関ヶ原のレビュー・感想・評価
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期待し過ぎだったか
司馬遼太郎が原作小説を連載したのは 1964〜1966 年,TBS が豪華な配役で3夜連続の正月時代劇を作ったのが 1981 年であった。私が原作小説を読んだのは 40 年近く前のことになる。文庫本で全3巻の長編は,3晩に分けて長時間ドラマにするにはピッタリの題材であったが,高々2時間そこそこの映画にするには尺が足りないのではと思ったら,やはり不安が的中した。
映像は,現存する安土桃山時代の建物をできるだけ活用しようとしたロケーションは見事で,普段は立ち入りが許されない東本願寺の御影堂や,大垣城に見立てた彦根城など,非常に見応えがあり,また,本当の関ヶ原での撮影なども見られて,30 年ほど前に出張のついでに歩いて回った関ヶ原の風景や位置関係が蘇ってくる感じがした。特に合戦シーンは見事で,当時の合戦はこんなだったのかもと思わせるだけのリアリティがあったと思う。一方、初芽を取り巻く庶民の姿は乞食にしか見えず、犬HKのタイム・スクープ・ハンターと同じ日本人蔑視が見られたのは腹立たしかった。
残念だったのは脚本であった。原作小説と同じく,長浜の寺で秀吉と佐吉(後の三成)が出会うシーンから始まり,原作小説の冒頭の文章まで朗読されるので,これは原作を尊重した脚本かと期待したのだが,その期待はあっけなく裏切られた。何と,半分以上が原作と設定が異なっていたり,原作に描かれていなかったシーンであり,原作に出てきていない人物もやたら沢山登場していた。特に許し難かったのは、石田隊に沢山の半島人兵士が参加していたというとんでもない設定である。日本史を冒涜するのもいい加減にしろと言いたい!
この監督は,「日本のいちばん長い日」のリメイク版でもそうだったが,あえて本道を外して斜に構えたような作り方をするのが鼻につく。結果的にそれ1本だけ見ても話が見えなくなってしまうというところが致命的ではないかと思う。本作を見て関ヶ原の合戦を知ろうというのは無理であり,予め歴史の教科書でもひっくり返して読んでおく必要がある。逆に,原作や当時のことが頭に入っている人には,かなり違和感を与えてしまうという困った作りになってしまっていた。
余計な話を詰め込んだせいで,小山評定や島津の退却戦が描かれなかったというのは,一体どういうことなのかと思った。また,原作でも不要だった初芽の関連シーンは,今回もほとんど話の邪魔をしているだけで,三成が示す態度も,他のシーンとの違いが目を覆いたくなるほどであった。小早川秀秋の関連シーンと初芽のシーンは多すぎたのではないかと思った。
役者は,現在の日本の時代劇俳優の不足感を痛いほど感じさせていた。役所,岡田,平あたりは流石だと思わせられたが,本多正信,大谷刑部,加藤清正,福島正則,黒田長政,安国寺恵瓊らを演じた役者が初めて見る顔で,三國連太郎,高橋幸治,藤岡弘,丹波哲郎,三浦友和などを惜しげもなく当てていた TBS のドラマ版に比べると著しく見劣りがした。有村架純は一人だけ現代人が混じっているような違和感が終始抜けずに非常に困り果てた。小早川秀秋を演じた東出はかなり頑張っていたように見えたが,当時 19 歳の秀秋を演じるには歳をとりすぎていた気がする。秀吉も,全く秀吉には見えなかった。一方,中越典子や伊藤歩は儲けものだったような気がした。
音楽は初めて見る名前の方だったが,かなり頑張っていたように思えた。だが,ブルガリア民謡風の曲がなぜこの話に使われたのか,違和感が抜けなかった。長い戦闘場面に被せるには,やや力不足であったような気がした。グラディエーターのハンス・ジマーに比べてしまっては期待し過ぎであろうか?
三成の人物設定がほぼ原作通りだったのに対し,家康の作りにはかなり違和感を感じた。役所広司の太った作りは特殊メイクなのであろうが,背が高いためにまるで相撲取りのようで,乗馬シーンなどは馬が気の毒に見えてしまうほどであった。合戦のシーンは黒澤映画に迫る迫力であったが,土埃の立ち方まで気を配っていた黒澤のこだわりに比べると,やや物足りなさを感じてしまった。こちらの期待し過ぎであったのだろうか。
(映像5+脚本2+役者3+音楽3+演出3)×4= 64 点。
関ヶ原を描けていないなと思った
圧巻でした
一部のキャラ除いて、皆クソだ~(笑)
役者さんではなく、登場人物が、です。
司馬遼太郎の原作は読まずに観ました。
でも原作を読んでいなくても、有名な合戦なので事の顛末は知っている人の方が多いのでは…
私もある程度の展開と結末は知っているので、どちらかと言うと登場人物の心の機微や、史実に出てこない?であろう人物のストーリーを楽しんで観ました。
でも腹黒の家康はもちろん、主役の三成も小物感満載(実際例小物ですが)、北の政所も性格悪いし、その他の武将も性格が魅力的じゃない事この上ない…
一部の、仕えた人が悪かったね…っていう武将以外、クソばっかりでした。
東軍西軍の混乱っぷりがハンパ無くて、人間とはきっとこういうものだったのだろうと妙に納得させられて、そういう意味では見事な映画です。
司馬遼太郎が良いのかもですが。
他の方が書かれているような、言葉が聞き取りにくいとかは、私は無かったです。コレって時代劇を見慣れていたり、方言を聞き慣れているせいかもしれません。一緒に行ったツレは時代劇はあまり観ないらしく、言葉が頭に入ってこないと言っていました。
ストーリーの流れが駆け足なので、ちょっと慌ただしいと言うか、エピソードが深堀されないことの物足りなさを感じる人はいるかもしれません。
あと、合戦モノなので生き死にの部分がやっぱりエグい反面、なんでこんなギャグっぽい展開?って突っ込みたくなるヶ所もありました。なんかちぐはぐな感じ。その辺と、主人公含めた登場人物の魅力の無さが減点です。
歴史の教科書のダイジェスト。
中盤以降の展開が分かりにくい
個々の映像は素晴らしい。だが、全体は盛り込み過ぎで消化不良。
司馬遼太郎の小説の映画化作品。
うーん。あまり司馬遼太郎の本は読んだ事は無いですが、なんか、司馬遼太郎っぽいなと思ったらだめでしょうか?
