メッセージのレビュー・感想・評価
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SFのベールに包まれた哲学的ヒューマンドラマ
アカデミー作品・監督・脚色賞など多数ノミネートされ(結局、音響編集賞を獲得)公開前から宇宙船の形が「ばかうけ」に似ていると、何かと話題になっていた本作。宇宙人が地球を襲ってくるという、よくあるSFアクションではなく、人生の決断をテーマにしたヒューマンドラマでした。自分はどちらかというと前者の分かりやすい方が好物ですが、決してつまらなくはなく。むしろ、気づいたら世界観にどっぷりと浸かっていました。寝てしまった…という感想もよく目にするが、そうなり得る作品かもしれない。宇宙人の言葉の読解という非常に難しい作業を繰り返す話の中に、時に織り込まれる主人公の記憶の断片映像に、一体何のメッセージを伝えたいんだ、この映画は…と混乱さえしてくる難解な映画でした。おそらく「生」と「死」という万物が受け入れなければならない自然現象、とくに「死」とは突然やってくる恐ろしいもののように思える事で、それを宇宙船の到来に例えていて、そこに直面した時どう行動するかを問いてくる。観終わった直後は理解できなかったが、観た人と話したり評論を沢山読んだりして、やっとそういう事なんだと分かったように感じる時、この作品の凄さがARRIVAL(到来)します。圧倒的な映像美と神秘的な音楽、宇宙人が言葉を発する時の音なども斬新で、しばらく余韻が残る、そこは確かにSF的な今までに観たことのない大変 印象的な映画でした。
宇宙人到来による世界の危機と破滅を静かに描く。 見終わった後の余韻が深い。
ネットで視聴(英語字幕)
原題が「Arrival」なのに、邦題が「メッセージ」となっているのがおもしろい。
原題のArrivalには、「到着」という意味のほかに、「出現、出生」という意味もある。映画を観た人なら、なるほどと思うだろうが、日本語でそのニュアンスを伝えのは難しい。
邦題を考えた人は、そのあたりも考慮して、かなり工夫してつけたように思える。
イアンを演じるジェレミー・レナーは、アベンジャーズのホーク・アイの人。
そのイメージが強すぎて、数学者に見えなくて困った(笑)。
宇宙人到来による世界の危機と破滅を静かに描く。
見終わった後の余韻が深い。
考えてみれば、人の死や別離は、誰にでも訪れる確定した未来である。
われわれはよく考えないまま、それは霧の中にある未確定の事柄のように思っている。
彼女の選択と決断は、彼女一人だけに訪れた事態のように思えるけれども、じつはわれわれ一人一人も、自分の死という確定した未来の前で、日々刻々、同様の決断を迫られているのではないだろうか。
今年度ナンバーワン?
壮大で良質なSFサスペンス
色々考えさせられる、
すごく頭を使う作品だ。
とても良い
謎が最後に解けるので、
もう一度ぜひ観たいと思った。
すごく人物や風景が美しく撮られており、静かで重厚な音楽にぴったり。
エイミー・アダムスを見直した。
BvsSではあんなに老けてたのに、
この作品では女神みたいに美しかった。
期待し過ぎていたのでしょうか....
