夜は短し歩けよ乙女のレビュー・感想・評価
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これはなかなかの良作。
見終わった後、スカッと爽快な気分を感じた。それも胸の中がポーッと温まるような、それでも爽やかなような。
この映画を見る前に原作小説を読んではいたが、原作を読んだから映画が面白いのか、映画自体が面白いのか。少し悩んだが、やはり後者であろう。細かなところは変えながらも原作を主体とした大胆な演出、アニメーションは原作を殺してはおらず、むしろ生き生きとさせるものだったと思う。
乙女に対する先輩の一途な思いが度々空回り、その中に挟まったユーモア。笑わされる箇所はいくつもあって、最初から終わりまで、観る側を飽きさせない映画だった。
ただ、(記憶が正しければ)原作は一年、それも春夏秋冬を通してストーリーは進むが、あれを一夜のできごとにおさめるには少しむりがあったとも感じた。ファンタジーなのだから、ツッコミをいれてはいけないのかもしれないが。
客受け目的かどうかは知らないが、声優は豪華な人たちがそろっていた。なおかつ、登場人物たちにしっかりと個性を与えるようなフィット感があった。つまり、キャスティングは素晴らしいものだったと、自分は思う。
乙女が歩く
個性的なキャラ、大きな動き、独特な言い回し。京都の長い夜が始まる。偽電気ブランなど、森見ファンなら一度は聞いたことがあるであろう単語も出てくるので、嬉しくなる。もちろん、知らない人でも分かるように、解説があるのが良い。乙女が歩く、不思議な夜を描いていた作品。
繋がる話
とても気楽にほんわかと観れる作品に思える。
嫌悪感を抱く人は多いだろう。
かくゆう俺もその1人。
作画もそうだし、色彩も「?」
語られる物語もなんだか有象無象だし。
物語の終盤に至るまで「なんじゃこりゃ?」との疑念を払拭する事はできなかった。
ただ…見終えた感想として、表題のような事を感じた。
文学作品然とした作風でありながらも、実に現代にマッチするネタであり、人の社会とそれに関わる人々を軽くしなやかに表現していたように思えた。
劇場公開作品としては、暴挙ともいえなくはないが…1800円の価値を見出せるかどうかは人それぞれであろう。
あれこれ感想を述べ合うのにとても適した素材がふんだんに投入されていて、勝手な妄想を掻き立ててくれる。
例えば京都という舞台を考えてみても、古都というイメージが付きまとい、作品の語る夜の懐の深さだったり、不可思議な登場人物たちへの説得力が付加されてたりする。
古本の祭りが大々的に開催される事への違和感の緩和だったりと、そこはかとなく必然性を感じたりするわけだ。
古めかしい街並みにカラフルな人物たちが存在する違和感が、不思議な調和を奏でだしてくれるのも「京都」のおかげとも思える。
妖怪のような街の実力者がいたりするのも。
あ、「鎌倉」もありかもね。
大学生たちの無駄に上手い歌唱力に、若さ故の才能と情熱の無駄使いを感じてみたり、溢れるエネルギーの暴走を感じてみたり。
様々な題材的な裏側とその必然性を妄想する楽しみがあった。
なかなかに深く良い話が詰まってた。
らしさ全開突き進め湯浅
『夜明け告げるルーのうた』と共にほぼ同時期に公開された湯浅政明監督作。
レンタルで先に見たのはあちらだが、公開はこちらが先。
あちらも独特の湯浅ワールドだったが、こちらはもっともっとらしさ全開!
黒髪乙女の後輩を振り向かせようとする主人公“先輩”の恋愛奮闘劇で、一見ラブコメ的だが、湯浅監督の手にかかれば、
クセが強いんじゃ!
たまたま奇遇を装って、(な)なるべく(か)彼女の(め)目に留まる。
「黒髪の乙女振り向かせ作戦も子供っぽいですから、“なかめ作戦”としましょう」「では、なかめ作戦を開始する!」(某映画より)
…でも、先輩、やってる事ほぼストーカー。
奇遇を装って黒髪乙女の前に現れるのは勿論、彼女を振り向かせる為なら、激辛鍋を食べ、黒髪乙女が幼少時好きだった本を手に入れ、黒髪乙女がピンチヒッターで出る事になった劇の相手役に文字通り“飛び入り”参加する。股間にソフトクリーム付けられたり、フル○ンで黒髪乙女の前に…。
でもでも全ては黒髪乙女の為。
恋路は遠し走れよ先輩!
で、先輩ゾッコンの黒髪乙女。
純情そうな可愛らしい娘ではあるが、彼女またなかなか不思議ちゃんなクセモノ。
魅惑の大人の世界に憧れ、酒は強いわ、ヘンテコな詭弁踊りするわ、代わりに劇のヒロインやるわ、風邪ひいた皆を見舞うわ…。パンチも強い。
本作、この二人以上に一癖も二癖も三癖もある強烈個性キャラのオンパレード。
女装趣味のある学園祭事務局長、パンツを履き替えた事の無いパンツ総番長、エロい日本画収集のオヤジ、古本市の神、妖怪みたいなジジイ…。
ファンタジーでもあり、時々ミュージカル。
酒くらべ、古本市、学園祭…これら全て、一夜の出来事!
