パターソンのレビュー・感想・評価
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JIM JARMUSCH Retrospective 2021 毎...
JIM JARMUSCH Retrospective 2021
毎日同じことの繰り返しなんだけど、徐々にその日常に引き込まれていく。主演のアダム・ドライバーはもちろん、登場人物一人一人がいい味出してました。
市井の詩人
パターソン (ニュージャージー州)はニューヨークから北西に35Km、バスを乗り継いで1時間もあれば行けるでしょう。映画にも映っていた大きな滝のある街で水力発電などで古くから工業の栄えたところでした。劇中では詩がサイドテーマのようですがジャームッシュ監督は若い頃に詩人のウィリアム・カーロス・ウィリアムズがパターソンにささげた詩集(劇中で永瀬さんが持っていた本)を読んで、とても興味を持ち何度も街を散策したようです、バスやバーでの人々の会話に触発されて映画化の構想を温めていたとのこと。主人公の名前もパターソン、バスの運転手をしながら詩作を嗜む物静かな青年で美人の妻とブルドックの倹しい暮らし、そんな一家の一週間が淡々と綴られる。
主人公の詩はアメリカの詩人ロン・パジェットの作、冒頭からマッチへの執着のような詩が綴られるが私には良さが分からない。少女の詩の方がましに思えたがこちらは監督が創ったそうだ。
終盤になって永瀬正敏が出てきたのには驚いたが、監督は滝の風景から日本を連想し、以前、同監督のミステリー・トレイン(1989)に出演していた永瀬さんに声を掛けたそうだ。
愛妻家ではあるのだろうが奥さんのパイを褒めながらも水をがぶ飲み、カーテンの模様の褒め方も素っ気ない、何気ない生活の一コマなのだが頷けてしまうから可笑しい、可笑しいと言えばブルドッグのマービン、留守番中の悪戯はよくある話ですが、ご主人の大事な詩のノートをビリビリにしてしまうのですが、いつも散歩中にバーの外で待たされる意趣返しのようでもあり受けました。
こういう平凡な日常描写はベテラン監督の腕の見せ所なのでしょうがなにせ単調なので若い人には退屈な映画かもしれませんね。
特別変わることのない日常
2016年11月22劇場鑑賞
朝起きて仕事に出て、帰りにいつもの店で一杯やって、特別変わることのない日常を淡々と描いた作品。
そんな日常の中でも美しさを見つけ、それを詩に紡ぐ。そんな小さな優しさがあります。
そもそもアダム・ドライバーがバスドライバーってのも、何ともジャームッシュならではのキャスティングですね。
しかも詩人、とてもユニークです。
また、この突飛とも言えるキャラクターに、アダム・ドライバーがすごいハマってます。
ユニークといえば、詩の制作に入ると風景や音楽が変わる演出が面白い。
一歩間違えるとただの笑いになってしまいそうですが、そうならないのがうまい。
そして「ミステリートレイン」以来ですよね?永瀬正敏がまさかの出演。
何でもジャームッシュから直接出演依頼が来たらしいですね、これは嬉しかったろうなぁ。
しかもこれが中々良い役所で味があります。
繰り返す変わらない毎日にも小さな変化があって、それは実は幸せの積み重ねで、そんな事を気付かせてくれました。
アダム・ドライバーの低音ボイスが会話とは違う”間”で言葉を紡ぐ。詩の朗読がよい。
一言でいうとアダム・ドライバーが演じるバス・ドライバーの何気ない一週間の話。
本当にただの日常。トラブルも些細なこと。大きな伏線もない。
でも異常なほど心地よく見れる作品。
まるで極上アンビエントを聴いてるかのよう。好きです。
バスの乗客の世間話に耳をかたむけたりする。
普通の映画ならのちの大きな出来事の伏線になったりするモンだけど今作は違う。世間話はただの世間話。
毎日のルーティンな生活がほんの少し変わる。
同僚の愚痴が変わったり。でもそれだけ。
いつもの日常レベルの変化を描く心地よさ。
アダム・ドライバーは堅実な人間。
妻は色々と影響されやすいアートな性格。急にギターを買ったり、カップケーキで生計を立てると言い出したり。
芯の部分でズレてるのに不満はなさそうな夫婦。うーん、おもしろい。
アダム・ドライバーは本当にいい役者だなぁ。
自分のこと、大切な人のことでもなんか他人事みたいにしゃべる。
生粋のまわりに振り回されるオーラ。
見た目もしゃべり方もすんごい個性があるのにしっかりその作品の役になってるのが素晴らしい。
アダム・ドライバーが詩を書いてそれを朗読するシーンが幾度も挿入されるのだけど、それが本当に心地良い。
あの低音ボイスが会話とは違う”間”で言葉を紡ぐ。
詩はそれほど興味のなかったけどこの映画をみて”なるほど、そういうことか”とナニカがわかった気がする。
独特
パターソン夫妻と街の人々の日常だなあと感じました。毎日のご夫婦の生活。詩人で真面目な夫とマイペースで個性的な妻。朴訥なご主人が天真爛漫な妻の料理に文句も言わず、だけど水は大量に飲んでいるシーンが可笑しかった。このご夫婦はとても深い深い感性の水底でつながっているんだろうな。うらやましい。
