ゴースト・イン・ザ・シェルのレビュー・感想・評価
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続いて日本カルチャーオマージュに溢れた、中国資本のハリウッド映画の本作をおっさんはこう見た。
時流とは少し遅れて世に出てはいるものではあるが、中国資本のハリウッド映画が続く。 個人的にそれ自体に違和感はない。 しかし「キングコング 髑髏島の巨神」のような、日本カルチャーオマージュに溢れた、中国資本のハリウッド映画ということになると、「え?何?誰?」みたいな。 そのデキはワールドワイドな共作、と言えば聞こえがいいが、量産体制の製作委員会という結果に終わっている。 「マーヴェル」や「ディズニー」のように、映画自体がコケても回収手段があるならともかく、日本のマンガ、アニメを原作として、マニアな作家がオマージュたっぷりに、巨額の製作費を投じていることには正直、戸惑いしかない。 結果が悪すぎれば、その原作が好きで、がスタートだったのに、結果的に、この原作のせいで、ということにもなりかねない。 まあ、オレは原作は知らないし、もっと言うと、マンガやアニメに日本人としての誇りはもっていないんだけどな。 「ゴースト・イン・ザ・シェル」 ・ ・ ・ 良くも悪くも、「キングコング 髑髏島の巨神」とまったく同じような見解になるが、あちらが怪獣映画に対するオマージュたっぷりなら、こちらも同様にいたるところに原作への思いを感じる。 だが、本作、あちらより苦言が多くなるのは、やはりというか、「それ」以上のことをやろうとしていないからだ。 「既視感」 よく言われるように、映像は「ブレードランナー」。登場人物はちょっと弱い「ブラックウィドウ」。内容は「ロボコップ」という自分探し。 「オマージュを良し」として、それを超えようとしない。 それは監督の作家性か、製作委員会の弊害かはともかく、オマージュだけで作品を語るだけではおしまいである。 まあ、監督は原作のファンだということだから、まあ、そういうことだろう。 スカ姉さん起用の事情の反転か、やたら背景に力とお金をかけ、「見た目の世界観」だけはしっかり構築している。 個人的には、スカ姉さんが、その「姿」をある意味惜しげもなくさらす姿勢には素晴らしいと感じるが、そもそも「攻殻機動隊ファン」には、そのスカ姉さんの「むっちりな姿」は必要としていないわけで。 そういう意味でも「製作委員会」的な「本来の思いとはちがった真逆の決定」が、そもそも「映画化不可能」な作品であった、という結論になるわけだ。 追記 ハスキーボイスとタマゴ肌と独自の世界観を持った役者、という共通点がぴったりはまって、両者が面と向き合ったときは、まさにシンメトリーな絵で、ああ、ここだけはオリジナルを超えようとしてるな、少しだけうれしかったりした。
ものすごく豪華な二次創作。
不満点はいくらでも挙げられる。なぜここまでアニメ版のビジュアルを再現する必要があったのか。ハリウッドならではの新たな挑戦で驚かしてくれなかったのか。スカヨハの手足がもうちょっと長かったならアクションがもっと映えたのに。いや、これだとアニメに寄せろって言ってしまってるのと同じか。いずれにせよオリジナルが描いた世界がより現実に近づいてきた今だからこそアップデートされた新たな「攻殻」が観られるのでは、という期待は叶わなかった。ただ、ストーリーに関しては随分と翻案されていて、少なくとも押井守が撮った映画とは完全に別物と言っていいところに落ち着く。これを是とする気も非とする気もなく、ただ、こういうわかりやすいのも決して悪くはない。しかし、だとしたら記憶が戻ったらマイケル・ピットともども日本語、もしくは日本語訛りの英語を話すべきではないかみたいな気もするが、細かいことはさておきとてもカネのかかった二次創作として楽しんだ。
過剰な期待は禁物だが、日本コンテンツのハリウッド映画化としては悪くない部類
