ムーンライトのレビュー・感想・評価
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アカデミー賞の作品賞を受賞した作品で、なんと自主制作映画。内容とし...
アカデミー賞の作品賞を受賞した作品で、なんと自主制作映画。内容としては、主人公シャロンの人生を少年期、青年期、成人期の3部に分けて美しく、そして静かに描いた作品。本当に素晴らしかった。
確実に普段映画を見ない人が見たら、この映画のことは好きとは言わないと思う。 https://t.co/XJuUN98oLq
救われたような気がします
「ゲイを差別する言葉だ」。このシーンで知らず知らずのうちに涙を流していました。自分でも理由がわからないのですが、もしかしたら私は、周りの大人にこういってほしかったのかもしれません。差別語を意識せず使う人たちに。その言葉を受けるしかない私に。
「ちゃんとした大人」の定義はよくわかりませんが、この映画で言うなら、怯え、悩み、苦しむ主人公に正しい姿勢で向き合う彼がそうなのだと思います
黒人映画のルーティン(?)をことごとくスルーしてる???
アカデミー会員は、取り敢えず『プレシャス(2009)』に土下座するべき。
『ムーン・ライト(2016)』
原題 Moonlight
(あらすじ)
学校では陰惨な虐め、貧しく、ジャンキーである母親から育児放棄されているシャロン(青年期:トレバンテ・ローズ)には、ドラッグディーラーのファン(マハーシャラ・アリ)と、そのその妻テレサ(ジャネール・モネイ)、仲良くしてくれる唯一の級友ケヴィン(青年期:アンドレ・ホランド)しかいない。そんな中、シャロンは、自分がケヴィンに抱く感情が、友情とは少し違うことに気付く。
しかし虐めに耐えきれず爆発した怒りは、激しい暴力となっていじめっ子を怪我させることに。少年収容施設へ入り大人になったシャロンに、ケヴィンから電話が入る。
"黒人映画のルーティン(?)をことごとくスルーしてる"と、プロの批評家さんが仰ってるんですが。
どこを、何を、スルーしてるって言うんだろうか。
90年代の
『ポケットいっぱいの涙』
『ボーイズ・オン・ザ・フット』
『ドゥ・ザ・ライト・シング』
『クルックリン』
『クロッカーズ』
あげたら切りがない!って(笑)
今までも、貧しさ、人種を乗り越えて、自分のアイデンティティを確立する映画は、たーくさん作られて来ました。
けれど、アカデミー会員と、プロの批評家さんがスルーして来たんですよ。
2016年のアカデミー賞で、クリス・ロックが何と言ったか知らないんだろうか?
もっと前なら、1989年にキム・ベイシンガーが言ったことを知らないんだろうか?
あ、まさかゲイの部分だけを取り上げて言ってるのだろうか。
貧しさ、人種、ゲイ。
『プレシャス(2009)』 を観たことないんだろうか?
『ゲット・オン・ザ・バス(1996)』を観たことないんだろうか?
アカデミー会員は、作品の善し悪しに関係なく作品を選んでいることが、今回ほど明らかになったのは初めてじゃなかろうか。
白人中流から富裕層向け人種差別映画『パトリオット・デイ』が、高評価なアメリカですからね。
第89回アカデミー賞授賞式で多くのセレブが現大統領の批判をしてても、心の中はどうか分かりません。
って、いう部分を映画『GET OUT』では描いているので、早く日本でも公開してください!!
