お嬢さんのレビュー・感想・評価
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韓国と日本の要素が交じり合い、奇天烈な世界が現出
日本統治下の韓国が舞台ということで、まずハングルと日本語が混在。さらに日本的な官能文化と、韓流のエロティシズムのミクスチャー。これらの要素が渾然一体となり、独特の異世界感を醸し出す。
原作は「このミス」海外編1位のイギリスの小説だそうで。三部構成になっていて、それぞれの視点から描きなおす構成が面白く、緻密に練られている。
秀子が金持ちの日本人たちに官能小説を読み聞かせる場面は、たどたどしい日本語の効果もあって、エロいというよりユーモラス。仰々しいSMチックな道具が出てくる段に至っては、笑いがこみあげてきて抑えるのが大変だった。
エロティック・ミステリーは多々あれど、この作品は従来の型にはまらない、奇妙な新しさがある。
感想
彼女たちの官能的なシーンは、1人で見てるのに恥ずかしくなって、じっくり見たいと思いながらも直視できず目を逸らしながら見てた。
こういう作品の初めての鑑賞は、びっくりして結構見ていられない。恥ずかしくなる。
もし二回目見たら内容をもっと楽しめると思う。
日本語がちょっと聞き取りづらくてわからないところもあったけど、支障なく鑑賞できたと思う。
主人公の表情がよかった。
詐欺師なのに、表情が幼くて真っ直ぐなところがあって、可愛げのあるキャラクター。
でやっぱり騙されてて、純粋だと知られてるのもいい。
ターゲットを好きになっちゃってプロに徹せない彼女のおかげで、お嬢さんも惹かれて二人が協力し合うことになってよかった。
二人とも賢い大人だったらこうはならなかったんじゃないかな。
他の作品では騙す側が二転三転する時、協力するより自分だけここから這い上がってやるとか情けをかけるより狡賢く出し抜いて勝ってやるみたいな展開多い気がする。
最初は秀子お嬢さんが全然魅力的に感じられなかったけど、後半に裏があったことがわかって実は賢く逞しくて、だんだん魅力的に思えた。
偽伯爵の彼がお嬢さんを少し好きになったように私も最後の方では好きになってた。
最後に偽伯爵に見せ場があったのよかった。
タバコ吸うとこ。
変態朗読クラブをエロい場面として終わらせず、スッキ(珠子)が怒り本を破くシーンがあるのいい。大したことじゃないと麻痺するが、お嬢さんに対する酷い扱いで侮辱で辱めを受けてて怒るようなことで、
スッキが彼女の代わりに彼女のために怒ってたのいい。
こういうの韓国作品はちゃんとしてるの多いと思う。
原案になったイギリス作家の小説は未読なので、元々あったシーンなのかどうかわからないけど…。
叔父のセリフはキモいのばかり。
わかりやすく変態で気持ち悪いキャラクターだけど、言ってる内容は今の一般人も男同士の猥談で言ってない?会話だとノリで流されるけど、最後の方のシーンは
韓国語のセリフで字幕だったから文字で見ると気持ち悪くてくだらないのが誤魔化せない。会話に乗らない偽伯爵との対比で尚更。
長い映画だけど最後まで見どころいっぱいで楽しめた。
変なとこも結構あるけど、どんどん展開するから気になるけどそんなに引っ掛からなかった。
ただ日本語のセリフを聞き取ろうとして音量上げてたから、女性の色っぽい声も大きくて恥ずかしくなった。
哀れなるものたち
ハマる要素がたくさん詰まってる
時代背景としては古く
当時の日本のお屋敷
そして洋館の豪華さが目を喜ばせる
その日本の財閥お嬢さんを騙して
詐欺する男と女
韓国人がカタコト話す日本語
どこか笑ってしまう
これも魅力の一つ
最大の見所は男たちの前で
詠み聞かせる男女の行為
を思わせる妄想が
心が身体もかき立たせる
もう一つは女どうしの行為が
息を飲むほどの艶やかさ
”甘い蜜”の様
この二人の女性の渾身の演技が
すばらしい。
…自由を求めて
秀子、珠子、伯爵の
この三人の騙し合いがおもしろい
…この世界観に
ハマらない人はいない…多分
フェティッシュな描写と変態的な設定。何度もひっくり返される展開で、...
