「温かいぬくもりを抱きながら」未来よ こんにちは ヒポリタさんの映画レビュー(感想・評価)
温かいぬくもりを抱きながら
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母の期待のままに学位を取り哲学の教師となった女性。
歳を重ねるうちに夫はいつの間にか心が離れていた事実を突然に突きつけられ、介護をして来た母もこの世を去り… まるで人生の整理整頓が一度期にきてしまったかのような状況に主人公は戸惑いながら、時にはむせび泣きながら、しかし淡々と行きて行く。
今まで期待に応えようとしてきた、対象である母という軸を無くした時、自分自身とは?と考えさせられるものなのだろう。
しかし、常に哲学を持ちしこうしながら前を向く主人公に悲壮感はない。何かに依存したりすることもなく、非常に好感を持てた。
温もりを感じつつもあっさり整理整頓されてしまう意外な家族もいるけれど(笑
理性的な判断なのでしょうね。アレルギーだから。
ラスト、アンチェインド・メロディーが流れる中、その抱きしめる愛おしいもののずっしりとした重さ暖かさを感じ、少し涙が出た。
映画とは関係のないところで大変に残念なのが、予告やキャッチコピー。 主人公は孤高の女性だが、おひとりさまするシーンはあまりない。むしろ教え子たちや家族とよい距離で関わり続けている。 おひとりさまとはけして悪い言葉ではないが、 夫と別れ自立した前向きな姿勢の女性=おひとりさま はちょっと違うかと。 それと、「自分のために花を買う」とポスターにあるが⁇花はどれも人から贈られていたような…ヽ(´o`;
なんだかそこだけが気になったが、 イザベルユペールの美しさと、フランスの風景、整理された本棚にテーブルに花束のある家。
上質な時間を味わえる映画だ。 もう一度観たいな。
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