アメリカ人の友人が「最近の差別主義者は分かりにくくなった。一定レベル以上の教養がある証明が、人種差別しないことだから」と言っていた。
さて、現大統領のお陰で日の目を見たと言っても過言ではない、本作。
内容は、あまり評価できません。
ファンの子供の頃のエピソードに由来する、また本作のテーマである月明かり。
確かに降り注ぐ月明かりのような映像は、切なく、儚く、美しい。
が、シャロンが最初にはっきりと自分の性に目覚める、ビーチのシーン。
寄り添う二人のバックショット、吐息、砂を掴む拳……、などなど。
いつの時代の演出か!?と。
こちらが恥ずかしくなるほどの、古くさいメロドラマ風の演出が多々ある。
大人になり、マッチョで金歯になったシャロンと、ケヴィンの甘く見つめ合うシーン。
ジュークボックスから流れる、センチメンタルな歌声……。
壁に寄りかかったケヴィンが、物憂げにタバコを燻らすシーンとか。
あぁ!『ブエノスアイレス(1997)』だな!って思いました。
そしたらやっぱり、監督がオマージュであるとコメントしてるみたい。
だって、まんまですもの。
しかし『ブエノスアイレス(1997)』は、レスリー・チャンと、トニー・レオンの繊細な演技と、映像作家であるウォン・カーウァイ監督の才能が相まって、芸術作品に仕上がっています。
でも本作は、ただただ幼稚で滑稽なシーンの連続です。
ロマンティックなシーンであればあるほど、失笑してしまう。
そうだなー。
ゲイ・エロティック・アーティスト:田亀源五郎先生が、ブエノスアイレス的なストーリーを描いた。
と、言えば、分かって頂けるだろうか。
PS そもそも、111分の短い尺で、主人公を3人の俳優さんが演じることも、無理があるのでは?
ブルー
人は生きる為に残酷さを持ち、生きたいと思う為に優しさを持つ。
リトルを包むブルーの海。シャロンを照らすブルーの光。ブラックに当たるブルーの灯。
そう、シャロンにブルーが優しく灯る時は、いつも必ずファンが、テレサが、ケビィンが、そばにいる。まるで、このブルーが人の優しさを表しているみたいに。
優しい優しいブルーの光をスクリーンから浴びたせいか、私は最後まで席から離れることができなくなってしまいました。
テーマは目を引くのかもしれませんが、登場人物の人格や背景などに繊細...
テーマは目を引くのかもしれませんが、登場人物の人格や背景などに繊細な人間観察に裏打ちされたリアリティというものがなく、話しと話しの展開もブツブツと切れているように感じ、話しに入りこめませんでした。
心が震えた
暗そうな映画だと思って、観ていなかったのですが… 人にすすめられて観たら、とってもいい作品でした。
「自分はアフリカ系アメリカ人ではないから同性愛者ではないから関係ない」
はたして、そうでしょうか?
第3部、主人公と母が会話するシーンから、私はずっと涙がとまりませんでした。
たとえ何年もたっていても、悪いことをしたと後悔しているのなら、そういう自分の気持ちを伝えたほうがいいと思います。
そしてラスト、思いを受け入れてくれる人、寄り添ってくれる人がいるだけで、この人生に力が与えられる感じがします。
これは性別とか人種とかと関係ない、普遍的な人間の愛の物語だと思いました。
大切な人にぜひ観てほしい映画です。
これが作品賞を取るのか
大本命といわれた「ララ・ランド」を破ってアカデミー作品賞を取った映画ですが、これが作品賞を取ったとは時代が変わったなぁと思いました。
私的な純愛映画で、音楽と映像が合っていてイイんだけど、何度も観たい作品化というと…
ララ・ランドの方が好きだなぁ。
純愛映画
人種差別を前面に置いた映画かと思って観に行ったが意外や意外の純愛映画。
そこまで一途かと思うほど。
もちろん差別がチクリチクリと出てくるけども。
再会の時に自分の身なりを気にするとことがマッチョな体なのになんとも可愛らしい。
ただ育ての親と同じような仕事をについてしまうとこは悲しい。
この映画をみた率直な感想は、黒人や同性愛者へ対する差別や偏見の意識...
この映画をみた率直な感想は、黒人や同性愛者へ対する差別や偏見の意識の違いだ。アメリカにおける黒人差別の問題はとても長く、未だに大きな社会問題であるのと同時に、同性愛者への偏見も、日本のそれとは比べることはできないだろう。日本で暮らしていると、当然ながら黒人という存在は身近ではない。同性愛に関しても、近年はBLだったり百合だったりと、日本においては比較的許容されている。黒人・同性愛という題材に対するアメリカと日本の社会的背景の差が、この作品のメッセージをどのように受け取るか、ということに大きく関係している。
青を基調とした美しい演出や、主人公の三つの年代に分けて描かれた物語は主人公の成長をよりリアルに感じさせ、自己のアイデンティティに葛藤する主人公と周囲の大人や友人とのかかわりは様々な問いを投げかけて来るものだった。けれど、この作品がアカデミー賞の脚本賞を勝ち取ったことの意義を真に理解することは我々には不可能なのだろう。だからこそ、アメリカ人ないしアメリカに住んでいる人がこの作品に対してどのような感想を抱いたかとても興味深い。
何かが我々を惹きつけるんです。
地元ではやっとこの時期に見れました汗。アカデミー授賞式での騒動やらで色々話題になった本作、不思議な映画でした。まさにインデペンデント系映画!ってかんじ。
成長過程での主人公シャロンの瞬間の一つ一つがどれもおしゃれなんです。R指定ということで結構身構えていましたが、逆にウットリしました笑。悲しい出来事が続くのですが、照らす光がいつもどこか落ち着かせ、引き込まれるのです。
一回じゃまだまだ味わいきれないように感じたので何度も見たいです!