フェティッシュな描写と変態的な設定。何度もひっくり返される展開で、長いけどグイグイ引き込まれる感じ。久々にパク・チャヌクを観たなあという満足感。
想像力を掻き立てる、五感を刺激する映画
ただ婬靡な世界を表現しただけの映画ではなく、その中にある、妖艶さ、荒々しさ、躍動感、画の構図が素晴らしい。女性二人の揺れ動く心の機微に思わず食い入るように観てしまいました。
こういう言葉にならない意思の伝え方は、さすがパク・チャヌク、上手いですね。
追記
キム・ミニは松嶋菜々子に似てるような
キム・テリは岡本玲に似てるような
気がする。
異空間JAPAN
すでに海外勢が作る日本像には期待はしていない。
日本スタッフが関わってても大概謎JAPANになるので。
なのでこの映画内の日本語が多少変でもまあいいかと。
他の映画に比べたらかなり頑張ってくれてる方だし。
原作既読。あえてイギリスの舞台を、日本統治下の朝鮮に変えた理由は分からないけど、
そのおかげで、より一層奇妙さが際立って
江戸川乱歩の世界のような異空間を思えました。
構成もわかってはいたものの、何より原作よりもさらにパワーアップしている変態度とエロさ。素晴らしい。
これはお嬢さん秀子がどれだけ魅力的に描かれるかがキモのお話。その点でもバッチリ。
日本であの役引き受ける女優さんいるのかなあ?
監督は日本贔屓なんでしょうか?
オールドボーイは原作が日本の漫画だし、今回は襖絵も日本の作品オマージュ?
変態本は春本ですしね。
そこも踏まえつつ今後も活躍が楽しみな監督さんです。
映画ならなんでもできる!
パクチヤヌク監督ならでは、な、設定が想像を絶する物語、
日本語タイトルお嬢さん、だが、予備知識なしで見たのでお嬢さん程度の方のお話かと思いましたが
お嬢様 の物語であり、
またエンドロールで、英語で、handmaiden というようなタイトルが出てきたように見えたが、韓国語のタイトルは知識語学力なくわからないが、原題というが英語タイトルは侍女のほうなん??とまたタイトル気になる作品でした。
日本統治下の朝鮮半島、下世話に出世意欲や一攫千金、成り上がりを目指し半端なく努力と才能を発揮する人間、なりすましの貴族、読書家という名のもと特殊読書の愛好家というかまあ単なる金持ちの変態が群がるお屋敷にたどり着いた泥棒詐欺ファミリー(血縁なくても事業ファミリー)
その若い女スッキと成り上がり詐欺師の伯爵と深窓のお嬢様の、生死をかけた、化かし合いと真の愛、性愛の物語、それぞれの目線からの第一部第二部そして事後譚として第三部、という構造で、ちょっとした不可解なセリフや情景がだんだん解き明かされていく過程が面白く、難解さもそこで解消され、お嬢様と侍女が類稀なる身体も心性も美しく、なりすまし伯爵は羽振り良い時も最後の痛みと死に至る時までクールにカッコよく、出てくる男はことごとくゲス野郎という完璧さ。
韓国人訛りの日本語で正しく語られる物語、このパラドックスもよい。
さすがパクチヤヌク監督と思うし、このような発想設定自体が、韓国映画の醍醐味であり、
日本憎しなんだけど日本というコンテンツに憧れてしまう韓国、日本は日本で和洋折衷大豪邸を作ってしまう日本文化への根拠なき偏愛と西洋文化への圧倒的服従(その裏返しのアジア諸国へのいびつで正しくない擬優越感情的なもの、を映画の中に余すことなく捉えており、
また女性同士の愛は奇怪なものとは捉えられておらず純粋さに溢れておりこれもまた本当に今現在ならやっとこごまで(日本はまだ。LGBTQ への差別を許さないと法律で宣言できないゲスな国、2023年だけどな)アップデートされた愛、その愛の普遍性を余すことなく、自然に描写していて本当に深さという点でもエンタメという点でも(韓国映画の良いところ!)完璧。
映画ならなんでもできる、なんでも見せることができる、なんでも聞かせることもできる、精神世界と現実世界の往還パノラマのような作品であり、耽美的かつコミカルなエンタメ作品でもある。脱帽。
