ニコニコ動画を運営するドワンゴおよび庵野秀明率いるスタジオカラーが、日本のアニメーションの可能性を探求すべく立ち上げた短編映像企画「日本アニメ(ーター)見本市」の劇場上映第2弾。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の前田真宏監督が手がけた第13話「Kanon」、「キルラキル」の今石洋之監督による第14話「SEX and VIOLENCE with MACHSPEED」をはじめ、セカンドシーズンからの8作品、サードシーズンからの4作品に加え、新作として、1980~90年代に人気を博した「機動警察パトレイバー」を復活させた「機動警察パトレイバーREBOOT」を上映する。
一発目は『Kanón』。初っぱなのインパクトを与える作品とすればこれ以上は無い位、怒濤の場面展開と演出、そしてセンスの洪水が溢れかえる。これが緩急をつけて間欠泉の如く吹き上がる映像のスピード感は中毒にもなり得るくらいの画力だ。ストーリーもキリスト教的西洋思想を俯瞰でみれる内容で、興味深い。観ている観客を置いてけぼりにしていく疾走感は、この後の『SEX and VIOLENCE with MACHSPEED』という作品の凄まじいドライブ感も同様に、一つの日本アニメの表現方法として楽しめる。もうストーリーや細かい演出は抜きにして、人間のキャパを超える程の情報量を洪水の如く流し込む効果は、只々脳内物質が沸騰する程、ハイになれる。話の展開も、ダッチワイフなんてものをギャグに使えるセンスは大変高い。