押井版アニメはもちろん、過去の傑作SF映画へのリスペクトとオマージュに満ちている点は確か。ホワイトウォッシュと批判されたが、日本人女優、またアジア人女性に枠を広げても、スカジョくらい国際的な知名度があってアクションもこなせる人材がいないのも現実。武田梨奈や清野菜名が今後、世界で活躍の場を広げてくれるのを期待したいが。 VFX的には、義体やロボットの細かな描写、未来都市の景観は結構緻密に描かれていて楽しめた。一方で、キャラクターが高速で動くシーンでは、10年ぐらい前の技術かと思うほどCG描画がモロバレの不自然な動きが多く、やはりまだ予算が足りなかったのかと嘆息。 少佐のボディスーツは、相撲取りの着ぐるみっぽくてイマイチ。もともと肉感的な体型だから、よけい膨張して見えてセクシーさに欠ける。「アンダー・ザ・スキン」のように“皮”を脱ぎ、裸身のスカジョが出てきたらなあと夢想してしまった。
作品の根っこを改変してるので、これは別物
日本でのアニメの完成度が高かったので、全く見る気は無かったのだが、 酷評されていたので、怖いもの見たさに時間潰しで視聴。 やはり酷かった。 冒頭シーンは 元ネタのアニメのシーンを大きくパクっている。 もしこれが リスペクトの結果なら、設定や内容を大きく改変したりしないだろう。 イメージだけパクって、あとは適当に変えようというノリにしか思えない。 これはオマージュではない。 一番酷いのは、本映画の「ゴースト」が元の作品と意味する物が違う点。 他の改変箇所も不快 ・北野武が演じた荒巻は、頭が切れる正義感だが、官僚としても優秀で 冷静な判断ができる人物。政治的な駆け引きが 彼の重要な役割。 無駄に怒鳴ったり、椅子にふんぞり返って精神論の上司命令などしないし、 ましてや戦闘などの「荒事」は絶対しない。 ・義体がロボコップのように、ボディに脳を接続するだけで機能する。 元の設定の、義手や義足の延長という概念がなく、単なる兵器扱い。 製造するHANKA社が素子を利用する設定も ロボコップに酷似。 しかし、どう利用するのか全く説明がない。 この会社が、犯罪的な人体実験で多くの犠牲を出したと「悪」という 脳筋ハリウッドらしい単純な設定。 しかもその貴重な技術を持つはずの科学者を、簡単に殺す無計画さ。 おそらく、この辺りの辻褄は何も考えていないんだろう。 ・HANKA社の社名がイメージするのは中国系。 (hannkaで画像検索すると基板の写真が多数ヒットするので、 英語や日本語の派生名称ではない。)最近の映画はスポンサーが中華系 が多いらしいので、これもそういう背景なのだろう。 しかし原作の設定では中国は日本にとって反対勢力なので、日本が舞台 である以上、基幹技術を反対勢力に押さえられた状態であるはずはない。 全ての義体にバックドアを仕掛けられた時点で、勝負が決してしまう。 ここは、中国風の名称を使ってはいけない箇所。 ・奇抜過ぎるメイク 接待役の芸者型ロボットの奇抜なメイク(中でも赤白の丸は典型) あのメイクに日本への侮蔑が入っているような気がする。 製作者がああいう格好の女性が好みであるなら話は別だが…。 (ヤマンバメイクもあるので、奇抜なメイクが無かったとは言わない) 個人の感想だが あんな所に招待されたら接待でなく拷問に近い。 ・チームの有り様がまさにアメリカ映画。 喧嘩っ早い女性隊員、皆性格が幼稚でチームはバラバラだし、 役割をきちんとこなすスマートさに欠ける。力業が多すぎる。 挙げればキリがない。 これだけ原作を改変するのなら、オリジナルのサイバーパンク物の方が 良かっただろうに。 原作とは全くの別物として観たらどうかというと、米国人が好きそうな 力業のアクション映画。ストーリーはよくあるパターン。 多少金を掛けた映像以外は特筆すべきものは無いが、最悪でもない。
川井憲次さんの音楽♥
役者は顔だけあれば良し。
最後の音楽が『川井憲次』さんと言う方の音楽と初めて知った。ずっと、芸◯山城組と思っていた。インドネシアのガムランミュージックの影響を受けた音楽と思っていた。『アキラ』にも出てくる。
映画は思っていた通りで、3Dアニメーションだが、思っていたよりも、映像が汚いと感じた。
ストーリーはほぼ原作通りだろうが、最後の四脚ロボットの動きにスピード感が全く無かった。
原題 Ghost in the Shell
製作年 2017年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2017年4月7日
上映時間 107分
映倫区分 G
上映方式 2D/3D
ファッキンサイボーグぐらいわかるよバカヤロー。 スカヨハまさかのたけし軍団加入!
