劇場公開日 2017年10月28日

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彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価

全305件中、21~40件目を表示

5.0蒼井優と阿部サダヲが魅せる究極愛

2022年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

本作は、蒼井優、阿部サダヲの渾身の演技で魅せる心揺さぶられる濃厚な愛憎劇である。見応え十分の邦画らしい邦画である。

主人公・北原十和子(蒼井優)は、共同生活している下品で不潔で粗野な佐野陣治(阿部サダヲ)を蔑みながら、彼の収入を当てにして自暴自棄な毎日を過ごしていた。妻子ある水島(松阪桃李)との不倫に溺れていた。一方で、陣治は十和子に罵られながらも、十和子に執拗に拘りストーカー紛いのことをしていた。ある日、十和子は今も想いを寄せる元恋人の黒崎(竹野内豊)の失踪を知り、その真相に迫っていくが・・・。

主要な登場人物全員は身勝手で思いやりがない、一筋縄ではいかない好感など到底持てない面々ばかり。彼らを演じる4人の役者(蒼井優、阿部サダヲ、竹野内豊、松阪桃李)が役に徹しきった存在感のある演技をしているので、それぞれの人物像が際立っている。作品全体が引き締まっていて緊迫感がある。

十和子は、陣治への優しさが全く感じられない。陣治を忌み嫌い、毎日、陣治を容赦なく罵倒する。陣治は、そんな十和子に全く反論せず、十和子のご機嫌取りに終始する。十和子の帰りが遅いと大騒ぎをする。お互いに居ないと困るというだけの典型的な相互依存関係にある。相思相愛感は全くない。さらに、十和子が時折見せる憂いの表情に彼女の孤独感、成就しない恋愛への渇望感が滲み出ている。一方の陣治も、台詞、行動の中に愛する者を守ろうとする尋常でない狂気が垣間見える。黒崎の失踪判明以降、様々な伏線が張られ、ミステリー色が強くなるので、物語は只の相互依存した不仲の二人の愛憎劇では終わらないだろうなという予感がした。

竹野内豊、松阪桃李は、従来の役柄とは異なり、典型的な女性を騙す悪党振りが様になっている。甘いマスク、甘い台詞、巧みな話術に悪党としての説得力がある。今後の役柄に影響が出るのではと心配になるくらいのハマリ役である。彼らに騙される十和子役の蒼井優は凄い役者である。陣次を観る時との目の表情の差が際立っている。眼の表情だけで相手を愛し信じ切っている雰囲気を作っている。

本作では、十和子の過去の愛の遍歴は描かれるので、十和子の生き方に好感は持てないが理解はできる。しかし、陣治の過去は全く描かれない。特に二人の馴れ初めには一切触れないので、何故これほどまでに十和子に拘るのかが全く分からない。物語がミステリー色を強めるにつれて、優しそうだが謎めいた不気味な人物という印象が強くなる。

終盤、様々な伏線は一気に回収され、やり切れない救いのない物語の色調が変わっていく。その予想外の変化に心が揺り動かされる。本作が平凡な男女の愛憎劇になっていないのは、何と言っても、蒼井優と阿部サダヲの演技力の賜物であろう。鬱屈した癖のある役柄を渾身の演技で体現しているので、現実的で説得力のある物語になっている。愚直なまでに純粋で不器用な男女の愛の形を見事に表現している。

ラストシーン。題名にもなっている、幸福=愛を暗示する鳥の群れも印象的だが、それ以上だったのは十和子の台詞である。真っ暗なスクリーンに十和子の、“私の・・・・”という短い台詞が劇場内に響き渡る。この台詞は本作のメッセージである。そういうラストであって欲しい。そういうラストにして欲しいと思いながら観続けていたので、この台詞は、心に響き渡った。止め処もなく涙が溢れてきた。これからも様々な作品を観るだろうが、この作品のこの台詞は、生涯決して忘れることは無いだろう。

本作は、起伏に富んだストーリーでもない、映像美が素晴らしいわけでもない。ただ只管に、ある一組の男女の個性的な愛の形を描くことに徹している。純粋な愛、究極の愛とは何かを我々に鋭く問い掛けている。

