パターソンのレビュー・感想・評価
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美しい
どこかのちょっと田舎町的な雰囲気も感じるパターソンという場所
その街でバス運転手をしながら詩を描いているパターソンという青年
結婚しており奥さんは白黒に夢中なアーティスティック(エキセントリック?)な女性
奥さんは売れてお金持ちになることを夢見ているのだろうか?
色々な事に挑戦する
そんな奥さんも旦那の詩に対しては絶賛し世に出ることを勧めてる
劇中の詩作を通じて流れる映像は色付けされていくかのようで
美しく何か独特な力を映像に与えている
ひたすら緩やかに流れる日常の時間の中で
主人公が詩作に没頭する姿に
創作する事とは?と問いかけられてるような気分になった
俺も何か作ろう...そんな気分にさせられた
デイリーニュース
のように毎日同じ時間に同じようなことを繰り返すが、よく見るとその日常は毎日新しくて、決して平凡であったとしても感じ方一つで楽しくもなり、感傷的にもなる。
そんなパターソンの日常を切り取り、少しづつ変化する新しい毎日をジム・ジャームッシュらしくゆっくりと時間をかけて見せていく。
少しの時間だけ出演する永瀬正敏が、、、。
永遠不滅
パターソンはバスのドライバー。同じドライバーでも、「タクシードライバー」のトラヴィスは、民主主義の理想と現実の狭間で、「腐敗しきったこの街を俺が浄化してやる」と決意した。
イギー・ポップは放蕩三昧に生き延び、次の世代の反逆児ロックスターの手本となった。
スマホの父、スティーブ・ジョブズによって、アメリカン・クールはついに消費至上主義のロジックにまみれてしまった。
そこで、ジム・ジャームッシュは自分の撮る映画を不滅にすることで、私たち市井の人々の営みを永遠不滅の価値あるものにしてくれた。
反復はそれぞれ独立して存在しているのではなく、互いに連鎖をなして支えあっている。それゆえ一連の創造と芸術は一連の反復によって生まれるのかもしれない。
小さなマッチ箱、バスのお客さんのおしゃべり、あちこちで出てくる双子のイメージから、そんなことを感じた。
そして。魂の回復は見ず知らずの他者との共有のなかにあると気づかせてくれた。
余韻がハンパないチャーミングな名作。
穏やかな日常なのに退屈さを感じない。
パターソン氏の持っている物がセンスが良い。奥さんの突飛な行動に少し困ってはいるけど本気で怒っているわけではないところに愛情を感じる。全てが詩的に進行していき、実際に詩を詠む心を持っている人には日常がこう見えているんだろうなと感じる。街の景色も綺麗で、散歩できる場所に住んでいるって良いなあ。感性とは、自分の人生を楽しむための道具なんだと思えた。連想した著書は、レベッカ ソルニット「ウォークス 歩くことの精神史」と四元康祐「偽詩人の世にも奇妙な栄光」。
丁寧に平和な日常を描く。
パターソンですごす彼パターソンは平凡な1日1日に、小さな幸せを見つけ、小さな発見を見つけ、そしてそれを詩にする。携帯も持たない彼そのものが名前の通り、まるで街パターソンを映し出す。愛犬とのつながりもクスッと笑ってしまう。ここまで日常を、丁寧に表す映画はあまりない、そして誰が見ても心地よーく平和に観れる。
日々を自然に穏やかに過ごすパターソンと、新たなことを楽しみ、独特な自分を表現しているローラ、2人の対比が、結婚しているのと同じようになぜだか、マッチしているの。
ローラの独特すぎるセンスがなんだか憎めない。
毎日同じように過ごしているけれど、毎日違うポエムができる、普通に見せかけて独特な視点を彼も持っている。そこが、心地よい映画を作り出した理由の一つなんだろうな。わんちゃんが、毎度ポストを傾けたり、キスしてるのうーーってうなったり、わんちゃんも、1人の俳優だったなぁ。マリッジストーリーや、パターソンを観ていると、SWのときのアダムがまるで、違う人間のように思え、また、隠れた優しさがちょろっと出てくる理由がわかった。
心が通じ合うという気持ちよさ
アダム・ドライバーの佇まい、声、表情。俳優としての器なのか、監督の力量なんでしょうか、なんかこの作品に他の演者はありえないのではないかと思えた。映像もセリフも静かにそっと傍らに寄ってくれるような、それも決して嫌味ではなく。幼馴染としみじみ昔を振り返っていたような2時間でした。彼女とパターソンの会話は言葉は少ないけど気持ちが本当に通い合って素敵。とても好きでした。
愛しい日常
噛み合ってない夫婦、変わらない日常。
なるほど、この映画はパターソンの日々のストレスが
終盤に爆発し、パターソンの町が火の海になる話だな!