全身を義体化した女サイボーグ、草薙素子の活躍と選択を描いたSFアクションアニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)の実写リメイク版。
サイバネティックス技術が飛躍的に進んだ近未来。対テロ組織「公安9課」に所属するミラ・キリアンは、クゼと名乗るテロリストを追跡していくなかで、自らの出自にも関わるある大いなる陰謀を知ることとなる…。
主人公、ミラ・キリアン少佐を演じるのは「MCU」シリーズや『SING/シング』の、名優スカーレット・ヨハンソン。
ミラに義体化手術を施した科学者、オウレイ博士を演じるのは『ショコラ』『GODZILLA ゴジラ』の、レジェンド女優ジュリエット・ビノシュ。
公安9課の指揮官、荒巻大輔を演じるのは『バトル・ロワイヤル』シリーズや『アウトレイジ』シリーズの、世界的な映画監督としても知られる北野武(ビートたけし)。
原作は1989年から1991年にかけて連載されていた士郎正宗の漫画「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」。とはいえ、本作の下敷きになっているのはあくまでも1995年の劇場アニメ版。原作と劇場版は素子の性格が180度違うので、物語の手触りが全く異なる。本作を観てこのシリーズに興味を持った人がいれば、是非両方とも手に取って確認して欲しい。その違いに驚きますよ!
『攻殻機動隊』というシリーズはとにかく息が長く、誕生から30年以上経っているにも拘らずいまだに新作が発表され続けている。
あらゆる媒体に派生しており、はっきりいってその全貌を掴むことは不可能。映像作品だけでも色々あって、しかもどれもこれもタイトルが長ったらしくてややこしいのでもうわけわかめ。攻殻の海は広大なのだ。
ただ、その中でも特に重要な作品がいくつかある。1995年の劇場版と、その続編である『イノセンス』(2004)。そして「S.A.C.」と呼ばれるテレビシリーズ(シリアルが2本、長編が1本)がそれにあたる。
本作は1995年版をベースにしているが、これら重要作品からの影響も強い。例えばクゼというキャラクターはS.A.C.の主要キャラクターだし、バトーの愛犬家という設定やゲイシャロボが命乞いをするシーンなどは『イノセンス』からのリファレンス。また、エンディングで流れるよいにけり〜という珍妙な曲は『イノセンス』のテーマソングである。
事程左様に、本作は1995年版をそのまんまリメイクしたのではなく、シリーズの諸要素をミックスしたベストアルバムのような作りになっている。この点については賛否分かれるところだろうが、新しいものを作りだそうという心意気は買いたい。
本作の製作総指揮に名を連ねているのは、『攻殻機動隊』シリーズのプロデューサーでもあるアニメ会社Production I.Gの会長、石川光久。
彼が参加しているからか、それとも製作陣に猛烈なオシイストがいるのかはわからないが、本作にはとにかく押井守監督へのラブが詰まっている。
バトーの愛犬がちゃんと押井が偏愛しているバセット・ハウンドという犬種だったし、素子の住んでいたアパートの名前は押井守監督作品『アヴァロン』(2001)から拝借されている。半ば廃墟となった都市の撮り方や影になった飛行機を下から映すカットなどはいかにも押井的。これってもしかして『攻殻機動隊』の実写化なんじゃなくて押井守の実写化なんじゃないか?
という訳で、名作の実写化ということでなんとなく観ることを躊躇しているオシイストにも一度鑑賞してもらいたい作品である。
長々と前置きをしてきましたが、本作の感想としてはぜんぜん悪くなかった!