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みかずき

3.5まぎれもない愛

2022年3月31日
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本当に純粋な愛とはこういうことなんだろうと考えさせられる。
何がなんでも愛した人を守り抜く姿勢は愛すべき人がいる立場なら学ぶべきなのかもしれない。
蒼井優さん、阿部サダヲさんの関西弁の演技は流石だった。

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masa

3.5共感できる自分が怖い

2022年3月13日
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クズ男に傷つけられた経験のある女性は皆十和子予備軍だと思う
それを理性や自制心で十和子のようにならないように必死で生きて、強くなるのが女性
ゾッとします
ハッとさせられます

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葉

4.5痛い

2022年2月23日
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声あげて泣いてしまいました
阿部サダ最初は食べ方も日焼けも
生理的に嫌な感だしておいて
ズルいよお(涙)
観て良かったです
悲しく痛い程の愛
間違っているだろうけれどの愛に
涙涙涙
みなさんの様に上手なコメント書けなくて悔しくいです
痛々しいのは蒼井優ではなく阿部サダだった
号泣でした

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コアラ0413

2.5愛らしきものの裏と表

2021年11月18日
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その裏の方が全般を占めています。だからこそ見終わった後に表が自分の中で際立つ感じで、今の自分の均衡を大切にしたいと思えます。

映画としては、カメラアングルが、良かったです。

沼田さんの作品なので観に行きましたが、アベサダさんの服装とかの雰囲気やりすぎてて、最初気が散ってしまった。。。

まぁ、沼田さんの作品なのでこの闇感は仕方ないですね。読後感はこれよりもう少しどんよりします。

蒼井優ちゃんは流される演技がほんと上手いね。

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大粒 まろん

4.0怒りと切ないが混同する

2021年11月7日
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鑑賞方法:VOD
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さかな

3.5男たちは飛び去っていく鳥の一羽にすぎないのだ。

2021年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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spoon

4.5愛のカタチ

2021年10月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

もう蒼井優の演技が素晴らしい。どこかアイドル女優のような、業界にチヤホヤされているような印象を受けてしまう事が多かったのだが、本作の蒼井優はまごう事なき女優だった。

それは決して濡れ場が云々とかいう小さなくだらない問題じゃない。愛に置き去りにされた女の、戸惑いと焦りがにじみ出る演技にただただ拍手。あ、俺超偉そう。

そして次に白石和彌である。凶悪、日悪と震えさせて来た男の最新作は、愛を背景に人間の嫌な部分を突き付けてきた。キレイゴト無しに、人間の心情を赤裸々に描くのは白石監督の真骨頂。すでに次作が楽しみだ。

映画を恋愛だサスペンスだとカテゴライズしてしまうのは、観客の悪いクセだ。人生とは恋愛映画でもあり、サスペンスでもあるだろう。本作はカテゴリを超越した名作だと胸を張って言いたい

