愚行録のレビュー・感想・評価
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タイトルと内容がぴったり
こういう独特な役って、やっぱり満島ひかりはうまいなぁって思う。 終...
現代日本人のリアル過ぎる本性
今作は、夏目漱石や太宰治の私小説を読んだ時のように、胸に突き刺さる言葉の連続であり、衝撃的な作品である。
週刊誌記者である主人公・田中武志(妻夫木聡)は、育児放棄で拘留中の妹・光子(満島ひかり)を気遣いながら、一年前に起きた一家3人惨殺事件の真相を追っていく。彼は関係者から被害者夫婦のことを聞くうちに、殺害理由が思い当たらないくらい善良な夫・田向浩樹(小出恵介)と妻・友季恵(松本若菜)の知られざる本性が次第に暴き出され、真犯人に迫っていくが・・・。
被害者夫婦はともに有名私立大学出身であり、付属学校から進学した学生だった。彼らとは異なり難しい大学入学試験を突破した一般学生との差が事件の背景になっている。現代は、貧富の差が拡がった格差社会だと言われているが、本作では、更に進んで、死語になった感のある、身分、階級、生い立ち、という言葉が飛び交い、実際に人々を苦しめている現実が露呈される。特に、主人公達家族の状況は、現代の家庭問題も反映していて悲惨であり、平等という言葉が空々しく聞こえる。
一年前の事件のことであり、インタビュー形式で、関係者一人一人に別々に話を聞いていくので、関係者は本音を吐露する。他者に遠慮しない建前なしの辛辣で自己中心的な本音は、聞いていけないものを聞いてしまった衝撃があるが、我々にもそんな感情が潜んでいることを否定することはできない。彼らの喜怒哀楽の少ない淡々とした話しぶりが不気味であり、凄味があり、何よりリアリティがある。眞島秀和、臼田あさ美、市川由衣など、芸達者の役者たちの演技力が光る。特に、妻夫木聡と満島ひかりの演技は出色の出来であり、大袈裟ではない抑制の効いた台詞、あまり変わらない表情で、心の中に秘めている憤り、怒りを見事に表現している。
真犯人の独白シーンが際立っている。何と表現すればいいのだろうか、人間の持っている全ての負の感情を詰め込んだ、切々とした独白は戦慄であり鳥肌が立つ思いがした。
観終わって楽しい気分にはなれない。しかし、絵空事でない現実を観たという実感が残る。リアル過ぎる現実に圧倒される作品である。
誰かしらに共感できる
タイトルそのまま
予告やストーリーを知らない方が楽しめる。なにがどう繋がっていくのかを辿っていくのが面白い。
内容は邦画っぽくなく、洋画にありそうな題材。ミステリー要素もあり、直に表現せずふわっと匂わせる感じがまた不気味さが増す。
男女の愛憎、理性の保ち、利己主義。
いろんな人間の絡み合い、めぐり合う。
大学という狭いコミュニティに入り込んでしまったがゆえの邂逅。
こういうのは見ている、聞いている分にはいいが、当事者にはなりたくない。人間まともそうに見えて腹具合なんてわかんないからヤダヤダ。
子どもに関してはDNA鑑定で一発やろ。
原作があるので原作見ればわかることだと思いますが、登場人物の年齢設定がわからないので、みつこたちが大学を出て何年後の話なのか。映画冒頭の週刊テラスの編集長が新聞を机に置いたときにチラッとみつこの年齢(35)が出ている。
TVの地上波で見たので冒頭
「本作はオリジナル版から10分程度編集されています。」とあったので何が編集されているのかわからず、レンタルしてまた見てみます。
こういう題材のエロゲーってあるよね。
追記
レンタル版で確認したところ
12:14-13:42 田中が田向家の正面を写真で撮り、側面に移動。通りかかった近所の人に声をかけられ事件についての会話。
27:02-28:08 エレベーターを降り閉まった後、田向と渡辺の居酒屋(無法松)シーン。山本さんエロかったよなーの会話。
31:59-32:08 宮村に会うためカフェに入る前の人通りのシーン。
33:30-34:07 宮村の客との会計シーン。客が大学の後輩ではないかと問いかけるシーン。
43:55-44:55 夏原「そんなところで働けてラッキーだね」の後。飲み会後駅のホームで宮村と尾形との会話。夏原について。
46:27-46:48 尾形のラクロスシーン。
53:30-53:37 電車の外の景色が流れるシーン。
56:02-57:08 田中が車で稲村の元へ向かうシーン。
1:40:40-1:41:39 電車内の中吊り広告を写すシーン。カフェオーナー殺人の新聞記事を田中が会社で見る。橘からTEL。
1:53:44-1:53:49 タクシーが走るシーン。
あとは階段を登るシーンを短くしたり、ちょっとした移動シーンを短くしたりしていました。
はじめから誰も美しい人なんていない、
妻夫木聡のバスの中で足が悪いフリをする演技からスタートしていく、、、
誰が悪かったとか社会的に勝ったとかよりも、敵にまわした相手が悪かったというか、
社会のサイクルの中でどこにでも誰にでも起こり得ることだと思う、
パチって途中で切れる感じ、
それを行動にするかしないかってところかなー
好きです、こうゆうゾクゾクしていく作品
救いがない
憧れ、妬み、嫉妬が絡み合い、溢れすぎている。大学生の内部生外部生なるものはそんなに多いものなのか?
