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結構B級映画の部類だと思うのだが、
物凄く深く共感できたのはワーママで、
仕事家事育児どれにも全力を出して手抜き不可な、
主人公そのものの性格だから。
アメリカで作品化される主人公像が、日本のワーママと近いのは意外。
職場も不在になられたら暫くは困るはずと断言できるので、感化されてアホくさって出勤やめてみようかな?なんて悪い気がわいてくるが、日本でそれは許されないので、仕事は誠実に着実にこなして登る一途のみ。
子供が巣立つ後の人生もかなり長いので、
仕事は自分のためにも積み重ねていく選択のみ。
家事は日によりテキトーになる日もあるが、
母親業に休みはなく、子供の環境と紐付くので、
結局は家事もおざなりにはできないし、
送り迎えと買い物を隙間に入れながらこなしていく日常もその通り。
限界を迎える日もあるし、ピンチが重なる日もあるし、思いっっきりはっちゃけたい時もあるが、作中は社会的アウトな極端な方法ばかりで無理なので、見るだけならOKよねと見る事で発散するための作品。
PTA会長のグウェンドリンの子供達は一体どんなに素晴らしいのか、とっても気になるところだが、
グウェンドリンが理想像に縛られた虚像から解放されただけでも良かったわ。
噂になると子供にしわ寄せがいくし面倒だから、テキトーに体裁を保つだけで、実際は作中ほどひどくも極端でもなくても、完璧な暮らしなんてしていないママが殆どなことを、実は誰もがみんなわかりきっている。それなのに、なぜか取り繕う人が多い。
女性推進とかフェミニズムとか、やたらと言いたがり、男女をあえて区別して女性が女性がと言いたい方々には自由にやっていただけば良いだけで、
ただただ、親である大人は子供をできるだけ温かく育てましょうよ。それがしやすい社会の目にしましょうよ。それだけ。
ママの実態なんて大抵は20代後半〜50代くらいのおばちゃんなわけで、いくら取り繕ったところで、おばちゃんな事実は変わらないのだわ。
見た目も老けてくるし、仕事も立場があり否が応にも知識もついてくるので、心が優しい綺麗な純粋女の子のままでは社会人もママもこなせない。ミッションが多すぎて段取り鬼になるので、いつでもほんわか笑顔癒し系でなんていられるはずもない。
自分のことを、頑張れば完璧でいられるだなんておごらず、ダメな自分を素直に家族にも見せて、
ママに任せたら危ういからしっかりしないとと自覚して貰うのが実際の理想的なママ像じゃないかな。
あとは、我慢しすぎて激昂したり、ネガティブに陥ったりの、激しいメンタル上下を起こさないのが理想的なママ。
その理想に辿り着くまでの過程を描いた作品なのだが、上の子が高学年になるまで頑張り尽くし続けていた主人公、すごいな。
あんなにためて夫が戦力外になり自分も爆発する前に、自分で機嫌を取れる範囲でしか頑張らない癖を覚えなければならないのだが、これが出産前から頑張り屋と呼ばれていた部類の人間には本当に難しいこと。
サボれば自分だけでなく家族や子供にしわ寄せがいくとわかっているのに、目の前に見て見ぬふりをして、明日の自分や将来の子供にツケを作るようなものだから、ついつい無理をしてしまう。
ただ、20代からママしているが、今の方が見た目も体力も衰えているのに多少楽。
自分への諦めを知るのと反比例に子供は成長してくるし、過去の自分の頑張りが仕事やお金の面で多少は支えてくれる。
だから、上手な息抜きももちろん必須なのだけれど、
基本的には目の前にしっかり向き合い頑張っていることも、将来の自分と家族には必要だと私自身は思う。
作中では、23時お開きでも早いようだが、翌日学校なのに家にわんさか人が来てのパーティーとか、スーパーで荒らしまくるとか、お尻が軽いお友達とか、スパに潜り込むとか、保護者間での恋愛とか、たがの外れ方もすごかったのだが、今深く共感できるくらい疲れ切っているママには、ハメ外して息抜きをと言うよりは、その頑張りが必ず報われるから、将来の楽を作っていると思って一緒に頑張りましょうと伝えたい。
世界的にワーママは大変なようなので、世界に味方がたくさんだ。そう思えた作品。