…まぁ特別良いというわけでもないんだけど、少なくともそんなに大バッシングを受けるほど酷くはないです。このくらいのクオリティなら全然アリ♪
押井守が監督した劇場版2作が持っていた哲学的な問いかけや文芸的な雰囲気はほとんどオミットされている。なんとなく上部だけではそれっぽいことをやっているけど。
興味深いのは、アニメ版にあったクゼの思想や素子が抱える空虚感のようなものをバコッと排除し、その代わりに復讐という単純な動機や母と娘の絆という家族要素をぶっ込んでいること。手触りはハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)とよく似ている。
小難しいことはイヤ!親子のストーリーが一番大事!ハッピーエンド最高!!というのがハリウッドメソッドなのだろう。こういう日本映画のハリウッドリメイクを観ると日米の意識の差というか、映画に対する考え方の違いみたいなものがなんとなく見えてきて面白いっすよね。
本作には、割とカルト映画としての魅力が詰まっているように思う。
押井守っぽい雰囲気を、スカーレット・ヨハンソンを主役で、脇役にはあのビートたけしが出演、さらには桃井かおりまで登場!なんじゃこのカオスは!!?
映画なんてのはヘンテコであればヘンテコであるほど良い、というのが私の持論。そういう意味で言えば本作のヘンテコ具合はリメイク元の比じゃない。サイバーパンクな雰囲気が急にヤクザ映画になっちゃうんだから。ファッキンサイボーグぐらいわかるよバカヤロー💥💥🔫
アジアとロサンゼルスが合体したかのようなイカれた街並みやサイボーグの存在など、完全に『ブレードランナー』(1982)のパスティーシュである本作。
アジア系移民の増加に伴う街並みの変化を予測し、圧倒的なリアリティをもってその世界を具現化してみせた『ブレラン』に対し、本作は「こんなんサイバーパンクっぽいっしょ?」とテキトーな感じで世界観を作りあげていったのが見え見えの安っぽさ。なんじゃその巨大なホログラム!?
こんなアホらしい街並みを見させられるとそれだけで鑑賞意欲が減退してしまうものなのだが、本作はそれ以前になんかもうカオスな雰囲気が漂っているので、このアホアホシティ具合がむしろ作品にマッチしているように思う。
真面目に観るのもアホらしくなるが、そもそも真面目に観る映画じゃない。ヘンテコだなアハハッ!🤣くらいの鷹揚な気持ちで鑑賞するのが正しい見方なのです!!なのでこれでOKなんです!!…多分。
ヤクザが経営するバーに書いてあった「カクテル 高めろ」という謎のキャッチコピーは脱力感があって良いですね。
それでも一つ気になったのは、一体この物語はどこの国のお話なのかということ。『ブレラン』っぽいし英語喋ってるし、やっぱりアメリカなのかな?と思っていると、たけしは思いっきり日本語喋ってる。さらに、国の首長はどうやら総理大臣のようだ。ってことはここ日本?いや流石にそれはないだろ…。
原作は普通に日本が舞台なのに、それを無理やりアメリカあたりの国に変更してしまったせいで設定に齟齬が生じている。アメリカに舞台を置き換えるのなら、その辺りの設定の変更は丁寧にやって欲しい。
あとはやっぱり素子=スカヨハというのがなんだかイメージと違う。顔は確かに素子っぽいんだけど、彼女は意外と体型が小柄でむっちりしてるんですよね。白いタイツを着るとそれが余計に目立ってしまう。
せめてエミリー・ブラントとかアン・ハサウェイくらいの身長は欲しかったところ。こんなんオリジナルを知らない観客からしたらどうでもいいことかも知れないけどね。
スカヨハがたけし軍団入りするという世にも奇妙な物語。変な映画を観たいという欲は満たされたので、その点には非常に満足してます!
もし次回作かあるのなら、あの問題のシーン”ナメクジの交尾”を映像化して欲しいものです…😏
そうそう。本作は是非日本語吹き替えで観て欲しい!田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、小山力也といったオリジナルキャストが揃い踏み!しかもみんな吹き替えでも活躍している実力派なのでとにかくクオリティが高い!
