彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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薄さ 濃さ
人と人の関係について考えさせられました。
存外にウェットなお話しで突き放した目線の作品から一歩踏み出した白石監督に今後も期待したい。
中盤から阿部サダヲが画面に映るだけで可笑しくて笑い転げました。やりすぎ暴走演技に感じますが演出プラン通りであるとクライマックスにわかりました。ロビン ウィリアムズぽくなってきました。
松坂桃李の艶技は一見の価値ありです!
"優しい" 映画。
共感度ゼロといわれているが、それに違和感。登場人物は、救われない人間の内面世界の末路を、見える形にして教えている。誰だって、妄想のなかで殺したり、死を願ったり、性に溺れたり、あるのではないか?一瞬でもしたことはないと、言える人はいるだろうか?ここまで極端に描かれなければ、人間の内面の危うさを訴えることのできない世の中を憂い、評価を4にしてしまったが、気持ちとしては、4.5。体をはってさらけ出して人間性の闇と病理をさらけだしてくれた俳優に拍手したい。しかしながら、前半の救われなさから一転し、地獄に自ら堕ちる人間をも救おうという(生きている人間にとっては、どこまでが本当の意味で本人のためになるのか、救いになるかは、難しいが)意志が存在することの再認識によって、癒しが生まれた。そのいみで、意外にもこの映画には、"優しさ"を、垣間見た。
身も蓋もない人間模様を見せつけられるサディスティックなミステリー
先月(9月公開)の吉高由里子主演作「ユリゴコロ」に続いて、沼田まほかる原作ミステリーの映画化である。しかも"イヤミスの女王"の病的な人間描写を、「凶悪」(2013)、「日本で一番悪い奴ら」(2016)の白石和彌監督が手掛けるという、期待感を煽るブッキングだ。
白石監督作品はいま、日本の俳優の誰しもが出演したいはず。現に本作では、すべてが最低レベルの登場人物にも関わらず、蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊という俳優がその下劣さを競い合う。監督と俳優がこれだけ揃えば、見応えがあるのは当然。
とくに阿部サダヲはコミカルな役柄の印象が強いので、どうなるのだろうと思いきや、"さすがにそうだよね"になっている。結論、ミステリーとしては王道オチではあるが、阿部サダヲのポジションがそれを最後まで覆い隠している。逆に蒼井優的には近年、こういう最低オンナが似合ってきた…(悲)。
社会派の白石監督は、今年初めに"日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト"の「牝猫」(2017)で、Sex描写だけに終わらないシリアスな社会ドラマ性のポルノ映画を見せられたが、製作時期の近い本作も、蒼井優の濡れ場が多い。
露出度はゼロなのだが、(オッパイがなくても)勝手な妄想を刺激されるし、登場人物たちの下劣さや生活の虚しさがひしひしと伝わってくる描写の巧さは、白石監督×灰原隆裕撮影のさすがのコンビネーションである。面白い表現もいくつかあって、天井から砂が落ちてくるVFXシーンは印象的。
散らかったアパートが象徴する貧乏生活、典型的なサラリーマン生活、ゴージャスなセレブ生活…オトコのレベルに合わせて変幻する受け身なオンナの性(サガ)。収入や外見に関係なく、女たらしのオトコはどこまでも最低だ。目も当てられない、身も蓋もない人間模様を見せつけられるサディスティックな映画である。
(2017/10/30/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ)
クネクネした真っ黒のドジョウ
冒頭から十和子の高慢クズっぷりに惹き込まれる。
蒼井優って柔らかくボソボソした声のイメージだったけど、意外と甲高くよく通る声だったことに少しびっくり。
こんなクレーム絶対受けたくないなー!と思いながら観ていた。
これ以上無いってくらい徹底して汚く愚図で生理的にイヤ〜な陣治に笑っちゃうんだけど、なんだかかわいそうでかわいそうで仕方がない。
酷い言葉を浴びせられても浮気されても、一方的な奉仕をし続ける彼の姿に恐怖すら感じつつ、その異常に深い愛に最後はなぜか涙が出て止まらなくなる。
どう生きてきたらこんな人になれるのだろう。いや別になりたくもないけども。
黒崎と水島のクズ男っぷりもなかなか。
トンデモ展開で不倫関係になる水島なんてもはや演技派で、そのモチベーションに謎の関心すら覚える。
どちらの男もポエムみたいなことを大真面目な顔でペラペラと喋っていて気持ち悪いんだけど、でもこういうのにコロッと惚れちゃうのもなんだか分かるな…
映像演出がかなり面白い。
時に舞台的で幻想的で、過去と現在を継ぎ接ぎしたつくりが楽しかった。
関西弁が少しわざとらしく思えたけど、それぞれの目線に籠る強い感情が伝わる演技もとても良かった。
あのラストには何か新しい価値観を発見した気がする。
重くのしかかるけど上質なミステリーであり、少し変わった愛の形を観れる映画だった。
お子様向けでした。愛と狂気モノを見慣れてる人にとっては、こんなもん...