SF映画として勝手に期待してしまっていたせいだろうと思うが、⁇という感じ。あんな宇宙人見せちゃうのか? あの終わり方って⁇音響もなんだかなぁ、で、消化不良&不満残り。
勇気ある行動
亡くすと分かっていても、愛する子供を産む。防護服を脱いで、ヘプタポッドとコミニケーションを取る。中国のシェン大尉に、核攻撃を思いとどまる様に電話をする。ルイーズの行動は、時には命と引き換えにするほどの勇気がいります。たったひとりの彼女の行動があったからこそ、人類はヘプタポッドとの争いを避けることができたのだと思います。
人類は未だに戦争を続けていますし、他民族(他者)に対して、なかなか寛容にはなれません。しかし、ルイーズは言語を通して対話し、ヘプタポッドという他者を理解しようします。また、ヘプタポッドは、私達人類にメッセージを渡しにきたのではないかと感じました。このままでは、破滅してしまうと。
「時間」の概念がなくなるストーリーでしたが、逆に与えられた「時間」は、有限なんだと感じました。「時間」という概念があるからこそ、人類はどう行動すべきなのか?有限の「時間」の中で、あなたはどう生きるのか?と言う哲学的な問いをビルヌーブ監督から投げかけられた気がします。
私はどう生きたいのか?この気持ちは、ずっとずっと忘れることができません。自分の生きる道しるべになる様な、素晴らしい作品です。
柿の種
意識高い系のおしゃれSF
内容はオーソドックスなファーストコンタクト映画
時間と空間の概念ってのが肝になるんだろうが、サスペンスも感動もいまいち薄い。
原作物だから仕方ないかもしれないが、カタルシスもほぼ無い。
静かに淡々とした所が味なのかもしれないが、薄い
多分、切なさを感じさせるのが狙いの映画と思うけど、京料理のような薄味。
その辺が、ハイソで意識高いのかな?
知的なSF作品
会社帰りに、日本橋のTOHOシネマズで鑑賞(会員登録も実施)。初めての映画館だったけど、結構混んでる。
作品的には、かなり高度で知的なSF作品という感じか。随所に現れる娘との思い出のフラッシュバック。観終われば、なるほどそういうことか合点する。
未知なるものへの恐怖から、先制攻撃への思いに駆られる衝動。分からないでもないが、その短絡的な行為が悲劇的な結末を導くこともあり得るということをよく認識しなければならない。もし、今この状況が起きたとするならば、某国大統領は、対話を試みることなく、迷わず先制攻撃を仕掛けるのではないかと推察する。
言葉も時間も超越して僕らの心に届くもの
最近、『翻訳できない世界の言葉』(エラ・
フランシス・サンダース著、前田まゆみ訳)という
本、というか絵本を買ったのだが、この中で
紹介されているインドネシアの言葉に
「ピサンザプラ」というものがあった。
これ、「バナナ1本分を食べるのにかかる
時間」を指す言葉だそうな。
いやピンと来ないよ、
全然ピンと来ないよバナナ1本分て。
バナナを常食する習慣が無ければ通じがたい言葉が
あるよう、言語はその地域の文化・環境に
深く根付いているものだ。辞書だけでおおまかな
意味を知る事はできても、他国の人が話す
言葉の細かなニュアンスや感情までを知るのは
難しいし、逆に言えば、ひとつの言語を学び
続けると思想や価値観さえその言語に登場
する表現内に制限されてしまうとも言える。
思想家エミール・シオランはこう言ったそうな。
「人は国に住むのではない。
国語に住むのだ。国語こそが祖国なのだ」
バベルの塔の昔から、言語は
国と国、人と人とを隔てる分厚い壁。
...
『メッセージ』を鑑賞中に考えたのはそんなこと。
見た目もジェスチャーも言語もまるきり違う。
相手が何を考えているか理解できない。敵意が
あるかすら分からない。それは非常な恐怖だ。
地球外生命体”ヘプタポッド”が『武器を提供する』
と表明した瞬間から、彼らの言う『武器』が
文字通りの『武器』か、それとも『ツール』
という意味合いかの解釈を巡って人々は対立。
各国は“ヘプタポッド”への、そして調査に
参加している他国への不信感を露にしていく。
...
しかし実際の所、
“ヘプタポッド”が人類に提供しようとしていた
のは新たな言語という『ツール』だった。
しかもそれは、時の流れすらも読み解ける
ようになるという究極の共通言語だった。
それに深く触れた主人公は、現在・過去・未来
の概念が取り払われ、自身の人生の時系列を
流動するような状態となる
(ヴォネガット著『スローターハウス5』のよう)。
そこでようやく僕らは、主人公が”幼い娘を
亡くした主人公”ではなく、”幼い娘を亡くす
運命にある主人公”だったことに気付く。
...
言語の概念がなくなる事が世界に大きな影響を
与えることは理解できるが、時間の概念が
なくなるというのは感覚的に理解しにくい。
はて、人生において、時間の概念が
なくなるとはどんな感覚だろうか?
