ドリームのレビュー・感想・評価
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ジム・パーコンズさん目当て
最高です!!
元気をもらえる
ドリーム
2017年94本目の劇場鑑賞。
NASAで初期の宇宙開発計画を陰で支えた3人の黒人女性数学者の知られざる活躍を映画化した感動の実話ドラマ。
人種や性別の壁に直面しながらも、
卓越した知性と不屈の信念を武器に、
自ら道を切り開いていった彼女たちのユーモアとバイタリティにあふれた生き様を、
軽妙かつ前向きな筆致で感動的に描き出す。
エイブラハム・リンカーンによる奴隷解放宣言の約100年後、
物語の舞台である1961年のアメリカでは、
まだ黒人への差別意識が色濃く残っていて、
黒人たちが差別的な扱いを受けるシーンも描かれてます。
本作は黒人差別という暗いテーマを、
マーキュリー計画という国家の威信をかけた壮大なストーリーにうまく合わせて、
明るくコメディタッチで描かれているのが良かった。
数学的才能に恵まれた彼女たちが、
差別や偏見に対し声を上げることではなく、
自らの能力を発揮することで差別をはねのけ、
周囲に認めさせていく過程は痛快でした。
本部長演じるケヴィン・コスナーはとてもはまり役で、
本部長が職場の人種差別を撤廃していくシーンが好き。
全く隙がない傑作!
科学賛歌と人間賛歌
アメリカ公民権運動が背景にあるにも関わらず教条的な押し付けさが感じられない観終わった後の爽やかな感動。
これは知性と理性とちょっとだけのズル(笑)で自分達の地位をNASA(世間)に認めさせた三人の黒人女性を中心にして描かれた物語だ。
その背景にあるのはソ連のスプートニクショックからはじまる宇宙開発競争。それが彼女達が必要になったきっかけ。
そして、そこからみえるのは科学は人種さえも関係なく正しく等しく皆に与えられたものであるという主張。それが個人的にはとても嬉しい。
これは科学賛歌の映画であり、そして人間賛歌の映画だ。
だからこそ、そこを通して日本人の自分でも大きく感動する。嬉しい気分にさせてくれる映画でもある。
社会派だけど王道エンタメ
歴史を作るということ。
上司が理解者で良かった
全てが上手くいきすぎて、しかも実話と言うのだから日常をただダラダラこなして行く私たちに、働くための勇気をくれないわけがない。
物語のテーマとして黒人差別や、女性蔑視を含んでいるのは見て分かりますが、何よりも彼女たちのたくましさ、パワフルさに元気をもらいました。
とにかく、どんな差別があってもめげない。今では信じられないような差別が当たり前にある世の中は、扱ってるテーマと合わさって、さながらディストピアとなった近未来のアメリカを見ているかのよう。
トイレは別、水飲みも別、図書館もバスも、働く服装、、、挙げればキリがないくらいの差別が描かれます。
そんな世の中でたくましく生きる主演の3人の、何と強いことか。差別のシーンもたくさんありますが、それ以上に彼女たちが笑って幸せに包まれてるシーンが
多く、観ていて元気をもらいます。
挫けた後には必ず笑いあい、仲間と助け合う。
大きな夢を持って仕事をするって素敵なことだなと感じました。
また、サクセスストーリーとしても分かりやすく、みながそれぞれの夢を最後には叶えて行くのが気持ちいい。
メアリーが判事に詰め寄るシーンや、ドロシーがミッチェルに管理職の仕事を与えるシーンは胸がすっきりします。
加えて、本作は嫌味なく、白人が柔軟性のないバカのように描かれていたのにも好感がもてます。IBMを調達したはいいけど、ドアから入らず、入り口をぶっ壊したり、機密資料をマジックで塗りつぶすも透かして見られるという失態など、その都度ウィットに効いた会話が続き劇場内も温まっていました。
そして、ケビンコスナー演じるハリソンが良き理解者なのがいい!
登場とともに熱く宇宙論を語り、既存の概念にとらわれず、能力を重視する。切り捨てがちのやり方は見せ方によっては嫌な奴にも見えますが、ハリソンもまた夢を求める1人でしかありません。
キャサリンを認め、黒人を認めるのはこれから先のアメリカ社会を見据えているのでしょう。
トイレの区別をなくすのは誰もがウルってくるところでしょう。
トイレで40分かかるのを指摘されたシーンの後、コーヒーポッドのラベルを剥がして噛んだ後のガムと同じように捨てるのもかっこいい。
余計な雑念を無くして最初から最後まで気持ちよく見れた傑作だと思います。
今年いちばん
久しぶりに正調ハリウッド映画の良さを感じた。ヒロイン三人は最高にカッコいいしチャーミング。色々と重たい背景の物語だが脚本も演出も編集もひたすらこの三人の凛々しい姿を追う。この三人を見ているだけでワクワクしてくる。彼女たちはある意味スーパーウーマンだが、人種と性の二つの差別を乗り越えなければならない。
単純に人種差別のはなしにしていないところがこの映画の重層的な魅力。何しろ彼女たちは自分の夫や恋人の無理解とも対峙しなけりゃならない。しかもシングルマザーだったりして、やる事が多過ぎる。
こういう困難に立ち向かうはなしは背景を越えて感動する。
主役のキャサリンは人種分離政策のせいで800メートルも離れたトイレに行かなければならない。それを知らない上司は離席の多い彼女を非難する。このときキャサリンは溜まりに溜まった感情を爆発させる。雨でずぶ濡れのキャサリン。不覚にも泣いてしまった。これだけ有能でタフなキャサリンの感情の爆発がこの映画のいちばんの見どころ。上司のケビン・コスナーのその後の対応はステレオタイプだが、さすがにコスナーだけに納得させられる。
人種差別、性差別、家庭。これを全部克服していく彼女たちを愛さずにはいられない。三人は仲間だが、仕事上の問題が各々違う。それを解決していく三人の姿はスピーディな語り口で展開する。二時間超を全く感じさせない。音楽や衣装も最高。
もう一度観ようっと。優れた映画はその登場人物にまた会いに行きたくなるものだ。キャサリンたちにまた会いに行きたい。
ひとつだけ云うと邦題がひどい。原題はキャサリンが算出する隠された数字と歴史から隠されたキャサリンたちを指すダブルミーニングでしょ。こんな素晴らしいタイトルが日本ではドリームですか。
夢のために
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