「商業主義のためにテーマを一新した駄作」スター・ウォーズ 最後のジェダイ ジャック・O・ニールさんの映画レビュー(感想・評価)
商業主義のためにテーマを一新した駄作
脚本のひどさや、意味のなツイストのまわし方、魔法(ポッター化)か妖術化した、フォース(理力)については、皆さんの言うとおりに思います。
ただ……、
「過去を一新」と言うと、聞こえは良いのかもしれないが、その必要性は商業主義のため、邪魔になるテーマを 耳触りよい”過去を一新”という形で摩り替えたのだろう。これが本当の「ファントム・メナス」だろう。
現実の社会のシスは”ネズミー”に居たのかもしれない。そして視聴者である観客は……。
それで失ったものはスターウォーズに宿っていた”美学”であろう。美学はアイデンティティーの確立を支える一つでもある。
かつてデーブ・スペクターは”アメリカ人にとっての神話”と言っていた。それは、歴史の浅い彼の国にとって、長らく望まれてきた、国とその国生まれた人々のアイデンティティのより所であった。例えば、日本にはイザナギとイザナミの神話 欧州にはアスガルド神話があるように……。
商業主義(ゼニゲバ)ために、これからの販路拡販のためという視点から”古いもの”と見なされ、それは奇しくもジェダイが抹殺されたように、それが現実化した形が、”これ”なのだろう。”一新”という耳触りの良い言葉をつかって。
それが、”衝撃の真実”であり、フォール(理力)の何たるかを学んでいない者には、新たなアミューズメントの始まりであり、新しいスターウォーズの世界なのだろう。
”最後のジェダイ” それはネズミーの思惑とは別に、計らずも、これを観て ハラワタが煮えくり、悲しみに涙した 観衆が生み出すのかもしれない。ルーカス・フィルムに。