「オナニー映画」光(大森立嗣監督) ハムさんの映画レビュー(感想・評価)
オナニー映画
いろんな意味で。
呟かせる演出はいいけど、残念ながらミステリアスとかより、自己満感を引き立てる方に効いてる。
てか、聞こえね。
子供の頃のミカの、男をいいなりにする悪女感が見せたいのはわかったけど、大人になってからのミカに悪女感も神秘性も全く感じない。俗物にしか見えん。
大人ミカのシーンに関して言えば、脚本も撮り方も演技も、なんもいいとこ無い。
キーになる人物の演出うまくできてないと、身体張った橋本マナミさんが可哀想でしょうが..
瑛太さんは、脚本と演出を頑張って表現されてたんでしょうね。その点はそう思えたんだけど、果たしてこの演出で良かったの?っていうのは、周りが酷すぎてよく分からないままになっちゃった。
原作読んでないから余り原作がどうのこうのは言いたくないけど、これを見る限り、みうらしおんさんの本は、今後読みたくないって思った。
同じく、画面に映るものが汚れている&狂気を描いた映画は他にもあるし、どっちかっていうと好物なんだけど、ああいうのは上手く作られてるってことなんだなぁ、と、これを見て思った。
(「そこのみ」とか、「冷たい熱帯魚」とか..)
あと、ジェフミルズの無駄遣い。
これも、「アートですよ」、「前衛的でしょ」、「好みが分かれるけどいいんです」って自己満の引き立て役にしかなってない。泣
こういう組み合わせがうまくいったものは、もっと心の違うところで「やられた!」ってなるんだけど、残念ながら音楽がカットインする度に悲しい気持ちになりました。
そんな気持ちで観ていくと、ラスト、ダンナが橋本マナミさんとこ帰るシーン自体が、どんな意味だろうとか考えるのもどうでもよくなって、ほんと申し訳ない気持ちになった。
アパートに木が植わってるのなんて、さらに、、木、植えたにしてはでかいし、、、どうやって入れてん、、
(そんな雑念産ませたってことは、うまくいってないんよ。色々)
幼い娘の「パパパパ」は、このあとうるさがって子どもを殺しましたよ、ってこと?それとも、娘によるテクノ?w
これは、こう思ってしまったわたし個人の勝手なつぶやきです。評価されてる方の気分を害したらすみません。
監督がなにかを表現するために試行錯誤した映画を、いろんな眼と脳と心と体でみると、不思議と、個人個人で色々違う見方が出来るのが映画の醍醐味ですよね。
今回は納得できなかったけど、さよなら渓谷は好きですよ。