お子様向けでした。愛と狂気モノを見慣れてる人にとっては、こんなもんぜんぜん狂気ではありません。ジンジただのいい人じゃん。十和子も悪くないじゃん。誰だってこうするよね。
狂気と言うなら、あそこで水島さんも口封じのため殺して、もちろん黒崎のこともばっくれて、「これからも十和子が何をしたって、二人の幸せを守るで!」くらいの心意気が欲しい。
だいたいジンジ、そこで死んだらダメよ。これから十和子は大変よ?思い出しちゃったからますます病むよ?ここからこそジンジのがんばりどころだろう。きっと何度もジンジを責めたり死のうとしたりするけど、いっさいイヤな顔せず支えないと。十和子がちゃんと立ち直って幸せになるまでがんばれよ!
そんで二人で幸せにならないと!
これは愛と呼べるかと聞かれたら愛では無い。ジンジの中途半端な自己満足。
演技力とテンポの良さで面白かったけどね。
みてもいいか
■すきなところ
蒼井優のクズ役
ダメ夫の演出
話の展開
2人の心の結びつき、絆ー多分夫婦ってこういうことでしょ。2人ともボロボロになって、だけど寄り添う。
■きらいなところ
簡単に人殺さないで
松坂桃李のクズ役
多分阿部サダヲの関西弁は違う
あわなかった。。。
かなりレビュー評価の星が高めだったので、選択肢に入れてみたのですが。。。
どうも自分には生理的に合いませんでした。。
不潔感がまず受け入れられない。気持ち悪い。
さらには、何であんな品のないキス表現をするのか。。
洋画の影響受けすぎなんじゃない? ハリウッド映画で見るように日本人が演じるのはかなりハードル高いんじゃないかな? 単に品がなく気持ち悪いものにしか見えない。そう表現したかったのかも知れないけど、嫌悪感レベルはダメっしょ!
最後の結末も、その後の回想の為の伏線も全て透けて見えてしまってたので、余計に悪さに目がいってしまいました。。。
確かに、演技や何とも言えない空気感には興味深いものはあったのですが、まず生理的に受け付けなかったので、ごめんなさい。。
すごく、良かった。蒼井優が良かった。上手いね!特に出だしクレーマー...
すごく、良かった。蒼井優が良かった。上手いね!特に出だしクレーマーで捲し上げる関西弁が痺れる。打って変わって、愛人とのベッドシーンも凄くセクシー。良かった。阿部サダヲは阿部サダヲ感が、どうしても出ちゃうので、惜しいかな。松坂桃李も頑張ってたよね。見て損はないです。
蒼井優に罵られ隊
ユリゴコロにつづき、沼田まほかるさん原作を映画化。
「凶悪」の大ファンなので、白石和彌監督というだけで期待が上がりました。
関西弁で罵る蒼井優良かったですねぇ
どの役にも感情移入出来ない、最低、みたいな触れ込みでしたけど、そうでもなかったですよ。
ユリゴコロの時も思いましたが、究極な状態の究極な愛、を感じました
それが沼田さんの持ち味なのかな?