芸能人声優やアニメ声優が跋扈する近年の洋画界で、この吹き替え版の出来は最高峰と言って良い!たけしだけ日本語喋ってるという問題点もカバー出来てるし、ほんとに言うことないッ👍
吹き替えを馬鹿にする狭量なヤツ、この映画を観てその認識を改めるべし!!
※初めてTELASAを使って映画を観てみたんだけど、めっちゃ画質が悪かった🌀
これはウチのネット回線に問題があったのかな?Netflixは普通に観れるんだけど…。
思っほど悪くは無かったな
攻殻機動隊の実写化なんて見たくもない!と、思っていたけど、気が向いて見てみれば噂ほど悪くは無いと思った!
攻殻機動隊の世界観はあるし、ストーリーも見やすい内容。攻殻機動隊を知らない人でも分かり易いかな?街の外観、ネットワークの世界、戦闘シーンは見ごたえあった!
一見の価値はあるのでは?
さて、批判部分だが、
一本の映画なので、原作、アニメのような難しい内容ではないので期待しないこと。
世界観は素晴らしいんだけど、舞台の国はどこ?
日本っぽいけど、人種、言語はバラバラ。街並みも日本×ニューヨーク×中国のような雰囲気で、空想の国なのかも?
1番の汚点は、荒巻課長役のたけし。
こいつだけはキャラの原型がない。
(個人的なイメージだけど)政治家のような気品ある紳士なイケオジィなのに、
田舎のようなおっちゃんの喋り方で立ち振舞も、紳士っていうよりチンピラな歩き方。これは完全に人選ミスだよ!!
美女戦士の壮絶な自分探しの闘い
本作は、勧善懲悪のSFアクションという予想に反して、アクションと人間ドラマを巧みに織り交ぜた、趣のある作品だった。 本作の舞台は近未来。瀕死の重傷を負って脳だけ無事だった主人公(スカーレット・ヨハンソン)が、ハイテク技術により、脳以外の全身を義体化して蘇り、捜査機関公安9課で屈強の戦士として危険な任務を遂行していく。しかし、彼女は、時折見える幻覚に疑問を持ち、危険に晒されながらも、蘇生前の自分は何者かを探し続け、ついに、その謎を解明するが・・・。 本作はSFなので、どうしても、無味乾燥、ドライになりがちである。しかし、香港を想起させる夜景、街並み、主人公のボス役のビートたけし、母親役の桃井かおりが醸し出すオリエンタルな雰囲気が奏功して、本作は、温もりのあるウェットな仕上がりになっている。 冒頭の蘇生した主人公の肢体にフィットしたボディスーツでの迫力あるアクションは、エロティックではあるが、強靭な肉体美というイメージが強く、迫力が半端なく見応え十分である。主人公を演じるスカーレット・ヨハンソンは肢体も美しいが、それにも増して、その端正な顔立ち、眼差しが素晴らしい。真っ直ぐに前を見つめる透き通った眼差しに吸い込まれそうになる。あっという間に、本作で初見の彼女のファンになってしまった。 冒頭以降、このまま、アクション作品として堪能できると思っていたが、そういう作品ではなかった。彼女は、戦いに明け暮れながら、次第に、自分の過去に疑問を持ち、自分の本当の正体を探し求め苦悩していく。猛者でありながら苦悩する主人公の姿は、スパイダーマン第1シリーズの苦悩する主人公(トビー・マグワイヤ)を彷彿とさせるものであり、アクション作品というよりは人間ドラマの色彩が強くなっている。ここでも、主人公を演じるスカーレット・ヨハンソンの憂いを秘めた表情が効いている。迷えるヒロインを好演している。 ラストで、ついに、彼女は自分の本当の過去を知るが、そのことで、義体化の生々しい真実が暴露され、悪者に命を狙われることになる。彼女と同じ境遇の仲間を守るために、悪者と対峙して、満身創痍で死闘を繰り広げる主人公の姿に胸が熱くなる。 本作は、主人公の未来型の自分探しの闘いを描いた、素直に感情移入できる面白い作品である。