主人公のように大切な人々を失う運命が見える
のは、幸福と言うよりは不幸だと一見思える。
だが、時間の概念が一切無くなるということは
すなわち、“全てが過去の記憶となること”だ。
ならば、
娘に大好きと言われたことも、
大嫌いと言われたことも、
笑いながら遊ぶ手を握ったことも、
病の床で手を握ったことも、
一切合財を遠い遠い過去として眺めれば、それは
激しい怒りや悲しみより、穏やかな物悲しさと
愛おしさに満ちた記憶になるのではないか。
ちょうど僕らが、昔々に亡くした人との
想い出を振り返る時のように。
この感情は正にボーダーレス/タイムレスな存在だ。
映画で“ヘプタポッド”への敵意を露に
していた中国の将軍も、今際の際
(いまわのきわ)の妻が遺した言葉を
きっかけに、ルイーズの言葉に耳を傾けた。
何かを愛する喜び、
その愛した何かを喪う怒りや哀しみ。
それは人種も、言葉の壁も、時間をも超越して、
僕らの心臓のど真ん中に届くものだ。
あなたには無いだろうか?
異国の映画や100年前の小説に涙した経験は?
古い写真や手紙に強く心を突き動かされたことは?
人の根っこにあるこの感情は、この感情だけは、
どれだけ深く断裂された世界の人々にも
共通して存在するものではないのだろうか?
...
残念ながら究極の共通言語は
現実の僕らにはもたらされていない訳だが、
主人公が”ヘプタポッド”に対して行った事――
相手の感情を理解しようと必死に試みること――
それは僕らにも試してみる余地が残っている。
理解不能な存在として相手を頭ごなしに
拒絶するのではなく、共通するものは何かを
まずは考える。そこから始めるだけでも、
少しは世の中平和な方に繋がるんじゃないかと、
そんな気がする。
...
映画としての不満点が少しだけ。
最後の”ヘプタポッド”との会話は、それまでの
示唆的で曖昧なやりとりと比べてあまりに
直接的というか明快過ぎるというか。
人類を存続させるべく”言語”を与えた目的が
「3000年後に人類が我々を救ってくれるから」
というのも、彼等の神秘性を薄めてしまった
気がして残念だった。
しかしながら、詩的で美しいテンポと音楽、
絶え間なく頭を刺激されるテーマ性など、
非常に面白い映画でした。
5.0でもいいのだけど……まだ今年も半分
残ってるし、ちょっと出し惜しみしての4.5判定。.
<2017.05.19鑑賞>
壮大
突如世界各地に飛来した謎の宇宙船。
彼らの目的は何か、どういう生命体なのか、コミュニケーションを図ろうと政府の招集を受けた言語学者ルイーズバンクスと物理学者イアンドネリーら2人と宇宙人ヘプタポッドの交流を描いた壮大な作品。
宇宙人のヘプタポッドが本当に得体の知れない生命体で、コミュニケーションツールとして使用する絵なのか、模様なのか、記号なのか全く訳のわからないモノを出現させる不気味な存在。
パターンや共通点などを研究し、解読に挑むルイーズ達。その過程は複雑すぎて自分には1mmも理解できない笑。
解読を進める中で未来を予知する力?のようなものを手にするルイーズ達。
自分の娘と思われる女の子を亡くすフラッシュバックに悩まされながら、見事その力を利用して、ヘプタポッドと人類の戦争を回避。
とこんな風に文面にすると非常に単調な展開に見えてしまうが実際映像で観るとなんというか余白の部分がとても多く、幻想的で抽象的な表現が多くて、とてもじゃないけど自分の文才じゃ表現できない笑。
とにかく観てください笑。
監督はカナダ人のドゥニヴィルヌーヴ。
他の作品は観たことないが名前のきいたことのある作品が結構多く、今度ブレードランナーの新作の監督もやるみたい。
この作品もアカデミーで8部門ノミネートのかなり評価されている。
それなのにばかうけにソックリだと言われ、しまいにはコラボまでしてしまうノリの良さ笑。どんな作品なんですか笑。
宇宙を愛しすぎて曲を作ってしまうほどの宇宙愛好家で有名なACIDMANの大木伸夫氏も絶賛していた。ライブのMCで笑。
『あなたの人生の物語』
人類と異星人の対話。人間が異星人の言語を通して過去も現在も未来も同列に把握できるような新たな世界世界認識を獲得する発端。そういう歴史に残るマクロな物語は実はこのお話のサブテーマで、本当は、1人の母親が娘に語って聞かせる何気ないけれど深い愛が感じられる『あなたの人生の物語』。原作のテーマ性を損ねず、だけど映画ならではのエンターテイメント性も十分に発揮できるような構成になっていて、原作を読んでいる人も読んでいない人も満足できるような映画だと思う。
なぜ地球外生命体の形はアレなのか?