独特の作風、作画、演出。シュールで奇想天外な世界観。
正直、意味不明なシーンも多々。
でも、一本の作品の話としては『夜明け告げるルーのうた』の方が筋が通ってるかもしれないが、この不思議なノリ、テンポ、雰囲気はこちらの方が好きかも。
それでいて最後は先輩と黒髪乙女のラブストーリーとして終着。
天晴れ!
好きになったら、これ、ハマる。
しかしこのアニメの夜は長い
いきなりアニメなのにお酒の話になったのには面を喰らいました。
冒頭から「つまらない」と思った方、少しお待ちを。
全部観てから判断して欲しい。(大人目線として)それだけの価値はこの映画にはある。
お酒あり、古本あり、演劇あり、etc....お下品あり。
小説をアニメ化し、現実的な様で非現実な表現。
監督の表現したい事をありったけアニメ化した様な情熱や新機軸は伝わって来るが、万人に受けるかはまた別。映画館で観る様なモノかと言われれば私的に別。
(例えば、過去短編小説アニメ「銀河鉄道の夜」が面白くなかった人ははっきり言って面白くない。小説なら小説のままでいいんじゃない?的感じ。)
私は文学アニメとして見れば面白みがありました。
原作を読んでからだとより面白い!
先輩と黒髪の乙女の長い夜のお話。
劇中に出てくる、電気ブランを飲んでみたくなりました!黒髪の乙女があまりにも美味しそうに飲むので……。
先輩の声は星野源さんがやられていましたが全く違和感がなく、作品に声が溶け込んでいて最後まで楽しめました。
内容の原作は小説なので、読んでおくとさらに楽しめると思います!
ポップでキュートで面妖な京都ファンタジー
最近のアニメみたいに、写真と見間違えるような質感をもった背景や人物ではなく、絵とは平面に色彩を乗せる事で表現するものだと言わんばかりのポップで古臭い絵柄が観ていて楽しい。センスある色彩。アニメーションならではの非現実的描写が、内容とも絶妙にマッチしている。森見作品の、男はひたすら情けなくてしみったれたロマンチストで、女はひたすらチャーミングで謎めいていて強靱な、そんな愛すべき人々が暴れまわるには、こんな表現が相応しいのではないかと感じた。
四畳半神話体系
四畳半神話体系と共通の登場人物が多数(というかほとんど一緒?)登場して来るので、事前に予習しておくと良いかも。
原作は知りませんが、アニメ同様テンポが良いので観ていて飽きません。
観終わって満足しますが、何か残るとかそういう感じではないですかね。
スピード感そして言葉の力
言葉のやり取りが秀逸。
よくもまぁ、これ程の情報量とスピード感でもふるい落されないように散りばめたものだ。
そのセンスには脱帽。しかもこのテンポならふるい落されたとしても何度でも観れてしまうではないか。
最初、一体何処に着地点がとなったが割りと序盤で物語の方向性がわかる。
音楽も面白い何よりアニメーションを存分に生かしきった動きが最高。
これぞ、アニメーション(笑)
ジブリも好きだが、こういう感じのタッチも好き。
この作品に限らず賛否は別れるとは思うけれども、それはそれで物議を醸す程の魅力があるということ。
他の作品も観たくなった。
論理とフィクションの融合
この絵とアジカンのファンというのが私がこの映画を観に行った理由でした。
ナカメ作戦をしている先輩の一目惚れの相手は、黒髪の乙女。彼女に偶然を装って声をかけ続けた彼は、一夜限りの不思議な夜、先輩は彼女の目当てのものを必死で手に入れたり、演劇に割って入ったりと走り回ります。
しかしその夜も終わりに近づいた頃、先輩は風邪をひいてしまいます。それを自分の気持ちに気付いた黒髪の乙女は看病しに風が吹きつけるなか先輩の家に向かいます。
これだけ聞くと、なんだか単純な物語だなーと思うだけだけど、その合間に入る沢山な人との出会い、起こる出来事の中に深いメッセージのようなものを感じたように思います。
結婚は惚れ込んだ相手とするべきか、自分の理性を守るために惚れていない相手とするべきか。
本は全て繋がっている。(物事に途切れはないということ)
古くから受け継がれているものを受け継ぐということでできる世代を超えたコミュニケーション......
など、出していったらキリがないくらいです。
先輩と黒髪の乙女との関係の変化で起こる出来事から学んだことがとても多かった と思いました。
絵も見応えがあり、可愛くてとても面白かったです!
(映画館いっぱいに流れるアジカンは相変わらず最高でした)
どうしても粗い作品だと思ってしまう
独特な世界観とか独創的なお話しというものは感じるけれど、本当に面白いと思えなければ、どうしてもテキトーだなぁと感じてしまう。
なんで星野源なのか?なんで花澤香菜なのか?なんで秋山竜次なのか?いらぬ疑問を感じてしまったのは、やはり作品に入り込めなかった証拠だと思う。全ては作品の質を高めるためだと思うけれど、客寄せパンダ的な要素を感じてしまうのは、下衆の勘繰りといったところ。
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