原作未読であれば
正直、原作はかすりとも観ていない。興味はあったものの、その前に多数の映画作品を観すぎていて観る時間が無かったと言い訳でもしておこう・・・。原作ありの実写化で、特にそれが漫画だったりすると中々興行、評価の面で上手くいかない事が多い気がするが、本作も紛れもなく"コケた"部類に入る作品である。だいたい107分で歴史ある物語を描こうとするのが無謀な気がする。長ければ良い訳では無いが、原作未読の私から見ても、短くね?と思ったものである。 だが、普通のSF映画のオリジナル作品として考えれば、決して悪い作品では無いはずだ。電脳化された主人公が時折現れる幻影に苛まれながら、真犯人を追うという、サスペンスフルな物語で起承転結が出来ており、加えてスカーレット・ヨハンソンの真骨頂、アクションが加わる。更にそこに未来社会の美しい映像世界と、ビートたけし演じる荒巻の「アウトレイジ」さながらのシーンなど、かなり高水準のクオリティを誇る作品ではないか。キャラの立つバトーらの人物描写にもう少し重きを置いた方が全体的な重厚感アップに繋がったのでは無いかとは思うが、ビジュアル、ストーリーにはそれ程問題は無いように思える。スカーレット・ヨハンソン演じる少佐こと草薙元子がそもそも外国人であるという事も個人的にはイマイチ釈然としない部分はあったり、(一応本編でその理由について語られるが)ビートたけしは日本語をずっと話し、それに周りが英語で答えるという普通の組織や企業だったらおかしな描写にはやはり気になる。「日本が好き」や、「日本のリスペクト」な気もするが、あまり余計なことはしなくても良い気がする。もし原作もそうならば申し訳ない。 現在で続編の可能性は低いが、あれば観たい作品だ。 やはり、何かの映像化というものは非常に困難を極めるものだと改めて認識させられた。私も含め目が肥えた観客に納得してもらう為にも、本編が3時間近い、もしくは超える時代になっているのだろう。
実写化への挑戦、ありがとう
原作・アニメ好きのため避けてきましたが、あまりにもオススメされるので鑑賞。 街や店舗はともかく、導入~冒頭の義体や戦闘、その後の電脳やダイブの映像表現は想像以上で楽しく観ることができた。ただ右肩下がり感は否めない。 キャストも馴染みの声優さん(吹き替え)だからか、意外にすんなり受け入れることができた。スカーレット・ヨハンソンがハリウッドで一番素子が似合うかも。欲を言えば、もっと細いほうが・・・。 ストーリーも攻殻機動隊らしかった。特にアパートを訪ねる場面では、桃井かおりさんの演技に感動さえした。 全体的に良かったのですが、ある主要キャラが明らかに浮いていて、(脚本のせいですが)期待される働きもないまま最後にあの愚行(ハリウッド的解決?)。甚だ残念でなりません。 原作・アニメに対する敬意が感じられることもひっくるめての評価。
原作を読んでいればまた意見も変わるはず
漫画「攻殻機動隊」を実写映画化した作品。 未来を舞台に、事故により脳だけ義体に移植された捜査官がサイバーテロに立ち向かうサスペンスアクション。 “BEAT”北野 武の存在感が強くてカッコイイ! …けど、髪型がなんかウケる😂 前半あまりにも非日常的な映像にどうしても馴染めず ちょっと退屈だな… と感じていたら、後半サスペンス感が増してからグッと盛り上げてきた感じ。 そんな奴いるか(笑)的な誇張された日本描写も、これだけかけ離れた未来だとどこか許せてしまいますね😅
テクノロジーの発展に伴い、 人間とロボットの境界線が曖昧になってい...