【”デカダン。”女性同士のエロティシズム溢れるシーンに眩暈を覚える作品。今作は野望や変態性溢れる男達の中、恋心を貫き通し新たなる世界へ踏み出した二人の女性の姿を描き出した作品でもある】
ー 今作で、秀子お嬢様を演じたキム・ミニさんと、スッキ(珠子)を演じたキム・テリさん(もちろん、とてもお美しい・・。故に鑑賞中クラクラしてしまった・・。)の正に体当たり演技(だって、一歩間違えれば、女優人生が限られてしまう程の、倒錯した世界の中で必死に生きる姿を演じているのだから・・。)には敬意を表する。
更に、後年良い人役が続く、藤原伯爵と言う名を語った詐欺師を演じたハ・ジョンウの確かなる演技がこの凄き作品を支えているのは、間違いない。-
■1939年の朝鮮半島。
支配的な叔父、上月(チョ・ジヌン)と、彼の膨大な蔵書に囲まれた豪邸から一歩も出ずに暮らす令嬢・秀子(キム・ミニ)の下へ、新しいメイドの珠子こと孤児の少女・スッキ(キム・テリ)がやって来る。
実はスッキは秀子の財産を狙う藤原伯爵の手先だったが、美しく孤独な秀子に引かれてしまい、秀子も又彼女に惹かれて行き、禁断のエロティシズム溢れる関係になっていく。
◆感想
・物語構成は、今作の原作となったサラ・ウォーターズの「茨の城」に、ほぼ忠実である。(私見である。)
だが、今作の魅力は、美術陣が製作した”日本統治下の朝鮮”の上月家の豪邸及び、上月が所有する莫大な春本、春画(葛飾北斎や、北川歌麿が多かった気がする。)などの小物に拘った点である。
・更に言えば、韓国俳優の方々の多少片言になる所は有るが、流暢に話す日本語であろう。
ー ここは、パク・チャヌク監督の拘りであると思うし、敢えて片言にする意味も伺える。例えばドイツを舞台にした「ワルキューレ」で、ドイツ軍曹であるトム・クルーズが英語で喋っていたり(勿論、面白い映画なのであるが、気になってしまったのである。)、ハリウッド日本映画あるあるの類型的な日本人の描き方をしていない点である。
(勿論、韓国人と日本人の民族的には似ている点があるとはいえ・・。)ー
・そして、お互いに秘密を抱える秀子とスッキとの間に芽生えたレズビアン的な恋心。
ー それとは対照的な、”上月”と言う名を日本の上流階級の女と結婚して手に入れた朝鮮人の男(チョ・ジヌン)の屈折した思いから芽生えたと思われる異常なるSM嗜好をキッチリと描いている点も凄い。
大勢の日本人と思われる男達の前で、正座して春本を読まされる幼き秀子の姿。
男としては、女性に対して申し訳ない気持ちが込み上げるシーンであり、同性である変態的な”上月”に対して、複雑な思いを抱いたシーンである。
あのシーンは、女性に対する辱め以外の何物でもない。
今作の中で唯一違和感を感じたシーンであるが、申し訳ないがあのシーンがあるからこそ、この映画に深みが加わっているのも事実である。-
<ラストは爽快である。
秀子とスッキは旅券を偽造し、新たなる世界へ旅立つ。
一方、“獲物”に逃げられた”上月”は、藤原伯爵を拘束し、一本一本指を切り落としながら、秀子との初夜の話を聞き出す。
だが、”上月”が期待した話は藤原伯爵からは得られず、初夜の床に在った血は、秀子が自ら処女から女になった事を知る。
今作は野望や変態性溢れる男達の中、恋心を貫き通し閉鎖的な世界から、新たなる世界へ踏み出した二人の女性の姿を描き出した作品である。>
エロい
2022年11月19日
映画 #お嬢さん (2016年)鑑賞
#パク・チャヌク 監督のミステリー映画
#キム・ミニ と #キム・テリ の過激な性描写シーン、春画の朗読といろいろあってR指定です
統治下の朝鮮半島を舞台にしているので、韓国語と日本語が入り交じってますが、日本語が聞き取りにくかったです
パクチャヌクめっさ怖…。
ただこれは本当に観て良かった。怖いだけじゃなく、話も面白い。キムテリはあんな長い日本語台詞をツラツラとよく憶えたものだなと驚いてしまいました。性的描写と暴力描写が多いので覚悟の上で是非観て下さい。以上!