一家殺人事件を調べ直していた武士は妹の関与を全く知らなかったのか?友達の証言から妹光の悪口が出始め、関与に気がついたとしても、殺してしまうのはまさに愚行。光が結局犯人だったが、嫉妬の挙句の犯行の様子。こちらも愚行。もし街で偶然会った時に無視されなければよかったのだろうか?いやいや、おそらく同じかな?兄妹共に殺人犯とは、、、
育った環境は確かに気の毒ではあるが、だからといって殺人の理由にはならないし、結局父だけでなく、兄とも関係を持っていて、死んだ娘は兄の子供。この行為も愚行。
あまりに愚行すぎて辛い思いが残る映画!
胸を張れる感情ばかりじゃない、人間だもの
【狂気なる人間を知る。ダークな雰囲気と狂気のオチ。】
・2017年公開の日本のミステリードラマ映画。
・エリートサラリーマンであった田向。家族円満で誰がみてもうらやましく思う幸せな田向一家(父、奥さんと子供2名)の惨殺事件が起こり、それから1年。犯人が全く分からず迷宮入り状態の事件を、主人公の記者 田中が、改めて周辺へのインタビューをしながら真相を追っていく。そこで明らかになってくる田向と奥さんの本性。また、田中にはシングルマザーかつ育児放棄とみなされて逮捕・精神異常を疑われてカウンセリングを受けている妹がいる。惨殺事件を中心として、妹も含めた田中の家族事情が絡み合っていく。という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・オチ(主人公が改めて事件の真相を追う意味)のゾゾゾ感が凄い
・「人間、誰しもが一見普通の振りして狂気な部分を持つもの」と凄い納得
・ミステリーとして面白い物語の流れ
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[物語]
・田向一家を惨殺したのはいったい誰だ!という基本の軸だけで物語をサクッと最後まで観れます。それに加えて、田向や奥さんの過去が洗いざらいに見えてきて「意外な一面」が露呈されていく。そして、一旦その2つに視点をずらしながらも、大きなオチが待っている。かなり良くできた、魅入ってしまう物語だと思いました。
[演出]
・独房で手に包まれる光子(主人公の妹)、終盤のカフェで窓越しに店内の行動を見せるシーン、光子の告白シーン…随所にある物語や状況を真正面から表現せずに、ちょっと斜めに切り込んでくる感じの魅せ方の作りこみが好きでした。
・全体的に昼間でもどことなくダークな雰囲気を感じさせてくれる一貫性も好きですね。
[映像]
・ドラマ系の映画なので、際立って感じたことはありません。
[音楽]
・おどろおどろしいBGMが、映画の恐怖感(≒人間の恐ろしさ)を際立たせてくれていて非常に良かったと思いました。
[演技・配役]
・妻夫木聡さんの「インタビュー中の何とも言えない反応」が独特で、最初は「え?この演技大丈夫?」なんて不安になりました。が、見続けていると、この違和感こそが唯一無二のキャラクターに感じてきて、非常に良かったと思います。あえての役作りに思えました。満島ひかりさんの実は精神異常になりきっていない「田中光子」の演技も抜群でした。「田向」役の小出恵介さんも、嫌み全開なキャラクターなのにどこか純粋で簡単に憎めないキャラクターを非常にお上手に演じられていたと思いました。
[全体]