今後も実写映画化増えそうですね。
阿部サダヲ
阿部サダヲの外見に完全に騙されます。これこそ純愛なんでしょうね。主人公となる2人の馴れ初めが一切省かれて、関係性がよくわかりませんでしたが、ラストで明かされる構造であり、なかなか衝撃的なラストでした。
清純派という印象だった蒼井優さんの濡場もなかなかのものでした。
勝手な印象ですが、この作品に限らず松坂桃李には常々サイコパスの匂いを感じておりました。この作品の松坂桃李は、彼に私が抱いているまんまのサイコパス野郎で、情事での無表情の様な、もしくは怒った様な表情がたまらなくゾクゾクとさせるものがありました。今後は最悪の殺人犯など演じてほしいと願っております。
あなたはこれを愛と呼べるか?という宣伝文句。これを愛と呼べると答え...
あなたはこれを愛と呼べるか?という宣伝文句。これを愛と呼べると答えられる人は少数だと思う。客観的に見ると陣治の愛は歪んだ愛情に見えるからだ。愛する人のためならなんでもできるといえば聞こえはいいが、そのために十和子の罪すらも隠蔽し、引き受けようとすることはまともな人間から見たら異常であり、不正なものだからだ。愛と呼べると答えられる人が少数だと思ったのはこれが理由だからだ。歪んだ愛を愛と認める人は少ない。でも僕はこの歪んだ形こそが愛だと言いたい。真っ直ぐ、真っ直ぐに想うことで歪みが生まれる。その不安定さと矛盾にこそ愛があるんじゃないかと。
僕の掲げた一般論もあくまで僕の想定でしかないし、月並みな言葉ではあるが、そもそも愛の在り方なんて人それぞれなのだ。自分にとって愛と呼べない在り方を否定することもまた、自分の思う愛という不確実で不安定なモノを真っ直ぐに貫くために必要なことだと思う。
純愛映画
不快要素なんて少しもなかったです。真っ直ぐな愛の物語でした。
冒頭からは十和子視点で陣治の不潔でどうしようもないところを感じさせ、飛び降りるときの回想で陣治視点で十和子がいてくれるだけで幸せ、の気持ちが痛いくらい伝わってきました。
蒼井優さんの関西弁で荒い口調も非常に良かったです。
イケメン2人のゲス対決!終盤で驚きの展開!クセになるこの感じ!イヤな後味が残るミステリーの女王・沼田まほかるは好きか嫌いかはっきりと分かれる!原作も読みたくなる!
Movix堺で映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を見た。
2017年製作/123分/R15+/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2017年10月28日
蒼井優
阿部サダヲ
松坂桃李
村川絵梨
赤堀雅秋
赤澤ムック
中嶋しゅう
竹野内豊
白石和彌監督
沼田まほかる原作
原作者の沼田まほかるの概略は以下。(wikipedia)
50代で初めて書いた長編『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、56歳で遅咲きのデビューを果たす[1]。
デビュー以降も作品を発表し続けるも書評家には評価されながらヒットにはつながらなかった[1]。
しかし2012年、『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされると既存の文庫が一気に売れ出し[1]、『九月が永遠に続けば』の文庫版は半年で60万部が増刷された[3]。その他、『彼女がその名を知らない鳥たち』、『猫鳴り』、『アミダサマ』の文庫計4冊で発行部数は120万部を超える[1]。
湊かなえや真梨幸子らとともにイヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の女王とも呼ばれる[4]。
蒼井優と阿部サダヲが全編に渡り関西弁で台詞を話す。
方言指導に3人の名前がクレジットされている。
個人的には、100点満点とはいかないが蒼井優の話す関西弁は94点くらいの点をあげられそう。