思わぬシスターフット映画
日本統治下の朝鮮で、日本文化に憧れを持った大富豪の財産を狙い、泥棒の娘と詐欺師がその屋敷に住む"お嬢さん"を騙そうとする話。
日本統治下の時代設定で登場人物達がガッツリ日本語を喋りまくるのだが、いわゆるこの時代特有の日本人が見ると居心地悪い映画じゃない。でも、全く別の角度から日本という題材が必要な映画だった。
第2部で屋敷で行われている競売はエロ本の競売で、お嬢さん・秀子はそのエロ本の朗読を男たちの前でさせられていたことが明らかになる。有名な話だけど日本は性大国って言われてるぐらい、性的なコンテンツが豊富。だぶん屋敷の主人が日本を"美しい国"と言うのも性大国だから。これはこれで日本人としては居心地悪いわ(笑)
「女は無理矢理強引にやられると気持ち良い」というポルノによった間違った思い込みが、「タコ」によってそんなん現実でやったら気持ち良いわけねえだろ!!と思えるように暗に完全否定されているのが面白かった。
そもそもレイプとか無理矢理系のシュチュエーションで性的快楽を得ること自体、たとえポルノだとしてもかなりヤバいことだと思った方が良いと思うんだよな。
性的に搾取されてきた秀子がソッキによって解放される瞬間(エロ本などを破りまくるシーン)がとても良い。サスペンス映画だと思ってたら女性たちの絆を描くシスターフット映画だった。これをハリウッドの流れより早くやっている韓国映画最高です。
ど変態を見る三部作。
詐欺師の男が令嬢の娘と結婚して家から連れ出し、精神病院にぶち込んでお金だけをふんだくろうと企む。その架け橋として送り込まれたメイドと娘の話。
世界観が強烈。
ど下ネタな言葉がバンバン行き交う。しかも年少期の娘にも言わせる危なさ。そんな言葉を言わせる叔父がキモすぎ。
三部に章分けされており、ミステリー仕立てになっている。
ど変態映画と思って観たら「えっそういうことなん!」と一泡食らわされた。
字幕がほしい
はじめに強くお伝えしたいのは「必ず一人で見てください」ということ。
想像以上に露骨な性表現が多くって、ここまでとは思わなかった…っていう。
日本×韓国のミクスチャー感というかカオスな世界観は独特だし
”怪しさ”ってとこに振り切ってる感じが清々しかった。
ただね、日本語セリフが聞き取れなくって、あれは字幕つけて欲しかったなっていう。
すごい
前評判を聞いて、ネタバレまでは控えつつも口コミかなりみてたせいか、そこまでの感激?はなかったけれど。やはり衝撃作。
第一部のさいごで、ええー?!!となって、そこからはなんとなーく読める展開もありつつ、女優2人の絡み含め演技はあっぱれ。
こんな映画つくっちゃうんだね。いろんな意味で、韓国の映画界、監督は進んでるわ…
かなり卑猥な表現満載なので、1人で観ることを強めにオススメします
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