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日本の映画でロードバイクが出て来るものなどまるで観たことが無い。
外国の『レーサー/光と影』『疑惑のチャンピオン』はいずれもドーピング関連であった。
特に『疑惑のチャンピオン』のランス・アームストロングはそれまでトレーニングの書籍も出すなど尊敬できる選手と思っていたのが、とんだどんでん返しであった。
今回のこの「神さまの轍」すがすがしい青春映画、ロードバイクの魅力に取り憑かれた若者達の映画 と言うのか文部省推薦のN○K教育テレビ中学生日記長編版と言うのか
実に素朴なリアル映画でしたなぁ
最初観る前期待していたロードバイクの抑揚感は見事に裏切られた。
自転車レースは本作では重要ではない。ボートでも、陸上でも卓球でも何でも良い。
ロードバイクが好きだから見に行く映画ではない。
たまたまロードバイクがでてると言うだけである。
主人公は天才と平凡な若者2人が出てくるが、平凡な若者を主眼に置いているため、万民向けになってしまっている。
なのでなぜ天才児が日本代表を放棄して故郷に戻ったのか、はっきりと述べられて無い。今どのような感情なのかも察しる程度で止めている。
私は天才児の方を主眼にして欲しかった。
まあ、興行成績などを気にした結果なのかもしれないが、やや、ロードバイクの映画としては中途半端にならざる得ない。
この際、ロードバイクファンも増えていることから、思い切った映画にして欲しかったなぁ〜
あらすじ
「中学生3年の進路のあり方の模索中で、しかし自転車好きの友達どうし。
天才肌の若者と平凡な若者が、その後の人生でそれぞれの道を歩むが、方や挫折した日本代表のプロのロードレーサーと方や自転車を止めてしまった平凡な塾講師、紆余曲折の末、故郷で二人が再開する。
互いの思いが分からぬまま、と言うか、自分でもどうすれば良いのか判らず葛藤しつつ2人が地元のロードレースに挑む」と言うもの。
結論はここには無いが、人生は只々漫然と夢を持つことも無い惰性で歩む日々では無く、目的や自分の本当のやりたい人生を生きる事の大切さをしきりに説いている。
「明日はなんとなく上手くいきそうだ。
明後日はどうかな?」と言う危機感、あるいは惰性。劇中それを六角精児演じる知的障害の自転車おじさんがずっと口癖として話しているのがとても印象的であった。