・この映画は、登場人物たちの「本音」や「行動の真実」がはっきりすることで「スカッと」する終わりを迎えられます。が、決してその辺をはっきりはさせません。カフェ店員の本音、田向奥さんの本音、田中兄弟の本音・行動の原因・事実…ですが、割と簡単に読み解くことはできます。例えば、記者である田中が「なぜ1年経って惨殺事件のインタビューをやりたいと言い出したのか」は映画観れば大体予測がつきます(これはゾゾゾでしたが)。想像しやすいんですね。タイトル「愚行録」から察するにも、割と深めのテーマを扱っているにもかかわらず、万人に見せる映画として憶測をしやすいように優し目のミステリーにしてくれているのかな、と個人的には高評価です。
・最後に、この映画を観て私が感じたことは次のようなものでした。
- 人は常に常識的でありながらも、ふとしたきっかけで愚かなことをしてしまう異常的さもある。
- ある日突然精神異常になったら人間が100%変わるのではなく、常に常識的な部分も異常的な部分も持っていて、単純にその比率が変わるだけ。
- つまり、あなたもあなたの周りの人も、誰もが愚行を犯す精神不安定な部分(異常的)と、それを隠そうとする利己的な部分(常識的)を、普段から意図的に使い分けて(共存させて)生活しているということを忘れずにね。
・ありがとうございました。
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#全体3.6 #物語3.7 #演出3.5 #演技3.5 #配役3.5 #映像3.5 #音楽3.6
暗い気持ちになる
なんて力のある監督だろうか
内部生とか外部生とか、クッダラネ
またしても、TV神奈川にて鑑賞。そして、大好きな番組「爆笑!ターンテーブル」を観ながらレビューを書く(これは酷い)
忘れないうちに書いておきたいんだけど、
①高校生まで、実父だか継父だか(←よく聞いてなかった)に日々レイプされていた子が、その後持ち直して、附属高校がついてて「名門」って言われてるような大学に受かって入るって、相当なパワー&エネルギーっていうかむしろもう不死鳥だと思うんだけど、どうなんだろう
②そしてそんな過酷な半生(たまに聞く話だが、母親には"誘惑したアンタが悪い"って言われたらしい)を送った子が果して、「大好きな人と子どもと幸せな家庭を築きたい」という、月並みというか凡庸な願いを持つだろうか、そんな簡単に
②はあるかも。でも①は、、 まぁ、実際にそういう人がいたりそういう事件があったというのなら、黙るよ(笑)
Jolandaは女子大出身ですが、インカレサークルとか高学歴男子とか「えーすごーい○○クンすごーい」とかボンボンとか全員同じ髪型+ほぼ同じに見えるコーディネートで薄ら寒い下ネタ言いながらうちの文化祭に集まってくるボンボンとかを尻目に見ながら、バイト先のフリーターとばっか付き合ってました。後悔はない(笑)
狂ったら笑うテンプレ
映画は面白いシーンもいくつかあり
飽きずに見ることができた。
ただ気になる点も多い。
第一の殺人は衝動的な殺人だったことが
のちに分かるが、1年も犯人が分からないとは
無法地帯すぎる。
女性を就職のコネに利用しようとする
男が就職前に女にネタバラシするのは
愚行すぎる。
詰めが甘い。
そして、作中狂った女が3名出てくるが
全員狂ったタイミングで笑い出す。
これが一番キツい。
狂ったら笑う。このテンプレが痛すぎる。
最悪、最後の満島ひかりは良しとしたとして
コネ女の時は違う描き方をすべきだと思う。
というか、狂ったら笑うのか
または、狂う必要があるのか、
日本映画は、一旦ここを見直すべきだと感じる。
サイコパス、気が狂う、感情の破綻
そして、笑う。
この狂笑いを見るたび嫌気がさすので
映画の説明に事前にこの映画には狂笑いのシーンがあります
と、明記してほしい。
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