これまでのドゥニ・ヴィルヌーヴ作品を観てきて、いくつも「なるほど!」と納得させられてきた。これからの「ブレードランナー2049」に繋がるSF作品として期待を持って鑑賞。
しかし、個人的にSF知識や許容範囲は狭いので、「なるほど!」の前に「またか…」がよぎる不穏な展開のオンパレード。そして淡々と語られる情景。盛り上がりに欠ける終盤。まぁ、そもそもそういうストーリーであって、演出の問題ではないのだろうが…作品としては残念でならない。
なぜ地球外生命体はみんなアレなのか、中国人民解放軍の上将の個人携帯に直電→直談判してヒューマニズムに訴える…とか、ツッコミどころは山のごとし。
「ブレードランナー2049」のハードルを少し下げるキッカケにしたいと思う。
ARRIVAL=到着、出生
これはSFではない。
ヒューマン・ドラマだ。
突然あらわれた12艘の宇宙船。
言語学者として、彼らの言語を理解し、コミュニケートしようとする。
フラッシュバックのように差し込まれる、彼らのいない生活のシーン。娘。
時間の輪がばらばらになったとき、
どんな風に生きるのか。
静謐な彼女の家、湖畔、宇宙船のある開けた野原のような場所。
軍の基地さえ、整然として
静かな全体のイメージもとても好きだ。
未知との遭遇みたいなSF映画
予告映像で「武器を与える」とあったので後半には戦闘が始まってしまうのかと思っていたが…そんなことはなく、予想を裏切る展開が待っていた。ただ、ちょっと全体的に盛り上がりに欠けるかな。それもまた好きではあるのだけれど。
最近だとエイリアンが来たらとりあえず戦ったり大きなトラブルが起きたりするので、高揚感もあるがさわやかな気分で映画館を去ることができた。エイリアンが来ること自体がトラブルであり、それに人類がどう対処するかというのは、規模はまるで異なるが未知との遭遇のようだった。
ひたすらひたすら積み重ねて相手を理解しようとする。その過程がこの映画の肝で、それが地球外生命体とのコンタクトであるべきなのだろう。即座に攻撃を仕掛けてくるインデペンデンス・デイや宇宙戦争でも、一対一のコミュニケーションを描いた宇宙人ポールでもない、また斬新な宇宙SF映画だった。
時間の流れを表現している。
未来から流れてくる時間を地球外生物との交渉という手段を使って上手く表現している。
地球外生物の放つ"文字"の解読の流れはその後に続く未来からのメッセージを読み解くのに必要ではあるが少々長いと感じた。
ここの流れで主人公が未来を読み解けるようになるが、そこで未来も見えてしまうがそれでも結婚する2人。
終わり方は結局地球外生物との交信がどの様に物語に価値を与えたのかは今一腑に落ちなかった。
作者の思い込みだけで出来上がっている作品の代表のようなものです 全...
作者の思い込みだけで出来上がっている作品の代表のようなものです
全く未知の生き物と出会ったとして、互いに相手の出方を探るでしょうが
そんな感じさえも伺えなかった、ただ一方的な(人間達)の考えだけを取り上げている、
駄作の代表です。
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