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LADA

3.0守ってくれていたのに

2021年10月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

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しろくろぱんだ

4.0予想外

2021年9月18日
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nekonoko

4.5原作に劣らない名演技、蒼井優、阿部サダヲ

2021年9月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Sheeta

4.0陣治の愛がつまりすぎてる

2021年8月31日
iPhoneアプリから投稿

一方通行の恋しか出来ない十和子に無償の愛を捧げる陣治の話。
というか陣治の愛の話。
というか陣治の愛が重くて深くて沈みそう。

下品な男とクズ女の話とかって結構酷いこと書いてあったし、主人公が好きになれないと観るのがキツい私が最後まで観れるか気を揉んだけど全然大丈夫だった。

多分演者が蒼井優と阿部サダヲじゃなかったら鼻についたかもだけど。2人の演技が凄かった。
十和子と陣治を嫌悪する感情が湧いてこないのは絶対演者の実力だと思う。

最後らへん、陣治が十和子に生きる気力を持ってもらうため、子供を作れというシーン、かなり胸が温かくなった。

重い話は苦手だけどこれは好き。

ただタイトルが疑問で、観賞後も疑問。
馬鹿にでも理解できるシンプルなタイトルにして欲しかったよ、陣治の愛(ダサい)とか。

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かっちゃん

1.0気持ち悪い

2021年7月6日
スマートフォンから投稿

クズとメンヘラしか出てこない。
誰にも感情移入できない作品だった。

阿部サダヲの役は、下品で不潔で頭も悪く、、
発達障害者のレベルに見えてしまった。
メンヘラ女性と発達障害の中年男性、あとは、クズ男3人。

気持ち悪い、としか言いようがなかった。何を描きたかったのか、全く分からず、他の方の感想を観て、「じんじの純愛」に感動している方が多くて驚いた。

発達障害者がメンヘラ女にのめり込んだら、こうなるよね、という話にしか見えず、まともな普通の人間が出てこない、気持ち悪い映画。

阿部サダヲ、蒼井優が、発達障害者、メンヘラを上手く演じたのだけは、分かった。

映画って、印象に残るセリフや、ためになりそうなことを学べたり、感動のしたりするのだが、この映画からは、何も学ぶことが無く、得るものも無かった。

不快さと気持ち悪さしか残らなかった。

上品で知的な人が一人も出てこない。
こんな映画があるんですね。

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な〜のん

3.0健気な男

2021年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

萌える

これじゃ面倒見切れなくなって途中放棄したようなもん、この先の彼女が心配にならないのか中途半端な優しさで突き放した格好に。

焦ったく進む物語に伏線回収は全て映像描写で御丁寧な演出、竹野内豊と松坂桃李のタイプが違うクズっぷりがお見事、蒼井優の小悪魔を通り越した愛嬌のある悪女役が可愛らしく、安倍サダヲに感情移入出来ないと物語自体にハマれないかも。

白石和彌の長編デビュー作「ロストパラダイス・イン・トーキョー」を思い出す地味な印象がありながら、知名度ある実力派を集めて集客率も評価もアップ、監督で観る、俳優で観る、面白そうで話題になれば観る、全てが揃えば万々歳。

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万年 東一

4.0愛の形

2021年3月30日
Androidアプリから投稿

蒼井優演じる十和子は自分を大事にしてくれない男に存在意義を求めてしまう女性
阿部サダヲ演じる陣冶は十和子が自分の事を愛してくれていない事に心のどこかでは気付いてはいるが一途過ぎる愛を貫く男性
十和子と陣冶の出会いの回想シーンをあそこで持ってくるのは、泣かずにはいられないです。子供になって戻ってきたいとゆう陣冶の言葉は自分と一緒に居るせいで子供がいる家庭を築いてあげられない負い目と来世も十和子と一緒に居たい、自分が罪を被って十和子には幸せになって欲しいという気持ちと全て十和子に対する愛で溢れていて、とにかく切なくて辛くて可哀想な気持ちになりました。愛情をお互い与えられる関係性がいかに幸せかと考えさせてくれました。白石監督、演じている人達、脚本、素晴らしいです。

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アルラム

4.0愛するとは。

2021年3月19日
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血の繋がりのない人をそこまで愛せる所以は一体どこにあるのだろうか…
傷つける人間もいれば、心底大切にする人間もいるということ。
どちらが幸せかは人それぞれ。
見誤らないようにってことを教えてくれる映画だった。

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84

3.0基本、クズの、、

2021年3月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

基本、クズの話です。
出てくる奴らクズばかりです。
そうじゃない方もいますが、、
基本クズばかりです。
映画の内容としては面白いです。
蒼井優初め、皆さんの演技が上手いせいか
観ていてなかなかイライラさせます。
そういう人達も確かにいますし。
最後が特に、、考えさせられましたが、、
やっぱり自分では無いなと思い
面白いけど
観て良かったですとは言えません。
泣きましたけどね←もうよくわからないです。
ジンジ!お前はバカやでー!😢

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T-KAZU

4.0切ない愛の物語

2021年3月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

蒼井優さんと阿部サダヲさんの演技に感謝。特に最後の展開に胸が締めつけられました。

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KMK

4.5視聴者へのミスリードが鮮やか

2021年2月17日
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鑑賞方法:VOD
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ABCD