未来よ こんにちは
劇場公開日 2017年3月25日
解説
「あの夏の子供たち」「EDEN エデン」などで注目されるフランスの若き女性監督ミア・ハンセン=ラブが、同国を代表する大女優イザベル・ユペールを主演に迎え、孤独や時の流れを受けとめながら、未来を信じて生きる女性の姿を描いた人間ドラマ。2016年・第66回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した。パリの高校で哲学を教えているナタリーは、教師の夫と暮らし、2人の子ども独立して充実した人生を送っていた。ところがある年のバカンスシーズンを目前に、夫からは離婚を切り出され、年老いた母も他界。思いがけない出来事が次々と起こり、気が付けばおひとり様になっていたが……。
2016年製作/102分/PG12/フランス・ドイツ合作
原題:L'avenir
配給:クレストインターナショナル
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2019年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ずっと続くと思っていた安定した人生が自尊心を傷つけられる形で崩れ始め、孤独に苛まれる中年女性をイザベル・ユペールが演じている。
邦題からもわかるように映画のテーマは孤独からの再起といったところだが、あからさまな変化を描かないところがフランス映画らしい。
ナタリーの安定した人生は情熱を捨て去ることの代償だったかもしれないが、それに気づいたところで情熱など簡単に取り戻せるものでもない。
それでも孤独を受け止め、新たな生活になじんでいくさまに不思議な穏やかさがある。
おデブの黒猫パンドラが印象的だ。
アルプスのふもとで一夜の冒険に出てナタリーを心配させるが、朝方無事に帰ってきた彼女はナタリーにネズミのお土産まで持ち帰る。本能が目覚めたのだ。
「箱を開けることで様々な不幸が放出されるが、底には希望が残る」というパンドラの箱の物語がベースにあることは明らかで、パンドラはナタリー自身のメタファーに使われているのだろう。
終盤、孤独を癒してくれていたパンドラをナタリーが手放すことを最初は不思議にも思ったが、パンドラ=ナタリーと考えればそれも必然。本能に目覚め自然の中自由に生きるパンドラが、自身を解き放つナタリーと重なる。
穏やかなラストと音楽が胸に小さな感動を引き起こし心地よく見終えたのだが、監督が30代の女性と知って少し引っかかるものを感じてしまった。
50代後半を年寄り扱いしすぎじゃないでしょうか。ま、ただのひがみだけども。。
監督がそれなりのお歳になったら、きっとナタリーにもう一花咲かせたくなるんじゃないか、そんな風に思ってしまった。
2018年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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映画「未来よ こんにちは」(ミア・ハンセン=ラブ監督)から。
主人公は、パリの高校で哲学を教えている女性、ナタリー。
「子どもたちは独立、夫が離れ、母が死んで・・
やっと自由を取り戻した」と自分の置かれた現状を分析し、
「初めての完全なる自由、すばらしいわ」と呟く。
しかし、生き方があまりに哲学的で、観ていて息苦しいのは、
「凛として生きる」を実践してきたからだろうか。
その生き方に、教え子が反論するシーンがある。
「思想と行動を一致させねば・・」と。
「先生とは違う。価値を変えるほどの行動はせず、
生き方を変えるほどの思想も持たない、(先生とは・・)」
「具体的に?」と、まだ気付かない先生に、彼は言い返す。
「デモや請願をすれば政治参加した気になって、
良心を痛めず暮らせる。
人生は欲望があれば、幸福でなくても期待で生きられます」と。
そして最後に「幸福を手に入れる前こそ、幸福なのです」
なんだか哲学的だなぁ、と思いながらも、若き女性監督は
「未来を信じて生きる女性の姿」を描きたかったんだよなぁ。
2018年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
主人公(イザベル・ユぺール)は高校で哲学を教えている。
子供は二人とも家を出ている。
ある日突然、夫から離婚を言い出される。
そしてわがままな母親を老人ホームに入れるが、亡くなってしまう。
訪ねてきてくれた男の教え子と話すのはとても楽しい。
いろんな事象が起きるが、説明はほとんどされず、観る側にゆだねられている感じ。
イザベル・ユぺールはいいなぁ。
2018年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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大女優でありながらどんな役柄も厭わないユペール大先生が
こんな普通の主婦役というのがかなり新鮮(哲学教師だけど)
どちらかというとアクの強いお母上の方が強烈な印象を残す。
子供達が独立した途端、夫からは離婚、母は急死、突然独り
ぼっちになってしまう大先生だがやはりお強い!そんな彼女
が見たくて見ている性分にはピッタリのイメージだったけど、
普通の役をやっても目が離せないなんて大女優はやはり凄い。
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