夜は短し歩けよ乙女のレビュー・感想・評価
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らしさ全開突き進め湯浅
『夜明け告げるルーのうた』と共にほぼ同時期に公開された湯浅政明監督作。
レンタルで先に見たのはあちらだが、公開はこちらが先。
あちらも独特の湯浅ワールドだったが、こちらはもっともっとらしさ全開!
黒髪乙女の後輩を振り向かせようとする主人公“先輩”の恋愛奮闘劇で、一見ラブコメ的だが、湯浅監督の手にかかれば、
クセが強いんじゃ!
たまたま奇遇を装って、(な)なるべく(か)彼女の(め)目に留まる。
「黒髪の乙女振り向かせ作戦も子供っぽいですから、“なかめ作戦”としましょう」「では、なかめ作戦を開始する!」(某映画より)
…でも、先輩、やってる事ほぼストーカー。
奇遇を装って黒髪乙女の前に現れるのは勿論、彼女を振り向かせる為なら、激辛鍋を食べ、黒髪乙女が幼少時好きだった本を手に入れ、黒髪乙女がピンチヒッターで出る事になった劇の相手役に文字通り“飛び入り”参加する。股間にソフトクリーム付けられたり、フル○ンで黒髪乙女の前に…。
でもでも全ては黒髪乙女の為。
恋路は遠し走れよ先輩!
で、先輩ゾッコンの黒髪乙女。
純情そうな可愛らしい娘ではあるが、彼女またなかなか不思議ちゃんなクセモノ。
魅惑の大人の世界に憧れ、酒は強いわ、ヘンテコな詭弁踊りするわ、代わりに劇のヒロインやるわ、風邪ひいた皆を見舞うわ…。パンチも強い。
本作、この二人以上に一癖も二癖も三癖もある強烈個性キャラのオンパレード。
女装趣味のある学園祭事務局長、パンツを履き替えた事の無いパンツ総番長、エロい日本画収集のオヤジ、古本市の神、妖怪みたいなジジイ…。
ファンタジーでもあり、時々ミュージカル。
酒くらべ、古本市、学園祭…これら全て、一夜の出来事!
独特の作風、作画、演出。シュールで奇想天外な世界観。
正直、意味不明なシーンも多々。
でも、一本の作品の話としては『夜明け告げるルーのうた』の方が筋が通ってるかもしれないが、この不思議なノリ、テンポ、雰囲気はこちらの方が好きかも。
それでいて最後は先輩と黒髪乙女のラブストーリーとして終着。
天晴れ!
好きになったら、これ、ハマる。
しかしこのアニメの夜は長い
いきなりアニメなのにお酒の話になったのには面を喰らいました。
冒頭から「つまらない」と思った方、少しお待ちを。
全部観てから判断して欲しい。(大人目線として)それだけの価値はこの映画にはある。
お酒あり、古本あり、演劇あり、etc....お下品あり。
小説をアニメ化し、現実的な様で非現実な表現。
監督の表現したい事をありったけアニメ化した様な情熱や新機軸は伝わって来るが、万人に受けるかはまた別。映画館で観る様なモノかと言われれば私的に別。
(例えば、過去短編小説アニメ「銀河鉄道の夜」が面白くなかった人ははっきり言って面白くない。小説なら小説のままでいいんじゃない?的感じ。)
私は文学アニメとして見れば面白みがありました。
原作を読んでからだとより面白い!
ポップでキュートで面妖な京都ファンタジー
四畳半神話体系
スピード感そして言葉の力
どうしても粗い作品だと思ってしまう
25分で飽き飽き。
懐かしき京都の学生時代
京都の左京区のお話なので、学生時代に遊んでいた場所がそのままでてきて、街並みがあまりにリアルで、お話に吸い込まれるように当時のことを久々に思い出しました。
夜に街を歩き回る時間は今の方が確実に長いけど、学生時代、学校での制作を離れて皆で遊んだ夜の京都の街は、当時の私には知らない物と知らない人達が多すぎて、初めてのことだらけで、一夜で何日分ものことを経験したような気持ちになって、すごくワクワクしてたなぁとじわじわと思い出しながら、お話に必死について行きました。必死について行かないと、皆に置いて行かれる!と、当時の私の気持ちに戻るようでした。
戻りたいとかじゃなくて、それが今に繋がってる感じが自分の中ですごくしっくりきて、ボロボロ泣いてしまった。
すごく心地よい映画でした。
元気がなくなった時にまた観たい。
いつもの!
湯浅監督作品はマインドゲームしかみたことないけど、まんまあの感じで楽しめた。キャラデザインもどっかでみた昭和テイストのオシャレ美少女だー、と思ったらあの(名前わすれたけど)あの、お方がデザインしてた。端々にクレヨンしんちゃんの香りが散りばめられて、とても楽しい時間がすごせる!と思っているけど、なかなか体感時間は長い。でも、とりあえず上映前のトレーラーで散々萌えアニメ見せられて、食あたり起こしてたのに、あっという間に湯浅ワールドに連れてってもらえたのは嬉しかった。君の名はのヒットのせいか、やたらアニメの宣伝が目についたが、この作品を見に来るやつは萌えアニメ層とは違うぞ。そんなセンスじゃ、君の名はの二匹目のドジョウはすくえるはずがない。ま、たのしめた映画だけど、マインドゲームを見たときのような衝撃はなかったな。本好き、京都好きならばもっと楽しめたか?原作はラノベみたいなので、気になったから立ち読みしてみよう。きっと、映画とはまったく違う印象で笑えるはずだ!
湯浅ワールド
癖が強い
楽しめた
原作は読んでおらず、『四畳半神話体系』も見てない状態で鑑賞しました。友達が見たいと言うのに連れられて、あんまり期待せずに見たのですがものすごく面白かったです。
この作品の1番良いところはテンポだと思います。次から次へと話が進み、ジェットコースターのように気がつけば話が終わっているという感覚。常にセリフがある構成の力が大きいのでしょうか。
YouTubeが広まって以降、退屈な動画だと誰も見てくれないからという理由で、はじめしゃちょーのような、すごくテンポがいい、情報量の多い映像が世の中に多くなってる気がするのですが、これはまさにそのタイプで。2010年代の映像だなぁと最初から最後までひしひしと感じていました。
この作品の絵は基本ベタ塗りで、そこがまたIT革命以後、フォトショップが広まっている現代っぽさがあるな、とか思わせるのですが、そのことによって作り出される世界観がすごく好みでした。例えばベタ塗りだからこそ、主人公のワンピースがすごく魅力的に思えました。
また ベタ塗りにすることで、制作費抑えられるし一石二鳥だったのかなとか。
でも背景はものすごく描き込まれていて、情報量の多い映画だったから何度も見るときっと毎回新しい発見がありそうです。
でもでもきっとこの映画が面白い最大の理由はラストがドンピシャにハマるから!!有名な原作とだけあって脚本は最高でした。もちろん小説原作というのを忘れさせてしまうようなストーリーの雰囲気と合致しすぎている日本的な映像も最高でしたし。
ミュージカルパートが多いのでぜひ音響の良い映画館で見るのがオススメですよ!
四畳半神話体系が見たくなりました。
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