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往年の東宝映画「怪獣総進撃(1968)」を思わせるタイトルに惹かれB級と思いつつも観てしまいました。この手のミュータントものは古典の部類、CGなんてない時代には撮り方次第で巨大化できる昆虫がもてはやされました。たいていは公害物質や放射能での突然変異ですが本作ではワームホールからでる特殊なエネルギーにひっかけています。
深堀りすればそれなりの楽しみ方はあるのでしょうが肝心の人間ドラマが浅薄なのでどうにも退屈、また地雷を踏んでしまったな、というのが一般解です。
この映画、The Vortex gate to Armageddon(渦:ハルマゲドンへの入り口)とBig Bad Bugs (巨大な悪の昆虫たち)の二つのセールス・タイトルが付けられていたようです。渦というのはワームホール、SFでお馴染みの時空の抜け道で小説「コンタクト Contact」を執筆中だったカール・セーガン が理論物理学者のキップ・ステファン・ソーン に相談したが、あったとしても通れるのは負のエネルギー物質だけ、普通の物質が入ればブラックホールになってしまうと答えたらしい。劇中でも地球が消滅すると煽っているのはそのことなのでしょう。
ワームホールから出るゲッター線の影響で生物が変態するとしているが、ゲッター線は日本のアニメ「ゲッターロボ(1974)」に登場する未知の宇宙線で宇宙を司る根源的なエネルギーとされている、バスラー監督が日本のアニメファンとは驚いた。
それにしても大蛇に変身は滑稽でしょう、ひょっとして監督、「忍術児雷也」も観ていたのでしょうか、流石に作っている大人たちも真面目にやるには気が引けたのかコメディタッチに逃げてしまったのでなんとも締まりのないおこちゃま映画になってしまいました。