と予想を立てて観てたのだけど、
月曜日、火曜日のバスの乗客の会話を見て、
ジャームッシュぽいなと、思って調べて観たら
監督はジム・ジャームッシュで、見方を変えました。
代わり映えのない日常のパターソン個人の話だなと。
同じルーティンで毎日を暮らす主人公。
何故か部屋の中をモノトーンにして行く空気の読めない妻。
バーで会う逆、バスの乗客。ブルドック。
これが主人公の全て。
なのだけど、地味な暮らしの中にも不思議な事がたくさん
起こる。
乗客の馬鹿な会話、仲の良かったカップルが別れたり、
やたら出て来る双子たち、バスの故障、
ランドリーのラッパー…
僕も、10年ほど日記を付けてたのだけど、
毎日同じ事の繰り返しばかり描いてる気がして、
何かした方が良いんじゃないか?と
その変わらない日々を愛せなくなってしまったけど、
パターソンはこの日常を愛してて、
代わり映えのない日常の素晴らしさに気付いてる
同じ日々が良いんだよ。と言ってくれてる気がして
とても嬉しかった。
これからどうやって生きようかと悩んでる時に、
全く違う場所から来た日本人と出会い、
詩を共通点として、ノートを貰い
また同じ日々を戻って来る。
不思議だけど、運命って、こういう出会いってあるよなと
感じる最高のエンディングだったと思います。
バスの運転手の何気ない1週間。
『パターソン』鑑賞。
*主演*
アダム・ドライバー
*感想*
朝6時帯に起床→妻にキスをして、出社→バスの乗客の話を聴きながらバスを走らせ、帰宅した後、愛犬のブルドッグと夜の散歩(マーヴィン可愛かった!)→いつものバーで一杯だけビールを飲む。
それが本作の主人公パターソンの何気ない日常。
バスの運転手ですが、合間に詩を考えながら、持参のノートに書き留める。妻はカップケーキ作り。
正直言って、退屈な映画です。しかし、この「何気ない日常」こそが見所。コロナの影響で普段の日常生活が一変した今、この作品を見つけてとても癒されました。
一週間の日常が描かれおり、様々な人間模様、一期一会のようで、「詩」を通して映し出されています。中には、ヒヤッとする場面がありますが、とても優しいです。そして、ほっこりします。(^^)
アダムドライバーの演技が良かった。
あと、永瀬正敏さんが出てました。
ちなみに、アクション要素やサスペンス要素は一切ありません。100%ヒューマンドラマです。
緊急事態宣言が延長、コロナの影響で色々と大変な時期だからこそオススメしたいです。
退屈ですが、とても素晴らしい作品でした!\(^^)/
安定のジャームッシュ節!
ニュージャージー州のパターソンに住むバスの運転手パターソンの日常。
決まった時間に目覚め、バス運転の仕事のかたわら、趣味の詩をつづる。ちょっと変わったパートナーとも仲が良い。仕事が終われば犬の散歩がてらに、いつものBARでビールを飲む。
特別な事は何も起こらない日常が、ジャームッシュが撮ると、そんな時間こそがかけがえの無い日々と思える。なんだろねー いいわー
アダムドライバーもいい味。ジャームッシュ節健在!
ペパーミントグリーンが何故か良い
日常に非日常をチョイと加えて
ジム・ジャームシュ×アダム・ドライバーは観ないといけないよね。たぶん、生真面目で神経質な主人公の何気ない1週間を描く映画。
朝起きて、仕事して、詩を書いて、バーで飲んで、家族との何気ない幸せを感じる。そんな日常。一歩間違えたら酷評になりかねないけど、そこはジム・ジャームッシュ、観る人を選ぶ、いや…観たい人が観る映画でした。
ちなみに主演の女優さん、どこで観たかなぁ…と思っていたら『ババールの涙』だった。
確かなのか、儚いのか。
ゆるい日常系なんだけど、なんとなく不穏な印象が残るのは音楽のせいだろうか。
目の前の現実が、実はすごく儚いというか
今にも崩れちゃいそうなアンバランスさを感じてしまった。
作品を通して感じたのは、自分の感性を信じてあげようっていうメッセージ。
気ままな彼女の表現を優しく受け止めるパターソンがたまらなく魅力的だし、
誰に読ませるでもない詩を書き続けるとこも素敵だと思った。
最後に急に永瀬正敏が出てきて、ちょっと笑っちゃった。
旅行に行った詩人って設定なのに、あのカバンとスーツなのかよって。
アダム・ドライバーの出演作はいくつか見たけど
彼にはこういう役こそ合ってると思う。
ヤング・アダルト・ニューヨークも良かったし、ブラック・クランズマンも良かった。
あの酷い出来のスターウォーズで初めて知った俳優だけに、
こんなに良い役者なのかと気づかされた。
何気ない日常が素晴らしく思える!