観ていくにつれて、心のなかに、この日常が崩れることがないように祈っている自分を見つけました。ドラマや映画って大抵はこの日常が壊れるストーリーだったりする。だから、最後まで普通だったことがなんだか嬉しいというかこれが人生だよねって思えた。
パターソンのパターソンさん
大好きな映画。
何回観ても好き。
音楽が微妙に暗くて怖いのも割と好き。
7日間、パターソンは目が覚めて、
隣には奥さんが寝ていて、
ポストの位置を直し、
仕事へ行き、
犬の散歩がてらバーに行ってビールを飲んで帰る。
ルーティンなのに、毎日同じではなくて、
誰かが彼に、彼が誰かに何かを仕掛ける。
ちょっとしたことなのに。
それが特別な日になる。
何回観ても発見があって面白い。
途中で、「ムーンライトキングダム」の主演二人がバスで話してるのが、ジム監督があの映画が好きなのかなと。勝手に想像 笑。
2回目の鑑賞
誕生日の映画として選ばせて頂きました。
“生きていることに意味がある”と思える映画だと
改めて感じました。
こんなにも何も起きないのに、
こんなにも人を救ってくれる映画ってあるのだろうか。
アダムドライバーの凄さよ。
これだけ、セリフなくて、キャラクターというものを作り上げられる彼の存在感すべてが価値のあるものですね。
カラー版「ストレンジャー ザン パラダイス」
以前、劇場公開されていた時に観られなかったので、アマプラで鑑賞。日常のなんでも無いような日々の出来事で悲しんだり、幸せに感じたりと、ほのぼのする作品でした。
ただ、ラストシーン、あの人が出てくる必要があったのだろうか?
寝ちゃった、、、
ごめん、寝ちゃったのでもう一度観ます!笑
アダム・ドライバーを見たいだけだったの笑
かっこよすぎて、好きすぎて、寝ちゃった
批判的に言うなら"おしゃれ映画"の"雰囲気映画"だけど
それよりもう少し哲学的だったかな…
いや、アート的だったかな
遊び心満載で
なんといっても奥ちゃまのモノクロセンス♡
あれが一番おしゃれだったわね
想像でものを言えば
あの夫婦、子供がいない、風が通り過ぎる感じ
ほんのちょっと虚しさを感じるのよねー
子供がいたらおしゃれもへったくれもないもんね
そんなことはいいんだけど
永瀬さん、いる?笑
詩のノートは喰われてよかったね…
大した詩じゃなかったよ?
帰省する映画作家
故郷に帰ってきたような感じがする映画がある。僕の場合は小津だったりヴェンダースだったり、ジャームッシュだったりだ。
公開年からして高校一年だったようだが、初めて映画雑誌を買った。たぶん「スクリーン」だ。巻頭カラーにはブラットパックがひしめいていて、トム・クルーズがビリヤードをやったり、クリストファー・トーマス・ハウエルが顔を黒く塗ってバスケをやったりしていた(思えばアレはいまなら公開できないんじゃないだろうか)そんな紙面の中頃に、映画評論家の投票によるその年のランキングがあって「ストレンジャー・ザン・パラダイス」が1位、「ダウン・バイ・ロー」がベストテン内にあって、なんだこの映画は? 1位なのになぜ他に記事がないんだ?と疑問に思い、新潟はカミーノ古町のいまはなき映画館で見て、こんな映画がアリなんだ、と衝撃を受けたのだった。
当時はストレンジャーが比較級だってことも、ローが法律だってことにも気づいてなかったけれど、いま思い返すとあれが原体験だったのかもなあ、なんて中年のおっさんは感慨にひたる。
例によってジャームッシュとは、「コーヒー・アンド・シガレッツ」以来二十数年ぶりだ。すっかりご無沙汰していても変わらずに歓迎してもらったような感じがした。やっぱりホームタウンはいいものだ
いつもと変わらない平和な日々・・・
こういう静かな映画大好きです! こうやって穏やかな毎日を送りたいです。 嫌な人間が誰も出てこないのもよかったです。 奥さんも自分は色々挑戦してもパターソンに無理やり薦めたりやらせたりしないのもよかったです。ワンちゃんが詩のノートをビリビリにしちゃったのはパターソンがわざと置いたのかと思っちゃいましたがどうなんだろう、コピーするの気が退けてたみたいだし、詩を表沙汰にしたくなかったみたいだし。 考えすぎかな(笑) 7日間だけでなくもっと2人の毎日を観ていたかったです(^-^) 奥さんのカップケーキとチーズと芽キャベツのパイが食べたい(笑)
ジムジャームッシュ苦手さんに!
実は私はジムジャームッシュ苦手さん
無駄にシリアス無駄にアンニュイな普段のジムジャームッシュの、その癖が詩を柱にすることによってまろやかになっている気がする
内向的でパターン化された毎日でもいいじゃない!
むしろ何も起こらないで欲しいとみていて願ってしまうのはアダムドライバーの役柄にこちらも自身を投影してしまうほど、その役柄が魅力的かつ身近だからであると思う
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