もう一度観たい
昨夜映画館で鑑賞し、今日ネットで予告編を見てまた泣けてしまいました。
傷ついた心を隠して耐えて大きくなっていった成人のシャロン。
タフになろうと耐えて傷ついていく青年のシャロン。
ちっちゃく幼く守られる存在なのに傷つく少年のシャロン。
言葉少なくタフであろうとするけれど降りかかってくる不幸な事件に巻き込まれて「何も知らないくせに」と泣いてしまう姿に悲しくなってしまう。
唯一の理解しあえる人との再会、道に反れたけれどもまた軌道修正できるかもしれない、そう願いたいと思いました。
青光
黒人、ゲイというキーワードがなくてもとても愛しさと切なさと心強さに満ちた良い映画だったと思う。
男女だろうが男同士だろうが女性同士だろうが、ブラックだろうがホワイトだろうがイエローだろうが、愛するという事の美しさとそれが叶わないときの胸の締め付けは変わらない。
67
胸くそ悪い重い良い映画
この映画が身にまとうストーリーは重くて哀しい
主人公の境遇に過ごしでも当てはまるなら、映画を見た感想は他の人とは決して同じにならず個々人に過去を振り返らせる
最後の結末は虐めた側といじめられた側のセパレーションとしか捉えられるなかったけど、他の人の感想を読んで、同性愛のラブストーリーという捉え方ができるとは思わなかった。
見てて辛くなるのに、優しくて静かなラブストーリー
よく考えるとものすごいラブストーリーなんだけど、ラブストーリーによくある浮き足立った幸福感とか切なさとか悲しさが全然無くて、「あ、これラブストーリーだったんだ…」ってじわじわ分かってくるタイプのやつ。
色が鮮やかで目に残る。カラフルではないんだけど、視覚から強い日差しとか暑さが伝わってくる感じ。黒人の肌がとても美しく撮られていて、ハッとする。ラストで、夜の海辺に立つリトルの肩甲骨がグッと浮き出てた背中とか月光を浴びて青く光る肌とかね。すごいきれい。
でもそれだけじゃなく、そういうインパクトあるシーン以外の何気無い会話のシーンでも、黒く光る肌やくっきりした白目や彫りの深い顔が、素敵な造形として映し出されてる。
最初のシャロンの印象、若干イラっとするほど暗い。追いかけ回されて隠れて怯えてたところにいかにも怖そうなおじさんが入ってきたら、まぁ警戒するよなと思ったけど、それにしても喋らない。ずっと俯いてる。なんだこの愛想も明るさもない子供は…と思う。
でも、ストーリーを追っていくとなぜシャロンがそうなのか分かる。貧困地区で有色人種でゲイでシングルマザーでネグレクトでドラッグに囲まれてていじめ受けててって、何重苦なんだよ、みたいな状況で、シャロンはそれに耐えられるようなタイプの人間では無い。
なぜかわからないけどハードモードな人生を送らされて、出会うものすべてに怯えながら口を噤んで生きるしかない。リトルがユアンと海で泳ぐシーンで、水面が画面の半分を埋めている描写、見ていてすごく息が苦しくなるんだけど、たぶんシャロンの状況はあんな感じ。泳ぎ方を初めて教えてくれたユアンは、人生の渡り方を指し示した存在でもあるんだよな。大人になったブラックが売人になったの、ユアンの人生をなぞっているような側面も感じる。
まぁそのユアンもただのいい人じゃなくて、リトルの母親にヤクを売ってる張本人ってところが業が深い…って感じなんだけど。
シャロンとケヴィンが海辺で話すシーン、大好き。
海辺に出るまでの石造りの道、ぽっかり広い海が見えてて泣ける程きれいなんだ…。
