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河崎実監督はお馬鹿映画の巨匠、確信犯だから、くだらないとか、駄作などは褒め言葉、まじめにけなすと術中に嵌ってしまう。かといって褒めるところが見当たらないから何とも面倒臭い。
インタビューではシンゴジラ公開に便乗しない手は無い、怪獣モノなら勘違いして入ってくれるお客さんもいるかもしれないと吹いていた。
劇中でも日本の怪獣ものは所詮ぬいぐるみと言っていたが、怪獣プロレスと揶揄されるならいっそまんまのプロレスごっこにしてしまえという開き直り、低予算映画には渡りに船と言うものだ。
シンゴジラも変態するがこちらは人間の方がイケメンレスラー(飯伏幸太)、悪役レスラー(鈴木みのる)と変身。
いつもなら時事ネタはニュースペーパーが担当だが忙しかったのか今回は出番なし、冒頭から「セッタプ細胞はあります」とスタップ細胞の小保方さんをいじっていましたね。
下ネタいじりでスパイが狙うのがセタップ細胞でなく伸縮パンツというのも笑えます。
便乗したのは他にも、同時期公開の中井貴一がニュースキャスターの「グッドモーニングショー」、現場レポーターはそっくりさん(きくりん)の中井貝一と一字違い。さすが本家の公開前に仕込むとは仁義なき戦い。
キングシーサーのように民話とか伝承を持ち出すのは怪獣ものの定番だが、説明役はもののけ峠の謎の老人、泉忍道(堀田眞三)、人類学者だったりキャバレー好きの助平親父だったり意味不明、もっとも西郷博士(真夏竜)も女装趣味だから学者を小馬鹿にするところもシンゴジラ並み。
泉老人の主人公への特訓も「死ぬ気で滝を切れ」という体育会系丸出しの根性一徹指導、この技が効くのかと思わせて見事空振り、ハイテクも精神主義も無意味なのは痛快だが毒蝮三太夫が秘密兵器とは唖然、なんでも怪獣はババアなのでババア転がしの彼の出番なのだが、ウルトラマンやセブンの隊員でも活躍した人だから怪獣ものにでても不思議はない、ほかにもウルトラマンのスーツ・アクターの古谷敏さんやきくち英一さんが自衛隊幹部役で出ていたからまるで同窓会、西郷博士役の真夏竜さんはウルトラマン・レオでしたね。
ただ我の強い毒蝮さん、なべやかんやモト冬樹さんのようなエキストラ役では不満、きっと役不足とごねたんでしょう。やはり結末が毒蝮さんではひねり不足、不満です。
チョイ役で妙な人が絡むのはお約束、自称岡山の黒あわびこと作家の岩井 志麻子さん「大きいの欲しい!」には絶句、もはや常連ですね。
シンゴジラに便乗とは大胆不敵、しょせんごまめの歯ぎしりなんでしょうがB級映画の意地のようなものは伝わりました。