いや、個々の映像は素晴らしいんですよ。俳優陣も、岡田君に役所さん、そして平さんと、時代劇の経験が豊富な方々で、所作にも不自然さは無いし、映画と言う事なので、衣装や背景にも(たぶん)お金をかけて良いものを使っている。なので、個々のシーンは、大河ドラマを凌駕する様な、非常に質の良い時代劇映像なんですよ。
でもね。でもね、通してみると、何かモヤモヤとしっくりこない気がするんです。なぜなのか。ここからは、完全に個人的な主観ですが、盛りだくさんの内容の司馬遼太郎の原作のすべてを映像化しようとして、映像に詰めきれなかったんじゃないですかね?だから、なにかぬぐい切れない違和感を感じる。
それと、これは好みの問題ですが、初芽を軸としたラブの話なのか、あるいは、三成の義を通そうとする話なのか、なんか焦点がボケていた感じもします。まぁ、ここで不必要に、初芽とのラブの話に重点を置いてしまうと、誰も期待していないので、完全にダメダメになってしまったとおもいますけどね。
でも、かなり不勉強でした。初芽って、司馬遼太郎の創作だと思ったんですが、インターネット上の情報によれば、本当に居たんですね。正直、このあたりの歴史の知識は、昨年の大河ドラマ『真田丸』によるところが多いので、真田家の話は厚いかもしれませんが、それ以外のところは薄目かも(笑)。でも、『真田丸』見ていて良かったですよ。三成と大谷刑部の友情は、あれで学びましたからね(笑)
最後に。繰り返しになってしまいますが、個々の映像は素晴らしい。でも、通すと?と言う、ちょっと残念な感じでした。
主役に魅力がなさすぎる
戦国物の中ではよくできた作品
期待が大きすぎた?
歴史好き向け。
大河では不可能な合戦シーン!
どうやって撮ったのかというド迫力の合戦シーン!!構図も構成も素晴らしい。細部の美術に至るまでリアルな戦国合戦が体験できる。重要文化財等もう2度と見れない場所で多く撮影されており、それがさらに没入感を誘う。役所・滝藤・岡田・平の演技が巧みで引き込まれた。特に役所広司は天才ぶりをいかんなく発揮しており唸るばかり。
ちゃんと武将の名称や誰の本陣かのテロップが字幕で出るしナレーションも大河みたいにあるので問題ない。
いよいよ合戦に向かっていく臨場感はすさまじく、こんなに日本映画で興奮したのは久方ぶりである。これは絶対劇場の大スクリーンで見て欲しい。ほんと参戦したいくらいに興奮する。
それぞれの武将のキャラもたっており、島左近は見惚れるほど。最後の三成にはほろり。
岡田准一の馬術が国体級に凄い!時速40キロで飛ばす馬上からの手斧、とくとご覧あれ!
これ程の合戦シーンは人生最後だと思う!パンフレットに歴史的背景が詳しく書かれているので先にそれを読むのがいいかも知れない。
役者がいい!
もう一度見たい!
石田三成役は岡田准一さんがぴったりだと感じました。
以前テレビで岡田さんが「ちょっとしたこだわり」についてお話していたので、それを見てから映画を見ました。いざそのシーンになると「おお!」という感動がありました。岡田さんの細かいこだわりが映画の見どころの一つでもあると思います。歴史要素・恋愛要素の両方があるので見ていて全く飽きません!
そしてもう一つの見どころは石田三成の言葉です。映画の中の三成の言葉がとてもかっこよく、身に沁みました。それが岡田さんだったからというのもあると思います(笑)
合戦のシーンもスケールが大きく、リアルで見ごたえがあります。
これは私だけだと思いますが(笑)、合戦のシーンを見ていて「昔の人はこうして亡くなった方もいるんだ」「家臣がなくなるとどういう気持ちなんだろう。」と考えすぎて泣きました。
歴史が好きな方にも、そうでない方でも両方おすすめです!
歴史好きな私にとっては最高の作品でした。
残念
司馬遼太郎の関ヶ原を読んだのが中学生の頃だった。
日本人なら誰でも知ってる合戦’“関ヶ原”それが今作でどの様に映画化されるのかと楽しみにしていた。
冒頭司馬遼太郎の語りで始まるシーンはこれから始まる大きな時代の流れを感じされる物語としては期待も膨らんだ。
しかし此処までででした。
この壮大な時代絵巻を描ききれてない。
東軍、西軍に関わる人間関係が今ひとつ分かりづらい。
司馬遼太郎の原作を読んでいてもその流れを掴むことは容易ではないだろう。
わからぬままどんどんと話は進んでいく。
短い時間の中で描かなければならない制約もあるかと思うが此れではこの物語に入り込めない。
原作には無い忍びと三成の恋模様も人の残酷さとの対比としての狙いも分かるのだがいかんせん関ヶ原の戦いに発展していくストーリーも中途半端になってしまっている。
キャストは豪華だが役所広司さんの家康は違うんじゃないかと。
一年前に関ヶ原の映画化が発表された時にとても楽しみにしていた分残念でならない。
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