「風を感じて泣きたくなる」っていうケヴィンに「泣くの?」って食い気味に聞き返すのとか、「泣きすぎて自分が水になりそう」って言っちゃうのとか、もう言葉の端々から相手への好意が静かに伝わってくる。淡々と半分友達を装うように話してるのに、セリフが絶妙にロマンチックで、ここほんとセンスが良すぎる。砂糖入れすぎないのが却って甘さを強調してるの、ずるい。
三章で、シャロンに似てる人を見かけて、その人が、長く会ってなかった好きな人との再会の歌をジュークボックスで流したのを聞いて、シャロンに電話するっていう流れも、さりげない語りのくせにめちゃくちゃロマンチックだよなぁ。
母親との関係性の描き方も良い。ユアンの台詞は後の章でも度々示唆になるんだけど、嫌いだけど、離れてるとこいしくなる、縁が切れない、そういう距離感。
薬やるわ男呼ぶわ育児放棄するわ怒鳴りつけるわ金はたかるわ、そのくせ都合の良い時だけ母親面してシャロンの行動を制限する、最低の母親だけど、半分眠りながらふと悲しそうに愛情を言葉にするシーンなんかを見ると、人間の弱さとジレンマを感じてしまう。愛情はあるのに、自分を律することが出来ない為に子供をないがしろにしてしまう。悪い親であることに変わりはないけど、気の毒で心をえぐられる。
息子と離れて、養護施設(?)で暮らすようになった後は、自分の行なってきたことを見据えるだけの冷静さが生まれてて、「愛してくれなくて構わない。でも、私は愛していることを覚えていて」と伝える。そんな重いこと言われるの、それはそれで辛いよなぁと思うので、やっぱりこの女自分勝手だなと思うけど、シャロンにとっては(子供のころには叶わなかった)愛情を示されることも重要な筈なので、まぁよかったのかなとも思う。自分の息子に「誰か母親みたいな人に相談してみたら」って、自罰と懺悔と後悔に塗れた言葉だよな。
一章から三章までそれぞれ違う俳優さんがやってて、細くて小さくて目がくりっと大きな少年期、縦にひょろっと伸びていかにも繊細そうな青年期、目が鋭くて筋肉粒々の成人後と、もう容姿がてんでバラバラなので同一人物として結びつけるのに一瞬ためらうんだけど、ちょっとした仕草が同じなので見てるうちに馴染んでいくの、面白いなと思った。特に三章は若干ショッキングというか一周回って笑えるくらい変化が凄い。あんなに大人しげな男の子が超ムキムキでガラ悪いお兄さんになっちゃって、何がどうしたのって。
ユアンも子供の頃は小さかったって言ってたけど、まさか伏線だったとは…。
二章のラストで、ケヴィンに裏切られ、何かがキレたように顔つきや仕草が豹変したけど、振り返って改めてそのターニングポイントの強力さに驚かされる。
ケヴィンからしたら、自分の浅はかさがそこまでシャロンを変えてしまうなんて、重いだろうな。シャロンがドラッグを憎んでいるのを知ってるから尚更。
で、「俺に触れたのはお前だけだ」っていう台詞。あー!凄いラブストーリーっぽい台詞ー!そうだなー!少年時代からずっとシャロンはケヴィンを見てたものなー!これで二人がサラッと結ばれてサラッと終わるの、潔い。もうちょっと続きそうなのに、ここで終わる。余韻。
辛くて寂しいことの連続だったけど、ここからはちょっと変わるのかなとか、でもまた何かの切欠で裏切られるかもしれないなとか、色々なことを予感させる。
観た後、現実てまじつらいな…って憂鬱な気持ちになるんだけど、静かな映画なのに印象的なシーンが多く、凄く味わいがあって、好きだなぁと思う。
アカデミーとってる
そう考えると、すごくない?
ストーリー的にも、最後には、不思議と温かくなってきた!
明確な答えとか、勝利したとか、ハッピーエンドとかないけど、ものすごく突き刺さるものがある!
助演男優も納得かな!
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