テクノロジーの発展に伴い、 人間とロボットの境界線が曖昧になっていく。 人間であることの条件とはなんだろうか。 CG映像のすごさ、 ゲーム映像を見るような感覚の映画だった。 映画にははまらなかった。 ビートたけしが日本語で出演することに意義はあったのだろうか。
原作未読
なんとなく、 ぼんやり攻殻機動隊を知ってる自分からすると、 これが攻殻機動隊なの?と言うのが第一印象。 どこかで観たような物語で、 原作を知らない僕からすると見やすくはあった。 だけど、この物語を攻殻機動隊でやる意味はあったのか ?と言う疑問も残った。 よくあるサイバーパンク物、よくある近未来物に 客を付けるための攻殻機動隊。そんな映画でした。 単純で、時間も2時間弱なので見やすいのだけど、 原作ファンを納得させられたのかは分かりません。 主人公をスカーレットヨハンソンを当てたのは 僕は正解だと思う。 武の銃の打ち方は慣れてる感じがして好き。 何言ってるかはよく分からなかったけど…
期待しすぎた。
有名だから見た映画。
日本語吹替で試聴したが、ずっと違和感があった。見るなら字幕をおすすめします。
映像技術は凄いし、ストーリーもわかりやすいが、肝心なオチが弱い。誰もが予想できる展開なのが惜しいところ。
全編に攻殻世界への愛と敬意が満ち満ちている
批判(配役や原作ストーリーを踏襲していない等)や欠点(熱光学迷彩姿やタケシの噛み台詞回し他)の指摘が特に攻殻ファンから出ているのは承知・理解しますが、私にとっては実写化に際しての↑レビュー・タイトルによるメリットが最大級に大きく、特に批判の例で挙げた点など全く減点の理由になりませんでした。本作の映像・世界観構築・音楽は夫々個別に素晴らしい。 ワタシ的に惜しむらくは、スカーレット・ヨハンソンには気持ちよく素子を演じてもらい、続編への期待を繋げたかった。その意味で、まあ良くある事ですが、作品の継続と隆盛を何よりも望んでいるはずの原作アニメファンが、ホワイトウォッシュだのストーリー選択がだの穿った文句を言いまくってせっかくの実写化を潰してしまうことが多いのは残念です。
二次創作としてはありだが・・
少佐のパーソナルな部分にフォーカスしながら、物語が展開していく為、人間味がありすぎる。あと北野武をキャスティングした以上、そうせざるを得なかったのだろうが課長が目立ちすぎ。もう少し暗躍する程度で十分。それでも随所に原作へのリスペクトは感じられた。ただ、最後の締めで言ってることは物語の流れ的に正しいが、自分が何者かを知った素子にはネットは広大だわで締めて欲しかった。
原作嫌いですが期待していました。その期待が
予告編のビジュアルに魅かれて、劇場で鑑賞。極端に評価が分かれる作品だなあと、どこか突き放した目線で見ていましたが、何よりも、アニメ作品の「攻殻機動隊」が好きじゃない。むしろ嫌いの部類に入る作品だったので、へえ、スカーレット・ヨハンソンがまたSFアクションに出演するんだ。ちょっと見てみようか。という程度の感想でした。 そもそも、90年代に流行したというサイバーパンク系のSFとやらがどうしても好きになれず、草薙素子は出動するときにどうしてビルの屋上からダイブするんだろう?などという無関心この上ない感想を抱いたりしておりました。 スカ・ヨハのおかげで、少佐だか、素子だかが、血の通ったキャラクターに生まれ変わることを夢見て、勝手に期待していたのです。ま、その期待は見事に裏切られましたが。 このストーリーが決定的に弱いのはキャラクターです。感情移入できる人物がいない。例えば泣いている子供がいたら誰だって助けてあげたくなるでしょう。スカ・ヨハは怪我をしても眉一つ動かさない(義体なので)当然、痛みなんて伝わりませんよね。彼女たちが戦っているのは誰なのか、何だか怪しげな組織に壊滅的な打撃を受けますが、その危機的状況はよく伝わってきません。 大雑把に言うと、「ロボコップ」と「ブレードランナー」のブレンディング。自分のアイデンティティーを取り戻そうとする主人公と、それを阻止しようとする組織の対立を軸にストーリーが進行していきますが、必要以上に脚本が不親切に書かれているので、その流れが上手く進行しません。 頭のいい人は難しいことを簡単な言葉で説明できます。 頭の悪い人は簡単なことをわざわざ難しくしてしまいます。 この映画の脚本は、頭の悪い人が書いたようです。 当然、主要キャストは自分が何者なのかも理解できないまま、一生懸命に演じているので、上滑りした演技になっています。 一番ひどいのが、ビート・タケシ・キタノ。。。一人だけ別のスタジオで撮影して、後で編集してストーリーにくっつけたように見えます。原作リスペクトで、クール・ジャパンを象徴する存在をキャスティングしたかっただけなのでしょう。主要キャストと、呼吸が合っていません。ひどすぎる。 2020.9.3
