ソムニア 悪夢の少年
解説
「ルーム」で世界的注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイが、悪夢を現実化させる特殊能力を持つ少年役を演じたサスペンススリラー。幼い息子ショーンを亡くした夫婦マークとジェシーは、新たな人生を歩むべく8歳の少年コーディを養子に迎え入れる。しかしコーディは夜になってもなかなか眠ろうとせず、蝶の図鑑を眺めてばかりいた。ある晩、リビングで過ごしていた夫婦の前に、突如として美しい蝶の群れが出現。さらに別の晩には、死んだはずの息子ショーンが姿を現わす。この不思議な現象がコーディの夢から発生していると知ったジェシーは、ショーンと会いたいがためにコーディを眠らせようとするが……。「ミスト」のトーマス・ジェーンと「アリスのままで」のケイト・ボスワースが両親役を演じた。監督・脚本は「オキュラス 怨霊鏡」「人喰いトンネル」のマイク・フラナガン。
2016年製作/97分/アメリカ
原題:Before I Wake
スタッフ・キャスト
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2020年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
最初は何か怖い事が起きているけれどそれがどうも説明不足で全体像が掴みにくく、あの蝶が何かとか怪物が何かとか、少年とどう関係があるのかということが気になりつつ観ていた。怖さもそれなりに出ていたし演出も悪くないのだが、夫までどうにかなるし状況がわからないまま物語は進みこのまま終わるのかと危惧していた。もしそうならばただの怖い雰囲気だけで終わる作品に過ぎないと思っていた。
そうしたら結末近くに一気に状況がわかってすっきりしたし、虐めっ子がちょっとものを壊したことで殺されるなんて随分と酷い話だと思ったが、子供の無意識が行っているという事なら納得できる。子供がキャンサーをキャンカーと間違えて読むのもいかにもありそうだし、そこから生じた誤解というのも良く出来ている。
また怖いだけの話でもなく、むしろ家族の愛情と再生の話でもあった。子供を亡くした母親のジェーンが、子供と再会するためにコーディの能力を使用してしまう場面がある。このジェーンの行動が悲劇に繋がるのだが、子供を事故で亡くしてしまい未だに心理療法に通い続けているくらい心に傷を負っているのだからそれはやむを得ない。超常現象が起きていて目の前に自分が長年欲しがっていたものがあるのに、誰がその後に襲ってくる怪物のことを予想してそれを拒絶出来るだろうか。逆に言えば自分でどうにも止められないくらい傷が深いのだからこそ心理療法に通っているのだし、子供を亡くした母親の感情は理屈で簡単に制御できるものではない。
だからこそジェーンは自分の息子の代わりにコーディを養子にしたし、偶然コーディの能力を知って彼を利用したし、その後に真実を知り自分の間違いを悟り良心に従い行動した。誰が彼女には心の傷を癒す何かが必要だったし、心の傷を過去のものにして愛情を良い方向に持つことが出来た。
コーディも他の誰もが解決出来なかった彼の能力の問題を、ジェーンが真実を突き止め理解し愛情を注いでくれた。コーディは自分の意志でそうしたのではないとしても、結果的に人を殺している。前の里親はコーディの能力に気が付き彼を殺そうともした。自分も観ていてコーディの力は危険だから殺されても仕方がないと思ったが、それでもジェーンは彼を救った。
前の里親の事件と夫が消えるなど大きな犠牲を払っているので必ずしも大団円という結末ではないが、人は間違いを犯すものだ。そのうえで過去に区切りをつけて希望を持って未来に向けて進むことが出来るのならば、最高の結末ではないのだとしてもそれは良いのではないか。
2019年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
息子を亡くしてからは夫婦揃ってセラピーに通うほど失意のどん底だったマークとジェシー。8歳の少年コーディの里親となり、新たな人生を歩もうとしていたが、死んだ息子ショーンの写真や映像を見せた晩には死んだはずのショーンが目の前に現れたのだ。やがて、カラフルな蝶たちとショーンの亡霊はコーディの見る夢が具現化したものだと気づく。
特にジェシーはもっともっとショーンに会いたいがためにコーディに夢を見させるよう努力するのだ。しかし、コーディには良い夢も見るけど、悪夢も見る。彼が名付けたキャンカーマンだ!彼の実母もキャンカーマンに連れ去られたと信じるコーディ少年。クラスのいじめっ子もキャンカーマンに襲わせ、行方不明となった・・・
夢をコントロールできるなら、これほど幸せなことはない。だが、悪意のキャンカーマンは突然襲ってくる。怖くなったコーディは不眠症に陥り、看護師ジェシーは子供用の睡眠薬を処方してもらうことに。だけど、彼が起きられなくなると、キャンカーマンも退治できない・・・と、ついに悪夢が現実となり、夫のマークがキャンカーマンに連れ去られてしまうのだった。
幻想的な蝶や会いたい人に会える幸せな夢、そしてキャンカーマンの悪夢が表裏一体となる。映写機代わりにしてしまってごめんね・・・などと、ジェシーも反省するのだが、時すでに遅し。都合のいい夢だけ見るなんて考えが甘かった。なんとか夫を取り戻そうと奔走するジェシーであった。終わり方もジェシーが再び心を入れ替え、ハッピーエンディングに向かわせようとするのがいい。
子供の記憶はあやふやであるというのがよくできた設定であり、新しいモンスターの登場にもわくわくさせられました。死因のトップを走り続ける病気なんてリアルすぎるから、今後はキャンカーマンを使おうかな。
「この度はご愁傷様。お若いのに、死因はなんですの?」「実はキャンカーマンに連れ去られまして・・・」
2019年11月18日
Androidアプリから投稿
213.ドクター・スリープが楽しみなマイク・フラナガン監督の過去作品を続けて鑑賞
ホラーだと思ったけどファンタジーでしたね。光っている蝶の映像がとても美しいです。寝たらキャンカーマンが来るので、コーディが眠らないようにカフェインを摂って努力しているのが泣けてくる。ジェイコブ君これからますます期待できそうな俳優さんですね。