全米初登場1位に輝いた前作は、製作サイドのやる気をみなぎらせたのか、パート2が登場。製作の名にサム・ライミはおらず、キャストは演者含め一新された模様である。だがマーケット的には拡大公開だった前作とは変わり、本国でも劇場公開されず、DVDの販売がされただけであった。これはヒットを受けて突発的に作ったであろうホラー作品の典型的な例である。本作の救いは製作会社は前作と同じという事だ。よってスケールダウンは明らかだが、ある程度予算もあるようで見るに堪えない陳腐な描写は存在しない。
ヒロインがメリッサ・ジョージからキエレ・サンチェスへとバトンタッチしているが、顔だけでなく性格も激変している様に思えるのは気のせいだろうか。前作のラストシーンのあの表情は悲しみの中に復讐心が芽生えていた様にも思えたが、それ故に闘うヒロインと化したのだろうか。基本的には復讐の物語だが、ヴァンパイアに家族を奪われた人々は他にもいて、彼らが1つのチームとしてヴァンパイアを駆逐すべく行動を共にするのである。何とヒロインはそのメンバーのある秘密を持つ男性とデキる。前作のあの悲しみはどこへ行ったんだと誰もが総ツッコミを入れるシーンだ。
こんな風に本作の弱点はズバリ脚本にある。前作の切なさの残る作風をこれでもかとぶち壊してくれる。普通のB級ヴァンパイアホラーであれば問題なく鑑賞出来るのだが、前作のファンであれば悲しさはMAXであろう。特にラストシーンは無力さすら感じた。
実は本作のリリース後に、本シリーズの短編が2本製作されている。
それが「30デイズ・ナイト:アポカリプス」というタイトルで日本でソフトのリリースがされているのだ。だが正直、短編だからかも知れないが、これも別に観なくても全く問題ないかと思う。それを見させられた所で「だから?」の一言だからだ。 このシリーズは、本当に1作品で止めておいた方が良かったのでは無いかと思ってしまう。