バスの運転手パターソンの日常を描く。
この何気ない日常が
素晴らしく思えるのは私だけだろうか。
毎朝、妻にキスをして目覚め、仕事へと向かう。一日仕事をこなし、帰宅。妻と夕食をとった後、愛犬と散歩をする。バーへ立ち寄り、ビール一杯を飲んで、寝床につく。趣味は、詩を書くことくらい。
時折、パターソンの朗読する詩が
いつもと変わらない日々を
彩り豊かにする。
愛犬マーブル、そして、
日本人の詩人永瀬正敏との出会いは、
穏やかに流れる日常に
小さな波紋を起こし、
パターソンの心を揺れ動かす!
心洗われる映画に出会いました!
何故にこんなに心地よい映画なのか…
ジム・ジャームッシュ監督の作品は好きで本作が私にとって4作目。
いつものジム・ジャームッシュ監督と変わらず、ストーリーに起伏は無く、1週間の日常が淡々と流れる様を描いており、ウィットに富み、クスッと笑える会話が小気味良く続く。
ただし、少しの不気味さが作品全体を引き締めているように感じる。奥さんは自由で変わり者だし、奥さんが夢で見たって言ってた双子がちょいちょい出てくるし… 不気味な部分が多々ある。
パターソンにアダム・ドライバーは適役だった。幸が薄い表情で孤独なドライバーを完璧に演じきった。僕はパターソンがいつか発狂するのではないかとハラハラしていたが…
田舎町パターソンでゆったりと流れる時間、詩を紡ぐ男パターソン、一週間の彼のルーティンを見ているだけで何故こんなに心動かされるのだろうか。なぜ2時間の鑑賞時間で飽きなかったのか。どうしてこの映画をこんなに好きになってしまったのかもハッキリわからない。
やはりジム・ジャームッシュには頭が上がらない…
【一日一日を愛する人と共に丁寧に生きる事の大切さに気付かされる。アダム・ドライヴァーの新たな魅力とゴルシフテ・ファラハニのエキゾチックで超絶な美しさに改めて魅入られた作品でもある。】
パターソン(アダム・ドライヴァー)は毎朝、判を押すように6時過ぎに起床。美しき奥さんローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)は隣ですやすや眠っている。奥さんにキスをして、朝食を摂り、歩いて職場へ。
彼の仕事は、ニュージャージー州パターソン市のバス運転手。
運転しながら、街の風景を眺め、様々な乗客の会話を聞き、パターソンは秘密のノートに詩を綴る。
ローラと夕食を摂り、愛犬と散歩に出て、行きつけのバーで一杯だけビールを飲み帰宅。ローラと就寝。
<一見、変わり映えのしない生活が描かれるが、ジム・ジャームッシュ監督らしい描き方でしみじみと面白い。>
月曜日~日曜日までの毎日が、僅かな違いを挟みながら描かれる。
・双子(至るところで目にする・・)
・行きつけのバーでの痴話喧嘩
・カップケーキを作るローラ 土曜日に市場で売り、完売して喜ぶローラ。優しくローラを見つめるパターソン。
・届いたばかりのギターでパターソンに曲を弾くローラ。
・パターソンの秘密のノートが愛犬に粉々にされる・・。(動揺するパターソン・・)
・公園で日本人の詩人(永瀬正敏)に会い、会話を交わす。
そして、又月曜日を迎える・・。
<ジム・ジャームッシュ監督が描き出す、単調だが幸せな日常に魅入られる:休日の午後にお茶でも飲みながらゆっくりと観たいような作品。とても好きな佳品である。>
<2017年10月28日
車を一時間半走らせて、劇場にて鑑賞:セカンド上映。
久しぶりのジム・ジャームッシュ監督作品。
ゴルシフテ・ファラハニのエキゾチックな美しさとも併せて、良かったなあとしみじみと思った作品でもある。>
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