阿部サダヲは84点くらい。
沼田まほかる原作の映画としてはこの作品と「ユリゴコロ」があるのだが、
松坂桃李は唯一両方の映画に出演している。
十和子(蒼井優)はイケメンに弱いクレーマー女。
同居しているブサメンの陣治(阿部サダヲ)には心を許さない。
その反面、水島(松坂桃李)や黒崎(竹野内豊)のようなイケメンには軽くなびいてしまう。
水島が十和子宅を訪れ、行為に及ぶ場面では、「えー!百貨店の従業員がこんなことするかよ!?」と驚いたのだが、その後の展開を見ると、この男ならありえるかもしれないなと、あとで納得した。
松坂桃李、竹野内豊、イケメン2人のゲス対決がすごかった。
終盤場面のロケ地は谷町九丁目あたりだろうか。
見覚えがある風景だと感じた。
「ユリゴコロ」もそうだったが、終盤で驚きの展開がある。
沼田まほかる原作の小説や映画は好き嫌いや評価がはっきりと分かれると思う。
好きな人はクセになるだろうし、嫌いな人はもう見たくないというかもしれない。
自分は前者で原作も読みたくなった。
原作者は多作ではないが、その原作本はこれからも続々と映画化されそうな気がする。
上映時間は123分。
映倫区分はR15+。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
映画館でこれ程、打ちのめされた美しい映画は久しぶりの様に思います。...
映画館でこれ程、打ちのめされた美しい映画は久しぶりの様に思います。感動についてはその人の人生を反映させ様々な意見があると思います。しかし是非機会があれば…テレビ等では無く映画館でこの作品を見て頂きたい。原作を読んでいない方なら見終わってから読むことをオススメします。ネタバレせずに見た方が絶対に楽しめます。泪が止まりません。必ず人生の中で観て良かったと思える映画です。
これは蒼井優の話ではなかった!
「彼女がその名を知らない鳥たち」見てまいりました。見たかった映画が満席だったので、仕方なくの鑑賞。結論から申して、最後は涙が溢れました。
蒼井優と阿部サダヲの普通ではない日常を中心に、ゴミみたいな竹野内豊やド変態の松坂桃李を交えて進むストーリー。恋愛、サスペンスとも言えるが、個人的には官能サスペンス色が強く感じた。サスペンスな部分は、早めにオチが読める点で弱いと感じます。
全体を通してみると中だるみは感じましたが、最後は阿部サダヲに涙しました。あんなに不潔な人間に涙を流すのは、後にも先にもこいつだけだろう…。
というのも、この映画は蒼井優の話だと思って見ていたら、実は阿部サダヲの映画だったからです。阿部サダヲの話なんですよ。彼は普通ではないけれど、しょうがない。本当に切ない蒼井優と阿部サダヲの関係とその終焉。とにかく涙が溢れました。
ネタバレできないのでこの辺で。総じて、素晴らしい作品です。どうしようもないクズばかりが登場しますが、紛れもない純愛映画です。
そして涙に関して、
「ヒメアノ〜ル」を見た時も同じ感じがしましたが、流れた涙は悔し涙の一種です。「どうして彼らはこうなってしまったのか…」という悔しさ・憤りみたいなものが、最後に込み上げてきます。
どこまでも無償の愛なのか
原作、読みたい。
阿部サダヲ、蒼井優が凄すぎる。
なんだろう、人の感情を、表に出さない微妙な感情をそれぞれがうまく醸し出しているというか。
語らずに、余韻を残す、とにかくいろんな意味で「やられました」
クズばかり出てくる
主要人物はクズばかりで確かに共感度0で物語は進んでいくのですがラストは深い愛情に涙腺が緩み感動してしまいました。
みなさんの演技力も素晴らしかったです。幸せって身近にあるのもなのかなとかしばらくこの映画のことばかり考えてしまい忘れられない一本になったかもしれません。
蒼井優さんが可愛く魅力的で終始メロメロになりました。
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