攻殻機動隊が好きな人にはオススメ出来ない
以下の背景で作られたんじゃないかなとネガティブに勘繰ってしまうほどダメダメな映画でした。 「よーし、今度はサイバーパンク風の映画を作るぞー!」 「でも設定とかキャラ付けとか考えるの面倒だしどうしましょうか」 「何か人気みたいだし、この攻殻機動隊ってやつから借りてくればいいじゃん!」 「成程!って設定とかがむず過ぎ!こんなんじゃ馬鹿達は分かんないよ」 「それなら設定を分かりやすく改変して、原作厨も騒がない様にこのシーンを入れて、ここをこうしてほら出来た!馬鹿にも分かるかっちょいいサイバーパンクの映画!」 ...まるで、攻殻機動隊のキャラや設定を少し借りて作った、豪華なお人形あそび。 しかも、攻殻機動隊の登場人物をアメリカのありきたりなキャラ設定に当て嵌めただけで、原作のリスペクトがほぼない様に感じた。 ——————————————————— ・少佐...アメリカの映画によくいる、組織の行動に反発して活躍する英雄的主人公&自分は人間なのか機械なのかと自問自答するキャラ(古臭い) ・トグサ...グループの中の皮肉担当 ・バトー...破天荒な主人公に付いていき、主人公のメンタルを代弁したりフォローする相棒役 ・荒巻…主人公の行動を咎めて観客の反発心を煽るだけ煽ったりして、主人公が輝く場を用意する為にいる影の立役者存在の司令官 etc… ——————————————————— 原作の攻殻機動隊を意識して観ていたら、設定の作り込みの粗さやリアリティの無さ、登場人物全員の考え方の浅さに辟易した。 自分は攻殻機動隊のアニメが好きで、其々のキャラの矜持や信念等の人柄が物語に厚みやドラマを加えていると思うのだが、この映画では、そういったものがペラッペラの薄っぺら過ぎる。トイレットペーパーより薄い、ケツを拭くのにも使えない。 例えば、原作ではトグサが積極的に義体化(身体を機械に置き換える)しない事について、理由を深くは語りはしないのだがこの映画では、少佐の全身義体を皮肉りながら貶めていて、相手の立場や考えに立って思慮深く発言をしようとするアニメのトグサと乖離しすぎていた。 言動の精神年齢が低過ぎるし、まるでアメリカンスクールで嫌味を言うジョック並の知性の低さにトグサをカテゴライズして表現する場面は不快だった。 攻殻機動隊の世界の住人達は、現在よりネットやサイバネティクスが遥かに発達し、倫理観や価値観が異なる新世界の中で起こる、アイデンティティに関わる特殊な出来事に遭遇する。それが、この映画では単なる娯楽としての分かりやすい陳腐な設定に置き換えられてしまっていた。 家族を持つ者、身体を義体化している者、ネットに棲む者、人間ではない機械の者。 其々の登場人物達の人生の歩みや背景が感じられる考えの多様性、多面的な見方、そして一人一人の信念や立場に則った言動から、新世界の考えに触れる事で楽しめる。その中で、少佐やトグサ達の考え方に好感を持つ事で、作品が好きになっていったりしたのだが、これらの好きな要素が削ぎ落とされほぼなくなっていた。 映画という120分の制約がある為に、キャラ付けを分かりやすく設定もとっつきやすく変えるのは別に良いと思うのだが......余りにも酷過ぎて原作を侮辱している風にまで感じた。 攻殻機動隊とは一切関係のない、別のサイバーパンク映画として観ればいいと思ったが、もう攻殻機動隊を知ってしまっているのでフィルターをどうしても通さなくてはいけないし、総じて見ると一本の映画として普通に脚本がつまらなかった。
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