な懸命さ特に後半、心を動かされる。何より彼が作って食すご飯はいつも美味しそうだ。
しかし、その感動的な演技から迎える自決という結末は全く意味が分からない。
これは原作の問題になるだろうが、死を美化することや自己憐憫に酔ってるようにしか見えない。
せめて、ああするしかないことに、もっと説得力を持たせて欲しかった。そこは脚本の仕事だろう。
白石監督らしい良い演出が光ったのは、2人のクズ男。
松坂桃李演ずるチャラいクズ男、竹野内豊演ずる外道なクズ男、いずれも彼らの他作と比較にならない名演を引き出している。
それぞれ相応の報いを受ける点は、溜飲が下がった。
決断の理由
何の予備知識も無く
たまたま空いた時間に上映していた、という縁で鑑賞。
終盤へ進むにつれ、姿はボロボロになり激しく咳をしては「歳かな」身体の衰えを見せるようになったジンジ
深い傷を思い出してしまった十和子の傍に、ずっとついて守り続けてやる事が出来ない…余命を悟っていたのではないだろうか
だから、生まれ変わりまた出会うと言い残し、彼女の罪を背負ったまま身を投げた
十和子は、飛びたつ鳥たちに何を見た?
「たったひとりの恋人」というセリフ
十和子は生涯独身を貫き、生まれ変わりではないジンジ自身を想い続けた…と思いたい。
テンポよく、あっという間にラストまで駆け抜けた
まさかの泣き顔でスクリーンを後にした
この作品との出会いは大収穫だった
一番近くにいる
自分を大切に思ってくれる人を
大切に
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